私訳・源氏物語

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January 26, 2011
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カテゴリ: 源氏物語

同じころ、賀茂の斎院もお下りになられまして、
弘徽殿后腹にお生まれになった女三宮がお立ちになりました。

桐壺院も后も殊にご寵愛あそばした姫宮でいらっしゃいますので、
結婚もせず神にお仕えする特別なご身分となられますことを、
たいそう辛くお思いでいらっしゃいましたが、
他にふさわしい姫宮がいらっしゃらないのです。

儀式などはいつもの通りですが、荘厳で立派になさいます。

斎院には初めての葵祭ですので、
恒例の公式行事の他に新たな趣向も加わって見どころが多くなりました。
それはお人柄ゆえのこと、と見えました。

姫宮が賀茂の河原で禊をなさる日に、供奉する上達部などの人数は
決まっているのですが、声望が格別で容姿のうつくしい人ばかりを揃え、
下襲の色や表の袴の模様、それに馬や鞍までみな整えてありました。

 今回は特別な宣旨によって、大将の君も供奉なさいます。

祭り見物の女車には前々から気を配り、すでに立派に飾り立ててありました。

一条の大路は見物人や車で隙間もないほどで、恐ろしいほどの騒ぎです。

所々の御桟敷では、思い思いに精いっぱい飾り立てた車から覗く女の袖口さえもが、
うつくしい見物になっていました。






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最終更新日  March 6, 2017 09:38:59 PM
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