で、フィリップ・スタンホープという人は、1694年生れの1773年歿ですから、よほど古い人。貴族の生れにして、後には政界で活躍し、また文人としても知られた人ですね。で、生前はウィットに富んだ著作の数々で誉れ高かったようですが、死後は本書(原題は『Letters to His Son』)のみが残ったと。この本はもともと、息子に宛てた手紙であって、もちろん公開するつもりなんかなかったわけですが、結局、その非公開の手紙で後世に名を残すことになるとは、スタンホープ本人にとっては意外なことだったでございましょう。