私訳・源氏物語

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July 3, 2011
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カテゴリ: 源氏物語

女は風情のある扇の端の方を折って、

「はかなしや 人のかざせるあふひゆゑ 神のゆるしの 今日を待ちける

(頼みになりませんわね。
逢う日として神も許すこの日を、こうしてお待ちしておりましたのに、
あなたさまは他の方と同乗していらっしゃるなんて)

しめ縄の内には、とても入れませんわ」

と書いてあります。


源氏の大将は、

「やれやれ、年甲斐もなく派手な事をするものだ」
と憎く、みっともないとお思いになります。

「かざしける 心ぞあだに思ほゆる 八十氏人に なべてあふひを

(浮気者のあなたがかざした葵は私にではなく、たくさんの人に向けてなのでしょう。
今日は誰かれなく逢える日ですからね)」

 典侍はこのお返事を、『ひどい』と思いました。

「くやしくも かざしけるかな名のみして 人だのめなる 草葉ばかりを

(葵の祭りが逢う日だなんて名ばかりですわ。
あてにならない草葉を頼みにしていたなんて、悔しくて)」

と、申し上げます。






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最終更新日  March 6, 2017 09:22:14 PM
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