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2010.07.14
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今朝早くにはまだ雨も残っていたが、お天気は徐々に回復し午後は太陽が燦々と照りつけるようになった。
風は強いものの空は抜けるような青さである。
もう入梅も上がったような感じを受ける。

さて、時はほぼ3ヵ月前に遡る2010年4月11日(日)の朝8時、2連泊したシナイアのホテルを出発してブランに向かう。
ブランに9時半に到着。
すぐにブラン城へ。
おみやげ市場から見たブラン城
入口にはおみやげ屋の店が立ち並び、市場の様相を呈していた。

このお城はイギリス人ブラム・ストーカーが書いた小説「吸血鬼ドラキュラ」でドラキュラ伯爵の居城となったところ。

岩山の上に建っているこのお城は、1377年、ドイツ商人がワラキア平原からブラショフに攻め入ってくるオスマン・トルコ軍をいち早く見つけるために築いたとされている。


しかし、串刺し公本人はここに住んだことはないとのことである。

ブラン城の入口
お城の木戸口をくぐり、細い石畳の坂道を登るとお城の直下へ出る。

そこには不気味な十字架が立っていた。
十字架像


ここから見上げるお城はほぼ垂直に立ち上がっている。
ブラン城直下
小説「吸血鬼ドラキュラ」によれば、ドラキュラ伯爵は夜な夜なこの垂直の壁をトカゲのように這って出て行ったそうな。

お城の入口は、この岩の下の左側をぐるっとトラヴァースしながら登って行ったところにあり、そこから城内へと入る。

沢山ある部屋の一つに19世紀末から20世紀初頭のお城と中世の税関所の写真が掲げられていた。
19世紀末のお城とその周辺の写真
村からお城へ登る広い道がはっきりと見えている。
小説「吸血鬼ドラキュラ」の初めの部分に出てくるお城からのお迎えの馬車が不気味な燐光が輝き、狼の吠え叫ぶ中を走った夜道がこれなのかと想像をかき立てる。
この村までは乗合馬車で来たのだが、あのお城へは近づかない方が良いという乗客の忠告を無視して仕事のため行かなければならないロンドンのジョナサン・ハーカー弁理士(今の公認会計士か?)。乗客の老婆がそれではと十字架のペンダントとニンニクを彼に渡す。これはドラキュラがもっとも嫌うものなのだ。
そして彼はこのお城に閉じこめられてしまうのだった。


アプライト・ピアノ
奥方か、公女の部屋だったのだろう。
壁に掛かっているのは部屋の主の写真か。

上の回廊に出ると城内の丸屋根の教会も見える。
丸屋根の教会


また、中庭にある井戸も見下ろせる。
中庭を見下ろす
この井戸も小説に出てきたのではなかったろうか?

お城の見張り台


この部屋にはドラキュラ伯爵のモデルとなった串刺し公ヴラド・ツェペッシュ公の家系図が出ていた。
ヴラド家の家系図

そしてその隣には小説「吸血鬼ドラキュラ」の著者ブラム・ストーカーのコーナーが出来ていた。
ブラム・ストーカーのコーナー
中央にある写真などは映画化されたシーンの数々と思われる。

なお、小説「吸血鬼ドラキュラ」は100年以上経った現在でも平井呈一訳で創元推理文庫から出版されている(税別860円)。
綿密に練られた構成でとても面白い。


これは豪華な扉だ。
豪華な扉
さすがは貴族の居城。

また、天井の梁も綺麗に装飾されている。
装飾された梁


外を眺めるとそこにはトランシルヴァニア地方の風景がひろがっていた。
トランシルヴァニア地方の風景

同じように部屋の窓からも眺めることが出来る。
窓を通しての外の風景


中庭に降りたって先程の井戸を見る。
中庭の井戸
浮き彫りの模様も何か異様なものを感じる。

中庭の一角には記帳所があって、訪問者が自由に書けるノートが置いてあった。
私も一筆したためてきた。

そして出口へと誘われて城外へ出る。
中庭から出口へ向かう


往きに登ってきた同じ道を下って、おみやげ屋さんへと向かう。
このお店はコスチュームの専門店。
ドラキュラにちなんだ妖怪のお面がずらりと並んでいて面白い。
妖怪のお面がずらり
いろいろなカツラも用意されている。

向かいのCD屋さんからどこかで聴いたことがあるヴァイオリンの曲が流れて来た。

ひょっとして天満敦子の弾く「望郷のバラード」?

店に入って確認するとその通りだった。
この曲は19世紀末にルーマニアの音楽家チプリアン・ポルムベスクがオーストリア・ハンガリー二重帝国からの独立運動に参加し、政治犯として捕らえられた獄中で作曲したもの。
ルーマニア国内では有名だったのだそうだが、国外ではあまり知られていなかった。
それが20世紀末、チャウシェスク政権の圧政を逃れて西側に亡命した音楽家の持っていた楽譜がヴァイオリニスト天満敦子の手に渡り、日本でも有名になったのであった。

すすり泣くようなヴァイオリンの響きは深く日本人の心を捉えて離さないものがある。
特に女性に人気のある曲である。
それを知ってか、CD屋のオバサンは日本人が来るとこの曲をかけるのだろう。

ここはチーズ屋さん。
1788年の年号が書かれている家だ。
チーズ屋さん
直径20センチ、厚さ4センチぐらいの、表面を燻製にした香りの良いチーズを売っている。
「5months guarantee!」と大きな声を出して客に呼びかけていた(試食可能)。
1個千円程度だったと思う。
このチーズは水分が多いので、小形になるがパラフィンで表面を固めた球状のチーズの方が日本に持って帰るには良いと思う。

このほかドラキュラの顔を描いたTシャツやら、「ドラキュラの血」という赤ワインがこの市場での人気商品であった。

ドラキュラに捕まる

買い物をゆっくり楽しんだ後、次の目的地ブラショフに向かう。






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Last updated  2013.12.30 20:15:16
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Mitch29 @ Re:獅子咲きの椿(04/14) ChatGPTの返事 「申し訳ありませんが、は…
Mitch29 @ Re:夕暮れ富士(11/10) 昨今は日中雲が多く、富士はなかなか姿を…
はざくら2005 @ Re:夕暮れ富士(11/10) すてきな景色ですね。 こんど久々に東京に…
Mitch29 @ Re:令和4年 初富士(01/01) XONG清水 さん 新年、おめでとううござい…
XONG清水@ Re:令和4年 初富士(01/01) あけましておめでとうございます いつも…

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