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January 22, 2022
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カテゴリ: 教授の雑感
先日、大学が主催するFDに参加してきました。

 もうね、多分文科省がうるさいんでしょうね。うちの大学でも、所属教員たるもの、年に一回は何らかのFDに参加しないといかんというお達しがありまして。で、そういう形式主義を排除すべしというFDこそ必要なんじゃないかと思いながら、あるFDに参加したと。

 というのは、それが劇作家の平田オリザ氏の講演会だったから。まあ、良く知らんけど、よく聞く名前の人だし、どんな感じのことを話すのか、高みの見物でもしてやろうと。

 そしたらね、これが面白かったのよ。平田オリザ、面白いわ~。大したもんだわ~。話し方もうまいし、話す内容もすごく良かった。偉くなるのも当たり前って感じ。御見それしました。

 ま、1時間半にわたって彼が話した内容を全部書くわけにはいかないけれど、一つだけ、取り上げてみましょう。

 お母さんと子供の会話ね。子供が学校から、嬉しそうに帰ってきて曰く、「僕、宿題出さなかったんだけど、平田先生、叱らなかったよ」と。

 さて、この場合、お母さんはどういう反応をするのが正解でしょうか。

 どう思います? 「ダメじゃないの、宿題やっていかなくちゃ!」かな? 「何で宿題やらなかったの?」かな? 



 正解は、「そう! 平田先生、優しいね!」です。

 子供が言葉として発言したのは、「宿題をしなかった」「でも叱られなかった」の二点ですけど、この発言にはもう一つ、重要な内容がある。そう、その子が嬉しそうに帰ってきて、いそいそと母親のところに飛んできて、この発言をした、ということ。

 つまりこの子は、悪いことをしたのに怒られなかった、平田先生は優しい、いい先生だ、という自分の感動を、一刻も早く母親に伝えたかったんですな。だから、そのメッセージを受けた母親がやるべきことは、そのメッセージへの答え、すなわち子供の感動に共感することだったと。だから、「そう! 平田先生、優しいね!」が正解なわけ。

 逆に、子供は母親に宿題のことなんて一つも伝えようとしていないので、もし母親が「なぜ宿題をしなかったの? ダメじゃないの!」なんて反応をしたら、母親が何を言っているのかわからなかったはずだと。

 コミュニケーションってのは、そういうことなわけですよ。それは、AIには出来ない、人間にしかできないことなんだと。

 で、こういう例を切り口にしながら平田オリザ氏は、コミュニケーションの重要性を説いていったのですが、非常に説得力がありました。いい講演でしたね。

 ということで、FDなんてくだらないと思いながら参加したわりに、大いに啓発されて帰って来た次第。加えて演劇人・平田オリザの実力の何たるかが分かった一日となったのでした。





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Last updated  January 22, 2022 09:07:25 PM
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Comments

釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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