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November 23, 2005
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カテゴリ: 教授の映画談義



というわけで、昨日は疲労困憊です。今日が「勤労感謝の日」ってのも、個人的にうなづけるってもんですわ。

ま、愚痴はともかく、昨日の授業では3限と4限が「映画がらみ」の授業なんです。3限は「アメリカ映画入門」ですから当然なんですが、4限の「英語講読」の授業でも、今年はアメリカ映画『セヴン』の原作を読んでいて、授業の最後に映画版を10分くらいずつ見る、というやり方ですのでね。

ちなみに『セヴン』というのは、キリスト教が定義する「7つの大罪」を犯した者を一人ずつ殺していく、そんな一連の猟奇殺人事件の犯人を追う刑事ものですから、結構インパクトのある残虐映像の連続です。だもので、その日見せる分を見せ終わって教室の明かりをつけ、「じゃ、今日はここまで。また来週ね」といいながら学生たちの顔を見ると、今見たショッキングな映像の衝撃まだ醒めやらぬという感じで、お口あんぐり、座った目つきでこちらをトロ~ンと見返してくるもんだから、おかしくてしょうがない。あのね、これ「映画」ですから。ほんとの殺人事件じゃないんですから。

それはともかく、昨日は疲労困憊の状態で家に帰り着いたものですから、夕食後、何か仕事をしようなんて気が起こるはずもありません。ということで、昨夜は夕食の後、『ディナーラッシュ』という映画をビデオで見ることにしました。ちょっと前に評判になった映画で、前から見たかったものですのでね。以下、その話を書きますが、ネタバレですのでご注意下さい。

これ、ニューヨーク・マンハッタン南部の「トライベッカ」と呼ばれる地区にあるイタリアン・レストランをめぐる物語なんです。オーナーのジジは、かつては賭博の胴元なども務めていたこともある、暗黒街ともつながりのあるオヤジなんですけど、今はもうそういう方面とは縁を切って、レストラン経営一本でやっていきたいと思っている。しかも息子のウードがなかなか腕の立つシェフになっていて、店は今、ニューヨークでもっとも予約の難しい店の一つになっていますしね。もっとも、そろそろ息子に代を譲ってもいいかなと思いつつ、ジジとしては息子の作る「ヌーベル・キュイジーヌ」風の料理が気に入らないところもあって、その辺のことをめぐって父と子の対立があったりするのですが。

ところがそんなある夜、ジジの賭博の胴元としての地位とレストランの乗っ取りを目論む2人組のギャングが店に乗り込んできて、ジジを脅迫にかかります。ジジとは長年のビジネス・パートナーだった友人の男もこの二人に殺されてしまい、ジジとしてはちょっとやばい状況。暗黒街とはもう縁を切りたいと思っていたジジですが、暗黒街の方は「そうはさせじ」の構えなんですな。

ところがそんな折も折、この夜、店は未曽有の大賑わいとなります。評判を聞きつけた客が殺到しているばかりでなく、うるさ方の客の顔も散見される。先程のギャング二人組が居すわっている他、こちらでスノッブな美術評論家がお抱えの画家や取り巻きをつれて長居を決め込んでいるかと思えば、あちらではニューヨーク一の料理評論家がこの店の料理の品定めを口実に、男前のスターシェフ・ウードの品定めにやってきている。こういうやっかいな連中の扱いも含め、厨房と配膳係は殺人的な忙しさで、まさに上を下への大騒ぎ。しかもそんなてんてこ舞いの状態だというのに、ウードをサポートすべき副シェフのダンカンは、賭博にはまって心ここに有らずの有り様・・・。さらに、そろそろオヤジには引退してもらって、自分がこの店のオーナーになりたいウードとジジの間の親子喧嘩も進行中。そこへ持ってきて、なんと停電! 客席はもとより厨房も真っ暗。さあ、どうする!?

とまあ、この映画は人気イタリア料理店の一夜の喧騒を舞台に、幾つものストーリーが進行していくという話なんです。彼らは停電の中、引きも切らぬ客たちを捌けるのか? ウード渾身の一皿は料理評論家の厳しい評価に耐えられるのか? ウードとジジの親子喧嘩の行方は? 新しいオーナーシェフ誕生となるのか? ダンカンは博打中毒から抜け出し、彼のことを思ってくれているウェイトレスとの恋を成就できるのか? いや、それよりも何よりも、ジジはギャングの脅迫をはね返して店を守りきれるのか? その辺について気になる方は、どうぞ実際に映画をご覧になって下さい。



70点! 辛うじて合格!

ま、そこそこ面白いのですけど、エピソードの一つ一つに、いま一つ深みが足りないところがありますのでね。

でも登場人物の中に、何人か印象的な人物がいたのも確か。映画『レオン』でもイタリアン・レストランのオーナーの役で出ていたジジ役の俳優さんも、いかにもそれらしい感じで良かったし、ちょっと柳生博似の厭味な美術評論家も嫌ったらしさがうまく出ていて良かった。また実は裏稼業を持っていたことが後で分かる人当たりのいいウォール街の投資家役の人も良かった。でも一番良かったのは、レストランのバー部門の雑学王バーテンダーだな。あんなバーテンが居る店だったら、僕も行って雑学をめぐって張り合いたいようなもんですわ。

逆にワースト俳優は、ダンカン役の俳優ですね。エキセントリックな賭博ジャンキーの役で、ある意味一番演じ易い役なのに、その演じ易さそのままに安易に演じているので、画面から浮いてしまっている。2流のティム・ロスになりたいなら、いっそあなたはタランティーノのB級映画にでも居場所を見つけなさいって。

というわけで、「アメリカ映画入門」の授業でちょい見した3本の映画(『シェーン』『ゴッドファーザー』『フルメタル・ジャケット』)と『セヴン』、それに『ディナーラッシュ』と、昨日は5本の映画を見て、忙しくも映画漬けの一日となったのでした。こっちが「映画ラッシュ」ですわ。ほんと、今日が勤労感謝の日で良かった・・って、これ、さっきも言ったか!?





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Last updated  November 23, 2005 02:35:39 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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