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先日、仕事の途中、瓦生産では日本有数の愛知県高浜市へ行って、瓦博物館を見学させて頂きました。古代の瓦から現代の瓦まで様々な瓦の展示があって、建築屋としては大変楽しい時間を過ごさせて頂きました。ただ、日本の瓦と聞くと、どうしても気になるのが耐震性能。熊本地震などで熊本城の瓦が崩れ落ちてしまった姿は、衝撃的だったと思います。瓦は他の素材に比べて厚みもあり、その分重量もあるというのが一般的です。ですから、家の頭の部分が重くなり、地震の揺れによって建物の振動を増幅させてしまうというリスクがあります。当然、それに耐え得る建物構造を要求される訳ですが、瓦を載せた建物とアスファルトシングルのような軽い屋根材を載せた建物と構造を変えて家を造っているかと言えば、そういう住宅メーカーが存在しないのも事実です。とは言え、高温で焼いた瓦は、太陽の熱や紫外線にも耐えて長持ちするということが特色ですから、日本伝統の屋根材を如何に残していくかは住宅産業の課題でもあります。さて、そこで今日は昔の瓦葺はどのようだったかを見てみたいと思います。また、明日は昔の瓦葺の欠点を如何に修正して耐震性を備えたかをご覧に入れたいと思います。写真が昔の瓦葺工法の棟部分の断面模型ですが、軸組構造を上から押さえて柱や桁・梁の差し込みをがっしり組み付けるように、敢えて重量を掛けているのが分かります。その為、棟の瓦材は何十にも重ねられ、重厚な外観を生み出しています。ただ、その固定には、土や漆喰を練ったものが使われているだけで、金物等での固定はなされていないのが分かります。地震や台風のような強風がない環境ではこれでよかったのですが、巨大地震やスーパー台風が襲ってくる現代日本では耐震改修を行わない限り安心出来ないだろうと思います。明日は、瓦をそうした環境にも耐えられるように工夫をした工法がどういったものかご案内したいと思います。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2021年04月20日
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こちらは、先日ウェザーストリップの劣化をお伝えしたミルガード(Milgard)製ケースメントサッシの窓枠部分。建具(障子)を開けて、窓の下枠を写真に撮りました。下枠には2ヶ所穴が明いています。1つは、窓を閉めている時強い雨風で窓枠内に雨が入り込もうとした際、その雨水を穴の中へと誘導する為の水抜き穴。もう1つは、その雨水を窓枠の外に出すための排水穴。水抜き穴が塞がっていると、溜まった雨水が窓枠内に溢れますから、最悪の場合室内に雨漏れが発生します。排水穴が詰まっていると、窓枠のフレームの中に水が溜まってしまい、それが一杯になれば水抜き穴の方へと逆流して溢れてきます。ですから、どちらも重要な役割があるのですが、このおうちの以前の所有者の方が、その両方をわざと塞いでいました。今の所有者であるお客様から、このサッシは室内に雨漏れするんだけど、どうしてだろうというご相談を頂き、調べた処それが発覚しました。以前の所有者の方は、恐らく穴の中に砂やゴミが入り込んで通水出来ない状況になったり、台風などでたくさんの雨が降って、雨を排水出来る許容量を越えてしまったりした時、水が部屋に溢れたのだろうと思います。そこでサッシを調べてみた処、こうした穴を見付けて、この穴から雨が逆流してきたのではないかと考えたのではないでしょうか。でもそれは、反って雨漏れを助長するだけで、予防の効果は全くありません。それよりも、サッシ枠を定期的に掃除して、穴に入り込んだ砂や泥を水流で押し出してやることで、雨漏れのリスクを最小限にすることが出来ると思います。勿論、絶対逆流しないということはないと思いますが、逆流のリスクよりも排水出来ないリスクの方が何倍も高いと思います。素人判断は控えて、専門家に問題を相談したり、メーカーがどうしてこうした穴を明けたのかを考えたりすることが大切ではないでしょうか。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2021年04月19日
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千葉のお客様からローウェン(Loewen)製のハーフサークル・サッシ(半円窓)の部材が破損したので、交換したいという相談を頂きました。屋根付きのインナーバルコニーの屋外側の壁に取り付けられた窓のようで、半分屋外のような場所にある感じらしいのです。破損したのは、オークで出来た木製の飾り格子(グリル)。脱着出来るタイプのもので、室内側のガラスに張り付く形で取り付けます。その格子が割れて3分の1くらいがなくなったような状態ですが、この窓は結構高い位置にあるサッシで、殆ど人間の手が触れることはないと思います。ですから、脱着時に破損したとか、何かが当たって破損したとかということは考えにくいので、何か他に原因があるはずです。お客様に確認した処、半屋外といった場所にある為に木製グリルが劣化して破損してしまったというお返事を頂きました。確かに雨には当たらないかも知れませんが、常に戸外の空気に曝され、湿度や温度の変化も大きな場所にあるでしょうから、木目に沿って割れが入ってしまうということは考えられます。また、恐らく塗装も室内用のニスのようなものしか塗っていないでしょうから、木の膨張・収縮を抑える効果も殆どなかったのかも知れません。(私たちなら、屋外用防水塗料としてパラペイントのティンバーケアを塗る処ではありますが・・・)何れにしても、メーカーに確認して、交換部材の調達が可能かどうかを相談してみないといけませんね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2021年04月17日
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輸入住宅の玄関や勝手口に使われる輸入ドアは、国産のアルミドアに比べて非常に重いですよね。重厚感もあるし、そう簡単には壊せないだろうという安心感もあり、輸入ドアへの愛着はひとしおかも知れません。ただ、重量があるということは、それを支えるドアヒンジ(蝶番)には常に大きな負担が掛かっているということでもあります。それも毎日人の出入りが頻繁にありますから、開閉の度に蝶番同士が擦れ合って徐々に摩耗していくのです。勿論、そうした消耗に耐えられるように、輸入のドアヒンジは分厚いステンレスなどで作られているのですが、それでも必ず経年劣化は起こります。写真は、それが起こった時にどうなるかを表しているのですが、ドアの敷居(ボトムシル)にドアの下端が当たってくると、敷居に傷が付き始めます。多少ならばいいと考えて、殆どの人は見て見ぬふりをするのですが、それが一番よくありません。敷居の傷は徐々に大きくなり、ドアも開け閉めしづらくなります。そのうち、ドアのデッドロックのバー(カンヌキ)やドアラッチ(鍵爪)も受け側の穴に入りづらくなったりしてきますから、今度はドアノブや鍵が破損する恐れも出てきます。(最悪は、ドア本体も壊れます)ドアの敷居に傷が付いてきたら、ヒンジを新しいものに交換して、ドアの高さ調整や水平バランスを取ってやるメンテのサインです。いつまでも気持ちよく輸入住宅に住み続けたいのであれば、そうした日頃の点検修理を怠らないようにして下さい。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2021年03月29日
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こちらは、犬山市のお客様からご相談頂いたアンダーセン(Andersen)社のスライディング・パティオドア(掃出しサッシ)。ハメ殺しのFIXドアの方が、ご覧のように木が腐ってきています。ここまでなるには相当雨が入り込んだはずですが、途中お客様も気付かれたのか、建具の木枠にコーキングを打って何とか防水しようとした感じがあります。ただ、素人ということもあって、コーキングの施工の仕方があまり上手ではないようですし、施工した場所も一部でしかなく雨が入り込むのを止められなかったようです。このシリーズの古い掃出しサッシは、あまり防水性能がよくなかったようで、私も何度かドアの交換・メンテナンスを行っています。このお客様も私が交換をしたという記事をご覧になってご相談頂いたようですが、私に相談頂く前に他社に見積を依頼された処、随分と高い金額を提示されたそうです。でも、アンダーセンの掃出しサッシは、金額的には高い部類に入りますから、私にご依頼頂く場合にはもっと高い金額になるかも知れません。(私たちはドアを交換するだけですが、他社の見積はドア交換なのか、それとも窓枠ごと外壁から外して交換なのかは分かりません)私たちは、単純にドアを交換するだけでなく、製品が到着したら屋外側の防水処理を社内で行い、室内側の木部も専用の防水塗料を施工します。そうすることで、今後同様のトラブルが起こる確率が極端に減ると、私たちは考えています。他の業者さんが行わない余分な作業を実施してからの交換ですし、動きの調整などといったこともやりますから、その分の費用は自ずと掛かります。一時しのぎの安さを取るか、仕事の丁寧さや長期的な安心感を取るかは、皆さん次第ですね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2021年03月28日
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関東のお客様からサッシの周囲に取り付けてあった窓の飾り枠(トリム、又はモール)が腐ってしまっているというご相談を頂きました。窓の周囲に幅10~15cmくらいの枠材を回して、コロニアル風にするものですが、木製のものを使った為に風雨に曝されてボロボロになったようです。ヒサシのある処ならともかく、外壁やサッシに雨が直接当たるような設計では、当然の如く腐ってしまうと思います。そこでお客様からは腐らないような素材で窓トリムを交換して欲しいというご希望なんですが、本当に交換だけで問題が解決するのかどうかを検証する必要があると感じています。単純に雨がトリムに当たって腐ったということなら、話は簡単なんですが、もしそれと同時に複数の原因でそうなったとしたら、交換・修理した処でまた同じトラブルが発生するだけです。もしかしたら、屋根の付近やラップサイディングの外壁の隙間から雨が侵入して、それが壁の中を伝って下に落ちてきたということなら、その根本を直す必要があります。私の考え過ぎということなら、取り越し苦労ということでいいのですが、そうでないという状況をいくつも見てきましたから、やはりちゃんと調べるべきという気がします。こういう施工をしてしまう工務店さんであれば、他にも施工ミスや材料の選択ミスをしている可能性が少なくないかも知れません。ただ、そう思いたくないお客様の気持ちや財政的な余裕といった問題もあるでしょうから、私たちは私たちの考えをちゃんと伝えて、後はお客様に判断頂くしかありません。自分たちの次に世代にまで受け継いでいって欲しいのであれば、自ずと方向性は決まってくると思います。やるかやらないかは、あなた次第です。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2021年03月10日
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先日、マーヴィン(Marvin)社製ベイウィンドウについて、ケースメントサッシの建具(障子)交換を行ってきたという記事を書かせて頂きました。建具の下枠部分が腐って黒くなっていたのですが、私たちは数年前にこのサッシのガラスの周囲を防水処理して対策を打っていました。ですから、こんなふうに木枠が腐ってくるなんて、想定外だったのです。そこで、外してきた古い建具について、どこから雨が入ってしまったのかを検証してみました。まずは、防水処理をしたガラスの周囲。建具を横に寝かせて、ガラスの上に水が溜まるように水道の水を流してみました。その結果、水はずっとガラスの上に溜まったままで、ガラスの周囲から建具の中へ染み込んでいくことはありませんでした。季節の温度変化や湿度の変化で木枠やアルミカバーが動いて、ガラスの周囲に何らかの隙間が出来たのかと考えましたが、そうではないようです。今度は、建具を上下逆さまにして、腐って穴が明いたところから水を流してどこから出てくるかを見てみました。そうしたら、建具の最上部の木と木のつなぎ目から、水が出てくるではありませんか。建具の上から下まで1.2m程度あるのですが、その途中どこからも水が抜けてこないで、雨が建具の下まで落ちていたということです。ご覧のように防雨や気密の為のウェザーストリップを越えて、雨が木部にまで達していたという状況や木枠のつなぎ目に隙間が明いていたということが原因だったと考えられます。今後はガラスの防水だけでなく、建具の上部をもチェックして万一つなぎ目が開いているような場合は、そこも防水処理を行おうと思っています。やはり、どうして木が腐ったのかを後で検証してみるということは、大切ですし、こうした経験が多くの輸入サッシの不具合を未然に防ぐということにつながるはずです。輸入サッシの雨漏れは、建具枠にダメージを与えるだけでなく、ペアガラスの内部結露も引き起こしますから、早めに防水対策を行わなければいけません。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2021年02月24日
