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新築する際に地盤の改良(補強)工事が行われるのが、日常茶飯事となってきた昨今。余程固い地盤の上に直接基礎を載せない限り、こうした工事が省略されることは殆どないと言ってもいい。それ程今の日本は、地震に対して敏感になっているし消費者を含めた建築業界がリスクを極力回避しようと考えているのだ。でも、前から申し上げているのだが、地盤補強に対する10年保証は地震が起こった時の地盤の変化をその対象としている訳ではないのである。あくまで何もない状態で、地盤が勝手に不同沈下を起して上屋の住宅が傾いてしまったり、地盤の変化によって構造上の問題が発生してしまう場合のみ適用されるということを覚えておいて欲しい。だから、下記のニュースのように地震の影響で、地域の地盤全体が上下してしまうような問題では、保証は全く受けられない。そう、人間のやることは、自然に対しては無力であり、それを保証するというのは無茶なことなのです。そういうことをちゃんと念頭に入れて、家づくりや耐震補強のリフォームを進めていって下さいね。まずは、人命が助かることが家づくりの基本です。こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。------------------------------------------------------------------------地盤沈下:千葉県で大幅増加 大震災の地殻変動の影響か(2014年9月23日 毎日新聞) 千葉県は、2013年の1年間に地盤沈下した県土面積は約2040平方キロだったとの調査結果をまとめた。調査対象の約3205平方キロの約6割に相当し、前年(約1108平方キロ)から大幅に増加した。県は「前年は東日本大震災の地殻変動の影響があったと考えられるが、今回の結果にその影響は明らかでなく、推移を注視していく」としている。 調査は県全体(約5157平方キロ)のうち、一部を除く47市町村の1142地点で実施。その年の元日の標高と前年元日の標高を比較して沈下や隆起の状況をまとめている。地下水などの採取による地盤変動を把握する目的で1960年から毎年実施している。 県水質保全課によると、13年の沈下面積は09年(2653平方キロ)や10年(2821平方キロ)に近い値。 最も沈下が大きかったのは、長生村・本郷の2.41センチ。2~4番目はいずれも睦沢町の観測地点で、1.95〜1.86センチ。5番目がいすみ市・市野々(1.81センチ)などだった。上位50地点のうち、九十九里地域が約8割を占めた。一方、最大隆起地点は、横芝光町・木戸の1.84センチだった。 また、最近5年間(09~13年)の累計をみると、10センチ以上沈下した面積は96.1平方キロで、その前5年間(04~08年)の6.3平方キロから大きく増加しているが、同課は「震災の影響によるもの」と分析している。
2014年09月27日
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今年の夏は、やたらに雨や曇りの日が多い天気となりました。木製の輸入サッシにとっては、非常につらい状況でした。アルミクラッドのような木製サッシは、外側はアルミですが、建具(サッシュ)や窓枠の下側や上側、その両サイドまでアルミが覆っている訳ではありません。だから、うちの窓はアルミクラッドだから雨でも平気なんて思っていると、そのうちそういった部分に水が入り込み、劣化や腐れが発生します。ウッディで美しいデザインのインテリアにする為には、必修とも言える木製サッシですが、まめな窓明けによる乾燥が大切です。でも、こう天気が悪いとそれもままなりませんね。あと、外側のアルミにしても一体成型で作られてはいませんからその継ぎ目の箇所やガラスと接する部分は防水性が悪くなる恐れが生じます。ですから、3~5年に一度くらいご自身で窓の点検を行って下さい。もし隙間が空いていたり、様子がおかしかったりするようなら、防水の為にコーキングを打つなり、ウェザーストリップ(パッキン材)を交換するなりすべきです。そんな時、頼りになるのが私たちのような輸入住宅ビルダーです。数あるパッキン材の中から、その窓に適切な部材を選び出し、特殊なコーキングも駆使出来ます。ただ、まずは自分自身でやってみることも大切ですから、トライしてみることはいいことです。そして、最も木製サッシで大切なのは塗装です。一般的には室内用のニスのような塗料を塗るのが一般的ですが、耐候性や防水性がないばかりか、木本来が持つ呼吸作用を抑制してしまいます。そうなると、木が無理に塗膜を破ろうとして、塗装に細かなクラックを発生させます。こうなると、全く塗装の意味がなくなってしまうのです。だからこそ、アルミクラッド・サッシのような木製窓には「Para ティンバー・ケア」のような屋外木部専用塗料を塗って下さい。新築時に塗ることが一番ですが、補修・メンテナンス用としても十分効果を発揮します。耐候性や防水性に優れ、木の呼吸作用を止めない安全なパラペイントの水性塗料「Para ティンバー・ケア」。是非、一度お使い下さい。
2014年09月07日
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2014年7月11日にナショナル・ジオグラフィックが、「鳥の減少は殺虫剤が原因か?」という記事をNETに上げた。農薬として広く使われているネオニコチノイドが、虫を殺すだけでなく、それを食べる鳥までも減少させているというものだ。ネオニコチノイドのような農薬が、直接鳥に作用した為に起きた現象であるとは言い切れないようだが、ネオニコチノイドが自然の食物連鎖の鎖や生殖循環をどこかで切ってしまっている可能性は否定し切れない。この薬剤のことは、2013年1月4日に書いた「薬剤でのシロアリ予防はあり得ない。最高の予防は目視!」という記事で紹介したが、シロアリが来ないような構造で家づくりをするという基本を忘れて、シロアリが来た時に殺すという対処療法に頼る建築技術の未熟さがこんな問題を引き起こしているように感じる。千年の都、京都には古い寺社が所狭しと建っている。その建物の多くは、風通しをよくしたり、人の目に触れやすい建て方をしたりしているだけで、薬剤に頼るようなものは殆どない。勿論、そうしたことをしていてもシロアリに食べられることはあるだろうが、それを早めに発見し対処してきたから、歴史が生まれたのである。それは、薬剤の力ではなく、人力(観察力や注意力)であったことは容易に窺い知れる。大手住宅メーカーでは、防蟻処理剤として「安全性の高いネオニコチノイド系薬剤」というフレコミで未だに新築物件で施工していますね。一旦食べられた状況を回復する為に何らかの薬剤を用いることは必要悪として仕方ありませんが、最初から薬剤を塗っておけば安心などという思想は間違っているように思う。根本的な問題として、いつになったら日本の住宅が世界レベルになれるのでしょう?こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。<関連記事>:鳥の減少は殺虫剤が原因か? (ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト 2014年7月11日)<関連記事>:薬剤でのシロアリ予防はあり得ない。最高の予防は目視! (2013年1月4日)<関連記事>:やっぱり、薬は体に悪そうだよなぁ~ (2013年5月31日)
2014年07月13日
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梅雨で湿気が多くなったせいか、外壁の塗装(もしかしたら塗り壁材かも知れない)が変色し、浮いてきている住宅を見かけた。ご覧頂くと分かるように、コンクリート・サイディングが張られた90cm幅の目地のラインで見事に汚れてきている。通常、コンクリート・サイディングは、目地が見えるようにわざと張るのだが、この家は目地をコーキング材かパテ材で埋めて、一枚壁に見えるようにしてから、塗装(塗り壁材)を施工してある。こういう施工をすると、地震や気温の変化、家自体の荷重によって目地(ジョイント)が動いてしまった場合、表面の外装材が割れてしまう。国産サイディングのつなぎ目は、カギ型になっているので目地が多少動いたところで防水性に問題はないが、クラックが入った外壁は見ために悪い。しかし、今回の場合は、ジョイント部分が動いたというだけでは説明がつかない。それは、目地ラインだけでなく、その周辺にも汚れや剥がれが広がっているという点が、何かこの住宅の基本構造の問題を疑わさせる。コンクリートで出来たサイディングは、水分を含みやすい。これは推測に過ぎないが、何らかの問題でサイディングの内部に雨水が侵入し、表面に外装材が施工されていることで、水が外に出られず中で膿んでしまい、汚れの原因となるカビなどを発生させた結果、表面の外装材にも影響が出てしまったのではないだろうか。前にも記事に書いたが、外壁の内部に通気層を取らないでサイディングを構造体に直貼りした場合、こういうことが起こりやすい。ただ、軒の直下でも目地の汚れが発生しているところが不思議でならない。屋根(屋根裏)の結露が、外壁を伝って広範囲に問題を起こしたということも考えられるが、写真右のバルコニー部分には屋根がない。ここにも汚れや剥がれが露見されるという点は、屋根裏の結露では説明が付かないのだ。矩計図などの設計図を確認したり、実際の施工がどのように行われたかをチェックしたりしない限り、原因がはっきりしない。最終的には、外壁を剥がして内部を確認しなければいけないのかも知れないが、築数年の住宅にとっては費用的にも精神的にも少し酷な状況であることは間違いない。何軒も同じデザインの家が並んでいて、同じトラブルがどの家でも見られることから、同じビルダーによって販売された分譲住宅だと思われる。建築屋のモラルって、どうなっているんでしょうねぇ。安売り、建売りの怖さは、契約時には分からないですから、パートナー探しは難しいですよね。家づくりは修行です。買う側の心も試されています。私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。
2014年07月09日
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現在、リノベーション工事を開始した愛知県春日井市の輸入住宅 H邸。ここの輸入サッシは、アメリカでもあまり知られていないWeathervane Wood Windowsという窓メーカーのものらしい。でも、このメーカーは既に樹脂サッシのメーカーに吸収されたか、名前を売ったかして存在しない。当初お客さんからは、アルミクラッド・サッシの木が黒く劣化してきているので、同じようなデザインのサッシに交換したいというものだった。まずは、劣化の状態を見て欲しい。黒ずんでいる木は、建具(サッシュ)だけでなく、窓の木枠自体も同じような状況になっている。また、木を押えると、指が木の中に入っていきそうな程、柔らかくなっているし、少し湿った感じさえ受ける。そのせいか、ペアガラスの気密を保つ金属スペーサーも錆びてきており、ガラスの内部にも錆が浮いてきているといった状態だ。NETで調べてみると、このメーカーの窓はあまり防水性がしっかりしていないらしく、交換や補修が発生しているという英語の記事がしばしば見受けられた。多分、このおうちのものも大差なく防水性がよくなかったのだろう。こうした状況になると、木製窓だけでなく、それを支えたり囲ったりしている構造体の材木をも劣化の危険に曝すこととなる。だから、窓を据え付ける前に、窓周りの構造体自体に防水紙や防水テープを張って水からガードします。また、構造体と外装材のサイディングとの間に外部通気層を設けることで、万一雨が侵入しても外壁の下から抜けて、常に構造体が乾いた状況になるように施工します。このように、私たちは窓が雨漏りを起したとしても構造体に被害が及ばないように施工するのだが、昔の工務店はそういうことを全くやっていない。輸入住宅ブームで、北米の施工を少しかじっただけですから、勉強などもしていないですよね。勿論、今の住宅メーカーが、私たちと同じ施工をしているとも限らないですが・・・。(ここを新築した有名工務店は、既に輸入住宅事業から撤退しています)とにかく、サッシの雨漏りを疑う状況が起ったら出来るだけ早く対処することが大切です。だって、構造体にまで腐食が及んだら、耐震強度に影響しますし、家族の安全をも脅かされるのですから。お困りの方は、お問い合わせ下さい。
