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February 7, 2019
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カテゴリ: 教授の読書日記
ウェイン・ダイアーの書いた『「最高の人生」を手に入れる人がやっていること』(原題:You'll See It When You Beieve It, 1989)を読了しましたので、心覚えを付けておきましょう。

 ウェイン・ダイアーと言えば、主著『Your Erroneous Zones』(1976) が大ベストセラーとして超有名なんですけど、本書にはダイアー自身の経歴が語られている部分があって、その意味で興味深いところがある。

 で、本書に拠りますと、ウェイン・ダイアーの両親は、彼が2歳の時に離婚した・・・というか、父親がのんだくれの酷い奴で、勝手に家族を捨ててどこかに行ってしまったんですな。で、当然、一家は貧しさの中、苦労することになるわけで、ウェインも父親に対する恨みつらみを募らせながら成長したと。

 だけど、その後大学の先生になったダイアーの元に、父親が既に死亡して、ミシシッピ州のビロクシ―という町の墓地に埋葬されたらしいという噂が届く。で、たまたまミシシッピ州に行く用事があった彼は、少し足を延ばして父親の墓を見てみる気になったと。

 で、コロンバスで新車のレンタカーを借り、その父親が埋葬されたという町を目指すのですが、その際、おろしたてのレンタカーに、とあるモーテルの名刺が挟まっていたと。ま、それは気にせずビロクシ―の町に行って、あちこちの墓地に電話をかけ、父親メルヴィル・ダイアーの墓はそちらにありますか?と尋ねたんですな。

 そしたら、ある墓地が、「ある」という返事をした。そしてその墓地の場所を尋ねると、なんとそれは、レンタカーの中に名刺が置いてあったモーテルの隣りにあったと。

 で、まるで何かに導かれるようにその墓地に行って、最低の父親だった男の墓を詣でるわけ。で、そこでいきなり泣いてしまった。これまでずっと抱いていた怨みも蒸発し、すべてを水に流すことが出来た。つまり、父親を「許す」ことが出来たんですな。

 で、この体験、いわば父親との和解を機に、ダイアーの人生が変わり始めると。ニューヨークに戻った彼は、『The Erroneous Zones』をさらさら~っと一気に書き上げ、それはベストセラーになって次々と取材されるようになり、講演の予定もびっちり。一躍時の人となったんですな。そして以後の活躍は人も知る通りと。

 つまりダイアーは、若い頃の「恨みつらみの人生」が、父を許したことによって劇的に変わったわけ。その意味で、本書はその自分の体験を元にした、「変わること」と「許すこと」を主題にした本と言うことが出来るのでありまーす。



 だから、その精神を中心に考えれば、後のことはどうでもよくなるし、それにこだわらなくなる。歳を取るに従って肉体は衰え、容姿も衰えてくるけれども、そんなもん、どうでもいい。精神の方は着実に進化するわけだから。それに世の肩書とか名誉とか、あるいは他人からの評価とか、そういうものも肉体に貼りついているものだから、どうでもいい。

 で、その肉体を離れて、精神中心主義を奉じる方向で自己改革すれば、すべてが変わってくる、とダイアーは言います。

 ま、この辺の考え方ってのは、明らかにニューソートね。ダイアーは典型的なニューソーターです。

 で、ダイアー自身も、この考え方に出会って、自分を変えた。

 まず、彼は大学の先生をやっていたんですが、確かに大学の先生をやっていれば、ある程度の収入は保証されるし、安全ではある。だけど、これが本当に自分のやりたいことか? と自らの魂に尋ねてみれば、そうではないと魂は答える。じゃあ、どうすればいいか? 自分の魂に寄り添う道を選ぶしかないでしょ。

 ってなわけで、ダイアーはある日突然学部長の所に行き、家族に相談もせず「辞めます」と宣言(無茶しよる)。で、家族に「大学辞めてきた」って事後報告したら妻も子供たちも「いいよ! 頑張って!」と応援してくれた(ほんまか?!)。で、そこから先に名前を挙げた『The Erroneous Zones』を書き上げ、最初はその本を自分で大量購入して、自ら手売りして回ったと。で、そのうち、じわじわとこの本の評判が上り、やがて大ベストセラーになり・・・今日の自分があると。