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昨日、ペラウィンドウ(Pella)社の掃出しサッシの掃除について記事に書かせて頂きましたが、今日はその話題の追加です。ドアのレール付近にまで侵入してきた雨水が、サッシ枠の下へと落ちていき、最後にサッシ下枠の屋外側に明けられた排水用の水抜き穴から出て行きます。ただ、この水抜き穴は然程大きなものではありません。ご覧の通り、サッシ枠の狭いスリットの奥に隠れるように明いている感じです。こんな感じですから、砂やホコリがレールの部分から大量に落ちてくれば、水抜き穴が詰まってしまうのです。また、ウッドデッキのざら板などがサッシに接するように敷いてあると、その上を雨や風が伝ってサッシへと吹き込みますから、水抜き穴から逆に雨が中へと入り込む逆流現象が起こります。そうなると、レールに溜まった水と一緒に室内へと溢れ出ますから、部屋が水浸しになるなんてことも発生します。掃出しサッシの下端は、ウッドデッキやベランダの床から最低でも10cm程度高い位置にあるというのが理想ですが、多くの輸入住宅でそういった設計施工がされていないのも現実です。台風に備える為には、ドアレールの掃除をしたり、ドアの外にぼろ布を入れて、ドア下の隙間から雨が入り込まないようにしたりといった工夫が重要です。輸入の掃出しサッシは雨漏れするというクレームを言う人もいますが、実際は家の設計や施工、暮らし方にも問題があって複合的な要因で不具合が起きていると考えるべきではないでしょうか。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2021年02月08日
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年末までに納めるべく、リッチモンド(Richmond)のボウウィンドウ用ケースメントサッシのガラス交換作業が大詰めを迎えております。この案件以外にも年末までに施工を完了しなければならない案件が、複数存在していますから、至る処で準備作業が進んでおります。リッチモンドのサッシのペアガラスを交換する為には、建具の全てをばらさなければなりません。まずは、全てのビスを外した上で、四方の建具枠を分解します。そうするとガラスが見事に外れますから、次に建具枠をアルミ枠と木製枠とに分離します。こうやって書くと簡単なように見えますが、実はこれが結構大変なんですよ。それから古い防水テープをそれぞれの枠からきれいに剥がしていくのですが、これを剥がすのがまたまた至難の業。剥がすだけでほぼ半日の時間が掛かってしまいます。それを終えて建具の木製枠を組み上げた状態がこの写真。単純に四方を合わせるだけでは、長方形にはならず平行四辺形になってしまいますから、4つのコーナーに専用のクランプを当ててそれぞれ直角になるように固定します。更に対角線を計測して、正しい位置に来ているかを確かめなければせっかくガラスを入れて組上げても建具が窓枠に入らないなんてことになりますから、作業は慎重に行わなければなりません。手間や技術のいる修理ですが、これが出来る輸入住宅ビルダーは、日本でほぼホームメイドだけかも知れませんね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年12月12日
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こちらの輸入木製ドアは、上にバルコニーがあるものの建物の東面に位置していて、周囲に雨や風を遮るようなものがない状況にありました。塗装の知識がないお客様ですから、雨には油性の塗料が一番だろうと思いホームセンターで塗料を購入して、ご自身でメンテナンスしていたようです。こちらのドアは、アメリカ シンプソン(Simpson)社の外部用木製ドアですが、塗装は至る処でめくれ、木肌はささくれて、室内から外の光が漏れるといった状態にまでなってしまいました。木製ドアを屋外用として使う場合、上に屋根やヒサシがあることは必修ですが、それと同時に雨が当たりにくい北向き又は西向きの場所に設置することが大切です。また、木製ドアの防水について、このお客様同様油性の塗料がいいと思われる方が多いと思いますが、油性塗料では木の呼吸作用を阻害してしまい、呼吸をしようと木が塗膜を剥がしてしまうという現象が起こります。木に優しい自然オイル系の塗料を使ったり、キシラデコールのような防腐塗料を使ったりする人もいますが、こうしたものの防水性が維持される期間は、非常に短かかったりします。私たちは、木の呼吸作用を阻害しないばかりか、2度塗りすれば耐久性・耐水性が5年以上となる100%アクリルで出来たパラペイント ティンバーケアをドアやウッドデッキ、木製サッシなどに塗るようにしています。塗膜には無数のミクロの穴が明いていますから、分子の小さな空気は通しますが、分子の大きな水は通さないですし、混ぜ物がしてある安ものの国産アクリル塗料と違って、長くいい塗装の状態を維持出来ます。こうなってからティンバーケアをいくら塗っても遅いですが、新築時やまだ木肌が悪くなっていない状態でしたら、その効果は絶大です。とは言っても、塗装が一生持つものではありませんから、環境によって塗装の劣化が早いようなら、適宜塗り直しをすることをお忘れなく。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年12月03日
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昨日、とあるお客様からマーヴィン(Marvin)のグラスファイバー製のスクリーン(網)が欲しいというご相談を頂きました。マーヴィンの網は少しは在庫していますが、大量に欲しいという場合はアメリカのメーカーからの取り寄せとなる旨ご案内しました。その際、自分が使っているマーヴィンの網戸には、1mm角の穴の網が使われているんだけれど、販売しているのはそれと同じかとの質問も頂きました。北米の輸入サッシに標準的に使われているスクリーンに、1mm穴のものは存在しません。網のメーカーによっても様々あるようですが、おおよそ1.6~1.8mm程度の間隔で網が編み込まれているのが一般的で、マーヴィンのものもそれに準じているのです。でも、最近はアメリカでも虫に対して極端に嫌がる人もいらっしゃるようで、アンチ・バグ・スクリーンと呼ばれる小さな虫をも通さないという網が販売されています。ただ、それだと1.3mm角程度の穴しか明いていませんから、殆ど外の景色も見えませんし、風も吹き込んでくるという程通りがよくありませんから、閉鎖的な感じがすると思います。(精神衛生上の問題もあるかも知れません)この網でさえ、1.3mmなのですから、1mmなどという穴が明いたものにしたら、網自体の糸の太さを考えると外は全く見えないし空気も通らない家になってしまうでしょう。(とは言え、そんな網の細かなスクリーンは、特注でもしない限り一般には販売されていませんが・・・)外から覗かれないようにしたいという人もいるかも知れませんが、もしそうしたいのであれば黒い網にするのではなく、グレーの網にした方がいいと思います。但し、室内からも、外の景色はぼんやりした感じにしか見えなくなりますよ。何れにしても、おうちはクリーンルームじゃないんですから、玄関・勝手口のドアを開けた時や排水管や換気扇・エアコンなどの管を通して虫等が侵入してくるということも考えてみて下さいね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年10月22日
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お客様から玄関ドアのロックが掛かったまま開けられなくなったという相談を頂きました。輸入のドアロックは、デッドロック(デッドボルト)と呼ばれる鍵でカンヌキ(デッドロック・バー)が受け金物(ストライク)の穴に差さってロックされるという仕組みです。その受け金物の写真を頂いたのですが、カンヌキが擦った跡がドア枠から受け金物に掛けて付いています。よく見ると、それは受け金物の穴の中心に向かっているのではなく、穴の下の方に向かって付いています。こういう場合は、原因はドアの下がりや変形が考えられます。ドアヒンジが長年の使用で擦り減ってしまい、どの分ドアが敷居の方に下がってしまうケースや、雨や湿気でドアが重くなったり歪んでしまったりして、カンヌキの位置がずれてしまうことが考えられます。勿論、その両方が重なって鍵が固くなり、解除出来なくなるということもありますから、状況を細かくチェックする必要があります。今年は梅雨の長雨でしたから、雨に当たりやすい場所にある玄関ドアは、鍵が掛けられなかったり開かなかったりするかも知れません。10~15年に一度は輸入住宅の専門家にお願いして、ヒンジの交換やドアの調整をお願いして欲しいものですね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年08月01日
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神奈川のお客様からマーヴィン(Marvin)の出窓や勝手口ドアに雨漏れがあるので、交換したいというご相談を頂きました。確かに、ガラスの周囲から雨水が侵入したような箇所もあったのですが、それだけではなさそうな感じです。こちらの写真のように、台形出窓(ベイウィンドウ)の木製フレームやボトムカウンター辺りにも雨漏れの痕跡がありました。赤茶っぽい色をしているのは、お客様が雨漏れ対策に柿渋を上から塗ったからのようですが、枠の中から染み出している水を室内側から防水しても中に水が溜まってしまうだけですから、反って危険かも知れません。通常雨漏れは建具(障子)のガラス付近から発生するはずですが、この写真を見る限り、建具の問題だけではなさそうです。サッシだけでなく外観の写真もお送り頂いて、原因の一端が分かってきました。それは、この台形出窓の上に伏せてある屋根。その写真は、次回の記事でお見せしようと思いますが、屋根が出窓とほぼ接する形で軒の出もなくつながっている状態です。つまり、出窓の上に降った雨は、そのままサッシに伝わって下へと落ちていくという感じです。確かに、横殴りの雨がサッシに当たるという時もあるでしょうが、上から降る雨でも常にサッシに伝ってくるというのは、異常な納まりです。このような状態で同じサッシを入れ替えても、またすぐにトラブルが発生するだけですから、欠陥のある設計自体に手を加えて納まりを改善することが必要です。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年07月29日
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先回、幅が2.4mもあるローウェン(Loewen)のスライディング・パティオドア(掃出しサッシ)の開閉が重いという記事を書きました。100kg近いドアを支える戸車を新しいものに交換するんですが、その戸車がこの写真です。本体はステンレスで出来ていますから非常に丈夫ですが、肝心のローラー部分はナイロンで出来ています。普通の人は、スチールで出来たものが耐久性があっていいんじゃないかと思うかも知れませんが、ドアやレールに対して優しく対応してくれるのはナイロンのような素材なのです。勿論、あまり重過ぎるとローラーが潰れてしまうかも知れませんが、ローラーが2つ付いた戸車をドア下に2個取り付けますから、支えるローラーは全部で4個になります。メーカーによっては、戸車のローラーをスチールのものにするものもあるようですが、金属レールが変形したり割れたりするリスクがあったようで、錆も出ない樹脂製のものに採用し直す掃出しサッシも多くなりました。何でも丈夫な方がいいという考えは、弱い部分を傷めるというリスクを考えていないとも言えます。柔道でも「柔よく剛を制す」という言葉があります。柔軟性があるものは、意外と強いかも知れませんよ。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年07月10日
