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1月15日の産経ニュースで、日本のオオハリアリという在来アリがアメリカで大繁殖して生態系に影響を及ぼしているという記事がありました。よくあるのが、アメリカの生き物が外来種として日本の生態系を破壊するというものでしたが、やっぱりその逆もあるんですね。さて、オオハリアリですが、日本ではシロアリを主なエサとして広く生息しているそうです。つまり、シロアリにとってはこの黒アリが天敵という訳です。こうした生態系があるから土壌は豊かになり、シロアリたちも増え過ぎることもありません。日本の家では、新築時にシロアリ被害を防ぐ為に防蟻処理をすることが標準になっています。また、一旦シロアリが出たとなれば、家の中だけでなく、建物の周囲の土壌にも駆除剤を散布することもしばしばです。最近は、ホウ酸は人体に無害だと言って、それを塗る業者さんもいるようですが、防蟻剤や駆除剤にしてもホウ酸にしても、シロアリだけでなく有益な黒アリやミツバチなどの他の虫をも駆逐しまう恐れがあることを忘れてはいけません。勿論、家が食べられては大変です。でも、侵入したシロアリの巣さえ根絶すればいいだけのことが多いのです。天敵まで殺してしまえば、その空白地帯にまた新しいシロアリが侵入してくることだってあるのです。必要に応じて局所的にシロアリを駆除する必要はあると思いますが、お住まいの皆さんもそういう意識を持って、シロアリに対応をして欲しいものです。シロアリも生態系で大切な役割を果たしています。<関連記事>: 薬剤でのシロアリ予防はあり得ない。最高の予防は目視! 輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2018年01月16日
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こちらは、アメリカのペラ(Pella)ウィンドウのダブルハング・サッシ。通常の輸入サッシはペアガラスになっていますが、このサッシは建具(障子)にシングルガラスが挿入されていて、その内側に取り外しが可能なもう1枚のガラスが付いています。いわゆる2重サッシという感じの構造をした、アルミクラッドの木製窓です。密閉構造ではないのですが、それらのガラスの間には空気層が設けられています。そして、そこに湿気が溜まらないようにする為か、建具の上下左右に小さな通気孔が2ヶ所ずつ開けられています。普通であれば、これで湿気が籠ることもなく、結露も防げると考えるのでしょうが、実際にはその逆でした。台風のような強い雨風の時には、この穴から雨水が室内側に侵入してきたり、屋外の湿気がここから入ってきたりしたのか、木部が徐々に劣化してきたのです。勿論、外部のアルミカバーのつなぎ目などから雨が建具内に侵入して、中から木を腐らせてしまったということも劣化の要因だったと思います。今回、劣化の進んだサッシの建具は全て交換して、然程でもないものはパラペイントのティンバーケアで防水塗装を施しました。そして、今後の雨水の侵入を防止する為に、通気遮断プラグというゴム製の部品を穴に入れるようにしたのです。通気孔のプラスチックも劣化して変形していますから、プラグを入れるのには相当苦労しましたが、これで多少の問題解決にはつながるような気がします。ただ、これを入れることで他に何か新たな問題が発生するかも知れませんから、暫くの間は様子を見ることが大切です。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年12月23日
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こちらは、先日塗り直しを行った木製玄関ドアの塗り替え前の状況です。紙ヤスリでサンディングしたので、玄関ドアに黄色い木の粉が付着していますが、黒いドア枠の方はヘビのウロコのように劣化して細かく塗装が剥がれています。こうした状況では、新たな塗装をしても残った古い塗装が徐々に下地から剥がれてきますから、あまりよくありません。これは、枠材の木が呼吸作用をしようとして、塗装を破ろうとした結果なんですが、元々通気性のない油性の塗料を使用したことが問題です。そういう知識のない塗装業者さんが、雨を弾く油性塗料を使えばいいだろうと考えたのでしょうが、こうした間違いは頻繁に見受けられます。ですから、私たちはパラペイントのような通気性のある安全な水性塗料を使い、木の呼吸作用を妨げないようにします。また、パラペイントはミクロの小さな穴が塗装面に明いていて通気を促すのですが、大きな分子の水分は通しませんから、雨に対する防水性もいいのです。どんなものに何を塗るか、そういった知識と経験は今の建築屋さんでは分からない人が多いかも知れません。だって、建築部材の殆どは、住宅に取付ける前に工場で塗装された状態で出荷されますから、現場でのペンキ屋さんの仕事はなくなってきていますからね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年12月11日
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先日、岐阜県海津市で玄関ドアとドア飾りを取り付けたという記事を書かせて頂きましたが、その飾り柱の足元(ベース)をご覧に入れましょう。白いのがファイポン(Fypon)社製のウレタン樹脂で出来た柱材ですが、玄関ポーチの床タイルから少しだけ浮いているのが分かりますか?普通は床面に柱が着いていないとリアリティがないなんて言われるでしょうが、そうすることは実はあまりいいことではありません。発泡材のウレタンというものは水を吸いやすく出来ていますから、床と接するように施工すれば雨水がタイルと柱材との間に滞留してしまいます。そういう状態になると雨水はなかなか乾かない状況になりますから、ウレタンが劣化してきたりカビが生えたりしてきます。それだけでなく、水分を含んで柔らかくなったウレタンは、シロアリなどの格好の餌食となるかも知れません。だって、ウレタンの中に入ってしまえば、薄暗くて誰からも見られることなく思う存分食べられますからね。こうやって5mm~1cm程度隙間を空けておけば、床に落ちた雨水もそのうち乾いてしまいますし、ウレタンの柱材にも影響はありません。勿論、絶対劣化しないとか虫が入らないとかは言えませんが、そのリスクは減らせることが出来るはずです。こういうところにも知識と経験、気遣いが大切だと思いませんか?<関連記事>: 玄関ドア周囲の飾り材施工 輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年11月26日
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こちらは、岐阜県海津市で取り付けた新しい玄関ドアのヒンジです。輸入住宅の玄関ドアに限らず、玄関は人の出入りが一番多い場所ですから、ドアのヒンジに掛かる負担も多くなります。ましてや輸入の玄関ドアは、室内ドアに比べて格段に重いですから、その重量を支えるだけでも大変です。こうしたドア・ヒンジは、2枚の蝶番が噛み合わさって出来ていますから、それらの金属が徐々に摩耗してきます。写真のような銀色のものや輸入住宅らしい金色のものなど、色は様々ありますが、私たちが使うヒンジは全て丈夫なステンレス製。それでも摩耗による劣化は起こりますので、10年程度で定期的に交換頂くようにお願いしております。勿論、出来るだけ長く使って欲しいという思いから、蝶番同士の間にステンレスのワッシャーを噛ませてその摩耗を少しでも抑える工夫をしています。皆さんのお住まいが新築から10年以上経過していたら、是非玄関ドアのヒンジもチェックしてみて下さい。きっと、そろそろ交換して欲しいと悲鳴を上げているはずです。もしそうなっていたら、こうしたワッシャー入りの新しいヒンジをお使い下さいね。<関連記事>: 摩耗した玄関ドアのヒンジ 輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年11月25日
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大分で建築中のレンガ積み輸入住宅。こちらの床下がどうなっているか、ご覧に入れましょう。木を切った時の削りカスや雨水が溜まっている様子もなく、非常にきれいな床下ですね。こちらの家の工法は、アメリカ式の2x4工法ですが、1階は床組みを用いない根太レス工法を採用しています。それは、土台の木の上に通常より分厚い構造用合板を直接張って、強度を確保しながら1階の床高を抑えるやり方です。勿論、そうすることで床組みを省くことが出来ますから、その分コストも低減出来るという訳です。基礎と土台の間には、基礎パッキンが入れてあるのが分かりますか。こうすることで、土台の木が基礎のコンクリートに直接触れない為、接触に伴う結露が発生しませんし、土台を浮かした分床下の通気が全方向で可能となります。また、土台には虫が食いづらいヒノキの心材を用いています。こうすることで、ベタ基礎や基礎パッキンと相まって床下での食害を防ぐことが出来るという訳です。床下の断熱材は、水に濡れても大丈夫なウレタン・パネルの断熱材を用いています。2x4工法の場合、1階から徐々に屋根までを造り上げていきますから、その間床が雨に曝されることを考慮して、こうした断熱材を使うのです。(本当は、こうした部分も自然素材の断熱材に出来るといいのですが、なかなか難しいのが現状です)基礎のない部分の土台(大引きと呼ばれます)は、アジャスター付きの鋼製束を立てて支えています。万一木が痩せたりしても、束を調整して支え直すことが出来るからです。排水管がベタ基礎の上から少し離して設置されているのが分かりますか?これは、ベタ基礎にそのまま置いてしまうと管が水平になってしまい、流れていかなくなりますから、管を少し浮かせて水勾配が取れるようにしてあるのです。また、床下のメンテナンスを行う為に、敢えて立上り基礎を一部省いて通路を準備しています。こうすることで、人が自由に床下に潜れるようになっています。私たちの家づくりには、いろいろな気遣いがなされています。それは、床下ひとつを取ってもこれだけの仕事があることから分かりますね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年09月26日
