Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2009/09/11
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テーマ: 中国&台湾(3304)
カテゴリ:
 上海2日目。この日はリストアップしていた市内の観光スポットをできるだけ多く回ろうという一日。ホテルの朝食バイキング(あまり期待していなかったが、なかなか充実の内容)を食べた後、早速街へ繰り出すことに。s-IMG_5654.jpg

 まずは南京東路を散歩しながら、地下鉄・人民広場駅へ。土曜日なので南京東路は朝から結構な人出。歩行者天国になっているので歩きやすいが、日本人と見て、「とけい、かばんあるよ」と偽物ブランド品を売りつけに来るのがうっとおしい。途中、広場のような場所で、数十人もの人たちが社交ダンスをしているのを発見= 写真左 。他にも公園では、集団で太極拳をしていたりと、中国人はグループで集まって練習するのがお好きなようだ。

 10分ほど歩けば地下鉄への出入口= 写真右 。上海の地下鉄網は1995年に1号線が開通し、今では8路線までに増え、最も便利な公共交通機関だ。自販機での切符購入方法は日本とほぼ同じ。基本料金は3元(約40円)と安い。s-IMG_5656.jpg

 さて、この日まず目指したのは、中国が誇る文豪で、日本人にも馴染みが深い 魯迅 (1881~1936)関係のスポット。浙江省紹興市生まれの魯迅は、南京や北京にも住んだが、晩年は上海で暮らし、この地で亡くなったため、墓も上海市内にある。

 そんな魯迅関連の史跡は、人民広場駅から地下鉄に乗って北へ15分ほど、虹口(ホンコウ)という地区に集まる。「虹口球技場」駅で降りて徒歩数分、まず「魯迅記念館」へ。ここで、魯迅という人の生い立ちや経歴を改めて知る(ちなみに虹口はかつて日本人租界があったエリア)。s-IMG_5657.jpg

 展示の中には、仙台医学専門学校(現東北大医学部)に留学していた魯迅が、恩師の藤野厳九郎教授から贈られた、裏面に「惜別」と記された写真もあった。魯迅は、結局、医学校を中退するのだけれど、藤野教授への感謝の念は終生忘れず、「藤野先生」という短編を書いたのは有名だ( 写真左

 上海時代の魯迅はまた、内山完造という書店経営者の日本人と深い親交を結び、経済的な支援も受けた。日中戦争のために、日本に対していまだ悪いイメージを持つ中国の人たちは少なくないだろうが、個人的には、こうした魯迅と日本(人)との縁を忘れずに、将来の良き隣人関係を築ければと思わずにいられない。内山の書店は今はもうないが、当時の資料や写真等を集めた「内山書店陳列室」が虹口の銀行支店の2階にある。s-IMG_5660.jpg

 虹口では、魯迅が晩年を過ごし、亡くなった家「魯迅故居」= 写真左下 =も訪れた。レンガ造りの3階建ての古い建物内の部屋には、家具やベッドなどがほぼ当時のまま残されている。客間もあり、当時としては立派な家だったに違いない。文豪の暮らしぶりがしのばれ、魯迅ファンなら必見の場所だろう( 写真右 =魯迅記念館)。s-IMG_5667.jpg

 さて、魯迅とお別れした僕らは、次なる目的地 「豫園」 へ向かう。「豫園」は、上海に来た観光客が必ず訪れるという中国式の名園だ。面積は約2万平方m。16世紀に四川省の役人が父のために18年の歳月をかけて造った庭園が元になり、その後荒廃した後、18世紀に上海の有力者たちによって再建されたという。

 現在では有料(大人1人30元=約400円)の「豫園」と、隣接するショッピング街「豫園商城」とを合わせたエリアを、広い意味で「豫園」と呼んでいるが、「豫園商城」にはみやげ物店やレストランが数多く集まっている。

 僕らはとりあえず庭園を鑑賞。広い園内は様々な趣向を凝らした建物や庭が迷路のような道でつながっており、出口を探すのに苦労するほど。ただし1時間も見ていると、どれも同じような庭に見えてきて、「まぁこの辺りでいいか…」と庭園を後にした。s-IMG_5676.jpg

 「豫園」はおそらく上海市内ではもっとも国内外の観光客が集まる人気スポット。この日も、まるで休日の原宿か心斎橋のようにごった返している= 写真右 。ちなみに、今では日本にも進出している小龍包(ショウロンポウ)の名店「南翔饅頭店」は、この豫園商城内の店が本店だとか。お昼はここで食べようと思っていたのだが、すでに長蛇の列。並ぶ時間がもったいないので、あきらめる。