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梅雨に入り、ここ名古屋でも長雨でジメジメした状況が続いています。九州では大雨で相当な被害が出ているようですが、たまたま場所が九州だっただけで、東海地方には大雨は降らないなんて過信は禁物です。台風や竜巻による強い風雨、線状降水帯は、どこに発生するか分かりませんし、想定外なんて言葉は地球温暖化には通用しません。コロナ対策にも膨大な国費が使われていますが、今後頻繁に起こる自然災害に財政が追い付いていくとは到底思えないと考えるのは、私だけでしょうか。火力発電所の輸出なんてバカなことを言っておらず、まずは、根本の温暖化対策を日本が率先して行ってこそ、災害リスクを低減出来るのではないかと思います。まあ、余分な話はさて置いて、今回はポジー(Pozzi)社のスライディング・パティオドア(掃出しサッシ)の雨漏りについてご相談を頂きました。既にサッシメーカーもなく、施工したビルダーも倒産してしまったということで、長い間不具合が放置されてきた現場のようです。ベランダに設置された窓ですが、通常掃出しサッシは、ベランダの床面から100mm以上高い位置にサッシの下端が来るようにしなければなりません。写真を見ると、ベランダの床を防水するグレーのFRP防水の立ち上がりよりサッシの下端が下にあるような感じがします。FRP防水の立ち上がりは、100~150mm程度あるはずですから、明らかにサッシの位置が下過ぎます。これでは、台風などの強い風が吹く際は、サッシの下端から雨が吹き上がって室内に侵入する恐れが出てきます。また、ポジーの輸入サッシは、雨仕舞があまりよくないものもあるようで、ペアガラスとドアのアルミ枠とが接する部分の防水処理が十分でなく、そこから雨が中に侵入してドアの木を腐らせるということがあるようです。中から腐りますから、それが表に出てくる状況にまでなると、既に木の中の方は、手の打ちようがない程に腐っていますから、ペアの強化ガラスの重量を支え切れず、下枠が押し潰されてアルミのカバーが脱落してくるといった状態になります。築10年程度で外壁を塗り直しする際にでも、サッシ下の防水処理やガラス周囲の防水施工を行っていれば、ここまでのトラブルはなかったかも知れませんが、今となってはサッシの高さ変更を含めた抜本的な修理を行う必要があるように思います。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年07月07日
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通称鎧張りと呼ばれるラップサイディング。長い平らな板を重ね張りしただけのシンプルなデザインで、コロニアル・スタイルと呼ばれたアメリカの植民地時代のカジュアルな雰囲気が出て、日本でも人気がありますね。それでも日本はアメリカと違って防火規定がありますから、木製のサイディングは一部でしか使われない傾向にあります写真のサイディングも木製ではなく、コンクリートの平板で出来ています。そういった外壁ですが、よく見ると窓のコーナー部分から割れが入っているのが分かりますか。また、それに近い部分でも同様に割れが入っているようです。恐らく、建物の荷重が力の掛かりやすいサッシの周辺に集まって、一番弱いコーナー部分にクラックが入ってしまったという感じでしょう。こういうことを防ぐ為に、サッシとサイディングとの間にある程度の隙間を設けて、そこに防水コーキングで処理をするということをやるといいのですが、写真では殆ど隙間がありません。そこでこの不具合を補修することを考える訳ですが、普通のリフォーム屋さんや塗装屋さんだと、割れの上からコーキングを薄く塗って、その上から塗装をするということをやります。でも、それは一時しのぎに過ぎません。割れの上に紙を貼ったようなものですから、何かあればすぐに割れが入ってしまいます。また、サイディングの下地に入れてある透湿性防水シートも同じように破れていたら、どこかで雨漏れしてしまった時に、そこから構造に水が入ってしまうリスクもあるかも知れません。同じサイディングが手に入るようなら、出来ればそこだけ貼り直してもいいのではないでしょうか。そうすれば、防水シートの破れがないかチェックも出来ますね。因みに、こうしたクラックは、パネルサイディングでも塗り壁の外壁でも起りますから、注意して下さい。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年06月18日
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ハード(Hurd)のサッシをお使いのお客様からサッシのトラブルについていくつかご相談を頂きました。その一つに、外から見ると屋根の上に設置されたドーマー(鳩小屋)で、室内側から見ると玄関上の吹き抜けの明り取りとして機能するサッシ周辺から雨漏れしているとの案内を頂いたものがあります。室内側から撮って頂いた写真を見ると、建具の木部が黒くなっているのが見えましたから、建具のペアガラス周辺からの雨漏れが発生しているという感じに見えますが、それ以外にも吹き抜けの壁(室内)のクロスや窓周りの飾り枠(ケーシング)にも損傷が見受けられました。この場合、建具の雨漏れが吹き抜けの壁にも及んだのではないかと考える人もいると思いますが、私の見立ては違います。写真を見ると分かりますが、サッシの下端が屋根に接していて、そこに立ち上がりの外壁のような部分が何らありません。これだと台風のような強い雨風の際に、雨が屋根を吹き上がってきてしまい、窓下の部分から中に吹き込んでしまいます。通常の窓でしたら、サッシの下端にもネイルフィンが付いていて、それを構造体(外壁)にビス等で固定し、その上からブチルテープで防水処理します。でも、この状態ではそういった処理が屋根の下地材(野地板)に行われていると考えますから、防水処理が正しく行われなかった可能性が大きいと思います。勿論、ドーマー周辺と屋根材とのつなぎ目には、防水の為の鈑金が施工されているのですが、これもサッシ下では十分立ち上がっていない状況ですから、殆ど意味をなしていないと考えるのが普通です。(ドーマーの両サイドは、鈑金の立ち上がりを作っているとは思いますが、写真だけでは不明です)次に気になったのは、ドーマーの屋根の鼻隠し材です。鼻隠しとは屋根の軒材のことを言うのですが、ここにも外壁との間に隙間が生じているようです。通常の上からの雨であれば、この隙間から雨が入ることはないのでしょうが、吹き上げるような雨の場合は、ここからも雨の侵入がある可能性があります。軒がもっと深ければ、この隙間から雨が入ることはないかも知れませんが、外壁面と軒先面がほぼ同じくらいの面に来ていますから、この納まりは防水を十分意識したものとは言い難いです。最後は、ドーマーとは関係がない部分ですが、屋根の一番高い棟の処に棟換気が取り付けてあるかも気になる処です。換気棟の施工がされていない屋根裏遣いの部屋では、往々にして小屋裏結露の問題が発生します。構造に係る部分では、費用的にも時間的にも完璧に直すということは難しいかも知れませんが、将来も長く暮らしたいと考えるのであれば、ここである程度の費用を掛けてでもベターな状態に戻すことを考えなければいけないように思います。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年05月29日
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いつも、ゴールデンウイークくらいにご案内しているのですが、今年はコロナの影響やメンテナンスの仕事が多忙で記事を書くのが遅くなりました。それは、シロアリの問題です。もう私の会社の近くでは、サツキもツツジの花も既に終わろうとしていますが、サツキの咲くこの時期に繁殖の為に羽根アリが巣から一斉に飛び立つのです。コロニー(巣)が一杯になったり、巣を広げるのに何か支障が出たり、単に勢力を拡大するという目的で、他に繁殖場所を設けようと巣立っていくんですね。羽根アリが飛び出す時は、何千という単位で出てきますから、数匹見付けたという場合はどこからか飛んできたというもので、そこに巣があるということではないと思います。ですから、少し心配ではありますが、周囲を注意深く点検して巣が出来ていなければ、それ程恐れることはありません。逆に何千もの羽根アリの死骸が落ちているようなら、その周囲に巣がある可能性が高いと言えますから、コロニーに対して局所的に駆除することが大切です。(家や敷地全体を駆除剤で汚染しては、人間への被害の方が大きくなります)羽根アリが飛ぶこの時期は巣を見付ける絶好の機会ですから、家の周囲を歩くなどして点検するといいかも知れません。因みに、建物から離れた庭の土の中にシロアリが居てもそれは自然のことですから、むやみに駆除することは間違いです。正しくシロアリを恐れることが、家を大切にすることであると思って下さいね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年05月20日
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静岡のお客様のところでハード(Hurd)のダブルハングの建具枠が腐ってきているという記事を書かせて頂きましたが、そのトラブルはそれだけでは終わりません。サッシの下にある室内の壁に雨漏りが発生したとか、サッシ自体の不具合だけでなく、その周辺でもトラブルが発生しているようです。こういう場合、サッシ自体の不具合によって、サッシ周辺にも問題が発生したと考える施工業者さんが多いと思いますが、サッシの不具合も何等かの問題が発生した結果であることが少なくありません。つまり、サッシ自体を国産のものに交換したりしても、雨漏れが直らないというケースも見受けられるということです。勿論、サッシ自体の構造的な欠陥によって雨漏れが発生する場合もあるのですが、大元の原因が他にあるかも知れません。写真をご覧下さい。こちらは、雨漏れしたサッシが施工されている外壁面を撮影して頂いたのですが、皆さんには問題点がお分かりになりますか?まずは、屋根の裏側である軒の天井、いわゆる軒天です。鼻隠しの軒天であれば、水平で下を向いているかして、雨が横殴りであっても雨が当たらない状態になっているものです。ただ、妻壁(三角屋根の壁)に張り出した軒天は、角度(傾斜)が付いていますから、軒天の正面から雨が吹き込むような時は、軒天に雨が掛かってしまいます。こうしたことは、自然の摂理ですよね。では、そこに有孔ボードと呼ばれる穴がたくさん明いたボード板が張ってあったら、如何でしょうか。少しでも上向きになったボードの穴には、強い雨風が吹き付けます。そうなると、そこから構造の中(家の中)に雨が大量に侵入します。ただ、それがどういったルートを通るかによって、サッシの枠から水が漏れてきたり、部屋の天井や床から雨漏れしたりすることとなります。そうやって表に雨漏れが出てくればまだ分かりますが、壁の中に滞留してそれが中で構造材を腐らせていたとしたら、外壁等が脱落したりするまで問題が目に見えないということとなります。また、妻壁の軒天(ケラバ)の有孔ボード以外にも、棟に一番近い場所に取り付けられた換気ガラリ(換気用ルーバー)からも雨の侵入が発生します。屋根裏空間の湿気や熱を外に逃がす目的で、換気ガラリを取り付ける建築屋さんがいるのですが、日本のように台風が吹き付けるような気候の場所には換気ガラリは弱点以外何ものでもありません。私たちは、こういう場合、通気機能のない飾りのガラリを取り付けて、屋根の一番高い棟の部分に換気棟を取り付けます。勿論、換気棟から雨が絶対侵入しないということはありませんが、そのリスクは極端に少なくなります。家の雨漏れは、知識と経験がないと分かりません。安易に決めつけて起こった不具合だけに対処すれば、一番の原因箇所を見逃すことになりますから、専門的な人間の力を借りた方が時間的にも費用的にも精神的にも得策かも知れませんよ。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年05月15日