2014年07月06日
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先日、掃出し窓の上に取り付けてあった雨戸シャッターが、脱落してきたという記事を書きましたが、昨日室内側からも石膏ボードを開けて、外壁の構造内を確認してみました。やはり、案の定、壁の中に雨が入り込んで、中に施工されていたグラスウールの断熱材や柱材(スタッド)も濡れてグチャグチャでした。前の所有者の時、窓か外壁かに漏水があったということで、やり直しているにも拘らず、中途半端な改修工事でまた同じような状況になっているのは、日本の近代建築技術の未熟さを改めて感じました。ここを建てた会社は、輸入住宅を全国展開して有名ブランドともなりましたが、経営手法を誤ってしまったが為か、15年以上前に倒産したフロンヴィル。今でもこの名前でビルダーをやっていらっしゃるところもありますが、名前を買ったり、フランチャイズで経営権を手に入れたりした建築会社ですから、この家や倒産したところとは直接関係はありません。ですから、以前の所有者の方も、倒産した会社に改修をお願いすることも出来ず、全く関係のないどこかの工務店にお願いされたのでしょうが、その会社もいい加減だったということです。どちらの会社も外壁材は、防水紙を張った構造用合板の上に直貼りして、何も外壁通気を施工していませんでしたし、防水処理や施工手順が間違っていたという状態です。そして、実はこのおうちの屋根裏部屋の外壁に問題があるんじゃないかということで、石膏ボードを一部撤去した様子がこの写真です。それは、ビニールクロスを張った壁を叩いてみても、石膏ボードが浮いているような感じなんです。そして、固い柱がある時の鈍い音が全くしませんでした。何故かその時、家が揺れるということもおかしいと判断した理由の1つです。通常は、最後の砦の防水紙で何とか持ちこたえるはずなんですが、一旦中に入り込んで他に逃げ道のない雨水は、外壁材を打った釘穴や防水紙の隙間をつたって構造用合板を濡らします。ここは、風も通らない密閉状態に近い空間ですから、少しずつでも水はどんどん蓄積されて、やがて構造用合板を通過して内部のグラスウールや2x4工法の柱材をも濡らしていきます。多くのビルダーは、室内の湿気が壁の中に入らないようにと、石膏ボードを張る前に今でも薄いビニール・シートのベーパー・バリアを施工します。確かに、室内の湿気は入りにくくなりますが、一旦壁の中に水分が入ってしまうとそこから出られないのが、このベーパーバリアの危険なところ。つまり、もろ刃の剣という訳です。ベーパーバリアで守られた室内は、壁の中から水が浸みてきませんから、その危険な状況に住人は全く気付きもしません。だから、別の問題があった時に、偶然こうしてふと見つかるのです。自然の摂理に基づいた施工や、素材そのものも自然のものを使わない限り、こうした問題はなくならないでしょうね。あと、こんな状態でもシロアリは全く入っていませんでした。これだけ濡れているとシロアリさえも住めない状態だったのかも知れません。何せ柱(スタッド)が、スポンジや豆腐のように水分でフワフワでしたから(大袈裟ではないですよ・・・)。限られた予算の中で、出来得る限りの補修をしてあげなきゃいけません。いや~、心が痛むし、施工も大変です。築20年。静かに進行する構造体の壁体内結露って、怖いですよ。何か心当たりのある方は、一度チェックされることをお勧めします。これは、木造だけの話ではありません。鉄骨やRC造でも雨漏りがあれば、構造はすぐ腐食するのです。関連記事: 外壁(外装)材の直貼りは、リスクが高い (1)
2014年06月24日
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数年前に中古輸入住宅の内装リフォームをさせて頂いたお客様から雨戸シャッターが外れて落ちてきそうだから、直して欲しいという連絡を頂いた。梅雨のシーズンだし、そこから雨が侵入したら大変なことになるので、うちのスタッフたちが他の仕事の都合をやり繰りして見に行ってくれた。この家は、その方が家を購入される前、外壁のトラブルがあって前のオーナーが外壁をやり直したらしい。ただ、その際の施工が不十分であった為、今回こんなことになったというのが本当だろう。何故なら、このシャッターの下地には、昔張られていたであろう木質系のラップ・サイディングがそのままの状態で残っていたし、そことスライス・ブリックの外壁材との接点の防水処理が、いい加減だったのだ。シャッターの上端には水切りの薄い金属板が付いている。普通ならこの部分をスライス・ブリックの下にもぐりこませ上から落ちてくる雨に対処するのが、自然の摂理に基づいた施工方法だと思うのだが、見ての通り水切りがレンガ・タイルとほぼ同面だったことが分かる。また、シャッターを含めた窓周りだけを残す為、その周囲にノコギリ(カッター)を入れたらしく、サイディングの下に入れてある防水紙や構造用合板まで切れ目が入っている。だから、外壁が動いてそこに僅かな隙間が生じてしまうと木造の構造体にまで水が侵入してしまうこととなる。雨が当たった木質サイディングばかりでなく、劣化した構造体の合板や木材は釘やビスが全く効かなくなる。胴縁を打って、木質系のラップ・サイディングの下地に通気層を設けてあれば、こんなことになるリスクはいくらか減ったかも知れない。また、スライス・ブリックの下地に通気層があれば、その分シャッターの水切りの上にタイル外壁を被せるだけの余裕も生まれたはずだ。施工した建築業者は、スライス・ブリックの下にコンクリートのサイディングを施工すれば、外壁の防水は十分と考えたのだろうが、肝心な部分がいい加減だった為に全く意味のない工事になってしまったと言えるだろう。外壁材の直貼り施工の危険性、どちらが上でどちらが下になるべきかという自然の摂理、その場しのぎではない徹底した施工、建築に対する豊富な知識や経験。こうしたことを分かって住宅を建てる住宅メーカーって、どれだけいるのだろうか。こうしたことを理解している私たちですら、自然が起こす材料の劣化や台風や地震など人知を超えた猛烈な自然の力には勝てないのに・・・。ビルダーの良心や勉強度合いって、見積では分からないですよね。やっぱり、こうした問題を直視し、多くの人にブログやHPなどで情報公開しいているかどうかが、家づくりのパートナーを決めるのには、重要ではないでしょうか。それにしても、これを完璧にするには、結構大掛かりな工事が必要かも知れません。何をいつどこまでやるかは、お客さんの家への思いと予算次第で決めていかなければなりません。その場しのぎの中途半端な仕事をするのでなく、部分的でも最適な施工を積み重ねて補修していく方法もありだと思います。家づくりって、やっぱり修行ですね。
2014年06月11日
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高気密・高断熱が、今の家づくりのトレンドである。どこの住宅メーカーでもこれを謳わない家は存在しない。確かに、高気密・高断熱は省エネになるかも知れないが、健康や安全については甚だ疑問が残る。写真は、リフォームと補修を相談頂いた輸入住宅のサッシ。このおうちは、とある大手住宅会社が輸入住宅ブームの際に建てたものだが、サッシは輸入のアルミ・クラッド(耐候性を上げる為に外側にアルミを被覆した木製サッシ)を採用している。だが、この窓だけは国産のアルミサッシ。でも当時の国産サッシとしては珍しくペアガラスを採用している。輸入サッシとガラスの性能を同じにしようと考えたのでしょうね。でも、写真をご覧頂くと分かるように、窓枠のアルミの部分に水滴がたくさん付いて、結露を起している。輸入のアルミ・クラッド・サッシについては、結露の為か木部がボロボロに劣化してきている窓もある。ペアガラスにして窓の断熱性を上げて、尚且つ2x4工法や輸入サッシを採用して気密性が相当高い建物にしてもこうして結露を起している。以前にも記事に書いたが、結露は温度差があるところに湿気が存在すると顕在化するのである。つまり、気密性や断熱性がいくら高くても、冬場外が寒く室内の湿度や温度が高ければ、必ず発生するのです。室内で家族が快適に暮らしている状況では、必然的な事象と考えるべきでしょう。だって、断熱とは熱が伝わるスピードを遅くしているだけで、熱そのものが伝わらない訳ではないですから。また、高い気密は湿気をも室内に滞留させることを意味するのですから。だからこそ、ビニール・クロス張りの壁にせず、緩やかに空気の流通を促すドライウォールのインテリアを家全体に採用すべきですし、フローリングやドア、枠材に調温・調湿作用のある無垢の木を、もっと使う必要があると思います。最近は、24時間換気が義務化されていますが、湿気を外に放出するだけでなく、室内の冬の暖気や夏の冷気をも放出してしまうので、高気密・高断熱の意味がないとも言えるのです。中気密・高断熱で、尚且つ自然の摂理を活用した家づくりが最も健康的で省エネな形態であるのがお分かり頂けますでしょうか。
2014年03月10日
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セルロースを2階の天井に入れて、屋根裏との断熱を図るというのは結構大変な作業です。それは、上を向きながら長時間吹き込み作業をしなければならないということの他に、セルロース自体の重さに耐えられるようにしっかり不織布を張る必要があるからです。セルロースを入れる場合、壁の厚さは約90mmですが、天井の場合は200mm以上になりますから、その重さも尋常ではありません。ただ、壁と同様に天井においてもセルロースを吹き込みしにくい場所がありますので、そういった場所には少々値段が高くても天然ウールの断熱材を入れるのです。この写真は、セルロースと羊毛の2種類の断熱材が同時に天井に施工された豊川市N邸の様子です。天然ウールは、比較的軽いですしホチキスでも簡単に留まりますから、重さで下がることはありません。それに引き換え、セルロースの断熱材は不織布を押すようにこんもりと膨れているのが分かります。輸入住宅の外周面が全てお布団のような断熱材で覆われているなんて、素敵だと思いませんか?いずれにしてもこれらの自然な断熱材が、皆さんの生活空間を快適にしてくれるのは間違いないですね。
2014年01月05日
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防火構造面材モイスを張った外壁の上に施工した青い防水紙。これが北米で開発された特殊な防水紙、ウェザーメイト・プラス。この防水紙は、夏場にエアコンで冷たくなった建物の外壁に発生する結露を防ぐ機能を持っている。こうした機能は、国産の透湿性防水シートにはないので、防水紙の下になっている外壁面では結露による木材や合板の劣化、カビの発生が問題となる。(実際に、アメリカでは大きな問題となって、この防水紙が開発されたという経緯がある)どうしてウェザーメイト・プラスだけが、結露を防げるのかということの詳細は、以前私が書いた記事をお読み頂きたいが日本でもこの製品が普及することを切に願っている。こういうノウハウを公開すれば、競争相手に塩を送るようなものではあるが、そんな小さな欲に縛られて、日本の家づくりをよりよいものにしようという大きな理想を見失うとしたら馬鹿げていると私は思う。だから、情報を出来るだけ多くの人に提供出来るように、私たちはこうした記事を書くのである。関連記事:ホームメイドの透湿性防水シートは、全然違う!