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大分で建築中のレンガ積み輸入住宅で活躍したセルロースファイバー断熱材を吹き込む機械(ブロワー)を掃除しています。200kg近い重さがある機械ですから、トラックに載せて大分を往復するのも大変でした。でも、これがないと、自然素材の断熱材を壁の中に充填させることは出来ませんから、無理してでも運ばなければなりません。そして無事大分での断熱工事が完了し、この機械を名古屋へと持ち帰ってきたのですが、余った材料やレンガと一緒に輸入したパラペイントのベース塗料も積み込んできましたから、帰りも大荷物でした。実は、先日大分で大量の雨を降らせた台風18号が九州に上陸してくるという時に、その先を行くが如くトラックを走らせてきました。ですから、この機械も、少しですが雨が付いてしまいました。そこで、倉庫に仕舞い込む前に天日に干してから、分解掃除を行ったのです。少々錆は出ていますが、まだまだモーターは現役です。ちゃんとメンテナンスして、次回の出番に備えたいと思います。それにしても、こんな機械まで持っている建築屋って、他にいるんでしょうかねぇ・・・?輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年09月25日
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大分のレンガ積み輸入住宅の現場で、セルロースファイバーの断熱材を吹き込む前に張った不織布の様子です。ここは2階の主寝室ですが、直径1.5mもある大きな半円形の木製サッシとそれを活かす為の吹抜けが重要なデザインとなっています。屋根は45度の角度で上がる急勾配ですが、そこにも吸放湿作用のあるセルロースの断熱材を入れるのです。家で一番高い屋根の部分は、暑くて湿気の多い空気が溜まってしまう場所でもありますから、それらを如何にうまく吸収して戸外に放出するかを考えないと、屋根が腐ってくる恐れがあります。屋根に通気層を設けるだけでも一定の効果はありますが、グラスウールのような無機質な断熱材では水分や湿気を留めてしまい、屋根の構造材を傷めてしまうこととなります。特に勾配天井を利用した部屋の場合は、石膏ボードでその部分を塞いでしまいますから、腐敗が進んでも気付くことが出来ません。(屋根からの雨漏りと勘違いして気付くことがあるようですが・・・)だからこそ、手間や費用が掛かっても、見えない処には高性能で効果的な自然素材を用いることこそ大切だとも言えるのです。ローコストの住宅は、費用を安くすることが第一目標です。私たちの家づくりは、第一目標がそれではありません。そこに住む人たちが、長く快適に暮らせるだけでなく、メンテナンスさえすれば100年以上住み続けられる価値がある家を目指しています。自然のものに囲まれ、自然の摂理を利用出来なければ、それらを全て達成することは出来ないと思いますが、如何でしょうか?輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年09月03日
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シックハウス症候群の発症を防ぐ為に以前制定された、室内濃度指針値が改訂になるらしい。建築基準法で制限しているのは、クロルピリホスとホルムアルデヒドだけなんだけれど、厚生労働省のガイドラインではトルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、スチレンなどの揮発性有機化合物(VOC)を室内濃度指針値を決めて、制限するように求めている。ただ、これはあくまで指針値であって、何某かの強制力といったものはないらしいから、日本の化学物質に対する取り組みは遅れていると言っても過言ではない。そんな状況を少しでも改善する為か、それとも内装材の製造メーカーや住宅メーカーがこれくらいならクリア出来ると申し出た為か、今回この指針値の一部を低減したり新たな物質を付け加えたりした。でもさぁ~、何でそういう危険な物質を一切使わないとしないのだろうか。そこには、国内産業を守るという趣旨があるのだろうが、ゼロにしたらしたで新たな製造方法や産業が生まれるはずだから、反って産業の振興に役立つと思うんだよね。先日、トランプ大統領が、地球温暖化対策のパリ協定から離脱すると宣言したけど、アメリカのステラなんかは電気自動車で相当伸びているんだから、正しい規制をすればそこに新たな産業が生まれるのであって、悪い状況を野放しにしても何れは淘汰されることになるのは明白ですよね。まあ、官民協議の上、石橋を叩いて渡るのもいいかも知れませんが、世界よりも先に行くような課題を与えて、メーカーがそれに挑戦していくようにしなければいけないような気がします。因みに、全て自然素材で家づくりをすれば、こんな指針も何も必要はないんですけどね。そうすれば、変なものを造らなくてもいいのにねぇ・・・。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年09月01日
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昨日、屋根の通気スペーサーの素晴らしさについて書きましたが、今日は自然素材であるセルロース・ファイバーの断熱工事について書かせて頂きます。セルロースとは、小学校の理科でも習った通り、植物の細胞壁を形作る繊維ですが、私たちはセルロースを固めて作った紙を再度粉砕したものを家の断熱材に使います。セルロースは、元々木の繊維ですから、木造の柱材と素材的には全く同じ。そういう点でも全てが木に囲まれている家になる訳です。セルロースを施工する為には、まず不織布という空気を通す布を張らなければなりません。布を張らずに壁に吹き付ける方法もありますが、化学物質の入った糊を混ぜて壁に布着させますから、せっかくの自然素材が台無しです。だから、少々手間は掛かりますが、壁全面に不織布をたるみなく張っていきます。ピンと張った不織布に太いホースを入れる為の穴を明けて、そこからブローイング・マシンで細かな綿状のセルロースを吹き込みます。ご覧のように壁の中に隙間なくセルロースが入りますから、グラスウールのように断熱欠損が生じることも心配ありません。勿論、あまり多く入れ過ぎると、その上に張る石膏ボードも膨れてしまいますから、その加減が絶妙でないといけません。写真のように、不織布が少しだけ膨らんだ感じは、まさにお布団のような感じです。でも、実際に触ってみると、フワフワした感じではなく、結構しっかり固い感じがして安心感があるんですよ。石膏ボードを内装に張ってしまえば、断熱材は全く見えなくなってしまいますが、見えないところこそ本当は大切なんです。そうそう、断熱工事が終わって石膏ボードを張る前には、普通ビニールシートのべーパーバリアを湿気除けに張りますが、壁自体を呼吸させるセルロースや羊毛の断熱壁では不要です。ビニールで家を覆うなんて、家自体を窒息させる以外何ものでもありませんよね。勿論、ビニールクロスも論外です。<関連記事>: 木の細胞繊維であるセルロース断熱材 輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年08月27日
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サッシの取付けや室内配線が完了したといことで、そろそろ断熱材を入れたいという現場からの要請を頂きました。そこで、週初めにセルロースの断熱材を壁内に吹き込む為のブローイングマシン(吹き込み機)とセルロース、天然羊毛の断熱材などをトラックに積み込みました。ブローイング・マシンは200kg近い重さがありますし、断熱材も相当量を積み込みましたから、積載量のほぼ限界で名古屋~大分間を走ってきました。いい年なのに、ほんとよくこんな大変なことをやりますよね。断熱処理の作業等については、また後日ご案内することとして、その前段階のことについて少しお話をしたいと思います。自然素材の断熱材は、室内の温度調整を行ってくれるばかりか、湿度の調整をも自動でやってくれるスグレモノです。勿論、解体時にはリサイクルも可能です。こうした機能は、グラスウールやロックウールなどの無機質な断熱材ではあり得ません。だからこそ、大変な手間と費用が掛かっても、私たちはお客様の家にはこうした断熱材を入れる訳ですが、温度や湿度を最終的にどこかから外に出さなければ、それらが室内に籠ってしまいます。そうしたものは、上昇気流によって徐々に上へ上へと上がっていき、最後には屋根裏や屋根下地にまで到達します。当然、そこにグラスウールのようなものが張ってあれば、グラスウール等が湿気ってしまい、断熱性能が低下するばかりか、屋根裏結露によって屋根の野地板や屋根垂木が腐ってきてしまいます。湿気や熱は絶えず下から上がってきますから、単にセルロースや羊毛を断熱として入れただけでは、そのうち飽和状態となってせっかくの自然素材の断熱材も意味をなさなくなってしまいます。そこで入れるのが、写真のような通気スペーサー。これは、外壁の通気層や軒下換気口から上がってくる空気を、この段ボールの内側にある通気層に通して、最後に屋根の棟から放出する為に施工されます。(素材の段ボールは、セルロースと同じ木の繊維で出来ています。ですから、木造の構造材との相性は抜群ですし、吸放湿作用性もあります)その空気の上昇を利用して、自然素材の断熱材を通過した室内の湿気や熱をも外へと逃がすのが、通気スペーサーの役割でもあります。つまり、家(外壁)の外側の通気層によって家の構造そのものを乾燥させるという役割と、室内の余分な湿気や熱を自然に屋外に出して、室内環境を整える役割を果たしているのです。これって、家やそこに住む人にとっては、相当素敵なことなんです。自然素材の断熱材を自然な状態のまま入れたり、通気層を形成するように施工したりと、結構な手間・暇・コストが掛かりますから、殆どの住宅メーカーではやっていません。何故こんないいことをやらないのか? お客様の目に触れないことはやればやるだけ価格競争で不利になるからです。だって、見た目同じで坪単価が高かったら、買ってもらえないと誰しも考えますよね。それって、お客様のことをほんとに考えた家づくりと言えるでしょうか。だから私は、見積だけで判断する人は嫌いですし、自分が手を抜いて儲けだけを優先することもしたくありません。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年08月26日
