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May 23, 2019
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カテゴリ: 教授の読書日記
ハーレクインの一冊、ミシェル・リード著『捨てられた花嫁』(原題:Marriage on  the Rebound, 1997))という本を読了しましたので、心覚えをつけておきましょう。

 主人公シャーン・サケータは22歳の秘書。ですが、彼女が働いているシーンは本作では一回も出て来ません。というのも、彼女が冒頭に登場するのは花嫁として、しかも結婚式当日に花婿に別な女(マデライン)と駆け落ちされてしまった悲劇の花嫁として、登場するから。

 で、泣き崩れたシャーンを慰めているのが、逃げた花婿ピエーズ・ダンバーズの異母兄にしてダンバーズ財閥の現会長、34歳のレイフ・ダンバーズという。一体どういうシチュエーションなんだ、っていうね。

 で、さらに驚くのは、この花婿失踪の中、花婿の兄レイフは、シャーンに「弟の代わりに僕と結婚してくれ」といきなりのプロポーズ。そしてシャーンの親族には「もともと自分(レイフ)とシャーンは愛し合っていて、そのことをついさっき弟のピエーズが知ってショックを受け、自ら身を引いた」と説明。そしてシャーン本人も親族も友人たちも度肝を抜かれているさなか、さっさとシャーンを連れ去り、すぐに結婚。そしてそのまま香港へと新婚旅行に旅立ってしまう・・・。

 何コレ?

 で、レイフはこのとっさの処置によってダンバーズ財閥も、シャーンの親族も、一応対面を保てるでしょ、ってなことを言うのですが、もちろんシャーンとしては納得できず。おまけに、ピアーズと付き合っている時からレイフが二人の結婚に猛反対していて、それはおそらく自分にアラブ系の血が混じっている(シャーンの父親はアラブ系)からだろうと思い込んでいたので、レイフのこの一連の行動がまったく理解できないんですな。

 だけど、やっぱり新婚旅行だからってんで、レイフは新郎の権利を要求、仕方なくシャーンもこれに応えるのですが、どうも相性ばっちりだったようで、理屈抜きに二人は行為を満喫しちゃう。ちなみに、ピエーズと付き合っていた時、どういうわけかそういうシチュエーションにならなかったので、シャーンはこの時まで生娘だったと。

 で、何せ財閥の御曹司と結婚しちゃったわけですから、物質的にはこの上なく豊か、しかも夜の相性もいいということで、シャーンも少しずつレイフに心を開いていくのですが、やはりどこかに、この結婚は両家の面目を保つだけの偽りのものであって、二人の間にあるのは愛ではなくセックスだけだ、という思いがある。

 しかも、その疑念を強めることになったのが、レイフとマデラインとの関係。どうも、マデラインという女は、そもそもピアーズではなく、レイフの恋人だったらしいんですな。それをピアーズが横から奪ってしまったので、レイフはシャーンを自分のものにし、いわば兄弟間で恋人を交換したような形になったのではないかと、まあ、シャーンはそんな風に状況を見ている。



 しかし、本当の事情は、マデラインが一方的にレイフのことを思っていて、彼が全然振り向かないのでピアーズの方に色目を使い、レイフと違って男らしくないピアーズが、まんまとそれに踊らされてマデラインの術中にはまったと、そういうことだったらしい。

 逆にレイフは、最初から自分の会社に秘書として勤めていたシャーンに一目ぼれしていたと。彼は自分でシャーンに一目ぼれし、かつ、異母弟のピアーズがシャーンにふさわしくない男だというのを熟知していたので、それでシャーンとピアーズの結婚には最初から大反対だったんですな。

 ってなわけで、すべての誤解が解けた後、順番が逆にはなりましたが、既に夫と妻となっていたレイフとシャーンの間に愛情が芽生えるようになり、二人は仲良く暮らしましたとさ・・・


 ・・・ってな話。ハーレクインでは、偽装結婚からスタートしたヒロイン・ヒーローの関係が、後から本物になる、という筋書きの話が多いですけど、これもそんなパターンの物語でございました。

 しかし、このところハーレクイン作品をあれこれ読んでいて思うのですが、まあ、アレだね。ハーレクインってのは、常に「体の関係ファースト」なのね。その辺、どうなの? ハーレクインはマーケットってものを非常に意識している会社なので、世の女性が望まないシチュエーションは絶対に避けるのですが、それでいてこうしたシチュエーションのロマンスを世に大量に送り出しているということは、世の女性たちは、心のどこかで、密かに、それを望んでいるということなのでしょうか。

 まあ、その辺、よくわかりませんが、今後、考察の対象にはなるかなと。

 ちなみに作者のミシェル・リードはマンチェスター在住の作家で、ハーレクイン読者からロマンス作家に転じたという経歴の持ち主。日本でも人気です。



【POD】捨てられた花嫁 (ハーレクインSP文庫) [ ミシェル・リード ]





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Last updated  May 23, 2019 05:14:54 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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