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December 22, 2021
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カテゴリ: 教授の映画談義
1964年のギリシャ・イギリス・アメリカ合作映画『その男ゾルバ』を観ましたので、ちょいと心覚えをつけておきましょう。

 アメリカ人で作家のバジルは、ギリシャ人の父親が遺産として残したクレタ島の炭鉱を復活させるためにこの島にやってくるんですな。で、島に渡る船でゾルバなる男が彼に近づいてきて、自分は何でも屋だから、自分を雇えば何かと便利だと強引に売り込み、結局、バジルは彼を雇う。

 で、島に着いて島で唯一のホテルに二人は泊まることになり、ここでホテルの経営者マダム・ホーテンスが登場する。かつてはパリの売れっ子の踊り子で、こちらに来てからも若い頃はモテモテだったと自称するマダムですが、さすがに今は寄る年波で容貌は衰え、村人たちの笑いものになっている。しかし、それでも彼女は今なお夢見がちな乙女であり、純粋なところがあって、女性には目がないゾルバは、すぐにマダムに取り入ってしまう。

 一方、島には美しい未亡人が一人いる。島の有力者の息子パブロが彼女にべたぼれであるものの、彼女にその気はなく、端から相手にしない。だけど、それがあまりにもそっけないということで、彼女は村の男たちから(女たちからも)嫌われ、嫌がらせを受けている。そんな彼女にバジルは一目ぼれしてしまい、彼女の方もバジルに気があるようなのですが、バジルはゾルバと異なり、堅物なので、彼女にモーションをかけるというようなことができない。

 で、肝心の島の炭鉱ですが、もう長らく使われていなかったということで、現状使い物にならないことが判明。これを再建するには、急斜面の山の上の方にある修道院所有の森から木を伐り出して、その材木で炭鉱の坑道を作り直さなければならないのですが、材木を山から降ろす手立てがない。そこでゾルバが一計を案じ、山の上からワイヤーを張り、そのワイヤーに材木を吊るして一気に山から降ろすことにし、そのワイヤーなどを買うために、ゾルバはバジルからお金を託され、一人、街に買い出しに行くことにする。

 といってゾルバは楽天家なので、暖かい懐をいいことに街で女たちと相当楽しむのですが、それでもバジルとの約束はきちんと果たし、やがてケーブルを仕入れて島に戻ってくると。

 で、ゾルバが不在の間、ゾルバに影響されてか、バジルは先の未亡人に思い切ってアプローチするんですな。で、それは受け入れられるのですが、二人の逢瀬を目撃した村人が、パブロにそのことを告げ、悲嘆したパブロは自殺してしまう。

 で、それに怒った村人たちは、未亡人を衆目の中辱めて殺してしまうわけ。ゾルバとバジルは、多勢に無勢でそれを阻止できなかった。

 一方、あるいきさつからマダム・ホーテンスは、ゾルバが自分と結婚してくれるものと誤解し、島に戻ったゾルバを面食らわせるのですが、ゾルバはホーテンスを可哀想に思って、彼女との婚約することにする。ところが、その幸せの絶頂でホーテンスは年齢のせいもあって死んでしまう。で、身寄りのないホーテンスの財産は、そのままだと政府に没収されてしまうということで、村人は彼女が死んだ途端、彼女のホテルになだれ込み、そこにあるすべてのものを略奪する。しかも異教徒という理由で、彼女の葬式を執り行うことも拒否。バジルはそのことに憤るものの、ゾルバは「マダムは死んだんだから、もう何とも思っていない」と取り合わない。



 バジルが思いを寄せた未亡人は村人に惨殺され、ゾルバが婚約したマダムは死んで略奪され、事業は大失敗、バジルは財産もすってしまい、もう踏んだり蹴ったりなんですが、ゾルバはそれでも意気軒高。そんなゾルバの影響で、バジルはこの失敗にくじけることなく、またどこかで本を書く仕事に戻ろうと決意。二人は別れることにするのですが、最後にバジルはゾルバに「ダンスの仕方を教えてくれ」と頼むんですな。ゾルバは悲しい時も嬉しい時も、ダンスで自分を表現してきたんですが、そんなゾルバの生き方に、バジルは開眼したわけ。で、それを聞いて有頂天になったゾルバは、盟友のバジルにダンスを教える。まあ、ダンスというか、人生の生き方を教えるわけ。

 で、二人が海辺でダンスを踊っているシーンで、この映画は終わります。


 まあ、未亡人の惨殺にせよ、マダム・ホーテンスへの仕打ちにせよ、客観的に見ると、この島の連中は一体どうなっているんだ、と思いますけれども、そんなことよりも、やっぱりこの映画で目が離せないのがゾルバという人物。どんな辛いこと、どんな失敗にも負けず、ただ人生の楽しい面を強烈に楽しみながら、飄々と力強く生きていくこの男の魅力たるや! まあ、ある意味、ギリシャ版の寅さんみたいな感じですけれども、太陽みたいな男なのよ、ゾルバって奴は。で、そのゾルバと、インテリのバジルの組み合わせってのがまたよくて、バジルがゾルバの影響で、頭だけで考える人間から、心と腹で生きる人間に少しずつ変貌していくところがとても良い。いい映画でした。映画の最後のゾルバ・ダンスもいいよ!

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 それにしても、ゾルバ役のアンソニー・クインはいいねえ。DVDに付属していたドキュメンタリーによると、アンソニー・クイン自身が、まるでゾルバのような人物だったようですが。

 というわけで、すっかりアンソニー・クインのファンになってしまったワタクシ、今度、フェリーニの『道』を観ちゃおうかな。これほど有名な作品なのに、今まで敬して遠ざけていたんですけど、アンソニー・クインが主役の一人で出ているのであれば、やっぱり観ておくべきかなと。





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Last updated  December 22, 2021 09:44:08 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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