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毎年恒例梅雨の時期になると、事務所の窓に遮熱ネットを張っています。写真のように、黒いポリエステルのような素材で出来ていて、風は通すが上からの太陽光は遮ってくれます。室内は多少暗くなりますが、間接光が入ってきますから然程仕事に支障を感じません。これは、5年以上前に買ってきた農業用のネットなんですが、毎年使っても全然悪くなりませんし、ほんとコストパフォーマンスが高いと思います。うちの事務所は、倉庫兼用の賃貸建物ですから、窓ガラスも全く断熱性のない1枚ガラス。でも、このネットを張るだけで、太陽の相当の熱を室内に入れなくて済むはずです。もしかしたら、下手なペアガラスよりも遮熱性はいいかも知れませんね。まあ、見た目の問題もあるでしょうが、そこに目を瞑れば知恵と工夫で快適な職場を実現出来ると感じます。ゴーヤのグリーン・カーテンなど、皆さんの家でも簡単で合理的な夏ライフを考えては如何でしょうか。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年06月11日
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先日より外装リフォームの現場でトイレのタイル床が湿気っているというトラブルの記事を書かせて頂いておりますが、ようやくその原因と思われるところが判明しました。写真がその箇所ですが、タイルの周囲に防水コーキングが入れてあります。ただ、これが施工されたのは新築時と思われますから、既に30年近くが経っているかも知れません。実は、RC造(コンクリート造)の建物については、周囲の足場等を固定する為に所々アンカーと呼ばれる引っ張り金物が打ち込まれます。そして、足場等を外す際に、そこだけタイルが張っていない状況ですから、足場屋さんがそこにタイルをコーキングで張っていくということがよくあります。こういう場合、タイルが少しずれていたり、傾いていたりしますから、結構分かりやすいのですが、ここだけはタイルがきれいに張ってあったので、気が付きませんでした。でも、よ~く見返してみると、床が湿気っているトイレの真上にこのような箇所を発見しました。地面からの湿気が床にまで上がってきているのかとも考えましたが、床下に乾いた感じがあったのでどうしても合点がいきませんでした。でも、ここなら2階や3階の室内には雨漏れがしていないことも理屈に合いますし、トイレの隣の外部収納スペースにも雨漏れがない状況も理解出来ます。このタイルを一旦撤去して、そこにある割れや穴を目地材でしっかり埋めた上で、防水処理を施せば恐らく問題は解決するはずです。ずっとしっくりこなかったことが、一度にスッと肚に落ちました。問題をいい加減にせずに、原因究明まで粘り強く取り組めば、必ず道は開かれるといういい例かも知れません。どうぞ皆さんも家に問題があれば、放置せずに早めに原因を突き止め、しっかり対処するように心掛けて下さいね。<関連記事>: 防水塗装をすると雨漏れする? 輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年06月08日
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ローウェン(Loewen)の輸入サッシをお使いのお客様からのご相談です。幅が2.4mもある大きな掃出しサッシなんですが、ドアの開閉が固くなって開けづらいそうです。お客様は当初ドアの下側に付いている戸車が悪くなって開け閉めがしづらくなってきたのかと考えられたようですが、100kg近い重さのドアを外してもらって戸車を確認して頂くと、戸車には異常がなかったようです。で、下側のドア枠にあるレールを見た処、ドアの中央部のレールが上から押しつぶされたような感じで凹んでいたそうです。私共では、あまりレール自体が歪んだり凹んだりしたというトラブルを聞いたことはありませんが、何らかの原因があると思います。私たちがまず疑ったのは、構造体自体の問題です。窓の両サイドには、「まぐさ受け」と呼ばれる柱材が入っていて、これが上から来る建物の重量を支えて、サッシに上からの無理な力が掛からないようにしています。ただ、その力が大きいと「まぐさ受け」の下になっている構造を押し潰し、ドアの中央部よりも両サイドが下がった感じになることがあります。つまり、窓の下枠が緩やかにカーブすることがあるんです。これを私たちは「太鼓になる」と呼びます。また、大開口のところでは、窓上のまぐさがサッシを押し潰すなんてこともよくあります。こうした状況が見受けられる場合、ドアに内蔵されている戸車の高さ調整機能を使って、ドアの高さ位置を変えたりします。今回お客様はそうした機能を知っていて、今まで何度か調整したことがあるとおっしゃっておられましたので、恐らく高さ調整で解決する問題ではなさそうです。もしかしたら、レール自体の強度不足で長年の間にレールが潰れてしまったのかも知れません。でも、もしそうならレールが付いているサッシの下枠ごと交換なんてことになりますから、結構大ごとになりますよ。取り敢えず、もう少し状況を詳しく確認頂いて、もしご近所の業者さんで何とかなるならそこで対処頂いて、ダメなら私共で解決方法を探ってみるつもりです。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年06月07日
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昨日取付け作業を行ったハード(Hurd)社のアルミクラッドダブルハング・サッシ。取付け前に外装のアルミ枠を防水処理しようとした際の写真がこちらです。マスキング・テープを張って、防水コーキングが周囲に付かないようにしてありますが、矢印の場所をご覧下さい。アルミ枠同士がぶつかるつなぎ目に、少し隙間が空いているのが分かりますでしょうか。こちらは屋外に面する側ですから、この小さな隙間から雨が風と一緒に吹き込めば、中の木部にまで水が付いてしまいます。多少のことでしたらそれ程気にすることはないでしょうが、いつもその状況に曝される環境だと、水がここから抜けずに木を腐らせてしまいます。だから私たちは、海外から入荷してきた交換用建具(障子)について、このように取り付け前の防水処理を行うのです。今回は、アルミクラッド・サッシですが、全くの木製窓でもつなぎ目の木口などは同様の処理が大切です。こういう気遣いは、恐らくお客様も気付かないでしょうし、見積にも反映されませんが、やるとやらないとでは10年後に大きな違いが生じるはずです。輸入住宅にお住まいの皆さん、或いはこれから輸入住宅を新築される皆さんは、是非こういう所に注意して家を長持ちさせて下さいね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年05月16日