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アンダーセン(Andersen)社製の大きめのオーニング・サッシが、腐ってきたというご相談を頂きました。オーニング・サッシは、ハンドルを回すと下側から外に開いていくという窓ですが、写真のように建具の木製下枠が朽ちてきている状況です。やはり、今回も建具枠とペアガラスとが接する部分から、雨が枠内に侵入してきたように思いますが、殆どのお客様は腐れが酷くなるまで気付くことはありません。木枠の中から腐ってくる状況ですから、それが目に見える状態になるくらいには中が空洞になるくらい酷くなっていますが、窓を毎日開ける人でない限り分からないのが当然です。それは、施工した建築業者自体が窓のメンテナンスや点検について全く知識がないという点からも、お客様に責任を負わせる訳にはいきません。ただ、お客様側にも窓の手入れを一切していないということがあれば、一定の責めはあるかも知れません。年に一度くらいは、窓ガラスを拭いたり、隙間に溜まったゴミや砂を掃除したりするくらいはやるべきです。それにしても、オーニング・サッシは、こうした木の腐れやペアガラスの曇り・内部結露のトラブルは比較的多いように思います。下側の窓が開いていくという性格上、どうしても建具の枠とガラスとの間に雨が溜まりやすいのかも知れません。新築時は勿論ですが、築10年後くらいにはガラスの周囲の防水処理と木部の防水塗装を心掛けて欲しいものです。そうすれば、サッシの雨漏れによるトラブルは、相当減ると思います。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年05月08日
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昨日、強い雨風の日に雨漏れが発生したという津島市の輸入住宅に伺ってきました。こちらの家では、以前屋根裏部分の妻壁に換気用のかまぼこ型のルーバーが取り付けられていたのですが、そこからの雨漏れを発見して、そこに窓を設置したという経緯がありました。窓は周囲を十分防水したので、そこからの雨漏れは考えられませんが、上枠から雨漏れした1階の掃出しサッシは、丁度そこの真下でした。ただ、屋根裏から1階までの間には、2階にアルミクラッドのダブルハング・サッシが付いていましたので、もしかしたらそこからの雨漏れもあるのではないかと、念の為窓をチェックすることとしました。クレストライン(Crestline)社のダブルハングもそうなんですが、上・下に付いている建具(障子)を窓枠から外すのは結構厄介です。まあ、それでも何とか建具を外すことは出来ました。建具自体は先日ガラスの周囲を防水処理もしましたし、特に雨漏れしているということはありません。次に、両サイドの窓枠に装着されている樹脂製のサイドジャムを外してみました。すると、ジャムで隠れていたサッシの中の木枠が、写真のように腐っているではありませんか。その腐りは相当ひどく、木が脱落してなくなっている部分もあるくらいでした。通常であれば、腐った木の部分を切り取って、そこに新しい木片を入れてやるということが必要ですが、念の為にチェックしてみようということで開けただけですから、特にそんな準備もありません。恐らく、屋根裏の換気ガラリから入った雨が長い期間に亘って下に落ちてきて、それが窓枠の下端に溜まって木を腐らせたように思います。また、強い雨風の時には、サイドジャムの下の隙間から雨が侵入して腐っている部分から更に下にある掃出しサッシの方に水が落ちたというのがトラブルの本質だろうと思います。サイドジャムの下端は、万一の水抜き用に隙間が明いているのが普通です。ですから、安直にそこを塞いでしまうことはよくありません。今回は、木の腐った部分を出来るだけきれいに除去して、そこに防水コーキングを目一杯注入すると共に、サッシのアルミ製下枠と木製の側枠とが接する部分の表面に、やはりコーキングを塗ってやりました。恐らく上からの雨水は既に入ってきていない状況でしょうから、ジャムの隙間から水が侵入してきても、防水コーキングでそれ以上中に入っていかない状況にしてやれば、これ以上雨漏れが発生することはないと考えられます。(将来、腐った部分は新しい木に交換すべきですが・・・)このように家のトラブルは、1つの原因だけで起きているのではなく、もしかしたら複数の原因が複合的に作用しているのかも知れません。また、根本原因を早く解決していれば、それ以外の原因は発生しなかったかも知れません。おうちの不具合を修理するのは、早ければ早い方がいいというのはこんなことからも分かりますよね。見て見ぬふりをして、放置しておくことがどれ程家を悪くするか、そしてその修理費用をどれ程大きくするか、考えなければいけません。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年04月23日
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昨日、近くのお客様から掃出しサッシの鍵が掛からなくなったので、直して欲しいという連絡がありました。私が工務店に勤めていた、25年近く前に建てた2x4工法の国産住宅。構造はアメリカ式でも、それ以外は国産製品を使って建てましたから、サッシも国産の不二サッシを使っています。不二サッシ自体は、他のサッシ・メーカーに吸収されて今は存在しないメーカーですから、20年以上前のサッシの部品などほぼ手に入らないという状況かも知れません。取り敢えず、状況確認をして、近い部材を探した上で何とか修理を試みようと考えておりました。その不具合のある鍵が、この写真。回転してロックが掛かるクレセントの位置が、本来の位置より15mm程上になっていて、ロックを外すと外側(写真左側)のドアがずれて、下へ落ちて(下がって)しまうとのこと。そうなると鍵が掛けられなくなるので、ロックを外せず、ドアの開閉も出来ないので困っているとのことでした。つまり、一旦鍵を解除すると、鍵が明いたままになってしまうという状況でした。ただ、掃出しサッシの状況を細かく見ると、サッシの建具(障子)自体が傾いているし、ドアの高さのバランスも非常に悪い感じです。そこで、クレセントの位置を新築時の元の位置に下げて、ロック受けの金具の位置やビスの固定も正しい位置に戻しました。勿論、そんなことをしても、ドアの建て起こしが悪い訳ですから、このままでは鍵が掛かられるようにはなりません。そこでドアの左右のバランスを調整しながら、ドア自体の高さも変えてやりました。そうすると、見事ドアの状態は正常となり、スムースに開閉が出来るようになりました。掃出しサッシのような大きな開口部は、サッシの両サイドに柱材が入っている為、建物の重量がサッシの両サイドを下方向に押してしまいます。でも、サッシの中央付近は、窓上部にマグサと呼ばれる横木で支えている為、建物の重量は掛かりません。ですから、サッシ付近の床が弓なりに湾曲してきて、ドアの水平・垂直が取れなくなってきます。長く掃出しサッシを使ってきたことによるサッシ自体のアンバランスと、構造的な宿命とが相まってこうしたトラブルが発生します。これは、国産でも輸入でも住宅であれば同様に起り得る不具合ですから、自然の摂理や製品の調整方法を熟知していないと、正しくメンテナンスすることは出来ません。今の建築屋さんで、どれだけこういったことが出来る人間がいるのでしょうねぇ。きっと、無理くり鍵を交換して終わり、みたいな作業をするんでしょうね。ついでに、大きな網戸が引っ掛かって開閉出来ないというトラブルも直してあげました。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年04月19日
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最近、屋根付近から雨漏れしたというお客様の家が、立て続けに出てきました。雨漏れして室内へ水が入ってきたというお宅もあれば、屋根の破風板が剥がれて落ちてきたというお宅もありました。何度か業者さんにお願いして都度直してもらっているみたいですが、どうしても直らなかったそうです。いろいろ問題箇所があるのですが、今日はその代表的な施工ミスをご紹介しましょう。ミスですから、この不具合は人為的な問題によって起こります。決して悪い材料を使ったということではありません。つまり、使うべき場所を間違えているというものです。破風というのは、屋根が上って斜めになった部分を言うのですが、そこの軒天(軒裏)に有孔ボードと呼ばれるたくさんの穴が明いたケイ酸カルシウムやコンクリートで出来た板が部分的に張ってあります。実は、このボードは、屋根が一番下がった鼻隠しと呼ばれる軒先の軒天(下向き)に張るもので、斜めになっている場所に張るものではありません。恐らく、ここからも屋根内部の空気を抜いたり、外気を入れたり出来るようにと考えて張ったのでしょうが、ケラバと呼ばれるこの場所の構造から考えると、空気が流通することは全く出来ず、無意味としか言いようがありません。また、横殴りの雨の場合、下向きに穴が明いたボードであれば雨は入りませんが、少しでも上を向いた状態になっていれば、必ずそこの穴から雨がどんどん入り込むようになってしまいます。そこから入った水が屋根の中を伝って下へ下へ、中へ中へと侵入していきますから、それが構造材を腐食させたり、化粧ボードを剥がしたりします。こういうことって、自然の摂理を理解していれば分かるはずなんですが、それを知らない設計士や工務店はこんなところに有孔ボードを張ってしまったということです。素人のような酷い話ですが、こうした欠陥施工をしてある輸入住宅は、東海地方を中心に結構存在しているように思います。ただ、これを造った住宅メーカーは既に廃業していたり、事業を縮小していたりしますから、時間が経った状態ではクレームも言えないという状況です。名古屋だけでなく、全国の輸入住宅でも同様のトラブルや雨漏れが発生してるかも知れませんから、一度皆さんのおうちも点検してみては如何でしょうか。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年04月09日
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こちらの写真は、三重県にある輸入住宅に施工されたスウェドア(SWEDOOR)です。スウェーデンのドアということでスウェドアという商品名なんですが、面材のチークは定期的に防水塗装が必要です。表面の木は、厚みが1mm以上ありますから結構高級感があるんですが、通常オイル仕上げの為比較的早く塗装が劣化してしまいます。メーカーではオスモなどの自然オイル系の塗料を推奨しているのですが、風雨や紫外線に曝されている場所では防水性が長く続かないというのが実情のようです。でも、素人のお客様が半年も経たないうちに塗料を塗り直しするなんてことは、時間的にも労力的にもほぼ不可能かも知れません。ですから、10年以上手入れをしない状態では、外気の汚れが付着する他、黒いカビが付いてしまったり、木が劣化してささくれだったり剥がれたりしてくることもしばしばです。こうなると、サンドペーパーを当てても全てきれいにすることは出来ないかも知れませんが、ある程度汚れを落とすことは可能です。私たちは、その後オイル塗料を使うのでなく、ピュアアクリルの防水塗料 パラペイントのティンバーケアを塗布します。アクリル100%ですから、長く防水性を保つことが出来る他だけでなく、耐紫外線性能や高い木材保護性能を発揮してくれます。また、アクリルの塗膜には目には見えないミクロの穴が明いている為、木の呼吸性能を阻害しませんから、塗膜が剥がれることもありません。(大きな水の分子は通さないが、小さな分子の空気は通します)このドアを塗り直しした後の様子を、また記事でお知らせしようと思いますので、楽しみにしていて下さいね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年03月11日