2014年01月03日
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大きな吹き抜けのキッチン・ダイニングに足場が組まれた豊川市N邸。年末までに断熱工事が完了して、取り残されたように天然羊毛の断熱材と長いホースが置いてある。ホースは、粉砕したセルロースを吹き込む為に使われるのだが、吹き込み機を1階に置いてそこからホースで各場所に送り込む。だから、ホースの長さも50mを超えるくらいでないと全てに届く状況にはならないのだ。そして、天然ウールの断熱材が少しグレーがかっているのが分かるだろうか。それは、羊毛の生地にする際に使い物にならなかった端材を集めた再生ウールと呼ばれる素材だから、よーく見ると赤や黄色の着色がされたものが混じっている。バージン・ウールを使う時もあるが、ホームメイドでは出来るだけ環境に優しい再生ウールを活用するようにしている。こうした羊毛の断熱材は、オーストラリアからの輸入材。流行が変わる度に毎年廃棄される日本の洋服をこうした断熱材に利用すれば、もっと素晴らしいと思うのは私だけだろうか?
2014年01月02日
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セルロースの断熱材が入った袋の山の向こうに見える青い色をした機械が、ブローイング・マシンと呼ばれる吹き込み用機材。(ブロワーとも言われます)この機械の上に開いた大きな口にセルロースの固まりを放り込んで、機械の中で細かく粉砕します。こうすることで断熱材と空気とが絶妙のバランスで混在することが可能となり、高い断熱効果を発揮します。それを掃除機の逆の動きで勢いよく吹き出して、接続されたホースを通り壁や天井の中へと運びます。セルロースだけでなく、この機械もカナダから輸入したのですが、もう15年も前のことですから、何度も修理をしながら使い続けていますが、未だに元気。これがなければ、自社でセルロースの断熱材を施工することは出来ないですから、一種私たちの生命線と言えますね。勿論、こうした施工をやってくれる日本の業者さんもいるのですが、少しでもお値打ちにお客さんに提供したいという思いと自社施工の精度や安心感とで、自前で断熱工事をしているというのが実情です。これは、お金には代えられないことだと思いませんか?
2013年12月31日
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空気を通す不織布を壁に張って、その中に吹き込まれたセルロースの断熱材。布に開けられた切込みからホースを突っ込んで断熱材を吹き込みます。不織布が少し膨らむくらい目一杯セルロースが入っていますから壁の一番上まで隙間なくしっかり断熱されているのがお分かりか。これくらいしっかり施工すると、セルロースが重さで下がって壁の一番上に隙間が生じることもありません。万一、下がったとしても、空気の断熱層となりますから驚く程の断熱欠損にはなりません。セルロースに接着剤を入れて、吹き付ける方法もありますが、接着剤に含まれる化学物質の問題や、接着剤で固まったセルロースはゴミになってしまうという点で、私たちは採用していません。(接着剤を入れた方が、格段に簡単なんですけどね・・・)セルロースの断熱材は、元々木の繊維ですから、輸入住宅に採用される2x4工法のような木造構造物との相性に優れています。勿論、木の柱材と同様に調温機能や吸放湿作用も発揮してくれますから、室内の仕上げにベーパーバリアやビニール・クロスを張るのは以っての外。ビニールで室内を窒息状態にしてしまうと、せっかくのこうした機能が無駄になってしまいますからね。逆に無機質なグラスウールやロックウール、ウレタン断熱材は、そういう自然素材の高機能がありませんから、湿気が入らないように壁の中を窒息状態にする必要があるんです。不自然を不自然で上塗りする施工って、よくないですねぇ。だって、将来湿気が絶対入らないという保証はないですもんね。それにしても、壁にお布団が入っているみたいにきれいに施工されていますよね。窓の際にあるような狭いスペースには、天然の羊毛も入れてあるんですよ。(こういうところには、ホースが入らないですから、値段が高くても自然な羊毛を使います)内装に石膏ボードを張ってしまえば見えなくなりますが、こういった下地にも気を遣って施工していることが、ビルダーの良心ではないでしょうか。皆さんのまわりにもそういう建築屋さんがいるといいですね。
2013年12月30日
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これは、豊川市 N邸の構造内部で撮った1枚。帯金物が付いた部分で左右違う仕事がしてありますね。この帯金物によって緊結された左右では、構造が違っているのです。左の構造部の梁(ハリ)は、実はその下のところに柱が存在しない大開口があるのです。ですから、開口部の強度を補う為に、大きな集成材(マイクロラム)を梁として入れているんですね。そして、右の構造部は、普通の2階床組みをしています。まあ、この床組みでも相当な高さ(厚さ)がありますから、強度的にも十分な耐震性が見込めると思いますが・・・。2x4工法は、構造区画と呼ばれる四角い箱構造をいくつも組み合わせることで1軒の建物を構成します。サイコロのような箱構造は、それ自体で耐震性を保持します。ただ、地震の際にそれぞれの箱が別々の動きをすると建物全体にとってはいいことはありません。ですから、こうした帯金物等を使って、箱と箱とをつないでいくんですね。こうして家全体が地震の揺れに対して協力して対処するのが、2x4構造の輸入住宅なんです。ですから、箱構造になっていないところがあったり、それを補強する状況が作れなかったりすると、全体のバランスが崩れて、強い建物にはならないのです。そういうことを結構無視してプランする住宅ビルダーも多いですから、構造区画を設計者にしっかり確認しながら、お話を進めていって下さいね。さて、写真の帯金物が留めてあるところで、何か気付きませんか?そう、帯のところの木を削って、溝が彫ってありますね。内装を仕上げる時に石膏ボードを張るんですが、溝を彫らないで金物を留めると、金物の厚み分ボードが膨らんでしまいます。そういう納まりの悪さに対処しているのが、この写真です。結構面倒な仕事をしていますが、こういう気遣いがあるとないとでは、仕上がりの完成度も自ずと違ってきますよね。
2013年12月19日
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豊川市N邸のキッチン・ダイニングの吹き抜け空間に組まれたタワー型の内部足場。この吹き抜けは結構巨大ですから、仕上がった時にはダイニング・レストランのような風情のデザインになると思います。2x4工法でこういう吹き抜けを造る際に用いられるのが、バルーン工法。軸組の在来工法のように、1階と2階とを貫く通し柱を施工して、吹き抜けの壁を1枚のパネルのようにしてしまうというのが、この工法です。普通、2x4工法では1階の壁と2階の壁はそれぞれ別々に造られて、それを2階の床組みを介して連結させるという手法を取りますが、そうしたことを床のない吹き抜けでやってしまうと壁の剛性が不十分になってしまいます。その為、このバルーン工法が採用されるのですが、長い通し柱の場合どうしてもたわみが生じやすいという欠点も出てきます。そこで、2階の床組みと同じ高さのところで、転び止めと呼ばれる横木を入れて、地震の際に2階の床に掛かる水平方向の力に壁全体で耐える工夫をしている訳ですね。また、この転び止めを入れることで、万一1階の壁の中に火が入るような火災となっても、それ以上火が上に行けないファイアーストップという役目も果たしてくれます。こうして壁の中のスペースを区切って小さくすることで中の空気(酸素)量も限定出来ますから、火の回りも遅くなるのです。通常の柱(スタッド)も407mm又は455mmの間隔で全体的に入っていますから、壁の中の仕切りとなる柱が在来工法よりも多く、火災の際に逃げる時間を稼ぐ要因ともなっています。だから、自然素材の木造でありながら準耐火構造に認定されているんですね。私たちの輸入住宅で採用する2x4工法って、合理的でしょ。但し、どこのビルダーもこういう気遣いをしているかは、知りませんよ(笑)
2013年12月15日
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通常、2x4工法では、土台の角材の上に床根太と呼ばれる140mm高の2x6材で下地を組んで、その上に床合板を施工する。その際に使われる合板は、普通のメーカーであれば12mm厚、私たちなら15mm厚の少し強度を高めた耐震床合板である。ただ、最近は玄関のアプローチ階段の上がりを少しでも減らして、お年寄りにも優しい家づくりを提案することも多くなってきた為、敢えて床根太を組まずに、直接土台の木の上に床合板を載せる根太レス工法を採用するケースが増えてきている。勿論、床根太を使わない分、少しお値打ちに仕上がるのだが、床下地がない分、構造床合板で強度を上げてやる必要がある。だから、そういう場合、ホームメイドでは24mm厚という無垢のフローリングよりも厚いサイズのものを使う。そうすると、床下地140mm+通常の床合板15mm-根太レスの床合板24mm=131mm 分、1階の床高を抑えることが可能となる。おおよそ階段の1段分だから、バリアフリーではこれは大きい。でも、水害の危険がある地域でこれをやってしまうと床下・床上浸水のリスクが大きくなるという側面もある。だから、そうした地域にお住まいのお客さんには、その判断について相談することが絶対なんだが、そんなことを全く話もしないビルダーが殆どだろう。豊川市 N邸は、基礎の立ち上がりも150mm幅にした。通常は120mmだから、これも耐震強度的には強化となる。そして、基礎パッキンから洩れる光をご覧下さい。このくらいしっかりした通気が床下全面に取れていますから、床下の湿気でシロアリが来るという心配は殆どありません。(勿論、ベタ基礎ですし・・・)また、土台にも木曽ヒノキの芯材(一番中心の堅くて匂いの強い部分)を使っているので、ホウ酸塩系やネオニコチノイド系などのシロアリ駆除剤を使用しなくても大丈夫だと考えています。(シロアリは、食べるものがなければ、ヒノキだって金属だって噛り付きますが、そこに行きにくいような工夫をしてやれば、他の食べ物へと方向を変えてしまうはずです。それくらいシロアリは弱いし、家以外にも食べるものは存在します)自然にシロアリが侵入しにくい環境を作り出して法隆寺のように長く使われる建物を造ろうというのが私たちの輸入住宅なのです。(古いお寺で、薬剤が使われたから長持ちしたなんて話は聞いたことがないですよね)ライフサイクルを考えた強度と耐久性、自然の摂理に逆らわない施工って大切ですよね。余分なことはしない、無駄なことはしない、必要なことはとことんやる。
2013年12月13日