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三重県四日市市にある輸入住宅のダイニングで、天井に無数に点々と汚れがあるというので、原因を探りに現地調査を実施しました。確かに直径数ミリの黒や黄色い点が、いくつも天井に付いています。ダイニングに面した外壁には、緑色の藻のようなものが付着していましたから、日陰になる少し湿気った場所であることは確かです。そういう観点から、何等かの水が外壁のどこかから入り込んで、1階のダイニングの天井や壁の裏側に付いたのかもという仮説を立てました。ただ、そうなると大量の強い雨が降ったりしたら、天井や壁のどこかから水が染み出してきそうなものですが、そういうことは一度もないそうです。また、内装はドライウォールで仕上げてありましたから、そういう場合には紙で出来たジョイント・テープなどが剥がれて浮いてくるといった現象が生じますが、そういったこともありません。ということで、一度天井の一部を切除して中を見てみることとしました。石膏ボードを30cm四方で切って中を覗きましたが、切ったボードの裏側もきれいなものでしたし、構造体の根太材や2階の床下地として張られた構造用合板も特に異常はありません。切り取ったボードの表の面をよく見ると、点々になった汚れが少し盛り上がっていました。横からライトを当てるとそこだけ影が映りましたから、間違いありませんどうやら、黄色い点はカビであることが分かりました。では、それはどこから来たのか?そして何故ダイニングの天井や壁だけに付いていたのか? それが問題です。次に目を付けたのが、天井エアコン。20年近く前に設置したきり特に何もしていなかったそうです。吹出し口を見ると、あの黄色いカビが付着しているではありませんか。また、エアコンの中の方も同様に黄色く汚れています。どうやら、このエアコンの中にカビが繁殖して、エアコンを作動させた際にカビが飛び出してきていたようです。また、ダイニングですから、鍋物などの料理をやったりした水蒸気が部屋の上の方に溜まり、カビを点在させたのではないかという結論に達しました。取り敢えず、付着しているカビを除菌剤で取り除きましたが、経過観察の為エアコンの清掃をやって頂いて、それから梅雨明けくらいまで状況を注意深く見て頂くことをお願いしました。それで問題が発生しないようなら、天井を塗装してドライウォールを元通りにする予定です。ただ、壁の方は断熱材が入っていない為か、ボードの裏もカビのようなものが付いていましたから、今後内部結露を起しているかどうか、チェックして頂くこととしました。もし結露しているようなら、吸湿・放湿性のある断熱材のセルロースを壁の中に封入して対策するつもりです。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年05月12日
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名古屋市瑞穂区で外装のリフォームをしているI様邸。先日、レンガタイルの防水塗装をした処なんですが、お客様から1階のトイレの床が濡れているという連絡がありました。トイレが面している外壁には、レンガタイルが張られているのですが、目地割れやタイルのヘアクラックはあったものの、室内への雨漏れは今までなかったことでした。足場があるうちにこうした問題が発生したことは、不幸中の幸いではあるのですが、工事前に未確認であった問題が発見されたことは驚きでもありました。原因としては、工事中に行った2つの事柄が想定されます。1つ目は、雨樋を新しくする為に古い軒樋(屋根の鼻隠しに沿って水平に入れる横方向の樋)を外したこと。職人の仕事が忙しく、新しい樋の施工が連休明けになっているのですが、その間屋根へ降った雨がタイルの外壁を伝って落ちてきます。普通なら屋根の軒が少し出ていますから、外壁を雨が伝うことはないのですが、屋根の端と外壁とが接するような納まりの処が存在し、そこに沿って雨がタイルの外壁へと落ちていきます。 その落ちる際の部分は、まだコーキングや目地材等での防水処理がなされていない状況ですので、そこから外壁の中へ雨水が侵入している可能性もあります。ただ、屋根は3階の上にありますから、そこから室内のどこにも漏水せずに1階の床で出てくるというのは少し無理があるような気もします。次に考えられるのは、タイル壁のクラックです。タイルの上には防水塗装を施してあるのですが、クラックが入っているタイルの裏側にも割れが入っている可能性があります。そういう場合、タイル表面は防水処理されても中に雨漏れを起こす状況が残りますから、割れの幅が大きい場合塗装のように薄く塗られた材料では雨の侵入を防ぐことは出来ません。また、タイルの外壁全体に防水処理を施すことで、壁の中に侵入した雨水が外側へ排出されていたいつもの水みちが塞がれ、何らかの構造体側への侵入路へと流れてきたのかも知れません。ただ、トイレの直上の外壁にはタイルの割れは発生しておらず、割れた箇所とトイレが少しずれているという点は変ではあります。まあ、侵入路が横に走っているという場合もありますから、全ての可能性を排除せず憶測で判断するのはやめましょう。今回、問題と考えていた箇所は、事前に補修する予定の箇所でもありましたから、工期や費用に多大な影響を与えることはありません。でも、これも丁寧に適切に対処する必要がありますから、完了時には漏水試験を実施して漏れないことをちゃんと確認しますよ。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年05月08日
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今日は、愛知県知多郡美浜町のお客様から、家のチェックをして欲しいというご依頼を頂いて見てきました。ここの輸入住宅は、まだ築6年程度ということですから新築同然といった感じなんですが、至る処問題を抱えていらっしゃるようです。名古屋や東京で手広く輸入住宅を施工していらっしゃる住宅メーカーさんなんですが、現場の監督者に商品の知識や施工の納め方の経験が乏しく間違った仕事をしているといった印象でした。また、設計自体もいろいろミスがあったようで、屋根裏の不必要な場所に大きな梁(ハリ)が床面から飛び出していました。建てた後でお客様が住宅メーカーに問い合わせた処、全く不要な梁であったことを認めたそうですが、建築のプロならあり得ん話ですよね。ですから、その後訴訟沙汰に近いところまで行ったそうですが、そりゃそうなるでしょう。そんな中、お客様から一番気になるので見て欲しいと言われたのが、この屋根裏収納。発泡系のウレタン断熱材が、屋根面に吹き付けてあって、それを厚手のビニールシートで覆っています。屋根裏の一番高い所は相当の熱と湿気があって、夏でもないのにまるで湿度100%の熱帯のようです。そういった状況ですから、ビニールや断熱材には黒カビが発生し、ビニールの上を水が流れているところがたくさん見受けられました。そう、これは一見雨漏りに見えますが、ひどい結露なんです。発泡系の断熱材は、アイシネンのように空気を通すようなスグレモノもあるのですが、価格ありきで施工されるものは全く通気性がありません。(勿論、私たちはこんなものは使いませんよ)そんな断熱材の上からビニールを張っていますから、室内の暖かくて湿った空気が上がってくれば、自然とビニールの中で結露を起しますし屋根の野地板と断熱材との間でも結露を起して合板が腐ってきます。ビニールもいい加減に張ってありましたから、湿気も入り放題。こうした湿気を外に逃がす工夫をしていれば、まだましだったと思いますが、棟木の上も完全に塞がった状態でした。換気棟なんて20年も前から一般的なのに、そうした施工がされていないのは、お金を惜しんだか施工や材料の知識がなかったかの何れかでしょう。今日は、お客様に改善策のいくつかを提示して、それを効果的なものの順に実施していくように助言してきました。どことは言いませんが、HPは素敵でも施工が粗雑なビルダーはたくさんいますよねぇ(笑)<関連記事>: 屋根裏及び屋根裏部屋の結露対策(1) 輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年04月28日
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昨日、愛知県常滑市の輸入住宅にお邪魔してきました。マーヴィン(Marvin)のダブルハングや掃き出しサッシに不具合があるということで状況を見に伺ったのですが、このように建具(障子)の木部に黒ずみが見られます。写真は、アッパー・サッシュ(Upper Sash)とローワー・サッシュ(Lower Sash)との合わせ目の部分ですが、ローワー・サッシュの下端も腐ってきているようです。また、最近はあまり雨漏れしていないということですが、窓のケーシングと呼ばれる木製の飾り枠のところから水がポタポタ落ちてきていたということですから、外壁又は窓の上端から侵入した雨水が、窓枠の上を伝って室内に侵入したと思われます。サッシの木部の腐りは、サッシのアルミやガラスのつなぎ目の防水不良が原因で、ケーシングからの水漏れはこれとは違う原因ですが、何れにしても台風の強い雨風が当たりやすい南側や東側の窓や外壁は、しっかり防水のメンテナンスをしてやる必要があります。外壁の塗装の塗り直しやサッシの交換をしたら、問題が解決するということではありません。こういう場合、製品だけでなく施工の間違いといった複合的に要因が重なっている可能性もあると思います。対処療法ではなく、原因を究明してそれに対策を打つというやり方をしないといつまで経ってもトラブルが絶えない家になってしまいますから注意しましょう。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年04月17日
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昨日、愛知県みよし市の輸入住宅でペラ(Pella)社のボウウィンドウの修理を予定していたのですが、横殴りの雨で計画を中止しました。早朝は然程の降り方でもなかったのですが、午前8時過ぎには少し強くなってきました。私たちもお客様も早くきれいにしたいという思いでしたが、防水処理が重要な窓の修理ですから、ここはちゃんと仕切り直した方がよさそうです。写真は、ワンボックス・バンに積み込んだはめ殺しの建具(障子)と窓の周囲に付ける化粧枠材です。以前サッシの木部塗装に使われた白い塗料をお客様が大切に保管されていたので、それをこれらの木部にも塗りました。油性の塗料でしたから、木部にはどうかなと思いましたが、現状のサッシの木部も特に塗装に劣化はないということでしたので、色を合わせる為にも新しい建具等に塗ることにしました。こうして、取付け前に事前に塗っておけば、取付け後に隠れてしまう部分にも塗装が出来ます。家づくりには気遣いが大切ですから、現場で手早く塗装するより倉庫でじっくりきれいに塗装をしてやることは、どれだけ家を長持ちさせることに貢献するかお分かり頂けますでしょうか。来週職人さんとお客様の都合が合うタイミングで、再度取付け作業に伺う予定です。また、取付けが完了しましたら、その様子をお伝えしますね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年04月12日