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東京のお客様から、ペアガラスの外側のガラスが割れたので修理をして欲しいという相談を頂きました。写真では分かりにくいですが、内側のガラスは網入りになっていて、外側はクリアガラスという構成です。こちらの窓は、ペラ(Pella)社のオーニング・サッシで、網入りということから防火地域対応のサッシであることが分かります。(現在の基準では、網入りにしても防火規定をクリア出来ませんが、当時はこれで適応されました)オーニング・サッシというものは、本来建具(障子)の下側が開いていくという構造のサッシなんですが、ハンドルの位置が右枠にあることから、こちらは右側が開いていくケースメント・サッシのように施工されていることが分かります。つまり、反時計回りに90度回転されて取り付けられたという状況です。ただ、こうした施工は通常あまりお勧め出来るものではありません。サッシは、上から雨が降ってくるという前提で雨仕舞をしていますが、90度回してしまうと弱点である下枠側が側面にきてしまいます。(回転させる前提で雨仕舞を考慮してメーカーが製作を見直したという場合はOKですが、そういったことが行われているケースは稀です)だからと言ってすぐにサッシが雨漏れしてしまうというものではありませんが、リスクが大きくなることは確かです。こうやって取付けされた窓を根本的に施工し直すとなると大ごとになってしまいますから現実的ではないかも知れませんが、今回ガラスが割れた機会にサッシの防水処理をやり直すなどの是正策を講じることが大切です。勿論、根本的な対策ではありませんから、それで安心しないで常に雨仕舞を注意するようにして欲しいと思います。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年02月19日
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こちらは、プライジェム(Ply Gem)製シングルハングを室内から撮った写真です。6年前に当社で新築施工させて頂いた輸入住宅ですが、当時としては最新の遮熱・断熱の両方の機能を持ったトリプルガラスを採用しました。ペアガラスの場合は、熱反射の問題がある為、どちらか一方のガラスにしかLOW-Eのコーティングを施すことが出来ません。ですから、夏に重点を置く東海地方では、外側のガラスに遮熱のLOW-Eを採用したペアガラスを用います。でも、トリプルガラスの場合は、中央にガラスが1枚入って内側と外側にそれぞれ空気層を作ることが出来ることから、両面のガラスにLOW-Eコーティングをしても熱反射することがありません。その為、ダブルLOW-Eを採用したトリプルガラスは、夏は太陽光の遮熱とエアコンの冷気の保存を、冬は外の冷気の遮断と暖房の持続の両方を実現出来るのです。今回のガラスのクラックは、朝起きたら突然割れていたということですから、最近急に寒くなったことで、急激な温度変化によるガラスへのストレスが生じた為ではないかと考えています。自然現象による、いわゆる「熱割れ」が原因ということかも知れません。プライジェムの樹脂サッシの場合、上窓(アッパーサッシュ)の不具合であれば、ハメ殺しとなりますからガラスの防水処理を施工する際は外部足場が必要ですが、今回は下窓(ボトムサッシュ)のガラスの不具合ですから、建具を外してガラスの交換や防水処理をすることが可能です。そういった意味では、余分な費用を抑えることが出来て、不幸中の幸いと言えるかも知れませんね。ペアガラスは、何かものが当たった状況でなくても、温度変化によって破損することもありますから、注意して下さいね。これは、どんな複層ガラス・サッシでも避けることは不可能です。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年02月08日
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こちらの写真は、コルビー&コルビー(Kolbe & Kolbe、K & K)社のケースメントサッシです。以前、雨漏れの為にサッシ建具の木製下枠が腐って修理を依頼されたという記事を書かせて頂きましたが、ようやく建具屋さんの加工・修理が完了して私共の手元に戻ってきました。古いサッシですから、下枠に取り付けられていたウェザーストリップは、既に欠損していますし、外装のアルミにも小さな傷が存在します。建具屋さんは、木部とアルミ板を上手に分離した上で、新しい木枠を付け替えてくれましたので、外装全体としては然程悪くありません。ただ、多少外装に隙間もありますので、ペアガラスの周囲だけでなく外装全体の防水処理を試みました。写真で見ると、どこをどう防水したのかが分かりませんが、それだけ見栄えも悪くなく施工出来たと言えますね。次は、交換した木部が無塗装ですから、交換していない部分と新しくした部分とで違和感が出ないように着色した防水塗料を塗りたいと思います。勿論、仕上げの木部塗料は、パラペイントのティンバーケアです。塗装が完成したら、いよいよ建具の取付けですが、その前にまた皆さんにご覧に入れたいと思います。それにしても、コルビー&コルビーのケースメントやオーニングサッシは、雨仕舞があまりよくないですから、ちゃんと定期的に防水メンテナンスをした方がいいですね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2020年01月11日
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ベランダの下にリビングの天井がある家のデザインを、セットバックというふうに言います。バルコニーの床に下が、すぐ室内の天井という形になりますから、雨漏れのリスクが高くなる可能性がある構造です。一宮で外装の塗装工事をしている現場ですが、やはり天井が黒くなって雨水がポタポタ落ちてくるということがありました。台風のような強い雨風の時だけなんですが、外壁やサッシの周囲などから雨が入った形跡もありません。どうしても入る場所が分からなかったのですが、ペンキ屋さんがとうとう見付けてくれました。そこは、ベランダ手摺の柱材の付け根。柱材がビズ留めしてある部分をプラスチックのカバーで覆ってあったのですが、新築から20年近く経ってボロボロに外れてきていました。もう劣化が酷くて使い物にならないだろうとカバーを外して、そこを防水材で埋めてから塗装をしたのがこの写真。カバーを外した時に、その中には何も防水処理がされていない状態でしたので、雨が降った翌日に外壁のサイディングと基礎の立ち上がりとの境目から雨水が垂れてきていました。恐らく外壁の中に通気層が作ってるのですが、そこを雨水が通って下へ落ちてきたのだと思いますが、風が強い時には水の道が違う方向に走って室内へと入ってきたというのが実情でしょう。何れにしても、バルコニー付近は、雨漏れや内部結露を起す危険な場所ですから、構造や施工方法に注意が必要です。雨漏れは、塗装すれば直るというものではありませんよ。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年12月27日
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昨日、浜松の輸入住宅へ伺って、ミルガード(Milgard)製アルミサッシのバランサー交換とマーヴィン(Marvin)の建具交換を行ってきました。また、木製の輸入玄関ドアも長年の使用で、ドアが敷居に当たってきたり、ドアがドア枠に干渉するようになってきましたので、その調整も行いました。元々、開口部の寸法が適正でなかったという状況で、ドアを削ったような跡もあり、ドアとドア枠との間に十分なクリアランスが取れていなかったということが問題でした。ですから、ドアが重さでハンドル側に倒れ込んでくる状態になると、ドアの上端がハンドル側のドア枠に当たってきます。また、ドアヒンジも擦り減ってくると、ドア下が敷居にも当たってきてしまいますから、ドア全体の建て起こしを調整する必要が生じます。こうしたことは、自然の摂理で起こることですから、どんなドアでも起こることですし、そうした状態を放置すればドア自体が損傷するだけでなく、ドアの開閉や鍵の施錠にも問題を生じます。今回、ヒンジを交換しながらドアの水平垂直を適切に調整しただけでなく、ドアの位置もヒンジ側に少し寄せるということを実施しました。また、気密パッキン材であるドア枠のウェザーストリップも交換して、冬場の冷たい外気が室内に入らないようにメンテナンスしました。家というものは生き物ですから、周囲の環境や暮らし方によって常に動き変化します。そういう変化を手入れをしながら常にチェックしていれば、大きな問題に発展する前に対処することも可能です。10年毎の定期的なメンテナンスとは別に、毎日1ヶ所簡単な手入れをしてやることで、きっと家は長持ちすると思いますよ。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年11月28日
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こちらの写真は、先日アメリカから入荷してきたマーヴィン(Marvin)社の交換用建具(障子)です。(大きな建具ですが、ケースメント用ではありません)雨漏れでダブルハングの木部が腐ってきましたので今回取り寄せたのですが、このように室内側は無塗装で入荷してきます。ペアガラスの周囲に見える紫色のテープは、マスキングテープ。木部専用の防水塗料、ティンバーケアを塗る前に、ガラスに塗料が付かないように養生をしたところです。木部もプレーナーで削ったままの状態ですから、粒子が細かなサンドペーパーで表面を擦って滑らかになるように仕上げます。こうしたちょっとした気遣いが、仕上がりの完成度を上げるのですから、手間は少し掛かりますがちゃんと手を抜かずに作業したいものです。こちら面と反対側の外装アルミの部分は、防水処理を行って雨がサッシの中に侵入してこないように施工します。メーカーが工場で製作した時にも防水処理をやってはいますが、仕事が甘い部分もありますから、やはり自分たちでもやっておく方が安心出来ます。メーカーを信用していない訳ではありませんが、古い輸入サッシが雨漏れしているのを間近で見ている私としては、何もせずにそのまま窓枠に取り付ける訳にはいきません。安くメンテナンスをしてくれる業者さんもいるでしょうが、私たちとはそうした意識や手間が違います。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年11月22日
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現在、津島市で外装リフォーム中の輸入住宅で、今日は窓の防水処理を行いました。一部既に施工済みのサッシがあるのですが、外壁の塗り直しが終わるのを待って、その他全ての輸入サッシの防水処理を一気にやりました。サッシは、クレストライン(Crestline)社のアルミクラッドと一部輸入の樹脂サッシもありました。20年近く一度もガラスの周囲の防水処理をしたことがないという状況でしたから、これ以上放置すればサッシの木の部分が腐ってくる可能性がありました。屋外用のガラス用コーキングを使うのですが、室内用のものよりも耐久性や防カビ性が高いものを用意しました。写真は、ガラスの周囲に紫色のマスキングテープを張って、そこに透明色のコーキングを打ち、それを指で押し込んだ様子ですが、クリア色ですから殆どやっているかどうか分からないですね。そう透明色は施工してもあまり目立たなく出来ますから、窓の周囲が汚く見えることもありません。また、シリコンが主成分ですから、雨を弾きアルミクラッドのサッシを腐らなくしてくれるのです。いちいち全てのガラスにマスキングテープを張るのは、なかなか面倒で大変ですが、そうすることで窓周りを今までと変わらない美しさに保てるのですから、ちゃんと張って施工したいものですね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年11月20日
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こちらの写真は、下屋の部分の屋根の一番高い場所です。下屋とは、家の一部が平屋(1階建て)になっている屋根の部分を指します。ここの下はキッチン空間になっていますが、随分前に雨が降った時、天井から水がポタポタ落ちてきたそうです。それが数年前のことで、それ以来漏れるようなことは起きていないそうですが、今回屋根や外壁を塗り直しする際に家に不具合がないかチェックすることになりました。雨漏れということなら、屋根に取り付けられたトップライト(天窓)や屋根材の割れや欠け、鈑金材の隙間といった場所から起きるものですが、屋根に上ってみた限りそういう不具合はないようです。こういう場合考えられるのは、キッチンで炊事をした際に出る熱い水蒸気が屋根裏まで上がってそこで結露する状況です。屋根は、冬場の夜には外気によって冷やされます。そこに温められた水蒸気が接すれば、そこで水に変化して天井の上に落ちてきます。特にこちらは北側にある屋根ですから、強い風雨で雨が吹き上がってくるということはあまり考えられません。20年前の住宅の多くは、換気口を設けて屋根裏を換気(通気)させるということを考えていない施工がされています。そういったおうちでは、天井が黒くなったり、照明の縁から水が落ちてきたりということが起きますから、雨漏れを疑うこととなります。でも、よくチェックするとそれは小屋裏の結露の問題であることが多いですから、すぐに屋根の改修を検討することは必要ないかも知れませんよ。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年11月15日
