私訳・源氏物語

私訳・源氏物語

PR

プロフィール

佐久耶此花4989

佐久耶此花4989

カレンダー

バックナンバー

November , 2025
October , 2025
September , 2025
August , 2025
July , 2025
June , 2025
May , 2025
April , 2025
March , 2025
February , 2025

キーワードサーチ

▼キーワード検索

October 20, 2012
XML
カテゴリ: 源氏物語

入学試験をお受けになる日には、上達部の御車が数知れず寮門に集まりました。

まるですべての上達部が集まったように見えるほど大勢の人にかしずかれ、
美しい衣装をお召しになって寮門をくぐり給える若君のご様子は、
ほんに貧乏学生の仲間入りなどできそうにないほど上品で可愛らしいのでした。

例の博士たちのように、みすぼらしい者たちの末席に列するのを
『辛い』とお思いになるのは尤もなことなのです。

ここでもまた大声で叱りつける儒者たちがいて不愉快なのですが、
若君は臆することなく問題をすべてお読みになりました。

昔が思い起こされるほど大学の栄えるころですので、上達部、殿上人、
それ以下の子弟までもが我も我もと学問の道を志して集まりましたので、
ますます学才のある有能な人物が多くなりました。

若君は文人擬生という事から始め、
すべてすんなりと合格しておしまいになりましたので、
師の大内記も弟子の若君もひたすら熱心に勉強にお励みになります。

源氏の大臣も頻繁に詩文をお作りになりますので、
博士や才能ある人たちは得意になっていました。

学問だけではなくすべて何事につけても、
その道に才能のある人が用いられる世の中でした。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  October 20, 2012 02:26:32 PM
[源氏物語] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: