きょうも、楽しさのおすそわけをいただきました。
ごちそうさま。
植草さんのいう「みつぎもの」っていう考え方はおもしろいですね。無駄の効用とでもいいますか。
けっこう応用がききそう。

 ところで、「くたばれ高野連」っていう2001年の記事をみつけました。http://www.geocities.jp/hgonzaemon/Go_to_hell_KOUYAREN.html (July 22, 2005 10:42:24 AM)

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July 22, 2005
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カテゴリ: 今日もいい日だ
さて、昨日の日記で「実は私にはもう一つ楽しみがあったのです」と書きましたが、その楽しみとは何だったかと言いますと・・・

じゃーん! 「古書店に立ち寄ること」だったんですー!

なーんだ、そんなこと、と思われたかしらん。でも何を隠そう、私は古本が大、大、大スキなのでありまして、古書店さえあれば、猫にマタタビ状態なのです。

もちろん新刊本を扱う書店も大好きなんですけど、やはり古書店というのは、新刊本の書店とはまったくカテゴリーが異なります。新刊本の書店というのは、要するに売っているはずの新刊本を売っているだけですから、別に驚きも何もないですが、一方古書店となると、「え、こんな本があったの?」とか、「長年探していた本があった!」といった具合で、とにかく驚きと感動のテーマパークなんですから。好きな人間にはたまらんです。

で、また古本には古本の神様というのがいて、私のように日頃から信心していると、時々耳打ちしてくれるんです。「今日はいいぞ・・・」とか「この店はいいぞ・・・」という感じでね。で、一昨日はまさにその耳打ちがあったんですわ。こりゃ、いかなかんて! (名古屋弁で「行かなきゃなるまい!」の意。)

で、訪れた古書店は、昼食会が開かれた「覚王山」のお隣の「本山」というところにある「大観堂」というお店。地下鉄の駅で一つ離れていますが、実際には歩いて10分程度なので、腹ごなしに歩いてしまいました。ちなみに大観堂には、過去、何度か足を運び、その都度発見があった良い古書店です。ブックオフで扱うような「白本」はあまりなく、かといってあまり専門的すぎる本を扱うわけでもない。ま、昭和30~50年代あたりの匂いのする雑本が商いの中心で、私などには一番面白い系統の店です。で、昨日お話しした昼食会が覚王山で開かれると決まった時から、帰りにこの店に立ち寄ろう!と決めていたんです。何しろ、神様からの耳打ちがあったもんでね。

それで、店に入るとまずは文庫コーナーを見て回ることに。いわば小手調べというか、前哨戦ですな。しかし、古本好きの方なら誰でも経験で分かると思いますが、古本探索においてはこの「前哨戦」というのがすごく重要なんです。つまり店に入って最初の5分以内に買いたい本を見つけられれば、その日は収穫ありと見ていい。逆に、もし5分以内に最初の獲物を捕まえられなかったら、その日は大した収穫なしに終わる場合がほとんどです。植草甚一氏のような斯道の大家となると、その日最初に入った古書店では興味があろうがなかろうがとりあえず5、6冊を買うと決めている人もいますね。そうやって買った5、6冊は、いわば古本の神様への貢ぎ物であって、それをすることでその日の「ツキ」をもらおうというわけ。

ところが一昨日はあったんです、最初の収穫が。中島河太郎著『推理小説ノート』(現代教養文庫・昭和35年)の美本。これは推理小説研究の大家である中島氏が推理小説の定義からはじめて、推理小説の歴史、古今東西の名探偵の分類、内外傑作小説の紹介などをコンパクトにまとめているものなんですが、中には写真も多く、また近藤正史氏による挿絵もいい。それにシュールレアリスティックな多色刷りの表紙絵(これも近藤氏によるものか?)もかなりいい。しかも出版当時の新刊案内まではさまっています。先日、ブラウン神父と決別はしましたが、それでもまだ推理小説に未練のある私としては、この本を手がかりにまた新たな傑作を探し出すことができるかも知れません。これは一つ、いただき、と参りましょう。

ということで、最初の獲物に勢いづいて店内を見て回ると、あちこちで「おっ!」という本に出会います。やはり、今日は古本の神様が私のそばにいらっしゃるらしい。もっとも、それらの多くはすでに私が持っているものではありましたが、それでもそういう「おっ!」は楽しいものです。



ちなみに、この本の著者である堀川寛一というのは、私の母方の祖父です。先日の日記の中で、もう少し長生きしてくれていたら、色々教えてもらえただろうに、と書いたその祖父ですね。ま、日本の演劇界・文学界の影の番長みたいな人なんですが、同時に近代日本を代表するキリスト者たちとの交流もあり、柏木義円氏の評伝たる『顕信録』などという著書は、この方面の必読書と言われています。私はこれまでの古本人生の中で、3度、祖父の本を掘り出したことがありますが、これで4度目となりました。

ところが「さ、お祖父ちゃん、私と一緒にお家に帰りましょう」などと言いながらこの本をレジに持っていくと、店主から「これ、実はまだ売り主の方から預かっている段階で、値付けをしていないんです」と言われ、がっかり。しかし、それはもう仕方がないことなので、値段が決まったら電話してくれるように頼んで店を出ました。お祖父ちゃんを連れて帰れなかったのは残念でしたが、それでもまあ、今日はしばしの間楽しく古本と遊ばせてもらいましたし、ここで文句を言ったら古本の神様に申し訳ないですから、ぐっと我慢しましょう。

というわけで、昼食会の後、さらに古本と遊んで楽しんだ私は、お留守番の家内へのお土産の意味も込めて、大観堂書店の向かい側にある「ララ・ハウス」という店でチーズケーキを買って帰宅することに。ここのチーズケーキは一種独特の食感で、とてもうまいんです。そして、帰宅後は今日の収穫の古本を家内に自慢しつつ、おいしい紅茶とおいしいチーズケーキをいただいたのでした。今日も・・いや、一昨日もいい日だ(った)。





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Last updated  July 22, 2005 12:28:53 AM
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お祖父様、内村鑑三関係で  
AZURE0702  さん
おやまあ、お孫さんですか。内村鑑三を調べていたころ、その関係書誌のなかでお見かけしたお名前。
ええ、たしかに堀川寛一氏。私の記憶にまちがいなければ。(山田) (July 22, 2005 02:25:18 AM)

ええっ! ご存じで!!  
釈迦楽  さん
AZURE0702さん
ええっ! 祖父の名前を覚えていて下さったのですか!? いやー、何か奇縁を感じますね。祖父は出身が群馬県の安中なのですが、安中というのは案外、近代日本のキリスト教史という点から見て重要なところで、柏木義円さんの他に、同志社を創った新島襄さんなんかも縁のある土地なんです。
それにしても、祖父の名を覚えていて下さる方と知り合うことができたとは嬉しいですネ! 今後ともますますお見知り置きを! (July 22, 2005 02:55:01 AM)

貢物(みつぎもの)  

本山。  
紅ずきん  さん
ご近所なのですか?
アタクシが最近目をつけていた街ですよ~
でも、思いのほかネットで情報をつかめなくて、「こりゃ実際に行ってみるしかないかな・・・」と思っておりました。
チーズケーキもかなり気になります。

そうそう内村鑑三と言えば、群馬では知らない人はいないほど有名(@_@)
「心の燈台 内村鑑三」(@上毛かるた)ですもの。 (July 22, 2005 07:50:08 PM)

本山と言えば・・・  
釈迦楽  さん
紅ずきんさん
そうですね、うちから本山まで車で30分かな? この間まで名古屋大学の最寄りの駅だったところで、駅から大学までの道沿いに服のお店が並んでいたりします。また逆方向に行くと、チーズケーキの「ララ・ハウス」があったり、「アートグラフ」というギャラリーがあったりしてね。本山の隣の覚王山も日泰寺の参道沿いにギャラリーや陶器の店や中国茶カフェなんかがあったりして、これもまた面白いですよ。ぜひぜひ遊びに来て下さい。特にララ・ハウスのチーズケーキはお薦め。厚焼きピザに慣れている人が、NY風の薄焼きピザにはじめて出会った時くらいの驚きかも。(って、私は上田晋也か?) (July 22, 2005 10:33:41 PM)

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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…
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