私訳・源氏物語

私訳・源氏物語

PR

プロフィール

佐久耶此花4989

佐久耶此花4989

カレンダー

バックナンバー

November , 2025
October , 2025
September , 2025
August , 2025
July , 2025
June , 2025
May , 2025
April , 2025
March , 2025
February , 2025

キーワードサーチ

▼キーワード検索

November 20, 2010
XML
カテゴリ: 源氏物語

さてそんな女房たちの中に、
たいそう年をとった 典侍 (ないしのすけ)という老女がおりました。

家柄もよく気が利いて上品なので人からの評判も良いのですが、
たいそう浮気な性分なのです。

源氏の中将 は、

『このような年令になっても、どうしてこんなに好色なのだろう』

と、訝しくお思いになり、典侍にお戯れを言い掛けて試してみようとお思いになります。

 すると典侍は源氏の中将との仲を、不相応とは思っていないのです。

源氏の中将は『呆れた』とお思いになるのですが、
さすがに面白くて典侍に話しかけなさいます。

それでも老女相手のお戯れを人が耳にしたならときまりが悪く、
よそよそしくお扱いになりますのを、典侍は『何と薄情な』と、本気で思っているようです。

 ある日、典侍が帝の御整髪に奉仕した時のこと。



この日の典侍はいつもよりうつくしく、容姿や頭の格好がなよやかでした。

衣装の着こなしもたいそう派手で、いかにも色好みらしく見えますので、
源氏の中将が『いつまでも若い気でいるものだ』と、不愉快にご覧になるのですが、
『それにしても典侍は、どう思っているのだろう』と、
さすがに見過ごすことがおできにならず、裳の裾をお引きになります。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  March 6, 2017 09:56:51 PM
[源氏物語] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: