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February 16, 2021
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カテゴリ: 教授の読書日記
山口百恵さんの書いた『蒼い時』を読んじゃった。

 この本が出たのは1980年・・・って、40年以上も前じゃないかっ! 当時の大ベストセラーですけど、それを今読むっていう。まあ、ベストセラーは原則として読まないことを自らに課しているワタクシの場合、こういうことは往々にしてよくあるんですけれども、それにしてもあれから40年以上も経ったのか・・・。

 山口百恵さんと言えば花の中三トリオ。彼女が尋常ではない活躍をしていた時、私なんかはその活躍をすぐ後ろから眩しく観ていた世代。もっとも早くから洋楽ファンだった私としては、日本人の若い歌手なんてチャンチャラ、でしたけれども、それにしたって向こうは時代の寵児ですから、その動向が目に入らない日がないという。と、必然、私自身の多感な時期の思い出の端々に、山口百恵さんの姿が見切れるわけでありまして、そういう意味で、今の時点で振り返ると、とんでもなく懐かしい人ではある。

 で、『蒼い時』ですよ。

 これが出た当時のセンセーショナルな取り上げられ方からして、ティーンエイジャーだった私としては、そういう赤裸々なのは絶対読みたくないと思っていたんですけれども、今や立派に枯れかかって、「蒼い時」どころか「枯葉色の時」を迎えたおじさんとなった状況の中で、21歳にして既に芸能界の頂点を極め、さらにそこから引退しようとしている若い女性の様々な思いを読むと、これがね、なかなかいいのよ~。ちょうどいい生生しさ。

 それにしても思うのは、山口百恵の優れた文章力ね。この本、「残間里江子プロデュース」となっているけど、どこまで残間氏の手が入っているのだろう? あれかな、矢沢永吉の『成りあがり』が、実際には糸井重里が書いているようなもんなのかな。

 しかし、仮に残間氏の手が入っていたとしても、大筋のところでは他人には書けないようなことが書いてあるのであって、やはり山口百恵という人の考え方、感じ方がよく分かるという意味で、この本は山口百恵著と言い切っていいような気がする。それは『成りあがり』が、どこから見ても矢沢永吉の本であるのと同じ意味で。

 文章力もそうですけど、まあ、すごい人ですよ、山口百恵という人は。芯が強いというか。芯が強いというのは、ただ鎧のように強いというのではなく、色々弱いところもあるのだけれども、そういう弱いところも明らかにしてなお自分を見失わないという感じ。当たり前な人間、平凡な人間の強さ、とでも言いましょうか。

 その山口百恵が、三浦友和のことを「彼」って言うんだよね! 「彼」! なんか久しぶりに「彼」っていう言葉の重みを感じたぜ。




これこれ!
 ↓

蒼い時 (集英社文庫) [ 山口百惠 ]


 ところで、こういう本を読むと、自分も糸井重里や残間里江子のようなことがしたくなる。

 誰か、聞き書きして欲しい人、いない? こちとら、腕はあるよ!

 とはいえ、今、矢沢永吉や山口百恵みたいな人がいないよね・・・。





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Last updated  February 16, 2021 05:07:44 PM
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Comments

釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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