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こちらの写真は、横浜のお客様のおうちに施工されたサミット(Summit)社のアルミクラッド・ダブルハング・サッシ。今回、窓に不具合があるということで、メンテナンスをやりたいというご相談を頂いたのですが、その前にペンキ屋さんにお願いして外壁の塗装を行うそうです。そこでお客様からホームメイドに施工を依頼する範囲とペンキ屋さんに塗装をお願いする場所とを確認したいということとなりました。私としては、木部については私共が在庫しているパラペイントのティンバーケアを塗る方がいいと思いますので、アルミカバーやグラスファイバーで出来た窓枠等は、ペンキ屋さんにお願いして下さいという話をしました。その際、この写真を頂いたのですが、グラスファイバーで出来たサッシの下枠(水切り)と側面にある樹脂製サイドジャムとが接するラインについて、お客様にアドバイスをさせて頂きました。サッシの雨漏れの恐れがあると、多くの業者さんはこの接点部分にコーキングを入れてそこから雨が入らないように施工します。でも、実はここには、コーキングのような防水材を入れてはいけないのです。ここは、サイドジャムの内側に入ってしまった雨水などを外へ排出する大切な場所であって、ここから雨が侵入することは殆どありません。勿論、本当にそうかを確認する必要がありますが、ダブルハングについては私の考え方が正しいと思います。サイドジャムを外してみると分かりますが、ジャムを外すと窓の木枠が露出します。そして、側枠の一番下のラインには、ウレタンで出来た防水スポンジのようなものが両面テープでしっかりと留められています。そこで雨が木枠に付くことを防いでいますから、ジャムの外から防水コーキングを入れる必要はないのです。窓の枠から雨が侵入することもあるのはありますが、殆どの場合外壁や屋根といった処から雨漏れした水が、その直下にある窓の枠に伝わって漏れてくるのが原因です。そうやって伝わってきた雨水が、その部分で溜まってしまったらそこで木が腐ってしまうという訳です。ただ、ケースメントやオーニング等の形式が異なるサッシで同じことを考えるのは間違っています。サッシの構造や家の造り方、その家が置かれている環境や暮らし方を頭に入れて、原因が何かを究明してからでないと、闇雲に適当な修理をすることになりますから、ご注意下さい。では、強烈な台風19号が近づいています。皆さん、どうぞ備えを怠らないようにお気を付けください。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年10月07日
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こちらの写真は、浴室に設置されたアンダーセン(Andersen)の木製ダブルハング・サッシ。20年近く湯気や水分に当たっていた木製サッシですから、木の表面にはカビが生えて黒ずんでいました。そこで、今回窓のバランサーを交換するタイミングで、室内の木部に防水塗料を、そして屋外と室内のガラスの周囲に防水処理を施しました。以前黒ずんだ状態の写真と記事をアップさせて頂きましたが、木の奥の方にまで染み込んでいますから、ヤスリ掛けをしても完璧には取ることが難しい状態でした。その上で、屋外用の木部専用防水塗料のパラペイント ティンバーケアの白を塗ってみたのが、この写真です。プラスチックで出来た飾り格子はそのままですが、木枠は真っ白になって、なかなかきれいになりました。一度塗りでは到底きれいにはなりませんから、二度塗りをしてこの状態までになりました。輸入住宅ブームの際に建てられた輸入住宅では、本来使うべきでない浴室に木製サッシを使っているケースが多く見受けられます。勿論、木部には塗装がしてあるのですが、内装用で防水性もないニスのような塗料を塗っていますから、その効果は全く期待出来ません。こんなこと素人だって分かりそうなものですが、こういう無茶な施工をした住宅メーカーが多かったんですよね。本当でしたらこうしたサッシを樹脂サッシに切り換えて、将来補修が必要ないようにするんですが、それをするには外壁だけでなくユニットバスにもある程度影響があることを考えなければなりません。こういう場合は、原状の木製サッシをそのままにして、それを如何に長く使えるようにするかを考えることも必要です。ただ、こうしたからと言って、将来メンテナンスフリーになるなんていう夢のような話にはなりませんから、定期的に塗り直しや防水処理をすることを忘れないで頂きたいと思います。<関連記事>: お風呂場の木製サッシ (2019年4月14日)輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年10月04日
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台風17号が沖縄付近を北上し、九州に接近しようとしています。今回は、名古屋の辺りを直撃する恐れはないようですが、強風域が大きい為、風や雨は油断出来ません。さて、今週もお客様からいくつかご相談を頂いたのですが、長野県のお客様からマーヴィン(Marvin)のオーニング・サッシについて、問い合わせがありました。23年前に建てられたおうちに施工されていますが、ご覧のように開いた建具(障子)の下枠の木に黒くて大きな穴が明いています。これは、外装のアルミカバーをくぐって木枠内に入り込んだ雨水が、内部から木を腐らせたことが原因です。下枠だけでなく側枠についても雨による損傷が見受けられますから、建具を交換する方向で修理を進めるのが一番です。よくお客様から質問されるのが、腐った部分だけ外して枠を交換出来ないかというものですが、窓メーカーが存在しないか、連絡が付かないという場合以外は、枠の一部を交換するという方法はやらない方がいいと思います。こうした雨漏れによる木の腐食は、サッシ自体の構造の問題で、入った水が外に抜けないということで起こりますから、構造を改善した建具が手に入るなら、それに入れ替えた方が将来の為にもいいと考えます。確かに建具を交換するにはアメリカへ発注しますから、手間も時間も掛かります。当然費用も掛かりますが、場当たり的に直すことよりは遥かに安心出来るはずです。新しい製造方法で作られた建具は、雨が侵入しにくくなっていたり、入っても抜ける構造になっていますし、当然私たちもこれを装着する前に外部の防水処理や室内の木部の防水塗装を行います。窓メーカーとホームメイドが二重に雨の侵入を防ぐ工夫をすれば、そのリスクは大幅に軽減されると考えています。皆さんの輸入住宅でも、台風が過ぎ去った後には是非輸入サッシの作動チェックや窓の乾燥を行って下さい。(特に木製サッシは・・・)木が黒ずんできたり、ペアガラスが曇ってきたりしていたら要注意。その時は、何らかのメンテナンスを早急にすべきというサインですから、どうぞ専門家に相談してみて下さいね。では、皆さん、今後の台風にお気を付け下さい。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年09月21日
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こちらの写真は、クレストライン(Crestline)社製のケースメントサッシを開けた処です。建具(障子)の下端の右角辺りが黒ずんで損傷しているのが分かります。この窓は、吹き抜けのあるリビングの2階の高さに取り付けられたケースメントなんですが、高さが5m程度になるような場所ですから、素人のお客様が開け閉め出来る感じではありません。こんな場所であれば、ハメ殺しのFIX窓にすべきかも知れませんが、時には空気の入れ替えなどをするだろうと考えたのでしょうか、開閉可能な窓が施工されていました。(尚、ハメ殺しでもサッシの雨漏れはしますから、注意が必要です)でも、そういう考えは、実際には現実的ではありません。お客様が新築してから一度も開けたことがない「開かずの窓」と化してしまったという訳です。ただ、そんな窓でも触っていないのですから、問題が起こる可能性は低いように思うのですが、実はサッシのロックがされていない状況で僅かに建具が開いていた状況でした。それも南側の風当たりの強い場所でしたから、台風の強い雨風の際はそこから雨が侵入していたことは十分に考えられます。勿論、それだけではこうはなりませんから、ペアガラスの周囲から雨が内部に侵入して、徐々に木部を腐らせてしまったのが原因です。そこに窓が開いた状態が重なった為に、木の腐れの進行を早めたということが言えるでしょう。現状としては、あまり状態がよくないとは思いますが、このままあまり触らないということであれば、劣化した木部や塗装を少し落としてやって、そこに防水塗料のティンバーケアを塗ってやれば、ある程度このままの状態を維持出来るかも知れません。更に、足場を使って外側からガラスの周囲などに防水処理をしてやれば、ベストでなくともベターな状況は作れるように思います。ただ、これで安心するのは禁物です。常にこの窓を気にして、状況が変だなと感じたらすぐに対処する必要があると思います。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年09月17日
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上窓の建具(障子)が10cm程下がった状態になっているウェンコ(Wenco)のダブルハング・サッシ。下がった木製建具の下枠部分が雨漏れで腐って、そこにあるロック金物が脱落してしまったことと、建具を吊っていたバランサーのバネが弱くなっていることで、こんな状態のままになっています。輸入住宅ブームの時に建てられたおうちで、その時代は網入りガラスであれば、防火基準がクリアされるという制度であった為、重いガラスの網入りペアガラスにされているのも、バランサーのバネ強度が不足している原因です。(恐らく、サッシ・メーカーの製造工程では、この大きさの窓であればこの強度のバランサーという形の基準があって、イレギュラーな網入りガラスの建具が装着されても、その規定通りのバランサーが取り付けられたのだと思います)網入りガラス入りの建具と強度不足のバランサーとのアンバランスは、以前にもローウェン(Loewen)のサッシでもありましたが、北米では重い網入りガラスを窓に採用するなんてことはあり得ない為、こうした作動不良が発生するのです。以前にも記事に書いたことがありますが、ウェンコのアルミクラッド・サッシは、雨仕舞があまりよくないことが多いのです。そういうことを承知した上で、価格の安い輸入サッシを採用するのであれば、屋外側のガラスの周囲やアルミパネルのつなぎ目等に防水処理を施して、室内側の木部にも防水塗料を塗ってやるという作業を追加する考えも思い浮かぶのでしょうが、殆どの住宅メーカーはそこまでの知識や対策がないまま安易に輸入住宅を造っていたのが現実です。ここまで腐食が進行すると、サッシを丸ごと交換するという選択肢しかないようにも思われますが、サッシ枠はそのままに建具のみを別メーカーのものに装換するリプレースメント・プログラムで対応出来るかも知れません。但し、このプログラムは、ダブルハング・サッシのみしか対応出来ませんから、その他のサッシは違う対応をする必要があります。幸いこちらのおうちのサッシは、殆どがダブルハングですから、新築時のデザインを損なわずに元通りに復旧出来るように思います。何れにしても、サッシの寸法を詳しく計測して、リプレースメント・プログラムが採用出来るかどうかをしっかり調査する必要がありますね。ただ、これが採用出来るにしても、ペアガラスは網入りにはなりませんからその点はご諒解下さいませ。(標準は、LOW-E断熱ガラスです)輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年09月04日