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2x4(ツーバイフォー)の木造構造体が出来上がった豊川市 N邸。この次に外壁で行う作業は、耐震用の帯金物の留め付け。最初から金物を留めることはしない。石膏ボードや屋根材を載せて暫く経ってから最後に留める。それは、建物に本来掛かる重量負荷と出来るだけ同じくらいの重りを構造体に背負わせて、垂直方向に沈ませる。(建方工事直後は、屋根や内装の資材も施工していない最も軽い状態ですから)もしそのまま軽い状態で留めてしまうと、どんどん荷が掛かってきた時に金物が緩んでしまう。強い地震の上下振動があった場合、緩んだ金物は強い力に耐えられず伸びたりちぎれたりしてしまうから、いざという時その役目が果たせない。だから、時間を掛けて十分な荷を掛ける必要があるんだが、短期間に施工する現代の建築では、それがないがしろにされる。大手住宅メーカーでは、2ヶ月程度で完成させる住宅もあるようだが、そんな工期はまともな建築では考えられない。30年ももたないようなローコスト住宅ならまだしも、100年以上の耐久性をコンセプトにしている輸入住宅はそれでは出来ない。早い安いうまいは、牛丼屋だけでいいのではないか。
2013年12月12日
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夏場の外壁(構造)面結露を防止できる特殊な片面透湿防水紙、ウェザーメイト・プラス。写真に写っているスカイブルーのシートがそれなんだが、こうした防水紙は国産には存在しない。だから、私たちはわざわざ北米から輸入しているんだなぁ。このシートを張った上で窓を取り付けるのだが、その時も雨水が窓の隙間から侵入しないように一定の決まりごとに従って施工する。窓の四方の施工でもその気遣いがよく分かる。窓上は、敢えて防水シートを巻き上げてあるのが分かりますか。これは、窓に付いている釘留め用のフィンの上に防水紙を後から被せる為に巻き上げているのです。その他の三方は、フィンの下に防水紙を入れていますね。こういう施工をすると、防水紙の下になる構造部分に雨水が侵入するリスクが低くなるのです。また、北米では常識ですが、窓上のフィンには釘を打ちません。ここを留めてしまうと、構造がその重さで縮んできた時に窓にも歪みが生じてしまうのです。そして、ここ豊川市N邸で初めて採用した国内最高性能のダブルLOW-E2断熱トリプルガラスの輸入樹脂サッシ。外壁面から大幅にサッシのガラス面が飛び出しているのが分かりますか。(サッシ枠全体が壁より出ています)普通のサッシなら、外壁面とほぼ同じ位置にガラス面が来るはずだから、3重ガラスの厚みがどれ程あるか想像に難くないですね。数値や理屈だけでなく、実用でどれくらいの断熱・保温性能を発揮してくれるか楽しみです。
2013年12月11日
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昨日は、基礎について書きましたが、今日は豊川市の輸入住宅で行われた土台伏せについて書きたいと思います。土台とは、立ち上がり基礎の上に載せる角材を言います。最近は、コンクリートの基礎の上に床下の通気を促す目的や直接土台を載せた時に起きる結露を防止する為に、基礎パッキンを間に入れる工法が取られています。こうしたことで、シロアリが好むジメジメした床下環境を作らない工夫をしているのです。基礎パッキンは、黒い樹脂製のように見えますが、その材質の殆どは石の粉(炭酸カルシウム)で出来ているので、建物荷重による圧縮変形や経年劣化が殆どないという特徴を持っています。そして、私たちが土台に使う木は、ヒノキの芯持ち材。ヒノキは、あのいい香りの元となるヒノキチオールという物質を含んでいますから、他の樹種よりシロアリは好まないと言われています。芯とは木の堅い中心部分ですから、シロアリが比較的食べやすい柔らかな辺材よりもリスクが少し下がります。但し、食べるものがなければ、シロアリは何でも食べるので油断は禁物ですよ。私たち ホームメイドは、こうした工夫やベタ基礎などにして、出来るだけシロアリが侵入したがらない状況を作っているに過ぎません。それも、環境や人体に有害な防蟻処理剤などを使用しないで、自然の素材や摂理によってシロアリの侵入を防ぎ、こうした虫とも共存していく方策を選択しています。自然の生態系に於いては、シロアリも大切な役者の一人です。だから、建物に被害が及ばない限りは、私たちがシロアリ駆除用の防蟻処理剤を使うことはありません。そして、基礎と土台とをつなぐアンカーボルトもスクリュー座金というものを使って固定します。これは、カッターの付いた座金とナットが一体となっていて、土台の木を必要な分だけ削りながら、土台の上端ピッタリで締め付けることが出来ます。だから、余分に大きな穴を明けることなく、アンカーボルトを留めることが可能なんです。穴を明けすぎると、断面欠損によって土台の強度が落ちてしまいますからね。ホールダウン・アンカーは、長くて太いボルトですから、基礎と構造体である2x4工法の木造外壁とをつなぐ目的に使用します。こうすることで、基礎から土台、構造壁に至るまで緊結された状況を作り出し、耐震性能を向上させることが可能となります。大引き(床支え)と土台とをつなぐ金物は、地震等の際に大引きが外れたり、転んだりしないように付けられます。また、大引きを下から受ける鋼製束は、大引きが乾燥したり吸湿したりして変化した時に束高を調整する機能を持っています。勿論、建物の垂直荷重にも十分耐えられるものであることは言うまでもありません。最後に、基礎の外側に大きく張り出したレンガ積み用の基礎。幅は150mmありますから、20mm程度の外部通気層を取って90mmのレンガを積んでも、40mmもの余裕があるのです。このレンガ積み用の基礎は、鉄筋の入った建物のベタ基礎を延長して建物周囲に巡らせていますから、家全体の荷重がその分分散するばかりか、建物の揺れにも同調する環境を作り出します。土台伏せの現場だけでもこんなにいろいろな仕事をしているんですね。まだまだ書けることはありますが、今日はここまで。
2013年11月26日
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以前のブログで、豊川市の輸入住宅N邸でトリプルガラスの輸入樹脂サッシを採用するというお話を書きましたが、通常のペアガラスとどれくらい違うのかを写真でお見せしたいと思います。まず、これらはどちらも樹脂で作られたハニカム構造のフレームを採用しています。樹脂は、熱伝導率がアルミに比べて1000分の1以下という点で、国産のアルミサッシとは比較にならない断熱性能を有しています。また、ハニカム構造にすることで、それぞれの部屋に熱が伝わるスピードも遅くなるという点でフレーム自体の断熱性に両者で大差はありません。しかしながら、ガラスという一番熱が透過しやすい部分においてその差は歴然。内側から外側までのガラスの幅は、ペアガラスに比べてトリプルガラスは1.5倍。ガラス自体の厚さも1.5倍のものが1.5倍の枚数使われています。また、ガラスとガラスの間の空気層(断熱層)も合計で1.3倍の厚さとなるのです。更にガラスを固定する為のスペーサーも、フレームやガラスからの熱が伝わらないように「ウォームエッジ」という特殊なスペーサーを用いるという念の入れよう。それから、ここがトリプルガラスの真骨頂なんですが、私たちの輸入サッシは一番外側のガラスと一番内側のガラスに次世代の高性能LOW-E2断熱コーティングを採用していますが、このダブル・LOW-Eという手法はペアガラスでは不可能なんです。そは、ガラス内部でお互いが熱反射を起こしてしまい、その熱膨張でガラスが割れる危険性がある為、2枚のガラスにLOW-Eコーティングを同時に施工することは出来ないのです。トリプルガラスの中央にクリアガラスを1枚挟んでいることで、このダブル断熱ガラスが可能となるんです。2つの空気層には断熱性を高めるアルゴンガスも封入されていますから、まさに国内最強のサッシと言っても過言ではないですね。住宅で熱効率が最も問題となる窓においてこうした努力を積み重ね、省エネやCO2削減で大きな一歩を踏み出しましょう。
2013年11月11日
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防水紙と構造用合板との間で夏場に結露が起るという問題を防止する為に、私たちはウェザーメイト・プラスという北米のスペシャルな防水紙を使います。これは、一般的なハウス・ラップでは、この問題に対処出来ないということから採用されました。そして、今日アメリカで資材を供給しているという方が当社にいらっしゃいまして、写真にあるホチキスの針をご紹介頂きました。防水紙は、通常タッカーと呼ばれる道具を使ってホチキスで構造用合板の上に張っていくんですが、ホチキスですから当然防水紙に小さな穴が明いてしまう訳です。そうすると、万一防水紙の上に雨などの水が付いてしまうという雨漏りトラブルが発生した場合に、ホチキスのところから水が侵入して構造用合板を濡らしてしまうということも考えられます。そこで考え出されたホチキスが、プラスチック・キャップ付きのホチキスの針。緑や青の柔らかいキャップが付いているので、ホチキスの穴が大きく明くことはありませんし、防水紙に明いた穴もキャップが覆い隠してしまいます。また、ホチキスの位置も分かりやすいので、留め忘れの防止にもなります。そして、針はステンレスに亜鉛メッキをしてあるらしく、将来錆も出ないように作られているそうです。まあ、ここまで徹底しなくても、防水紙に雨が侵入することは殆どないと思いますが、アメリカ人は面白いことを考えますねぇ。ホームメイドでも、そのうち現場でテストしてみたいと思います。
2013年11月08日
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明日から地盤の柱状改良工事に入る豊川市の輸入住宅 N邸。敷地周りの擁壁工事が完了して、今の状態は更地。改良工事で水を使う為、市に急いで手続きをして比較的早めに水道も引けた。明日の天気は、雨時々曇り。水で固まるコンクリートが主成分の改良剤は、土砂降りでない限り、施工時で雨などの影響は心配ないが、地面がグチャグチャでは気分的によろしくない。雨降って地固まるという諺があるから、基礎の打設前ならいくら降ってもらっても構わないけど、台風さんにはちょっと手加減してもらえると嬉しいなぁ。あと、日進市M邸では、明日基礎の配筋検査の予定です。ほぼ現場が同時進行なんて、ホームメイドにしては珍しいなぁ。
2013年10月24日
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10月頭に地盤の補強工事を行った日進市 M邸。その後を受けてという訳ではないのですが、今週末には豊川市のレンガ積み輸入住宅 N邸の地盤補強を始めます。どちらの柱状改良も同じ業者さんにお願いすることとなっています。いつも変わらぬ施工でやってもらえるというのは、私たちにとってもお客さんにとっても安心なことですよね。地盤や基礎といったことは、なかなか後で補修したりすることが大変ですから、金額よりもしっかり保証してもらえるような仕事であることが大切です。と言いながら、以前からお話ししているように、地震などの自然災害は、いくら地盤補強をしても、いくら強い基礎を造っても、防ぐことが難しいということを忘れないで頂きたい。先日の台風で大きな被害を出した伊豆大島の土石流。あれだって、地盤補強や強い基礎で何とかなるというものではありません。どんな自然の脅威に対しても、万全であるという家づくりなどは存在しないのです。それにしても、金曜に来るかも知れない台風27号。豊川の現場施工に影響が出ないといいですが・・・。何事も安全・無事ということが、一番尊い気がします。