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こちらの写真は、吹抜け玄関に設けられた2階の手摺。美しいパインの無垢材で出来たバラスター(子柱)が、リズミカルに並んでいますね。その上に設けられた天井の梁(ハリ)型は、およそ長さ3.6m。吹抜けに面した2階の廊下を開放的に見せる為に、開口部を大きく明けたデザインにした為、高さ30cm程度の梁が必要となりました。この部分は、丁度2階の屋根の軒ラインに当たる処で、2階の部屋の構造区画を成す重要な場所なんですね。2x4工法の場合、四角い構造区画をいくつも組み合わせて1つの家としての耐震強度を高めます。四角で仕切られたラインの壁を構造壁(耐力壁線)と呼びますが、そのライン上に大きな開口を設ける場合は、天井に梁型補強を入れることで、上からの重量を受けたり、四方の壁の強度バランスを保ったり出来るようになります。目線よりも上に来る梁型ですから、それ程気にならないとは思いますが、天井もつながっているように見せたいと考えている人は、何でこんなところに梁が出っ張っているの?と文句を言うかも知れません。梁型を出さない方法もあるにはありますが、梁型は建物の耐震性や耐久性にとってはなくてはならないものですから、家のプランをする際は安易になくさないで下さいね。勿論、耐力壁の必要量というものがありますから、梁型ばかりでもダメですよ。家は、自然の摂理で造られています。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年04月07日
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20年くらい前、設計士がデザインした在来工法の家に、こうしたコーナー出窓が施工された例は結構多かったように思います。こちらも少し奇抜なデザインを狙った高級住宅であったと思いますが、ウェザーシールド社製のアルミクラッド・サッシの木枠や出窓の木製カウンターが腐ってきていました。よく見ると、建物から出っ張った部分が重力で少し下がってきているのか、サッシの建具とサッシ枠との間の隙間が徐々に大きくなってきています。また、タイル張りの外壁部分にもヘアークラックや目地割れのようなものも見受けられます。この場合、出窓自体がその重さで下がってきて、サッシと躯体との間に隙間が生じて雨水が侵入したのか、それともサッシ自体に雨水が侵入するような隙間が生じて、それが窓の下枠を腐らせてサッシが下がってきたのかが原因だと思います。このコーナーの部分に使われているサッシは、開閉しないはめ殺しのサッシですから、開閉によって雨が入り込むようなことはないでしょうから、出窓自体の下がりが原因である公算が高い気がします。ただ、気密パッキンのウェザーストリップも相当劣化していますから、これも雨漏りの原因の一つかも知れません。もしかしたら、そういう処からアリのような虫が入って悪さを起したということも考えられます。何れにしても、出窓をジャッキ・アップして正常な位置に戻すことと輸入サッシの防水や調整が必要であることは間違いありませんね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年04月03日
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そろそろ外壁の塗り替えが必要というお客様のおうちの写真です。写真ではあまり分かりませんが、外壁を手で触ると指に白い粉が付いてきます。既に表面の塗装が劣化して、白化現象を起こしています。この状況では、やはりそろそろ塗り直しをしなければなりません。横張りサイディングのつなぎ目や輸入サッシの周囲に回してあるコンクリート製のモール材の目地なども、防水コーキングが劣化してヒビが入っています。コーキングは、ある意味消耗品ですから、割れたり切れたりするのは仕方ありませんが、モール材の縦目地がよじれたように切れているのは気になります。サッシの両サイドは、建物の上からの荷重が掛かりやすい場所でもあります。ですから、この位置にサイディングのつなぎ目をもってくると上から下へ一直線に割れ目が入ってしまう恐れがあります。その力に耐えられなかったのか、窓上のモール材が釘留めされたところにクラックが入ってしまいました。材料のつなぎ目である目地ラインは、出来るだけ上下を揃えず、上からの荷重を分散させて施工することが、美しい外壁を保つ秘訣だと思います。こうしたことは、見積や契約書には書かれていない事柄ですし、住宅メーカーや職人の気遣いの範疇でもあります。これは、ビルダーの規模の大小やブランドが解決することではありません。どこに施工を任せるかは、皆さんの見る目のあるなしに依るかも知れません。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年04月01日
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先日、洗面スペースのクッション・フロアがカビなどで黒くなっていると書かせて頂いた現場ですが、こちらは同じ1階にある和室。Pellaの掃出しサッシは、雨漏れからか木部に水染みが生じています。また、床下のないスラブ床(全面コンクリートの上に床を張った工法)であるが故なのか、窓まわりの木製造作材にも水染みが見受けられます。こういう状況では、木部は常に水分が含まれた状況になりますし、床下は通気をしない暗い地面の中のようになっています。シロアリは、湿気があって暗く空気が流通しない場所を好みますから、生活するにはまさに絶好の場所なのかも知れません。和室の造作材は、ベイツガで出来ていますから、比較的柔らかく食べやすいのでしょう。いくつも虫食いの小さな穴が明いています。前にもお話しした通り、全面コンクリートで地面を覆っているスラブ床の基礎では、シロアリの巣を叩く方法はありません。もし完全に叩くというなら、床を全て剥がしてコンクリートの下の土をも掘り返さないといけません。でも、それは事実上不可能です。こうなったら、シロアリの痕跡を見付けたら、そこに防虫剤を吹き付けるといった対処療法をする以外方法はありません。<関連記事>: クッションフロアを張り替えただけでは直りません (2017年3月13日)輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年03月20日
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以前、床下空間のない住宅は注意して下さいという内容の記事を書かせて頂いたことがありますが、今回ご相談頂いたのも全く同じケースです。立ち上がり基礎で囲まれた部分に、土を埋め戻して床下のスペースをなくし、その表面にコンクリートを張って平らに仕上げるのが、スラブ床という工法です。でも、埋め戻した土の中には、白アリのコロニー(巣)も一緒になっていることが多く、何とかそこから食べ物を見付けようと這い上がってきます。また、基礎の立ち上がりと表面に張ったコンクリート(モルタル)とは一体成型で造られている訳ではないので、それらが接する部分は自ずと隙間が開いてきます。そうなると、隙間から地面の湿気や水分が上がってくるだけでなく、シロアリさんたちも1階の床まで上がってきてしまうこととなります。写真のクッションフロアの下には、他の部屋と床高を揃える為に薄い合板が張られているものと思われます。そこに湿気や水分が滞留してカビなどが発生し、クッションフロアをこのように黒くしてしまったのだと推察されます。こういう場合、単にクッションフロアを張り替えるだけでは、同じことがすぐに起こってしまいます。一度下地まで剥がしてみて、何らかの防水・防湿対策を行ってから仕上げの工事をすることが重要です。当然その際は、恒久的な対策ではないにしろシロアリ対策を行って頂くことも必要かも知れません。(土の中のシロアリの巣を根絶させることは、スラブ床の上からでは不可能ですから都度対処するしか方法はありません)輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。<関連記事>: 床下環境のない家は、要チェック! (2011年6月30日)尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年03月13日
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常に太陽の紫外線や風雨に曝され続ける玄関ドア。また、人の出入りも頻繁ですから、開閉によるヒンジ(蝶番)の劣化も室内ドアより早くなるのが一般的です。輸入住宅の場合、断熱性やデザイン性が高い輸入の木製ドアやファイバーグラス製のドアを玄関に取り付けることが多いのですが、素材の劣化を防ぐ為に表面の塗装は10年程度で塗り直しをするといいでしょう。ただ、メンテナンスをするのは、ドアだけではいけません。気密性・断熱性を上げる為のウェザーストリップ(気密パッキン材)は、ポリスチレンのような柔らかなビニール素材ですから、経年劣化で変形したり破れたりしてきます。そうなれば、ドアに隙間が生じたりしますから、交換することが大切です。また、玄関ドアの下の方は、どうしても雨が当たりやすい場所です。ドアだけでなく、木製のドア枠についても補修や防水塗料の塗り直しを行うことを忘れないで下さい。人間が作るものに、傷まないものはありません。私たち ホームメイドは、こうした家のメンテナンスに備え、消耗品の部材や職人を常に確保しています。傷んだ玄関が見事に蘇りますから是非ご活用下さいね。また、その際は、安心・安全の為の防犯対策も一緒に行いましょう。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年02月25日
