Later, heading back with her to your dingy flat past open bars, the smell of sweat and spilled beer dissolves into a childhood odor of fermentation: the sour, abandoned granaries by the railroad tracks where the single spark from a match might still explode.
またこの文に続く部分で、「・・・, and then the gliding shadow of a hawk ignited an explosion of pigeons from the granary silos.」というところがあって、穀物倉庫の爆発が、別な形で提示されている。そういうことも含め、柴田先生やその弟子たちの「マッチの火がパッと浮び上がる」という訳は、ちょっとおかしいのではないかと私は思います。ここはやはり、マッチの火は、「引火」「爆発」というニュアンスを入れて訳さなくては。
spark from a matchが爆発するのであって、granaries(複数ですよ) が爆発するとも、spark from a matchがgranariesを爆発させるとも書いていないので、違うんじゃないかな。カセットコンロがなかなか点火しないとき、ちょっとガスが漏れていて、点火した瞬間、ボワッと炎が大きくなるとき。あるいは、おならに火がつくかなんていう「探偵ナイトスクープ」あたりでやりそうな実験で、マッチの火がボワッと拡がる感じ。そういうのを言ってるんじゃないのかな。この文では「におい」が問題になっているのだから、そうした得体の知れないにおいのガスがあたりにまだ漂っていそうだ、ということじゃないかしら? 釈迦に説法している暇はないわ。またダイエットしなくっちゃ!
(March 7, 2012 12:36:01 PM)
あなたの解釈の方があっていると思います。この後半部は前半部に大きくかかってきます、セミコロン以下が単独に解釈されてしまってはわざわざここにセミコロンを付けて作者が言わんとしたことは何なのでしょうか。仰る通り穀物庫はchatch on fireし易く、その事を言っています、前半に出てくるfermentation ですが発酵物はアルコールの臭いを漂わせます、アルコールもまた引火しやすいものであります。バーの周りの空気はあたかも引火しそうな位アルコール臭くて濃く、それがちょうどわずかな火種でも引火しやすい穀物庫を彷彿させている、ということです。
柴田さんも完璧ではありません、訳本の中でもたまに誤訳があります、I make no bones about it が 断定はできません、などと訳されたりもします、それでも素晴らしい訳者にはちがいがありませんが。
(May 8, 2014 09:19:05 AM)
確かに、The single spark from a match がexplode するわけですが、whereがあることにより結果的に爆発する(させられる物)は穀物倉庫となるわけですから英語は面白いです。セミコロン以下はいわゆる比喩ですから、あまり穀物倉庫がどうのこうの、と訳すとそれっぽくありません。