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November 29, 2005
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カテゴリ: わけ分からん



 しかしこのご時世、毎年毎年じゃんじゃん新しい大学の開設を認めちゃって、ほんとに大丈夫なんでしょうか? 私は大いに疑問だけどなー。

 だって人口統計みりゃ分かりますが、今から10年ぐらいすると少子化の影響が出始めて、受験生がんがん減りますよ。それなのに大学の方はどんどん新設されるとなったら、先行きえらいことになるのは目に見えているじゃないですか。

 今ですら受験生の数に比して大学の数が多過ぎる。ですから愛知県内でも大変なことになっていますよ。数少ない受験生をめぐって、大学間で争奪戦が繰り広げられますからね。国公立はまだいいとして、私立の名門大学ですら、正規の入試がA日程・B日程と2回ある。これに加えてやれ「推薦入試」だ「AO入試」だって、都合4回も5回も入試やっています。そうでもしないと、定員を確保することができないんです。しかも、結局どの大学も同じ事をするので、受験生はあっちの大学でもこっちの大学でも入試にパスしてしまう。となると合格通知を送った受験生が必ず入学してくれるとは限らないので、必然、どの大学も定員よりもはるかに多くの合格通知を乱発せざるを得ないわけ。

 名門私立ですらこの有様ですから、もう新設の大学になんかなると、入学願書を申し込んだ時点でもれなく合格通知がついてくるところすらある・・・わけないですけど、そういう噂がまかり通るほどの状況であることは確かなんです。

 こういう状況は、多分愛知県だけでなく、どこでもそうだろうと思いますよ。事実、経営が行き詰まった地方の大学のことが時々ニュースになったりするでしょう?  そんな状態だというのに、「大学設置審議会」なる得体の知れない団体の答申を真に受けて、お気楽に新設大学を認可しちゃって、大丈夫なんでしょうか、文科省は・・・。 

 大体、今度の「姉歯事件」を見れば、外部の審議団体なるものがいかに当てにならないか、分かるじゃないですか。しかもマンションと違って、大学のあり方なんて「これがいい、あれが悪い」なんてはっきり決められるはずないですもん。適当に分厚い書類出せば通ってしまう。さすがに「理事長の自宅の2階を教室に」という大学は通らなかったけれども、その他だって怪しいもんです。そんなのを外部団体の答申をもとに通してしまって、後で受験生が集まらずに大学が経営破綻した場合、文科省は責任とらなくていいのでしょうか?

 それにまた今回認可された大学の多くが、看護系・クリエーター系の専門学校的なカリキュラムの大学じゃないですか。最近、この方面の人材のニーズが高いからという理由だけで、すぐにこの種の大学の新規設置を認めてしまう、この短絡的な発想・・・。ついこの間、「オウム事件」の直後には、「専門バカが事件を起こす」という短絡的な発想から、一度はないがしろにした「一般教養」を重視する方向を打ち出したばかりというのに、今度はまた逆に即戦力を求めて「専門教育」重視に変わるという、この風見鶏的な定見のなさ・・・。

 このブログではもう何度も文科省批判をしてきましたが、本当にひどいんですよ、あのお役所。大学の新規設置のことだけではありません。既存の大学もあのアホなお役所のおかげで大変な目にあっているんですから。



 で、同じような思いつきの企画で、国立大学が軒並み独立法人化させられてしまった・・・。これもアホな話だと思いますが、今はこのおかげで旧国立大はどこも苦労させられています。

 これに関連して特に下らないのは、法人化した旧国立大学は何年かに一度、民間の審査機構に審査してもらって、大学としてちゃんとやっているかどうか、審査してもらわなくてはならない、というシステム。大学の乏しい予算の中から何百万円も出して、得体の知れない外部団体に学内のことを審査してもらう義務を負わせられているんです。で、外部団体なんて、学問的なことは分かりませんから、審査基準として各種の数値を求めてくる。例えば学生の何パーセントが授業に満足しているかとか、何パーセントがストレートで就職しているかとか、そんなような数値です。

 審査機構にいい報告をしてもらうには、いい数値を用意しなければならない。ですから、いかに自分たちが一生懸命やっているか、アピールできるような数値を出すため、日本中の旧国立大学が必死です。そのために、学問・教育・研究とはまったく関係のない、無駄な努力と金がどれほど浪費されていることか、日本中の国民に知ってもらいたいようなもんだ。

 まったく無責任な立場の「認証機構」とやらにいい加減な審査をさせて、日本中の大学を疲弊させておきながら、それで文科省としては監督責任を果たしたと思っている・・・。それが「民間にできることは民間に」の文科省バージョンなんです。姉歯マンションとまったく同じ構造・・・。まったく日本の教育・研究界に益するどころか、存在すること自体が害を及ぼす、それが文科省というところですよ。

 そんなに「審査機構」を信頼しているのなら、文科省は自分たち自身が審査してもらいなさいって!

 というわけで、文科省のやることなすこと、すべてとんちんかんですが、それはきっと私がこの方面の仕事をしているからそう実感するのであって、別な仕事をしている人にとっては、やはりその監督官庁のアホさ加減にうんざりしているんでしょうなぁ・・・。 

 とにかく、無責任に大学を増やし続ける文科省、定見のない文科省、とんちんかんな文科省に対して大鉈を振るわないと、この国の教育・研究は台無しにされてしまうことは確実。幾千万の日本の教職者と共に、このアホなお役所に猛省を促したいと思います。いい加減にせいよ、文科省!!





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Last updated  November 29, 2005 05:33:16 PM
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Comments

釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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