2013年10月22日
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以前、ブリック・タイル(カルチャード・ブリック)をラスカットの下地に直に張り付けると、雨水が入り込んで構造をも腐食させてしまうというお話を書きましたが覚えていらっしゃいますでしょうか。他社が建築した家で、トラブルが発生した実例がこれ。輸入住宅ブームの際は、このブリック・タイルが流行りましたねぇ。ラスカットや外壁として張られた構造用合板が、既に腐ってしまい、中が空洞になっているのが分かりますね。カルチャード・ブリックを剥がしていない場所は、何ともなっていないようにも見えますが、実際の中身はボロボロだと思います。防水紙も構造用合板の上に張ってあったようですが、気化した水が湿気となって、防水紙の内側にも入り込んだのかも知れません。勿論、防水紙に隙間があったことも考えられますが、こんなに広範囲に腐ってしまっていることを考えると内部結露以外考えにくいように思います。湿式モルタルでラスカットの上に張るのでなく、胴縁で通気層を取っておいて、その上にコンクリート・サイディングを張ってからタイル張りすれば、ここまでのことはなかったでしょう。カルチャード・ブリックにしてもジョリパットにしても直貼りで外壁に施工するのは危険です。パッと見同じで安いのがダメなのは、これで分かりますね。補修には、新築時の3倍のお金が掛かります。
2013年10月01日
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京都研修旅行の第2弾。今回は、鴨川沿いにある高級料亭「鶴清」(つるせと呼びます)をご紹介します。この料亭は、護岸からせりだす形で、床(ゆか)と呼ばれる大きなウッドデッキが備え付けられています。昼間も利用可能なのですが、やはり夏の日差しが強く夕涼みを楽しみながらの料理とお酒が最高です。(川床は夏季限定なので、9月末で終了ですが・・・)この川床は、先日の台風の大雨や洪水の被害もなく普段通り営業されていましたから、川上の壊滅的なダメージとは無縁でした。この建物で驚きなのは、高級料亭というだけでなくご覧頂いた通り、巨大な3階建ての木造建物だということです。今の建築基準法からすれば、きっと建てることが出来なかったでしょうが、昔の大工の技術と国産木材の粋を集めて造られたのでしょう。内部は宴会の出来る大広間などがありますから大きな地震など来たら、きっと大きな被害を受けると思いますが木造建築独特の柔軟性を生かして、壊れても倒壊しない状況を創り出してくれるような気がします。実は、この倒壊しないというのは非常に大切なことなんです。つまり、地震や火災の際に人に逃げ道を与えたり、押し潰したりしない状況を生み出してくれるのです。勿論、何のダメージも受けないでくれれば素晴らしいですが。私たち ホームメイドも、古くなっても価値ある輸入住宅を造っていきたいものですね。
2013年09月24日
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日経ホームビルダーの9月号で、「フローリングにカビ、設備の説明聞いてない?」という記事が掲載されていた。何でも築1年半のお客さんからクレームの連絡があって、床に布団を敷いていたら、フローリングが黒くカビてしまったということらしい。そこで住宅会社の人間が状況を見て、そのお客さんに説明した原因は24時間換気の装置のスイッチが切られていた為と言ったそうな。そんな説明は事前に聞いていなかったと言うお客さん、説明したという住宅会社。でもねぇ、どっちも変な理屈をこねているって分からないのかなぁ。布団を敷きっ放しにする「ものぐさ」を反省しないお客さんも常識や行儀がなっていないし、住宅会社も家全体の換気を前提にした24時間換気のシステムを局所換気も行うかのような間違った言い訳に使うなんて、全然建築を分かっちゃいないよね。ましてや、24時間換気装置が義務化される以前だったら、このクレームは成立していたのかと、この住宅会社に言いたくなるよね。確かに説明する必要はあるかも知れないが、全てのことを事細かに全て話すなんて不可能です。常識的にどうしてこの設備が必要となっているか、何故電源が入っているか、本来なかった設備が義務化された理由は何なのか、設備を使わなくてもよくなる工夫はないのか、をお互い勉強しなきゃダメなんじゃないでしょうか。ややこしいものが必要な社会を、もっと自然な家づくりが出来る社会に戻さなければいけないですし、生活上の常識が通用するような教育をしていかないと、これからの日本は大変なことになる気がします。それにしても、床は、防カビ処理された普通の合板フローリングだと思いますので、そこがカビるなんて相当ですね。因みに、うちでは無垢のフローリングしか使いませんが・・・。
2013年09月07日
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お盆休みを利用して、郡上市高鷲にあるひるがの高原に来ています。ここは、先般亡くなった家内の叔母の持ちものだった別荘。だから、今はいとこの所有なんだけど、今年もお邪魔しています。ここ、高鷲や白鳥でも34度といった気温を記録していますが、山の上の方では30度を下回ります。勿論、夜になれば20度前後になりますから、クーラー要らず。でも、地球温暖化の波は、こんなところにも押し寄せてきているのか、年々白樺の木も少なくなってきている気がしますし、以前は見かけなかったカブトムシも別荘の網戸にくっついていました。それにしても、四万十市で41度を記録したというニュースはどういうことなんでしょうね。だって、アスファルトもないし、美しい川が流れているような田舎ですよね。絶対都市化した場所の方が、暑いように思うんですけどね。さて、今日はフモトに降りて温泉でも入りに行こうかなぁ。明日、名古屋に帰りますが、37度なんて気温に耐えられるかなぁ。名古屋圏の都市機能をここに移せば、もっと産業や仕事の効率が上がるのに・・・・。世の中では、断熱性能を上げる工夫をしたり、全館空調で室内の空気を整えたり、スマート・ハウスを推奨したりしているんだが、そんなことするのが馬鹿げてきます。人間の浅知恵で考えたいろんな技術を使うより、自然を利用した方がいいことを行政の役人たちは考えないのかなぁ?
2013年08月13日
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久しぶりに家づくり以外のことを書かせて頂きます。今年は、早くから掃出し窓の前にネットを張って家でゴーヤを栽培しています。あまり雨が少なかったせいか、梅雨時でもそれ程大きくならなかったのですが、ここのところの暑さでグングン大きくなってきました。しっかりした日よけになるには、もう少し高いところまで成長してもらわなければなりませんが、結構いい感じになってきました。だって、うちのアルミサッシは40年前のものですから、シングルガラスで断熱性は殆ど期待出来ません。それも在来工法の日本家屋ですから、隙間から暑い外気が侵入してきます。まさに、夏暑くて冬寒いの典型です。だから、こんな日よけでも効果は十分あるはずです。写真の実も数日前は、小さなものだったのですが、もう十分収穫出来るくらいまで育ってくれました。瓜系の植物って、育つのが早いですねぇ。花もたくさん咲いてきましたので、この調子だと毎日食卓にゴーヤが並びそうでちょっと怖いです(笑)まあ、ゴーヤは好きだからいいですけどね。遮光と収穫。家づくりにおいては性能ばかりに目が行きますが、ちょっとした工夫も楽しいですよ。
2013年07月20日
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日本でも製造されているネオニコチノイド系農薬3種の使用を2013年12月から原則禁止するとEUの欧州委員会が発表しました。最近激減しているというミツバチに有害な農薬を禁止にしたという点で、生態系や環境に配慮したというニュースなんですが、実はこの薬剤は住宅のシロアリ対策に使われる防蟻処理剤でもある。ミ〇ワホームなど、大手住宅メーカーは、HPでも安全性が高いと言って、これを防蟻処理(シロアリ対策)に使っていますが、こういうことを分かって使っているのでしょうかねぇ?当然、大手も使っているからということで、中小のビルダー・工務店でも一般的に使われているのですが、昆虫だけでなく、神経毒として人体にも影響があると言われています。日本の住宅の多くは、30年程度が寿命ですから、解体時には薬剤が塗られた建材が自然界に廃棄されることになります。勿論、薬剤の保証期間は5年というのが一般的ですから、解体時ではその効果は限定的と言えるかも知れませんが、その間住宅の中にいる家族たちは、この薬剤が揮発した空気に曝され続けるのです。写真を見ると、基礎から窓下までのおおよそ1mの高さにオレンジ色の防蟻処理剤が塗ってあります(薬剤は、緑色や透明のものもあります)。場合によっては、外側だけでなく、室内側の壁にも塗っています。私なんかは、くさい臭いで目や頭が痛くなります。精神的な不安や生殖機能の低下など、昨今の社会問題は、どこから来ているのでしょうか。全てが今の住宅事情から生じているとは言いませんが、その一端を担っている可能性は否定出来ません。誰しもシロアリさんに家を食べられたら嫌ですが、自然の摂理を活用したシロアリ対策をすべきではないでしょうか。人間の欲が全てに勝るというのは、煩悩なんでしょうかねぇ。
2013年05月31日
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先日は、天然素材のセルロース断熱材を壁などに吹き込む為の布張りについて書きましたが、今回はセルロースを十分に吹き込めない、柱の間隔の狭い場所などに使用する天然ウールの断熱材が、愛知県半田市の輸入住宅 K邸に入ってきましたので、ご紹介しましょう。羊毛の断熱材には2種類あって、全くのバージン・ウールと再生されたものを使います。私たちは、エコロジーやリサイクルを考えて出来るだけ再生ウールを使うようにしていますが、再生ウールは生産量が限られる為、メーカー在庫がない場合などには、バージン・ウールも使います。これらの断熱材は、見た目の違いこそあれ吸放湿作用や断熱性能、調温性能、吸音性能などの性能に違いはありません。セルロース同様、天然素材ですからね。ただ、再生ウールは、毛足が揃っておらず、短い毛のものも存在する為、裁断バサミでカットするのが結構難しいという性質を持ちます。まあ、これは施工上の問題だけですから、お客様に特に不具合はありませんが・・・。こうした断熱材を触ってみると、毛布の柔らかな手触りが感じられます。そりゃ、同じ素材ですからその通りですよね。毛布をまとった暖かなおうちと思うと、素敵じゃありませんか?