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昨日、ウェザーシールド社製ベイ・ウィンドウの窓が開けられなくなったという相談について書かせて頂きましたが、これも同じWeather Shield社のダブルハング・サッシです。窓の周囲に飾りのケーシング枠が回っていますが、その下端にビニールの養生シートが張られています。実は、このケーシングの下の処から雨が漏れてきたというトラブルが発生し、近くの業者さんに頼んで石膏ボードの壁を剥がしてもらったそうです。恐らく原因はサッシだろうということで、サッシの下枠などをコーキングで防水処理を施して解決したかに思えたのですが、その後また窓下の処が濡れているということで、そのまま手付かずのままだそうです。こういう場合、窓枠からの雨漏れを疑うのが一番だとは思いますが、自然は思わぬ処に原因を作っていることがしばしばあります。勿論、窓周りの防水施工が不十分であった為に雨が室内に侵入したことは間違いありませんが、その雨水が窓からなのか、それとも窓の周囲の外壁なのか、それとも窓の上にある屋根部分なのかは慎重に調査する必要があると思います。人間の思い込みというやつが一番厄介で、それで何年も問題が解決出来ず状況を更に悪くしたなんてケースはたくさんあります。安易な仕事で対策しても、後で費用が掛かっては元も子もありません。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年01月28日
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こちらは、以前ご相談頂いた輸入住宅の玄関ホールの天井です。このおうちは2階建てですから、玄関の床から天井までは6m以上の高さになります。屋根勾配も結構急ですから、一番高い所では8mを越えてくるでしょう。そんな空間ですから、ここは来客をお迎えするには絶好の見栄えのする玄関となっていたはずですが、ご覧の通りビニールクロスに染みのような汚れが浮いてきています。また、コーナーなどのつなぎ目などは、一部クロスが剥がれたりよじれてきたりして、クロスの張り替えや塗装での塗り替えをしなければならない状況となっています。ただ、ここで単純にそういうリフォームを行っても同じような問題が近い将来発生するリスクがあることを忘れてはいけません。そう、これには何らかの原因がありますから、その原因を究明し問題となっている材料や施工を適正にやり直す必要があるのです。まず考えられるのは、屋根の施工不良による雨漏り(漏水)です。このおうちは、屋根のメンテナンスを新築時以来殆どやってこなかったということで、カラーベスト・アーバニーの塗装は既に機能していない状況ですし、屋根材自体も割れたり剥がれたりしています。次に考えられるのは、室内の湿気による内部結露です。通常は屋根裏空間が暖かくなった湿気を一時保管する緩衝スペースとなるのですが、このように屋根天井にしてしまうと湿気が室内に滞留することとなります。屋根天井にもビニールクロスが張られていますから、湿気は外に出ることも出来ず、屋根から伝わった冬の冷気によってクロスの上で水分に変化して結露を起すこととなります。こういう状況になることに備えて、天井や壁をドライウォールにしたり木の板を張ったりして、その湿気をある程度吸収出来るように工夫することが必要となります。また、屋根垂木が走っている部分に湿気を通せる通気層を設けたり、棟や軒に換気口を備えるなどして湿気を放出する仕掛けをすることも大切です。そこまでの工夫が出来る知識と経験を持ったビルダーがどれだけ存在するかは分かりませんが、家づくりは自然の理に適ったものでなくてはいけません。<関連記事>: 屋根裏及び屋根裏部屋の結露対策(1) (2007年9月1日)輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2017年01月22日
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これは、カルチャード・ブリックと呼ばれるコンクリートに着色して作られたレンガ・タイルの外壁です。その外壁コーナーの部分に、垂直に割れが入っているのが見て取れます。上からの荷重が掛かった際に、それぞれの壁の縮み(圧縮)具合が違った為に割れが入ったものと思われます。割れがタイルの表面だけのことであれば、然程問題にはなりませんが、モルタル目地を含めて全てに割れが生じているという状況からすると防水下地や構造部分にも何らかのクラックが入っている可能性もあります。雨や湿気の影響がないところであればいいのでしょうが、外壁ですから、雨水等の侵入を疑わない訳にはいきませんね。それに外壁内に通気層を取っている施工であれば、中に水が侵入してもそれが通気層を通って下に落ちて排出されるのでいいのですが、そうなっていない場合は水分や湿気が中に滞留することもあります。こういう場合、割れを防水コーキングなどで埋めて、その上からクリア(透明)の防水塗装を施す人が多いですが、そのやり方は建物がある程度古くなって動かなくなった場合にはいいですが、まだ動く可能性のある建物ではまた割れる危険が残ってしまいます。本当にしっかりした施工業者なら、一旦カルチャード・ブリックを取り除いて、下地を直してから再度仕上げ施工をするはずです。それにしても、このレンガ目地は酷いですねぇ。わざとラフに仕上げたのでしょうが、これでは雨の侵入を助長するようなものです。しっかりコテで押えて美しくしてこそ、目地のモルタルが雨の侵入やタイルの脱落を防ぐ役割を果たすのです。流行りや格好ばかりの施工がダメなことが、ご理解頂けますか。そういう点でも、本物のレンガ積みの外壁はいいですよね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年12月25日
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サッシからの雨漏れは、サッシ自体が悪い場合もありますが、その多くは屋根や外壁からの雨漏れに起因していることが多くあります。こういう場合、国産サッシだろうが、輸入サッシだろうが、窓の周囲から室内に雨水が入り込んでしまいますし、いくらサッシを交換したところで直るものではありません。写真はその一例ですが、サッシの上端となっている部分の外壁に水平方向に割れが走っています。下地材の張り方によっては、縦方向に割れることもあるのですが、横方向の割れは建物の荷重がまともに窓に掛かってしまい、その歪みが外壁に出てしまったのだろうと考えられます。本来なら窓の上端は構造体に固定せず、遊びを設けることで荷重を逃がすことをしなければいけません。また、そうなった場合に備えて、外壁材と窓との間に柔らかな防水コーキングを打つスペースを設けたり、柔軟性のあるスタッコフレックスのような塗り壁材で仕上げたりすることをしなければいけません。勿論、そういった表面の防水施工に加えて、万一壁の中に雨水が侵入した際に構造体や室内へのダメージを与えないような下地の防水処理や排水の工夫をしておくことが大切です。雨漏りは、材料の選定ミスや施工の間違いなどいろいろな要素が重なって起こりますから、簡単に考えない方がいいですね。でないと、いつまで経っても雨漏りで苦労しなければなりません。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年12月23日
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こちらは、半畳四方の縁(ヘリ)なし畳。昔、琉球畳と称してヘリがない正方形の畳が流行しましたが、最近でもシンプル・モダン系の和室にはこうした畳が用いられます。ただ、琉球畳は単にヘリがないものを言うのではありません。ヘリをなくす為に、畳表が折れる部分の編み込みを細かく丈夫にしてヘリがなくてもイグサが悪くならないようにしてある畳を琉球畳と呼ぶのです。ですから、写真のように単にヘリでカバーをしていない畳は、ヘリなし畳と呼ばれています。でも、畳表の折れ目(コーナー)の部分は、一番消耗する場所に他なりません。ですから、写真のようにすぐに畳表が破れて下地が見えてきてしまいます。畳の縁(ヘリ)は、人間の足で擦れてしまうような弱い部分を補強する為のカバーです。そうすることで、自然素材の畳が劣化することを遅らせているのです。それを考えないで、格好ばかりで作ってしまう人も昔は多かったです。自然素材は、人間の生活環境をよくしてくれますが、日頃の手入れやメンテナンスなくして長持ちはしません。それは、木製サッシや無垢板のフローリングしかりです。自然素材の特性をよく理解して、それに合った生活をするように心掛けたいものですね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年12月22日