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こちらの写真は、アンダーセン(Andersen)社製掃出しサッシです。スライディング・パティオドアとも呼ばれますが、アンダーセンの場合外装は塗装された化粧パネルになっています。アルミパネルのマーヴィンとは違い、塗装や防水処理の劣化が起きますから、定期的なメンテナンスが必要です。しかしながら、殆どのお客様は国産のアルミサッシのように、一度取付けたら一生何もしなくても持つものだと思っています。パネルが劣化すると、ガラスとの接点などから内部に雨が侵入し、木部が徐々に腐ってきます。また、木部と化粧パネルとの接着が悪くなってきますから、表面のパネルが剥がれてきてしまうというトラブルも発生するのです。ここまで行ってしまうと、ドアを補修して元通りにすることは出来ませんから、古いドアを外して新しいドアに入れ替えてやる必要が生じます。外壁や内壁に接するドア枠はそのまま使えますから大事にはなりませんが、それでもアンダーセンのドア自体は高価なものですので、交換修理費用を入れれば結構な金額になってしまうかも知れません。ですから、こうなる前に外壁塗装と一緒にドアの塗装を行ったり、ペアガラスの周囲や化粧パネルのつなぎ目などに防水処理をしてあげることが大切です。恐らくそういった提案やお手入れの説明を施工業者からお客様にはされていなかったのだろうと思いますが、気が付いたらすぐに実行するようにして下さいね。因みに、輸入のアルミクラッド・サッシであっても、防水処理は必修です。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年09月03日
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こちらの写真は、アンダーセン(Andersen)のダブルハングのバランサーを交換した後の様子です。建具(障子)を吊っているバランサーのヒモも新しくなって、真っ白なのが分かりますね。ただ、気になっているのが、ヘッドジャム(サッシ上枠に装着されたカバー)。ご覧のように、樹脂製のジャムが湾曲して下に垂れてきているように見えますよね。勿論、ビスで留めてありますから、落ちてきたりすることはありませんが、サッシの上枠が下に押されて下がってきているというのは、あまりいいことではありません。これは、丸太を組んで建築するログハウスで見られるセトリングという現象なんですが、丸太(材木)の重みで建物が垂直方向に徐々に縮まってくるということで起こります。(フルログでは生木を使いますから、建ててから水分が抜けて丸太自体が縮んできます。生木でなく乾燥材を使う木造住宅でも多少建物は縮みます)つまり、窓が上から押されてきているということなんです。こうしたことは予め想定されていることで、その為にサッシを建物構造とは切り離してフリーな状態になるよう施工したり、窓上に10cm以上の隙間を作って、窓上の木材が直接窓に当たってこないように施工します。(2x4のような木造住宅でも、量や方法の差こそあれそれに準ずる施工をしなければなりません)お客様曰く、新築時にセトリング対策はしてあったとのことですが、想定外に多くのセトリングが起きてしまったのか、対策が機能しなかったのか、何れにしてもあまりよい状態ではありません。今回、バランサーを交換することは出来ましたが、上枠の歪みが新しいバランサーにも影響を与え、吊りヒモの動作が緩慢な状態です。潤滑剤などで工夫して、取り敢えずお使い頂ける状態にはなっていますが、バランサーの寿命や上枠と建具とに生じる隙間など、問題点は残ります。それでも、壊してやり直す訳にはいきませんから、今ある状況で調整して納めるしか方法はありません。他社が手掛けたおうちには、イレギュラーなことがいろいろありますね。でも、それをどの程度いい方向で納めるかが、プロの仕事なんです。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年09月01日
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こちらは、クレストライン(Crestline)製のケースメント・サッシの周囲の外壁を5cm幅でカットした様子です。窓の下端の構造材が、黒く変色して粉々の木くずのようになっています。窓の周囲にはネイルフィンという釘留めのツバ材が付いていて、それを防水テープで上からカバーしてあるのですが、この雨漏れはそんなことで防ぐことは出来ません。それは、何故か?このトラブルの原因は、建具(障子)のガラスの周囲やサッシの外を覆っているアルミのつなぎ目に隙間が空いたということでした。そこから建具内部に雨水が侵入し、建具の木部をまず腐らせました。次に、その水が建具の下にあった木の窓枠に悪さをします。木枠のコーナー部分には防水処理がされていない状況でしたので、そこには隙間が空いています。そこに雨水が入り込んで、長い年月を掛けて木造の構造部分をも腐らせていきました。つまり、外壁から雨が侵入したのではなく、サッシの建具から構造内部に侵入したのですから、通常の外壁防水では防ぎようがありません。ここは、外壁に通気層を取っていない外壁直貼りという施工でした。直貼りはやってはいけない施工方法ですが、例え通気工法であったとしてもサッシ自体からの雨漏れではこうなってしまっていたでしょう。今回は、こうした状況を復旧し、その上で木部に予め防水処理を施してあるシエラ・パシフィック社のケースメントを施工します。勿論、それに加えて、ガラス周囲の防水処理やパラペイントの木部防水塗料 ティンバーケアで塗装をします。これでまた木部の腐りや雨漏れを起すようなら、誰も直すことが出来ないと思います。ただ、こうなる前に常に窓を開けて、サッシの様子をチェックしていたら、もっと早くに対処出来たことは間違いありません。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年08月10日
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こちらは、シエラパシッフィック(Sierra Pacific)製のケースメント・サッシです。既存のアルミクラッド・サッシの木部が腐ってしまい、腐った建具(障子)の交換品をメーカーのクレストライン(Crestline)に依頼して製作してもらおうと思ったのですが、その窓メーカーは既に存在していませんでした。こうなると窓そのものを建物から外して、新しい窓を取り付けるしかありません。そこで、サッシの大きさやデザインを合わせて、尚且つ雨漏れによる劣化を起しにくい輸入サッシを調達することになりました。防水・防腐加工がされた木部を採用している建具ですが、万一のトラブルを考えて、取り付ける前にこちらで更に防水処理を施します。アルミクラッドのつなぎ目やガラスとアルミ枠とが接する部分に、防水用の専用コーキングを塗っていきます。その際、コーキングが美しく見えるように、ガラスにマスキングテープを張ることを忘れてはいけません。サッシ・メーカーでは製造時にコーキング等で防水処理を行いますが、十分に施工されるかどうかは従業員の仕事に左右されます。信用しない訳ではありませんが、メーカーと施工業者とが二重に防水作業を行えば、雨漏れのリスクは格段に下がります。新築やリフォーム時にこうした施工を窓に行う建築業者は、日本には殆ど存在しませんが、これって家を長く使い続けていく上ですごく大切な作業なんですよ。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年08月07日
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こちらは、私たちが輸入住宅に施工するドアの輸入ヒンジ(蝶番)。角が丸かったり、四角かったり、大きさや色も様々あるのですが、代表的な室内ドア用と屋外ドア用のものをご覧頂きます。北米式の輸入住宅に使われる外部ドアは、無垢の木製のものかファイバーグラス製のものかが多くなってきていますが、ドア厚が44mmもある為、ドアそのものの重量も相当重くなります。次に室内ドアは、やはり無垢の木製のものもありますが、コストを抑える為に中身が空洞になったハローコアのフラッシュ・ドアも存在します。その厚さは、35mmと外部ドアの75%程度しかないので当然重さも軽くなります。それを支えて開閉させる金物がこれらのヒンジとなる訳ですが、高さが2m程度のドアであれば外部用も室内用も3枚ずつが取り付けられます。室内用と屋外用とでは、ヒンジの大きさや厚みも当然変わってきます。(外部用は、写真の127mmのもの以外に102mmも一般的です)ドアヒンジは、毎日開け閉めする為、常に消耗する部材です。その為、10~15年くらいで定期的に交換してやる必要がありますが、どこのドアに使うものなのかやどんな形状・大きさのものが使われているのかを正確にチェックして、適切なヒンジを調達するようにしたいものです。(私たちは、減りが少ないステンレス製を使用)また、ヒンジを交換する時は、ドアの下がりや歪み・傾きを修正することが出来るいい機会ですから、専門家に調整作業をお願いすることを忘れないで下さいね。窓やドアは、都度メンテナンスしていけば、生活がしやすいばかりでなく、家の価値そのものを維持することが出来るということをお忘れなく。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年07月28日
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こちらは、今日不具合調査に伺った輸入住宅のトイレドアです。一見何の変哲もないドアレバーが写っているように見えますが、よ~く見るとドアラッチのフェースプレートとドア枠側のストライクプレートの位置が、上下に5mm程度ずれています。実は、このトイレドアは、ドアを閉めようとしてもラッチが穴に引っ掛からず開いたままになってしまっているのです。つまり、内鍵を掛ける掛けない以前の話になっているんです。そりゃ、これだけ穴とラッチがずれていれば、ラッチが引っ掛からないのは当たり前ですよね。これがどうしてこうなったかと言えば、長年のドアの開閉が頻繁だったことと、ドアが多少捻っていてドアヒンジの摩擦が大きかったのが、原因のような気がします。これを修理する為には、擦り減ったドアヒンジを交換すると共にドアの位置をもう少し上の方に戻してやって、ラッチの位置をストライクの正面に来るようにしてやることが必要です。ただ、ドアがひねっている状況は、多少ヒンジの調整等でごまかすことは可能ですが、捻り自体を直すことは出来ませんから、一番帳尻が合う位置に持ってくるしかありません。これって、3次元で位置調整するということですから、普通の業者さんではなかなか難しい作業です。ただ、こういうことも全て自然の摂理から考えることをすれば、どう調整したらいいか自ずと見えてくるものなんです。ドアが閉まらないとか、ドアが引っ掛かって開けづらいとかいう場合は、思っている所が原因ではないことの方が多いですから、輸入住宅のプロに相談するようにして下さいね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年07月20日
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数ヶ月前に購入したという中古住宅。屋根裏部屋もあって、可愛らしい外観をしていますから、気に入って買われたのだと思います。ただ、気になることがあったようで、私共にご相談を頂きました。それは、部屋のカビや水染みの跡。主に屋根裏部屋が問題のようですが、写真のようにコーナーのジョイント部分に黒くなった所が存在します。また、アルミサッシの周囲のビニールクロスも剥がれてきていて、そこの下地も変色しているといった状況でした。お客さんやリフォーム業者は、雨漏れだと判断したようで、屋外側の窓の周囲等にコーキングなどを施工して、それで補修を完了したようですが、屋根裏などの高い場所にある窓は処理をしなかったようで、不安が残ったという感じだったのかも知れません。まだ、現場を直接見た訳ではありませんから詳しい状況は分かりませんが、私が推測するにこれは冬場の室内結露ではないかと考えています。現在は、こうした部分は黒くはなっていますが、比較的乾いた状態ですし、この梅雨のたくさんの雨でも雨漏れを起しているという状況は見受けられないといった感じのようです。また、現在は購入したばかりで人が住んでおらず、生活による水蒸気や温度変化もありません。ただ、これを解消する為には、室内の空気や熱を効率よく逃がしてやるといった仕組みが必要ですし、ある程度抜本的な部分の工事をしないといけないかも知れません。この家のように屋根裏がチェック出来るおうちはまだいいのですが、屋根裏を閉じた空間にして見えない状態になっている家は、この問題に気付かずカビや構造材の腐食が発生していることも多いですから、一度天井を開けて屋根裏へ入ってみることが必要ですね。ずっと暮らす家ですから、家族の健康を考えてカビや結露の問題は早く解決しておきたい処です。<関連記事>: 屋根裏及び屋根裏部屋の結露対策(1) (2007年9月1日)輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年07月15日