2013年05月19日
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カナダのレンガ職人が、レンガ積みの外壁を施工している中、建物の内部ではいよいよ断熱工事が始まりました。建方工事が終わったらすぐに始まりそうな工事ですが、実はその前に電気の配線工事をやっておかなければいけません。また、愛知県半田市 K邸では、全館空調システムを採用していますので、屋根裏に機械を設置して、そこから各部屋への太い吸排気ダクトを回さなければいけません。これもただ回すだけならいいのですが、人の目から隠す為に壁や梁を余分に設けるという大工工事が必要となります。だから、こんなに時間が掛かるんですねぇ。そして、柱(スタッド)の間にセルロース断熱材を吹き込む為に美しく張られた布をご覧下さい。この布も少し特殊で、目が少しだけ粗いものを使用します。粉のようになったセルロースを、空気と一緒にこの中に吹き込むのですが、目が細かくて空気が抜けないものを使用すると吹き込んだ口から断熱材が逆流して飛び出してきます。こういうところにも接着剤を使わないセルロースの吹き込み工法に気を遣っているんですね。(接着剤を混ぜて壁に吹き付ければ、布を張る必要もないですから・・・)ピシッと布が張ってありますから、セルロースの断熱材が均等に入り、断熱欠損もないんです。(勿論、吹き込み作業をいい加減にしたら、意味ないですが・・・)いや~、ほんと手間暇掛かってますねぇ。どうしてこんな手間を掛けてセルロースの断熱材を使うのか?それは、他の記事を見てね。
2013年05月16日
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まるで教会を思わせるハーフ・サークル・ウィンドウを見上げる吹き抜け空間。構造むき出しですが、美しいですね。その高さは、5.5m近くにもなります。タワー(塔)のようになったこうした構造には、バルーン工法と呼ばれる施工を行います。通常、2x4工法では、1階部分と2階部分とでは、構造区画を別々に考えていますから、柱材(スタッド)も1階と2階とで別々に施工します。つまり、1階と2階とでは、壁も別々の構造区画として捉えるということですね。(専門的でちょっと難しいですが・・・)日本の在来木造工法の2階建ての場合、構造的にキーとなる柱を1階床から2階の天井まで1本もので施工する「通し柱」と呼ばれる長い柱が入ります。それと同じ考え方で、こうした特殊な空間には、2x4工法でも長い通し柱を使って壁も1枚のものとしていきます。これが、バルーン工法と呼ばれる施工なんですね。地震等の揺れに強い構造の輸入住宅を造るに当たっては、どんな工法であっても自然の摂理や力の考え方は同じになるということです。勿論、それぞれの工法で構造特性が違いますから、細かな点で違いがあるのは当たり前ですが、自然の原則に常に則っているのです。こうした施工は、内装を仕上げてしまうと見ることが難しいので、関心のある方は是非この機会に愛知県半田市のK邸までお越し下さい。ご連絡頂ければ、ご案内しますよ(笑)
2013年05月13日
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基礎パッキンというと床下を常に乾燥させる為に通気材として使われるケースが殆どです。昔は、立ち上がり基礎の一部に開口を設けて、そこに通気口をはめるのが一般的でしたが、基礎パッキンの登場で基礎ラインを欠損させることなく、床下全体の通気・乾燥を実現出来るようになりました。ただ、ここで一つ問題なのは、家の中(室内)で床下がない部分があるのです。それは、玄関内の靴脱ぎ(土間)。日本では玄関で靴を脱いで上がり框(かまち)で1階のフロアへ上がります。つまり、欧米のように1階のフロアと玄関土間とが同じ高さにないのです。玄関土間の床が、基礎パッキンより低い高さに来る場合、通気機能のある基礎パッキンだと風が室内に入り込んでしまい断熱性が保てません。もしそこを内側で塞いでしまうなら、通気を失いますが外側は穴が明いた状態となります。空気の流通があるからこそ、シロアリ等が嫌がる状況が生まれるのに、穴だけ明いた状態なら被害のリスクが高くなります。そこで敢えて通気をしない気密のある基礎パッキンが必要になるんですね。また、逆に、玄関土間の床が基礎パッキンより高い位置に来る場合、土間下地のコンクリートが基礎パッキンに被ってきますから、この場合も通気しない基礎パッキンの方がいいと思います。ただ、この部分だけ本当に通気をしなくてもいいのかと言えば、私はよくないと感じます。だって、玄関土間だって家の一部ですから。シロアリや耐久性、住み手の感覚を考慮して、改善すべき点はいろいろありますが、常に前進してベターなモノづくりをしていきたいものです。
2013年04月29日
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2x4工法だけでなく、在来工法の木造でも行いますが壁や柱を立てた後、長い柱材を斜めに取り付ける施工をするんです。先日、建方工事が終わろうという現場をお客様にお見せした時お客様から「この斜めの材木は何ですか?」という質問を頂きました。2x4工法の輸入住宅では、1階の床を組んだ後、1階の壁を1つずつ造っていきます。その時、それぞれの壁が垂直に立っているか、壁同士の間隔がずれていないか、を見ながら建方工事を進めていきます。ですから、これは壁の垂直や位置関係を保持する為に、仮に付けられた柱材なんです。この作業を私たちは、「建て起し」と言います。これによって、三角の形が生まれますから、位置がガッチリ動かなくなるという訳です。最終的に構造全体が組み上がってしまって、どこにも動くことが出来ない状態になってしまうと、これは役目を失います。そこで、ようやく仮付け柱を撤去するんですね。垂直・水平に狂いがあると、室内の造作工事をする際にいろいろと面倒が生じます。そういった点では、一見無駄に見える地味な仕事にこそ家づくりの基本があるんです。家づくりは、早くやるばかりが能じゃありません。精度を出しながら、考えて仕事を進める姿勢が大切ですね。
2013年04月22日
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先日、愛知県半田市 K邸にお客様を連れて構造の見学をしに行った際に、お客様から「壁の上の部分に釘が飛び出しているけど、これはどうするの?」というご質問を頂きました。私たち 施工者は当たり前に思っていることでも、初めて見る人にとっては、不思議に思われることがたくさんあるんだなぁと実感させられる一コマでした。そこで、今回輸入住宅の施工について、これから家づくりを勉強していこうとお考えの皆さんに、もう少し詳しくご説明していきましょう。写真にある通り、2x4の柱材の上には、上枠や頭つなぎと言われる横に寝かせた木材が使われます。これは、縦に並んだ柱材を一体のものとして形成する為に用いられます。それは、2階の床根太(床下地の材木)の重量を柱材全体に分散して、1本の柱だけに負荷が集中しないように考えられているからです。2x4工法って、こういうところも理に適っていると思いますよね。では、何故みっともないようにも見える貫通した釘が、存在するのか。それは、同様に合理的な観点からわざと行われているのです。写真のような状況で、もし釘が見えなかったら、どうでしょうか?確かに見栄えはいいかも知れません。でも、よ~く考えてみて下さい。下から目視で釘が見えなかったら釘が本当に刺さっているか、どうやって正しく施工されているか確認出来ますでしょうか。もしかしたら、釘が全く打たれていないかも知れないと思いませんか?そう、2x4工法では、釘に色付けすることで、どこにどういった釘が使われているか、検査員が分かるようになっています。その釘が木材を貫通したり、その釘の頭が見えたりすることによって、釘が規定の深さまで入っているということが分かるのです。だから、写真のように釘が下から見えるということは、大工さんの正しく施工したというアピールなんですねぇ。また、釘には正しい間隔というものも存在しますから、決められた一定間隔で釘が施工されているというのも一目瞭然です。勿論、こうした部分は、石膏ボードを張った後は、全く見えなくなってしまいますから、インテリア上も支障はありません。北米のビルダーたちは、自分たちが万一施工ミスをしても誰でもちゃんと分かるようにしているという点も、合理的ですね。私たちが、ミスを故意に隠したり出来ないというのは、お客さんにとっての安心感につながります。
2013年04月18日
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東日本大震災から2年。ここ数日、TVでも多くの震災特集が流れています。あの日から何か日本は変わったような気がします。震災当日、建築業の許可要件である事業年度終了届を提出する為名古屋城の丸の内にある庁舎にいた。この終了届は、会社の決算内容を報告する為のものなので毎年この時期に提出しているので、あの日をいつも思い出す。ビルの5階だったから、相当長くゆっくりと揺れました。お役所の担当の人もこういった経験が初めてだったのか、心ここに非ずといった状態で書類のチェックをやっていたという感じを受けました。私自身は、近場で結構大きめの地震が起きたんだなぁと思っていましたが、まさかあんな遠い三陸沖が震源だったなんて思ってもみませんでした。未だに更地の状態だったり、ガレキが散乱したりしている被災地を見ると、自然を侮った人間の無力さを思い知らされます。そんな折、今年は5年毎に更新手続きを行わなければいけない建築業許可の書類を持っていつもの役所に伺いました。事業終了届は毎年、更新手続きは5年毎。結構、建築業を続けることは大変ですし、面倒も多いんです。こういうことを繰り返しやらなければならないので、多くの工務店は、煩雑な手続きを行政書士に代行をお願いしてやってもらうんだけど、作成から提出まで全部自分でやっている。お金の節約と経営状況のおさらいには、もってこいという訳だ。でも、あの日と同じ3月11日に更新手続きに行くのって、何か感慨深いものがありますねぇ。日頃から私たち建築屋は、地震に強い家づくりと称してどのような構造にしたらいいのかを常に考え、お客様にも提案をしている訳だが、そういうことの重要性と自然に対して我々は無力だということとを矛盾しながらも両方訴えていかなければいけないと私は思う。どうぞ皆さんもそういうことを心しながら、素晴らしい家づくりをしていって下さいね。
2013年03月11日
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宅地が基準以上の固さでないと、今は地盤改良や柱状改良が要求されますが、ただこれは地震などが起こらない普通の状態で、地盤沈下や不同沈下(均一に沈下しない沈下)の発生について保証するものでしかありません。つまり、一旦地震が発生したら、地盤沈下や地盤の流動化が発生しても責任は負えないというものが、今の技術の限界でもあります。以前にも書きましたが、絶対安全という神話(?)さえあった原発の炉心でも割ってしまうのが地震ですから、地盤改良程度の補強で何とかなると思う方が、平和過ぎると考えるべきです。私たち ホームメイドは、建物(木造住宅)の直下にある基礎を最後の砦だと思っています。外装材としてレンガを積んだとしても、木造構造の輸入住宅は比較的軽いですから、ベタ基礎という舟の上に乗っていれば地震の波の上でも揺れるだけで、建物自体は基礎の上に直立したままになると考えています。つまり、ベタ基礎というベースを如何に強くするかが大切なのです。今施工中の愛知県半田市K邸の基礎は、斜面に隣接する土地柄ということもあって、極端に頑丈なものにしています。おそらく、これだけ鉄筋の間隔(ピッチ)を狭くしたり、鉄筋量を多くしたりすることで、それに伴うコンクリートの量も膨大に投入する現場は、他にないでしょうね。勿論、強度だけでなく、土壌からの水分や湿気を抑える為にきれいに防水・防湿シートを張ってありますから、建物が地盤からの湿気に曝されることもありません。こういった丁寧な仕事こそが、見積や契約の内容に反映されていない、私たち 施工者の良心であることを忘れないでいて下さい。価値が高いものには、高いなりの訳があるのです。ただ、これだけの施工をしても、自然の力に対しては無力かも知れません。それ程、自然は偉大なのです。