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室内に雨漏りする原因は、外壁のクラックや屋根、軒下の隙間などいろいろな箇所が考えられますが、木製サッシのトラブルが原因であることもしばしばです。また、外部をアルミで覆っているアルミクラッドの輸入木製サッシは、耐候性があるからと見落としがちになりますが、まず大丈夫と考えている部分が危ないかも知れません。この写真は、新築から20年近く経ったカナダのキャラドン(Caradon)社のアルミクラッド・サッシですが、コーナーの部分に防水コーキングを塗ったような跡があります。お客様がご自身でやられたようですが、アルミは熱で膨張・収縮をする割合が大きい為、つなぎ目が開いてきてしまい、コーキングも割れてきてしまったようです。また、アルミで覆われた部分の内側は、木が露出した構造になっています。通常は、辷り出しの開き窓(ケースメント)ですから、この木の部分は建具(障子)が閉じた状態では隠れているのですが、気密パッキン材が劣化するなどしてくると、閉じた状態でも木の所まで雨水が侵入してくることがあります。そうした雨水は、一旦入り込んでしまうと、その隙間に滞留してなかなか抜けませんし、次に雨が降ると更に水分が補充されます。雨漏れの発生にはその他にも原因が重なることが殆どですので、サッシ自体の製造上、構造上の問題や家の施工手順に間違いがある場合には、その原因の全てを解決してやる必要が生じます。(ですから、防水コーキングで処理すれば、当面大丈夫ということではありません)台風や梅雨のシーズンではない乾燥した冬の時期こそ、こうした問題に対処する絶好の時期ではないでしょうか。雨漏りした輸入住宅にお住まいの皆さんは、専門家と一緒に是非漏水対策に取り組んでみて下さい。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年12月17日
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屋外側がアルミで出来た木製輸入サッシのマーヴィン(Marvin)。最近製造されたものではトラブルの相談を頂くことはありませんが、1990年代以前に施工された窓では室内側の木部が腐ってくるという不具合が数多くありました。勿論、こうしたトラブルはマーヴィンに限ったことではなく、木製サッシ全般で起こったことですが、その原因は2つのことが考えられます。1つ目は、サッシ自体の構造的な問題や防水処理の劣化です。構造的な問題とは、外装のアルミ板と木部とがピッタリ接している形状だった為に、サッシで内部結露が発生すると水分が接触面に滞留してしまうということでした。それは、建具と窓枠とが接する部分でも起こりました。こうしたことは構造的な問題ですから、サッシ・メーカーの改善が必要ですが、木部に適切な防水塗料を塗ることである程度防止することも出来たと思います。でも、実際には内装用のニスのような塗装を施していただけで、木部に何ら防水塗装がなされていなかったことも問題だったと思います。また、ガラスとアルミの境界線やアルミ・カバーのつなぎ目の防水処理が何等かの原因で劣化したり、切れたりして雨水がそこから侵入する問題もありました。2つ目は、施工後のケアが不十分だったということです。アルミクラッドの木製サッシは、自然素材で出来ています。ですから、水分による腐敗が生じるということを常に意識していなければなりません。にも拘わらず、多くの輸入住宅で梅雨や台風の時期でも常に窓を閉め切ったままにして、晴れ間にサッシを開けて乾燥させるというケアを怠ってきました。また、サッシの防水処理が経年劣化で悪くなるということを考えなかった為に、こちらも放置された状態で10年近く分からなかったというご家庭が多いのです。国産のアルミサッシにはない高級感や温かみ、湿気や温度を調節してくれる素晴らしい機能が木製輸入サッシにはありますが、ものには必ずデメリットも存在します。輸入サッシのメーカーは、クレームに対して真摯に改善を進めてきたところが残っていますから、構造的な部分では問題は少なくなると思われます。ただ、その後のケアという部分では、未だにそれをお客様側に伝えていない住宅メーカーが存在します。(こうした注意記事を書く建築会社は、ほぼありませんね)また、そうしたデメリットに対応した生活を心掛けるお客様が少ないというのも、現実としてあるでしょう。高品質な輸入住宅を後世まで残していきたいというのであれば、アフターケアが出来るビルダーと付き合っていくことも大切ですが、お客様側でも家を注意深く見守っていくことも必要だと思います。これは、輸入・国産、どちらに限ったことではありません。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年09月28日
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構造体にサッシを固定する為に、サッシの周囲にはネイル・フィンと呼ばれる釘留め用の部品が付いています。上下左右、サッシの全ての辺に付いていますから、知識のない大工さんは全部に釘を打って留めてしまいます。勿論、そうすることでサッシは建物の構造体にガッチリ固定される訳ですが、建物というものは自分自身の重さによって徐々に沈み込みますし、木や鉄骨の収縮・膨張などによっても動くのです。もしそうした力がサッシに伝われば、どうなるでしょうか。サッシは歪み、窓の開閉に支障をきたすこととなるのです。つまり、ネイル・フィンで固定するには、一定の配慮が必要なのです。こういう場合、まずサッシの両サイドを釘又はビスで固定します。次に窓下を固定します。但し、釘穴の全てに釘を打つ必要はありません。最後、窓上だけは固定しないでそのままにしておくというのが、基本的なサッシの納め方となります。そうすることで、上から建物の重量が掛かってきても、窓が上から押されて潰れることはありません。さて、次に窓の防水処理についてですが、サッシは雨漏りにおいて一番の弱点スポットですから、サッシの防水は何層にもわたってテープやシートを適切な場所に適切な形で張っていく必要があります。今回、そうしたことを全てここに書くことは文字数の問題で控えますが、1ヶ所だけ雨水の逃げ場を作っておく場所があります。それは、窓下。ネイル・フィンの下側は構造体への雨の侵入を防ぐ為に、防水処理を施すのですが、万一雨がサッシに入り込むようなことがあった場合、ネイル・フィンと防水層との間から雨水が抜けるようにしておかなければなりません。(写真は、窓からの雨漏りでサッシを交換したリフォーム現場です。但し、こういう手順を全て分かっている業者は、意外と少ないのです)ですから、ネイル・フィンの上には防水テープは張らないのです。張ってしまうとそこに水が溜まり、それが元で逆流したり、別の箇所に漏水してきたりすることとなるのです。固定にしろ、防水にしろ、何でもかんでも完璧にやっておこうというのは日本人らしい発想ですが、それは浅はかな考えでしかありません。自然の摂理を深く考えて、もしもの時の為に次の一手を打っておくことが建築には大切なんですね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年09月23日
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こちらは、日進市の弊社の近くにある輸入住宅の外壁です。大手住宅メーカーさんで建てられたおうちですが、新築から一度もメーカー・メンテナンスを受けていない状況でした。何故そうなのかといった事情は分かりませんが、10年に一度くらいの頻度で点検・補修は絶対に必要です。そういう定期的なメンテナンスがやれていない住宅メーカーや工務店が、この日本には如何に多いか。非常に残念でなりません。アンダーセン(Andersen)のケースメント・サッシを多く使って頂いているようですが、建具(障子)の建て起こしの問題か、それとも気密パッキン材のウェザーストリップがへたってきたのか、窓の上枠と建具との隙間から雨が時折侵入してきます。また、浴室や勝手口の取り付けられたエクセル・シャノンの樹脂サッシの可動式網戸が破損しています。こうしたことは、簡単な部品類を交換した上で、サッシを調整してあげれば大抵の窓が元通りになるものです。(勿論、構造的な問題や施工手順や材料の間違いなどがある場合は、直らないケースもあるでしょうが・・・)さて、今回取り上げる問題は、外壁のクラック。私が相談を受ける前に、お客様ご自身で防水剤を使って割れの部分を補修して頂いているようですから、当面の不具合は回避出来ています。デラクリートという名前のコンクリート・パネル材が外壁に張られていて、その上に仕上げ材としてジョリパットのようなスタッコが塗られています。こういう場合、表面のスタッコ自体が、外気温の変化や建物の伸縮によって割れてしまうということもありますが、このように一直線に割れが入っている時は、下地となっているパネル材のつなぎ目がずれて割れたと考えるのが正しいと思います。垂直荷重において最もウィーク・ポイントとなるのが、窓の両サイド。そこに敢えてデラクリートのつなぎ目をもってきてしまったことが、一番の問題でしょう。また、こうした割れは、外壁のコーナー部分などにも起こることがよくあります。それは、コーナー部分が一番つなぎ目の集中する箇所だからです。パネルをジョイントする部分は、出来るだけ窓やコーナーを避けて、万一そこに近くなってしまう場合には、補強テープやビス留めを十分に施して下地を作る気遣いが欲しいものです。また、こうしたクラックは完全には避けられないものですから、下地の動きがあっても柔軟に対応出来るスタッコ・フレックス(Stuc-O-Flex)のような仕上げ材を用いることも対策の一つです。そうした複数の対策を打つことで、外壁や窓周りからの雨漏りの不安を解消することが出来るはずですよ。ただ、新築時の見積には、材料の表記があっても張る位置や張り方、施工の良し悪しや気遣いまで書かれていないのが実情です。見積だけを信用するのでなく、施工についての情報公開をしているかどうかも確認する必要があるかも知れません。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。<関連記事>: クラックの入らない塗り壁 スタッコ・フレックス (2011年1月25日)
