Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2019/04/18
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【カクテル・ヒストリア第3回】
   「初めは違った」そのレシピ

 現代のバーの人気カクテルの約8割は、1890~1930年代に誕生したクラシック・カクテルである。しかし、誕生当時のレシピがそのまま定着しているケースは極めて稀だ。なのに、現代の標準的なレシピが「昔のまま」と信じ込んでいるバーテンダーも少なくない。

 例えば、マティーニは、ジンとドライ・ベルモットでつくる辛口カクテルの代表格。しかし1930年以前のカクテルブックを見ていると、マティーニと言えば通常、ジンとスイート・ベルモットだった。ジン+ドライ・ベルモットのマティーニが主流になるのは、1930年代後半~40年代以降である(写真左=初の実用的カクテルブックと言われたハリー・マッケルホーン著「ABC of Mixing Cocktails」=1919年刊)。

 また、現代ではジンと生のライム・ジュースを使い、辛口カクテルの代表格でもあるギムレットだが、英国で誕生した1890年頃は、「甘口系のプリマス・ジン+ローズ社製のライム・コーディアル(甘口のライム・ジュース)」という材料でつくるのが一般的だった(写真右)。

 時代が進み、バーで生ライムが手に入り易くなると、ギムレットはベースのジンも含め徐々に辛口志向になり、甘口の“元祖”ギムレットはいつしか忘れ去られていった。

 女性に人気があるアレクザンダーは「ブランデー+クレーム・デ・カカオ+生クリーム」というレシピだが、意外なことに、1930年以前は基本ジン・ベースで、ブランデー・ベースが主流になるのはそれ以降である。また、ソルティ・ドッグも現代では通常ウオッカ・ベースだが、1940年代後半の誕生当初から70年代前半まではジン・ベースが主流だった。ウオッカ・ベースが登場するのは70年代に入ってからである。

 「最初はそんなレシピじゃなかった」という有名カクテルはまだ他にもある。「過去」を知る・学ぶことは、時には思わぬ発見、そして「次のヒント」にもつながるから面白い。






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うらんかんろ

うらんかんろ

Comments

kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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