2013年03月09日
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もう15年前くらいだろうか、一時期雨水利用についていろいろ勉強させて頂いたことがある。それを元に雨水利用システムを1軒のお客さんに導入させて頂いたのですが、それ以来本格的なものを採用させて頂いたことはありませんでした。通常、名古屋あたりでは雨水は汚水と一緒に捨てられてしまう。つまり、下水の処理場に本来浄化する必要のない雨水まで流入する訳ですから、処理の無理・無駄が多くなる。そんなことで雨水利用の促進を図ろうと考えたのですが、途中独立・起業をしなければならなくなり、ここ10年以上目に見える成果を上げることはありませんでした。そんな折、近くのホームセンターで小さな雨水利用の展示がされているのを見た。多くは、雨樋からの水を分岐して、タンクに溜めるというものだがこういうものが一般の消費者の目に触れるところで売られているというのは驚きだった。まだまだ一般化していないと思っていた私が、逆に遅れていたような気がします。都市に於ける人工のダムの役目も果たす雨水利用ですから、太陽光同様環境を考えていきたいという方は、是非やってみて下さい。勿論、ご相談頂ければ、応援しますよ。
2013年03月05日
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新築から時間が経つと、家はいろいろメンテナンスが必要となってきます。重い屋根材や外壁材、家具や内装材を全部背負って家はずっと耐えている。でも、やっぱり構造は重さでちょっとずつ縮んでくるのんです。それを見越して、ビルダーはいろいろなところに遊びを造っておく訳ですが、そういう自然の摂理を計算することが出来なかった場合も多くあります。写真のケースは、大工さんの問題というより、設計士自体がクリアランスをよく知らなかったのかも知れない。マービンのアルミクラッドサッシは、すごいしっかり出来ているから逆にメンテナンスの調整にも限りがある。構造が下がって、遊びのない状態で上枠を押すようになる場合、上枠と建具(サッシ)との隙間がなくなってしまう。こういう時は、サッシの下の車軸を下げて調整するのだが、それでも上枠に隙間が生じないような時もある。そんな時はどうするか?アルミを含めて建具を削るしか方法がない。メーカー曰くオークと同じくらいの堅さだから、アルミも意外と削れるそうな。まあ、ここまでやらなければいけない状況にはなかなかならないけど、そんな状況でも何とか調整しようと試みるのがホームメイドです。
2013年03月01日
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先回に引き続き、マニアックなビルダーの私が、床下の環境はどうなっているのかをお見せしたいと思いますが、今回は別の場所からご覧頂きましょう。まずは、上の方から行きましょう。床全体を受ける為に等間隔で床根太と呼ばれる柱材(1階は、通常2x6材。2階は、床の広さに応じて2x8や2x10)が並んでいる。その間に入っているのが、スタイロフォームと呼ばれる発泡系の断熱材。厚さは、おおよそ50mm。床下の冷たい空気を遮る為に隙間なく入れるのが、断熱性を高めるコツですね。(下から見ると、ちゃんと仕事をしているかどうかがよく分かります)発泡系の断熱材の多くは火気厳禁ですが、発火原因のない床下なら大丈夫。で、何でここにセルロースなどの自然素材系断熱材を入れないのかって?言いたいですよね。実は、2x4工法の場合、1階の床組み、1階壁、2階床、2階壁、2階天井、屋根伏せという順番で、パネル施工なら1週間、現場で全てフレーミングするなら1ヶ月掛けて家の構造が出来上がります。つまり、その間もし雨が降ったら、1階床下の断熱材は濡れてしまうかも知れません。勿論、床が濡れないように薄いプラスチックシートを仮に張っておくのですが、完全に防水することは出来ません。基礎の立ち上がりに数本の線が入っていますが、これが雨が伝った跡なんです。耐震合板等のヤニが出て少し茶色くなっています。こういう場合、いくら自然系の断熱材に吸放湿性能があると言ってもビチョビチョに濡れてはカビなどが気になりますよね。ですから、この床下部分だけは、濡れても大丈夫なスタイロフォームを使うという訳です。何が何でも自然素材という固定概念は捨てて、適材適所で使い分けることも大切です。 また、濡れてしまった場合でも、基礎パッキンを使って土台と基礎の立ち上がりの間に通気空間を取っていますので、暫くすると床下は乾燥状態になってくれますから、ご安心を。次に、配管関係を見ていきましょう。排水管は、お風呂やトイレなどで一度に大量の水を流しますから、こうやってしっかり固定することが大切です。(素材は、塩ビです)お湯や水の給水管については、さほど大きな力は掛かりませんからフレキシブルな状態にしておいても大丈夫です。そして、給水管には架橋ポリエチレン管という素材を使っていますから、このようにピンクや青いカバーを付けてあります。それは、ポリエチレンは紫外線によって劣化するので、出来るだけ光に当たらないようにするという目的と、色でお湯と水の管を見分けるという目的があるんですね。給水管に塩ビを使わないのは、飲み水に塩ビの成分である可塑剤(揮発性化学物質)や接着剤が混入しないようにという配慮からです。ポリエチレン管なら、お湯に変なものが溶け出すことはないですし管の接続はワンタッチで、接着剤も使いませんからね。ただ、どこでも私たちと同じ施工をしているかどうかは、分かりません。ですから、ビルダーさんが、ちゃんと情報公開しているかをチェックすることも必要ですよ。いや~、勉強になりますねぇ(笑)
2013年02月25日
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多くの皆さんは、外観やインテリアを気にされるでしょうが、中には見えないところを知りたいという方もいらっしゃいます。そういうマニアックな方の為に、マニアックなビルダーの私が床下の環境がどうなっているのかをお見せしましょう。まず、私たち ホームメイドの輸入住宅は、基礎を耐震性の高いベタ基礎という方法で施工しています。普通のビルダーさんより鉄筋量を増やしたり、コンクリートの厚さを厚くしたりしていますが、施工済みの状態での見栄えは、普通と変わりません。やってますと主張しない、そういうさりげない感じがいいですねぇ。さて、写真をご覧頂いた通り、ベタ基礎の床下には湿気はありません。よく床下が湿気るから炭を撒きたいという人がいらっしゃいますが、その必要は全然ありません。ベタ基礎の下にある土は、防湿シートで覆われていますので土からの湿気が上がってこないようになっています。但し、長い時間が経過すれば、このシートが劣化しないとも限らないので、少しは湿気が上がってくるかも知れませんね。そこで、私たちは、基礎の立ち上がりとその上に載っているヒノキの土台との間に、基礎パッキンなるものを入れて土台を少し浮かせています。その通気スペースから、外気が入ってきて床下の乾燥を促します。もしもの時のそういうバックアップも考えているという訳です。こういう仕掛けや虫が嫌う臭いの強いヒノキ材を使うことでシロアリや腐朽菌が繁殖しにくい環境を実現しているのです。(あくまで、防蟻の為の薬剤を使わないのがポリシーです)次に床組みの木材を下から支えるプラ束(プラスチックの束石)ですが、こんなものじゃ重い構造や家具を支えられないんじゃないかと思われるでしょう?でもこのプラ束、1本で14~15kN(キロニュートン)を支える力を持っています。単位がよく分からないという方もいるでしょうから付け加えますが、1t(トン)=9.80665kNなんですねぇ。つまり、1本で1.5t以上の重さに耐えることが出来るのです。また、木が将来動いたり、痩せたりしてもこのプラ束はアジャスターが付いているので、長さの調整が出来るスグレモノなんです。また、電気配線なんかもベタ基礎の上に載っていないでしょ。床組みの近くを這わせることで、万一床下浸水なんて状況になっても、配線がショートしないように出来るだけ上の方に施工しているのです。いや~、こんなことまで気遣いしているなんて素敵ですよね。でも、ここはお客さんには分からない部分です。このように施工してくれるかどうかは、施工する工務店次第ですね。そうそう施工後の床下のお掃除も大切な仕事ですよ。
2013年02月23日
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毎日、ニュースを賑わせているのが、中国の凄まじい大気汚染。でも、日本の昭和40年代なんかも四日市ぜんそくなどの病気が蔓延するくらい酷かった。まあ、中国も後追いしているだけと言えば、それまでなんだが。そうは言っても、今の日本人がひ弱になってしまったせいか花粉症やアレルギーぜんそく、化学物質過敏症など、空気に関する疾患を多く抱える国民になってしまいました。つまり、お隣の問題だからと言って、放ってはおけない状態になっている。今回の大気汚染は、工場で燃やされる石炭・石油の排気が浄化しきれていないこと、大量に増えた中国の自動車には厳しい環境基準が設定されていないこと、そして、温暖化で砂漠化が進行し、黄砂の飛散が大量になっていることなどが原因として挙げられる。その上、今春の花粉の飛散量が、昨年よりも相当に増えるという予想だから、虚弱体質の日本人には堪ったもんじゃない。そういうのに敏感な人たちは、外気を室内に入れないようにする為に、高気密化した家を望むであろう。また、空気の清浄機能のある24時間換気システムの付いた全館空調を採用するかも知れない。今回のことは、そういうことに対する要望が、増大するきっかけになる気がして仕方がないのだが、人間の技術というものは浅はかだということを心しておいて欲しい。全てを室内で解決出来ればいいが、それは対処療法のごく一部でしかない。家族全員が外へ出ないで暮らすなどということは不可能なことなのだ。まずは、そんな環境でもたくましく生きられるような体を作る必要があるのではないか。その上で問題を低減出来るように、中国に対して日本の環境技術を輸出・協力をしていくことが、原因療法であり、友好関係の強化にもつながると思います。勿論、どうしても家の機能に頼らざるを得ないという深刻な人には、全館冷暖房システムは不可欠かも知れませんので無理しないで下さいね。
2013年02月05日
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最近は、制度の改正で、新築前の地盤の調査が義務化されている。住宅に対しての地盤強度ですから、ビルや公共施設程シビアではないですが、一定の深さで一定の地耐力があると認められない限り基礎地盤の補強が要求されるのだ。名古屋は、元来木曽三川等の土砂が長い年月掛けて堆積した土地柄だから、強い地震が来れば地盤が流動化してしまうような柔らかめの地盤であることが多い。名古屋郊外の東部丘陵地帯でない限り、なかなか堅い地盤を見つけることは至難の業。そこで行われるのが、写真のような地盤補強なのだが、土地の状況によって縦穴に砕石やコンクリートの改良剤を流し込む柱状改良と呼ばれる補強をしたり、杭を打ち込んで補強する工事をしたり、表層地盤のみを改良剤と混ぜて固める補強などを実施する。確かにこうすれば、基礎の直下に対しては保険が掛けられるのだが、実際には深い地層からの変化や断層帯といった人間の力ではどうしようもない自然の驚異が存在する。人間に出来る補強など、せいぜいこのくらいのことなのだということを覚えていて欲しい。実際に地盤補強の保証となる対象は、地震ではないのである。普通に何もない状況の中で、地盤の沈下が発生しないということに対して、築後10年保証をしているだけなのだ。そう、たった10年・・・。多くの住宅会社が、地盤補強すれば地震に対して強くなるなどという根拠のない嘘を言っている。まあ、それくらい工務店の親父は勉強していないから、仕方ないが・・・。あの阪神大震災では、断層ラインではビルでさえ横倒しになっていたし、東北で起きた地震では山ごと崩れて風景さえ変わってしまったということを思い出して欲しい。絶対安全だった原発の炉だって、底が割れてしまったのだ。だからと言って、何もしなくていいかと言えばそうではないが、住宅メーカーの軽口に過度の期待や安心をすべきではないと心しておくべきだ。それより、多少家が壊れても、家族の命だけは何とか守れる家であれば、それで丸儲けだと考える気持ちが大切だ。話は変わるが、住宅ビルダーの中には、セメント(コンクリート)の中に六価クロムが含まれるからセメントの改良剤もよくないというふうに、間違ってPRしているところもあるようだが、六価クロムが問題となったのは1990年代の話で、現在六価クロムを含有している製品は市場には存在しない。彼らはまともに勉強していないから、話の時間軸がずれているのだ。もしそうなら、コンクリートを使わずに彼らは何を使って基礎を造っているというのか、教えて欲しいものだ。環境負荷の問題を利用して、意味なく消費者の不安を駆り立てる業者がいるのは、淋しい気がする。