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こちらは、20年以上前に施工されたマーヴィン(Marvin)社製のアルミクラッド・ケースメント・サッシ。クランクハンドルを回して窓を開けようとするのですが、少し様子が変でした。通常は、ハンドルを回したら回した分だけ建具(障子)が開いていくのに、十分に開いていかないのです。よくよく見たら、ハンドルに連動して動くオペレーター・アームと、その先にある建具とがやはり連動していません。そこで少し手で建具を押し開けてみると、この通り。建具の木枠にビス留めされているトラックレールが、木枠の一部と一緒に外れています。木はボロボロになって、まるで木の化石のようにも見えますよね。これは、雨水がガラスやアルミの外装部分から侵入して、木枠を内部から腐らせてしまった結果、木枠の下端が脱落してしまったのです。お客様もずっと長い間窓を開けることがなく、窓への雨の侵入にも気付かなかったことで、徐々に建具がこんな状態になってしまいました。雨が降った後は、窓を開けて乾かしてあげることは勿論ですが、10年に一度くらいはガラスの周囲やアルミのつなぎ目に防水処理をしてあげることが大切ですし、木部の塗装もティンバーケアのような屋外用の防水塗料を使うことを忘れてはいけません。自然素材で出来ているものは、人間の気持ちや暮らしを癒してくれますが、ケアをしないとすぐに悪くなるということを覚えていて欲しいものです。今回は、メーカーに依頼して建具だけを調達しますが、防水処理や塗装を交換前に行って、今後同様のリスクが少なくなるように施工する予定です。因みに、こういうサッシの雨漏りによるトラブルでも、火災保険で補修費用が捻出出来るケースがありますから、一度保険会社に相談することをお勧めします。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年07月12日
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こちらは、輸入の木製玄関ドアですが、ドア枠とドアとの間にある隙間が全くない状態になっています。もう紙すら入らない状況と言っても過言ではありません。玄関ドアの上には、大きめの屋根(ヒサシ)も付いていますし、然程雨が当たる状況ではないように思えますが、この梅雨の長雨や高温多湿といった環境で、ドアや建物の木が膨らんでしまっているようです。恐らく天気が晴れて木も乾燥してくれば、それなりにこのトラブルも解消してくるように思いますが、また同じ状況になってくればドアが枠に当たって開けられなくなるかも知れません。反対側のヒンジ側の隙間をチェックしましたが、こちらと同様隙間が少なくあまり調整する余地がないというのも問題です。こういう場合、ヒンジ側のドアの側面を少し削って、ある程度隙間が出来るようにすることが求められますが、その加工や調整は少し技術が必要です。高級な輸入住宅であればある程、自然素材を多用して家づくりがなされていますから、無機質な工業製品のようにはいきません。その場所やその季節、家の造り方によって臨機応変にメンテナンスしてこそ、長く住むことが出来る輸入住宅となるのです。そこで何もケアしてあげないようなら、自然素材で出来た輸入住宅はその美しさを失い、どんどん悪い状態になっていきますから注意が必要です。長く何もしないでいいものが素晴らしいものではありません。手入れをしてやることで、その美しさや質感を保ってくれるものが本当に価値のあるいいものなのです。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年07月07日
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浜松のお客様からマーヴィン(Marvin)のフレンチドアの修理についてご相談を頂きました。こちらのドアは、アルミクラッドの木製ドアなんですが、建具(障子)の下枠と側枠とのつなぎ目や下枠の下端を中心に木部の腐りが進行しているようです。こうしたドアの問題は、室内の湿気が付着して起こる結露によって引き起こされることはあまりありません。表面結露であれば、短時間に結露水は気化してしまい、然程悪さをすることはありません(常に湿気って結露が解消しないという場合は別ですが、ここのように陽が差す場所ではあり得ません)。以前からここで記事にして紹介してきているように、ドア上にヒサシが付いていなかったり、雨がドアに直接多く当たるような環境だったりした場合、水は屋外からドア内部に侵入します。恐らく今回もペアガラスと外装のアルミ板とのつなぎ目やアルミとアルミとのジョイント部分の防水が切れて、雨が入ってしまったと思われます。内側から入った雨が、室内側に目に見える形となった場合、木の内部は相当傷んでしまっているはずです。写真の様子からして、木が黒くなっている部分を指で押すとズブズブ指が入っていくくらい柔らかくなっているように思います。梅雨時は長く雨が続きますし、ドアやサッシが乾く時間が十分にはありません。こうなる前に、サッシやドア周りは定期的に防水処理や防水塗装をしてやることが重要です。今回は、このフレンチドアの生産がマーヴィンでは終了していることから、雨に強い防水処理を施した他社のドアに入れ替えることをご提案するつもりです。ただ、そうしたものでも過信は出来ませんから、取付け前に独自の防水処理や防水塗装を必ず行います。梅雨時には、木の腐食についてのお問い合わせが増える傾向にありますが、こうした不具合は梅雨時以外でも進行していることを忘れないで下さいませ。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年07月02日
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愛知県津島市の輸入住宅に取り付ける予定の新しいアルミクラッド・サッシ。ハーフサークルの部分しか見えませんが、その下に両開きのケースメントのダブル・サッシが付いています。こちらのおうちには、クレストライン(Crestline)というメーカーの輸入サッシが付いていたのですが、雨仕舞が悪く木部が腐ってしまいました。そこで今回輸入したのが、シエラ・パシフィック(Sierra Pacific、旧ハード)社のアルミクラッド木製サッシ。こちらのサッシに使われている木は、コアガードと呼ばれる防水・防腐処理を施してあって、通常の輸入サッシのように木が腐るリスクは殆どないと言われています。また、私たち ホームメイドでは、サッシを家に装着する前にガラスの周囲やアルミのつなぎ目から雨が侵入しないように防水処理を行いますし、更に木部にはパラペイントの木部専用防水塗料 ティンバーケアを塗布します。普通の住宅メーカーや輸入住宅ビルダーでは、ここまで徹底的に対策を打つ処はないでしょうが、雨漏れによる腐食をいくつも見てきている私たちであればこそ、こうした仕事をやるべきと判断しています。塗装や防水処理の作業には時間が掛かりますし、この梅雨の時期でなかなか思うように取付け日程が組めませんが、将来のリスクを考えれば、慌てずじっくりと作業を進めていきたいと思います。素材の良さも大切ですが、正しい手順や正しい施工がなければ、長く美しさを保つことは出来ませんから・・・。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年06月25日
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昨日、新潟・山形で震度6を超える大きな地震が発生しました。幸い人命に係るような被害はなかったようですが、家の外壁や瓦が剥がれてしまったり、液状化現象で道路や建物に被害が発生してしまったりしているようです。昨年は岡山等で豪雨が発生し、家が水没して人命が失われました。また、先日大阪では交番の警察官が襲われ、拳銃を奪った犯人が市中をうろつき回り、一時家から外に出られないという状態となりました。大きな地震は、昨年大阪北部でも起こっていますし、3年前にも阿蘇を中心とした熊本でも発生しました。数百年に一度しか大地震は起こらないと過信している人もいるかも知れませんが、実際には毎年のように震度6以上の地震は発生しています。地球温暖化の影響で、巨大な台風や豪雨も日本の各地を襲います。今の日本の住宅は、安心・安全を売りにして造られていますが、決して大丈夫だとは言えない気がします。耐震性を高めた住宅でも、下から吹き上げるような雨では雨漏りを防ぐ手立てはありません。(日本の建築基準法では、防火・耐震という基準があっても防雨・防風・セキュリティという判断基準はありませんし、住宅メーカーがそこを保証したりPRしている所はないですよね)当然、強風や竜巻で窓ガラスが割れたり、屋根が飛んだりもします。空き巣や泥棒などの侵入者に対しては、ある程度の対策は打てるでしょうが、刑務所のように窓やドアに鉄格子でも入れない限り、完全に防げる手立てはありません。逆にそんなことをすると、火災で逃げられなくなりますから、頭隠して尻隠さずなんてことにもなるのです。今の日本の家づくりは、完璧な安全を求めるのではなく、最低でも人命だけは失われないということに重きを置くべきです。自然災害や犯罪が発生して家に被害あっても、倒壊や侵入だけは何とか阻止出来るという状態にすることこそ求められているのではないでしょうか。建築会社の技術は、全てをカバー出来る程十分ではありません。人の知恵はそこまでが限界ということを悟ることが出来れば、何があってもやり直せる気がします。家の修理やメンテナンスは、そういう時に備えるという意味があるかも知れませんね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年06月19日
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こちらは、アンダーセン(Andersen)社のスライディング・パティオドア。いわゆる片引きの掃出しサッシですね。今回は、このサッシの下枠のコーナー部分がフワフワしてきているし、側枠の下の方も同様に柔らかな感じがしているという相談でした。当初このサッシの下端にはウッドデッキの床が同じ高さで接していたということでしたから、恐らくデッキの床の水が台風のような強い雨の時にサッシの方に押し寄せてきて、この枠の上がプールのような状態になったのではないかと推測しました。それが大きな原因であったことは確かですが、実はここ以外にデッキがない場所の掃出しサッシや2階のベランダの掃出しサッシもここ程ではないにしろ同様のトラブルを抱えているそうです。こういう場合、四方のドア枠を組み上げた時に、コーナー部分を防水処理するシーリング剤を入れておくのですが、施工した住宅メーカーが入れ忘れたかも知れません。メーカー出荷時にドア枠が組みあがっていて、ドアも装着された状態で搬入される掃出しサッシであれば、そういった処理は既に行われていますが、現場で組み上げるような場合は、適宜防水処理の作業を行っておかなければなりません。勿論、そういった施工マニュアルは、製品と一緒に送られてきているはずですが、英語であるが故にちゃんと読まないで施工を行う工務店も多くいます。乾燥させてある程度固さが戻ってくるような場合であれば、防水処理をして様子を見ればいいのですが、フカフカして戻らないようなら下地の構造材を含めてドア枠を交換する必要があります。ただ、ドア枠は外壁の下地に装着されていますから、これを外して交換するとなると、周囲の内外壁をある程度剥がしてやり直す必要が生じますし、構造もどのくらいダメージがあるかで、補修内容も変わってきます。ですから、こういう状態をあまり放置しておかず、梅雨や台風シーズンの前には修理・復旧をしておきたいものです。手間・暇や費用は掛かりますが、酷くなる前に早めの治療を行うことこそ、不具合の程度を小さく出来る秘訣です。でも、アンダーセンの掃出しサッシは、ドア枠だけの交換も出来るという点で不幸中の幸いかも知れませんね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年06月17日
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