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 ホテルで予約チケットを受け取った僕らは、旧フランス租界にある、 「新天地」 へ= 写真左 。人民広場駅からは地下鉄でひと駅の距離。租界時代の1920~30年代の石造りの住宅を修復し、おしゃれなカフェ、レストラン、ブティック、ショップ、映画館などに再生させた地区で、タイムスリップしたような気分に浸れる。

 2001年に誕生した新天地は上海でいま最もトレンディな地区で、地元の若い世代だけでなく、在住外国人にも人気のスポットだ。約100軒以上の店が集まり、センスのいいお土産が買えそうな店も沢山あり、上海の「熱い今」と「懐かしい過去」が同時に楽しめる場所だ(ちなみに新天地地区には、毛沢東、周恩来らが集まり、中国共産党第一回大会の会場となった建物が今も残り、名所の一つとなっている)。s-IMG_5700.jpg

静安寺 写真右 =は三国時代の247年の創建で、9世紀には空海も遣唐使として訪れた由緒ある寺とある。しかし、訪れた寺はどうみてもここ200~300年の間に再建されたように新しい。まぁ、この際、それは目をつぶることに。s-IMG_5707.jpg

 この夜の晩飯は、憧れの上海ガニ。上海ガニは「大〓蟹(ダーヂァーシエ)」=すみません、真ん中のヂァーに当たる簡体字が表示できません=という。残念ながら、今は少しだけ旬じゃないが、それは仕方がない。で、僕らが選んだのは 「上海漁亭」 という店= 写真左 。上海ナビというサイトに出ていた店だが、口コミ情報もあったので、まず安心か。早速、上海ガニの爪の蒸しものを頼み、他に酸辛湯、空心菜の炒め物、カニみそあんかけ炒飯も。s-IMG_5701.jpg

 しかし予想とは違って、カニの爪は、身があらかじめ出された状態で皿に乗ってきた= 写真右 。2種類のタレに漬けて味わう。自分で殻から身をほじって食べたかったのに、これは少々がっかり。でも、酸辛湯( 写真左 )も空心菜も旨かったし、飲んで食べて400元弱。まぁ、許すことにしよう。s-IMG_5703.jpg

 食事も終えた後はいよいよ、この夜のメインイベント 「上海雑技団」 。実は、最初は、見に行くつもりはなかったのだが、上海在住の中国の方から「見なければ絶対後悔する」と言われて、「そこまで言うなら」ということになった。雑技団は、上海市内でもいくつかの団体が別々の場所で公演しているが、この「雲峰劇院」を勧められた。

 開演は夜7時半。チケットは150元、200元、280元の3種類で、僕らは真ん中の200元の席にした。客席はほぼ満員。ショーは、司会役の女性が英語と中国語で演目ごとに紹介してくれるが、まぁ観れば分かるので説明不要かも。s-IMG_5738.jpg

 最初の演目は、伝統の竹登り。天井から吊された竹棒に登り、それをブランコのように振って、後ろの竹にバック転で飛び移って客席を沸かせるが、これはまぁ序の口。その後も、輪くぐり、皿回し、椅子タワー、フラフープ、帽子キャッチボール、ロープ・ブランコ、自転車( 写真右 )…と、バラエティに富んだ演目が1時間半に渡って次々と繰り広げられる。

 演技をしている男女は若い人が目立つ。小学生のような子供もいる。きっと地方から家族の期待を一身に背負って、このステージで頑張っているのだろうが、「ちゃんと学校にも行っているのかなぁ…」と気になる。s-IMG_5756.jpg

 腹一杯晩ご飯を食べた後なので、座席で睡魔に襲われるかもと心配していたが、一瞬たりとも目が離せない演技の連続なので、それは杞憂だった。圧巻はフィナーレの球面内バイクレース= 写真左 。金網でできた球面の中をバイクで走り回る。それが最初は1台、次に2台、3台、4台と増えていって、最後は5台。

 ぶつかりそうで観ている方もひやひやする。実際、ぶつかったら命に関わるから、チームワークを守るため血のにじむような練習を重ねているのだろう。5台がブンブン音を立て、高速で走り回る姿はただ凄いの一言。

上海雑技団はサーカスのようなものと言ってしまえばそうかもしれないが、アクロバティック・アスリートの本物のプロ集団だという思いを強くした。皆さんももし上海へ行かれる機会にはぜひ、一度ご鑑賞を!

【上海漁亭】 上海市華山路325号  【雲峰劇院】 同市北京西路1700号





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Last updated  2009/09/17 08:57:38 AM
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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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