2013年02月02日
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屋根の軒には、こうした換気孔が設けられる。それは、屋根裏の部分や外壁の通気層に溜まった暖かくて湿気の多い空気を、屋根で一番高い棟部分から抜くために必要となる。出ていく空気だけだと、十分に抜けない。だから、空気がどこからか入る仕組みを作ってやる必要があるんだなぁ。そういった意味で、雨が入りにくい軒裏に通気口があるのは、理に適っている。ただ、だからと言って、リスクがない訳ではない。台風のような暴風雨の場合、風が巻いて雨が下から上へと舞い上がってくることも考えられる。これを回避するには、軒裏の換気孔を塞ぐしかない。万一起こるかもしれないことの為に、必ずやっておかなければいけない換気(通気)の仕掛けを設けないというのは、本末転倒。だって、屋根裏に湿気が溜まったら、そこにカビやダニが発生するばかりか、木材や金属も劣化します。自分たちの頭の上が、そんな状況になってしまったら嫌ですよね。そういう時は、仕方ないと思うしかないというのが、現状精一杯人間がやれることなんです。所詮自然の摂理には人間の力は遠く及ばないということを、ちゃんと知っておいて下さいね。
2013年01月24日
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2009年9月と2010年07月に会社の外に放置した柱材の様子を報告しましたが、冬の雨上がりの今日の様子をご紹介します。一番グレーがかった無塗装のものは、ヒノキとは言え、やはり割れやささくれ、汚れ(カビ)が一番ひどい状況になっています。(向かって右から2番目)(昨日の雨の水分を含んでいるので、更に乾燥すると割れはもっと大きくなると思います)それでも、3年もの間風雨に曝されている訳ですから、ヒノキは大したものですねぇ。次に、シケンズを塗ったウリン(左から2番目)は、元々の色のダークパープルが薄っすら緑がかって苔むした感じです。また、割れについても木の成分として含まれていた木蝋が木口の表面に浮いてきて雨などの侵入を防いでいるのか、側面のクラック以外は大きく割れている様子は現在もありません。ウリン本来の耐候性が、大きく貢献しているのでしょうね。そして、両端のティンバーケアを塗ったヒノキですが、塗装のハゲがあるものの、割れについては以前と殆ど変化がありませんので、今でも塗装が割れを抑制していると言っていいと思います。また、表面はツルツルしていますので、防水性能も全く落ちていないのでしょうね。3年間、風雨に曝された状況としては、いい状態です。だから、ウッドデッキや木製ドアや窓に塗ると効果がある訳です。暴露実験を実施して、ここまで耐久性を実証出来る塗料はパラペイント ティンバーケアならではだと思います。以前の定点観測記事:2010年07月17日2009年09月11日
2012年12月16日
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今日は、全国的にメチャメチャ寒いですねぇ。名古屋でも今夜から明日未明にかけて雪がちらつくそうな。こんな寒さの中でも、夏用のサイクルスーツに身を包んで6kmの道のりを自転車で通勤している私は、変わり者ですね(笑)さて、私は、断熱について常々思っていることが一つあります。それは、窓を通しての熱の流出や流入です。日本でもサッシのガラスは、2重が標準になってきましたが壁などと比べてまだまだ熱が伝わりやすく、省エネの観点からすれば、最大の弱点となっているのが窓なんです。それを解決していくには、やはり窓ガラスの性能の強化しかないだろうと考えてきました。先日、トレーダーの社長さんのお話を書きましたが、その際紹介頂いた輸入サッシの一つをご覧下さい。お分かりになりますでしょうか?いわゆる3重ガラスの輸入サッシです。それも一番外と一番内のガラスには、LOW-E2の断熱コーティングがされた上に、断熱性能を上げると言われるアルゴンガスもガラスの間に封入されています。更に、LOW-E2も外側には夏用、内側には冬用のものが採用されています。これはどういうことかと言えば、夏の暑い熱線は一番外で跳ね返し、冬の暖かい室内の熱は一番内で跳ね返すという仕組みなのです。また、夏の明るい光だけを取り入れたり、冬の太陽の熱を室内に取り込んだりということもやってくれます。これって、相当すごいことですよね。ガラスとガラスの間に入れるスペーサーにも工夫があって熱を伝えにくくしていますし、サッシ自体も樹脂で出来たブロックをいくつも組み合わせた構造になっていますから、木製サッシよりも断熱性が高い状況を作りだしています。樹脂フレームですから、防火地域での使用は出来ませんがそうでない地域であれば、下記のように国産ペアガラスサッシの3分の1程度の超省エネ環境が実現出来ます。一般的な熱貫流率(U値、W/平米K):ペアA6 = U値4.65この製品 = U値1.07~1.58皆さんの輸入住宅にこういうサッシを使ってみたいと思われる方は、是非ご相談下さいませ。
2012年12月09日
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トンネル崩落:コンクリ劣化の可能性 (毎日新聞 2012年12月03日)元々コンクリートは、水が浸透する性質がある。山をくり抜いたトンネルの上には、水脈がいくつも走ってるだろうから、例え防水処理をしていたとしても、コンクリートが常に水分に曝されるリスクが存在すると考えるべきだと思う。そんな状況で、鉄で出来たアンカーボルトが腐食して膨らみ、コンクリートのクラックを助長させるなんてことは十分考えられる気がする。勿論、水分に曝された鉄筋が、錆びて折れるなんてことを想定できなかった道路会社もお粗末だね。果たして、鉄筋コンクリートで出来た建造物が、100年の耐久性があるなんてことは未だかつてない。そういう意味で、鉄筋コンクリート製の住宅の耐用年数や強度などというものも疑って掛かる必要があるかも知れませんね。結局、人間の浅知恵で考えた技術を過信してはいけないと私は思う。自然の摂理や自然に逆らわない方法を用いて社会や建物を構築しなければ、こういうことが起こるという戒めなんでしょうね。亡くなられた皆さんには、深い哀悼の意を申し上げます。
2012年12月03日
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こちらの図をご覧下さい。これは、湿気の多い夏の暑い時期に建物の壁の中が結露する、壁体内結露の原理を図にしたものです。壁体内結露は、断熱性能を低下させ、構造体を腐食したりカビやダニが発生する原因にもなります。また、鉄製の耐震金物や釘なども錆びさせてしまうから大変です。さて、一般的な透湿性防水シートは、内側の面も外側の面も湿気のような空気は流通させるが、分子の大きな水分は通さないという仕組みになっています。だから、透湿性防水シートと呼ばれるんですね。通常、このシートは、壁の中の余分な湿気を外に出して、外から雨などが入り込んできた場合でも壁の中には入れないということを想定して作られています。でも、地球温暖化で亜熱帯のように高温多湿な日本の夏では、壁体内結露という新たな問題が発生するようになりました。つまり、戸外の湿気が透湿性防水シートを通過して、壁の中に入り込んできます。室内にこの湿気が入り込もうとするのですが、ベーパーバリアというビニールシートによって侵入を阻まれてしまいます。(ベーパーバリアは、空気も水も通しません)でも、その際、ベーパーバリアを含めて室内側は、クーラーによって冷やされていますから、湿気はそこで水へと変化します。ですから、グラスウールのような断熱材は、水分を含んで断熱性能が低下するばかりか、カビなどが発生することとなります。これは、自然素材のセルロース断熱材のような吸放湿性がないことが原因です。そして、壁の中は屋外よりも比較的低温ですので、水分が再び湿気に戻ることはありません。その為、透湿性防水シートから外に出られないこととなりますから、一方通行的に屋外からの湿気(水分に変化)の流入が止まらないのです。もし施工不良や経年劣化で室内側のベーパーバリア等に穴が生じれば、逆の原理で冬場に壁体内結露を起こすこととなります。人間のやることに将来も絶対大丈夫なんてないですからね。それを解決するのが、私たちが施工している輸入の特殊な透湿性防水シートであり、自然素材のセルロースや天然羊毛の断熱材であり、北米式の塗り壁 ドライウォールのインテリアなのです。また、敢えてベーパーバリアを設けないことで、冬場の室内結露を自然素材の断熱材が防いでくれる仕組みを私たちは作っているのです。自然に逆らわず、自然素材の特性をうまく利用して、長持ちする家づくりをすることを忘れてはいけません。
2012年11月26日
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以前お話した通り、温まった湿気が滞留しやすい屋根裏は十分な換気が必要です。特に冬は結露を起こす原因にもなります。屋根の一番高い位置にある棟に換気棟を設置して、屋根裏の空気を逃がすのですが、湿気がスムースに出ていく為には、どこからか別の空気が入ってくることが重要となります。そこで利用されるのが、外壁材と構造体との間に作られた通気層と写真の軒下換気口。太陽の熱によって温められた空気が、軒下から入って屋根を抜けていくと、その空気に引っ張られる形で外壁の通気層にある空気も一緒に抜けていきます。外壁の空気、軒下の空気、室内の空気の3つが混在して棟から抜けていくことで、建物の結露を防ぐことが可能となります。当然、屋根裏空間は断熱空間としても機能することとなります。ただ、屋根裏を部屋や収納として利用する場合、屋根に断熱材を入れなければなりません。でないと屋根裏部屋が暑くていられませんからね。でも、断熱材が空気を流通させる通気層を塞いでしまってはせっかくの結露防止の仕掛けが機能しなくなってしまいます。断熱を図りながら、結露対策をするにはいろいろな施工が必要になるのですが、そこに気付かないビルダーはたくさんいますね。
2012年11月25日
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建物において最も断熱性能が低いとされている場所は、どこだと思いますか。それは、窓なんです。ガラスという薄い素材は一番熱を伝えやすいんですね。今、私たちが使っている北米の輸入サッシには、こんなガラスが入っています。その名も「LOW-E II 断熱ペアガラス」2枚あるガラスの外側のガラスに断熱コーティングがしてあるんですが、この性能が素晴らしい。夏は外部からの熱線を反射し、冬は室内の暖かさを保持します。また、紫外線も遮断する為、カーペットや窓周り、カーテンなどの色あせも最小限で済むんです。あと、太陽の光の角度によって、熱の伝わり具合を変化させるというのも優れもの。だから、夏冬だけでなく、1年中室内の温度変化を少なくして快適に暮らせるんです。最新のパソコンや冷蔵庫なんかにも付いている省エネ製品を表すエナジースターのマークもありますから分かりますね。勿論、ホームメイドの輸入住宅では、LOW-E断熱ガラスは標準です。
2012年09月04日
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