 自己啓発本ってのは、要するに勝ったモン勝ちの世界だからね。勝ち組のダイアーには、以後、何でも言えるようになる。ダイアーはエマソンの例の「人は、自分が一日中考えているものになる」という言葉を引いて、自分も幼い頃からライターになろうと思い、いつか有名なライターになって、有名なテレビ番組『トゥナイト・ショー』に出て、人気司会者スティーヴ・アレンと話をするんだ、と思い続けてきたけど、実際に実現したもんね、と言うのですけど、そう言われちゃうと、読者としてはグーの音も出ない。

 っていうか、私自身、小さい頃、母と『徹子の部屋』を見ていて、自分もいつかこれに出たいと思ったことがありましたけど、どうなんだろう。今からでもその思いを強くすれば、出られるかな? 徹子さん、待っててね!!

 で、以後、この本は、自分の周りの環境というのは、自分の内面を映した鏡でしかないのだから、自分を変えれば、世界は変るんだよ、ということを、色々な言い方で言います。

 で、その中でも特に彼が強調するのは、「許す」という側面ね。



 つまり、人に対して怒りを持ち続けることは、要するに、その憎い相手によって支配されているようなもんじゃないかとダイアーは言うわけね。そういう支配から脱するには、もう相手を許してしまうしかない。

 ダイアーは「許し」について、マーク・トウェインの言葉を引用するんですけど、これがなかなかいい。「スミレを踏むと、スミレはかかとによい香りを残してくれる。許しとは、その香りのことだ」というのですけどね。いいでしょ?

 ダイアーによれば、そもそも宇宙には偶然というものはない(ニューソートの考え方)のだから、自分が人生の中で出会う敵たちもまた、完璧な宇宙の仕組んだことである。あらかじめプログラミングされていたことなのね。それは、そのことによってその人が何かに気付き、成長する契機になるとあらかじめ分かっているから、宇宙はそのように仕組んだのであって。

 だから、嫌な人に会い、嫌なことがあったら、それに囚われることなく、「ああ、そうか、これは自分を成長させるために仕組まれたことなのだな」と思って反省すべきは反省し、宇宙の道具に使われた相手のことはさっぱり許すと。



 でもね、私にはこういう説教は役に立ちます。私も怒りっぽいし、敵を作り易いからね。ダイアーが提示するこういう考え方を受け入れて、もっと平和に暮らしたいなと、つくづく思うのよ。反省。

 ってなわけで、この本を読むと、ダイアーが自己啓発ライターとしていかにニューソートに根差しているかが分かるし、ダイアー自身の個人的な経歴もある程度分かるし、自分にとっても反省を促されるところが多かったです。

 あと、ダイアーがエマソンの「人は、自分が一日中考えているものになる」という文を引用していることも分かったしね。

 あ、あと、ダイアーはラム・ダスと友達なんだ、ということも分かった。ラム・ダスって、スピリチュアル系の自己啓発ライターなんですけど。まあ、ニューソートとスピリチュアルは紙一重だからね。人間存在は精神であり、その精神は不滅だ、という考え方で共通するわけだから。

 ダイアーも言ってます。自分の本質は精神であって、精神は不滅であり、滅びるのは肉体だけだということが理解できてから、病気や死ぬことが怖くなくなったと。ただ、そういう風に怖くなくなると、逆に健康的に暮すことの意味も分かって来て、むしろ以前より健康に気を使うようになったんですと。なるほどね。

 ま、とにかくダイアーってのは、20世紀後半のニューソート系自己啓発ライターとして、落とせない人ではあるなと思いましたね。



「最高の人生」を手に入れる人がやっていること すべてを“劇的”に変える起爆剤! (知的生きかた文庫) [ ウエイン・W・ダイアー ]





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Last updated  February 7, 2019 02:42:00 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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