2016年09月10日
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こちらは、先日窓の入れ替えを行った時に撮影したペアガラスの拡大写真です。室内側から撮ったのですが、「TEMPERED(強化ガラス)」と書かれたアルファベットや数字の記載が読めますよね。このマーヴィン(Marvin)の窓を含めて、輸入のサッシのペアガラスは、全て室内側から見た時に文字が読めるような向きで取付けられています。そんなのどちらでもいいとお考えの方もいるでしょうが、実はそれは間違いなんですね。最近のペアガラスの多くは、断熱性や耐紫外線性能に優れたLOW-Eと呼ばれる断熱被膜を張ったガラスが用いられています。断熱被膜は、夏向き(太陽の熱射を跳ね返す)か冬向き(室内の熱を逃がさない)かによって、外側のガラスに張るか、内側のガラスに張るかが異なるのです。因みに、両方のガラスにLOW-E被膜を張ることは出来ません。もし張った場合は、ガラスが熱割れを起こす危険性があるからです。ペアガラスが割れたり、ガラスが内部結露で曇ってしまったりした時は、ガラスの交換等が必要になります。そんな時、こうしたことを知らない地元のサッシ屋さんやリフォーム屋さんが施工をすれば、間違った取付けをしてしまうかも知れません。だからこそ、専門知識を持った輸入住宅のプロにお願いすることが大切なんですね。(輸入住宅の建築をする業者さんでも、ここまでのことは殆ど理解していないですが・・・)輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年08月30日
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先日、輸入サッシからの雨漏りで構造用合板等が腐っていた様子をご覧に入れましたが、腐った部分を新しいものに入れ替えて、そこをどのように防水施工したのかをお見せします。ここは、非常にノウハウが詰まった部分ですから、普通のビルダーさんなら秘密にしたいところだと思いますが、広く対処方法をお知らせする為に、敢えて公開しています。一番先に特殊で高機能な防水シート、ウェザーメイト・プラスを窓及び外壁面に張ります。窓に張るというのは、窓の周囲にも室内側へ巻き込んで張るという意味で、壁と窓とが接する内側部分にまでシートを張っていますから、万一窓から漏水しても構造体に雨が掛からず、防水シートの外側へと流れていきます。こうすることで、サッシの万一の漏水でも構造体にダメージを与えないように出来るのです。また、このウェザーメイト・プラスは、構造体側からの湿気は外側に放出しますが、外壁側からの湿気(空気)や雨(水分)は通さないという不思議な機能を持っています。だから、構造体に水分が入り込んで、それが湿気となった時には外へと放出されます。また、外からの湿気は入り込めませんから、防水シート内で湿気が水分に変化して内部結露を起こす危険性もありません。また、窓下にはブチル・テープといった防水テープを張っていませんから、窓下が雨水で膿んでしまう(滞留してしまう)ことも防げます。今回外壁はモルタルを20mm厚で塗り固めた塗り壁でした。それも通気層を取らずに構造用合板に直貼りする形でしたから、窓を交換する為に切り取った窓周囲のモルタルと新しく防水処理をした部分との境い目が一番のウィーク・ポイントとなります。そこで、境い目ギリギリまで防水シートやブチル・テープを張り込んで、そこに防水コーキングをしっかりと打ちました。(本当は、塗り壁を全部剥がして、通気層を施工した上でサイディング+塗り壁を施工したいところですが、費用対効果を考えて一番ベターな方法を取りました)ここまでやれば、来週やってくる猛烈な台風でも、雨漏りは絶対しませんよ。(と言いながら、人智には限りがありますから絶対などということは、本当はあり得ません)まだまだお見せしたい部分や書きたいノウハウはたくさんあるのですが、そこまで紙面を割けませんので、おおよそ肝になる部分をご紹介させて頂きました。(やり方は、既存の建物の状態によって千差万別。これならどこの業者さんでも出来るなんて、安易に思わないで下さいね。失敗したら、また費用が掛かりますから・・・)次は、この壁をどう仕上げたのか(ここも重要です)になってきますが、それはまたの機会に・・・。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。<関連記事>:アルミクラッド・サッシからの雨漏り
2016年08月27日
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どんなに外壁の塗装や防水をやり直しても、どんなに屋根の塗装や防水をやり直しても、雨漏りが止まらない輸入住宅がどれ程あるのでしょうか。こうしたトラブルの多くは、輸入資材への知識不足だったり、英語の施工マニュアルを読まずに間違った施工をした為に起こるケースが後を絶ちません。住宅メーカーの中には、施工した責任を放棄して補修工事をも投げ出してしまう処もあるようですから、お客様は自力で試行錯誤を繰り返すだけで、最後は泣き寝入りという状況です。でも、雨漏りには必ず原因があり、その原因となるところを解決さえすれば、何事もなかったかのように問題は解消されますから、諦めないで下さいね。ただ、その原因は一つではないかも知れません。資材そのものの問題の他に、施工不良が重なっていることもありますから、過信せずに慎重に調査をすべきだと思います。この写真は、先日雨漏りの補修工事を開始した日進市の現場です。20年近く前に大手ゼネコンが手掛けた珍しい輸入住宅なんですが、アルミクラッド・サッシの選定に誤りがありました。また、輸入サッシの木部やアルミのつなぎ目に対して、適切な塗装や十分な防水処理を施していなかったのが原因です。アルミクラッド・サッシのアルミの隙間や木部が劣化したことによって発生した割れから雨水が侵入して、それが防水紙(シート)と構造用合板との間を通って下の階に落ちていったようです。ですから、いくら外側の外壁や屋根をコーキングしても、いくら防水シートをきれいに施工しても、その内側を雨水が流れていったのですから、雨漏りが直るはずはありません。(防水紙は、透湿性のないアスファルト・ルーフィングが使われていますから、本当なら外壁を全部剥がしてやり直ししたい処です)ご覧のように、雨が伝った処の合板は黒ずんで腐っていました。ただ、合板の表面を流れていたようですから、その内側のグラスウールの断熱材は乾いた状態で無事でした。(尚、内部を確認する為に、合板の黒ずんだ部分は撤去しています)多少2x4の柱材(スタッド)に損傷がありますので、その部分は取り外して交換します。雨水がどこから来たのか、どこを通ったのかで損傷する箇所も違ってきます。当然、その復旧方法も変わります。(直し方は、都度状況によって異なるのです)想像や思い込みだけで全く違う場所を補修しても雨漏りが直らないということを施工者も自覚しなければいけません。設計士やリフォーム業者をプロとして信用するのは、ある意味当然ですが、間違った施工をしてしまう業者が少なくありませんから、ご注意下さい。(大手ゼネコンは、そもそも畑違いですから、直せないのは至極当たり前ですが・・・)この現場の工事の様子は、また順次記事にアップしていきますね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年08月24日
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こちらの勝手口は、ピーチツリー社製のベント・ドア。ドアに上げ下げ窓が付いていて、換気も出来る便利なドアです。19年前に施工されたドアですが、多少ドアの周囲の木枠が黒ずんでいるだけで特に問題がなさそうに見えます。でも、実際にはドアの下端が腐ってきていて、それ程長くはもたないかも知れません。表面に張ってあるスチールの面材も錆びて少し欠損している状況ですが、お客様が白く塗装をして何とか体裁を保っている感じです。こういう状況になったのは、ドアの上に庇がないという設計・施工上のミスだと思います。また、周囲に張られた石やその目地に防水施工がされていないので、外壁に当たった雨水がドアの周囲へと伝ってきてしまうという点も問題です。(石と石との境い目には、モルタルやコーキングのような目地材が入っていないようですし、石が黒ずんでいることからも吸水性のある石のような気がします)お客様のご都合次第ではありますが、ドアをファイバーグラス製のベント・ドアに交換する際に、小庇を取り付けてあげればきっと新築時の美しさが蘇ると思います。ドア枠も白い樹脂製のものに交換して、防犯用のガードプレートを装着すれば、ほぼ完璧です。あと、外壁の塗り直しの際には石の外壁も洗浄して、きれいになったところで防水のクリア塗装をしたいものです。普通の建築・リフォーム会社さんでは、こうしたことまで考えてあげられないものでしょうかねぇ・・・。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年08月07日
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2016年3月に強化ペアガラスが割れたという記事を書かせて頂いたマーヴィン(Marvin)社の古い掃出しサッシ。フレンチ・スライディング・パティオ・ドアというタイプで、尚且つ高さが通常よりも40cm程高いドアでした。ガラスの交換だけであれば、国内でペアガラスを作ってもらってはめ込むという方法もありますが、ガラスを建具のフレームに固定する為のガラス押さえ(押し縁)が国内では調達出来ません。それは、室内側に付いていますから、木製ですし、尚且つドアにしっかり固定出来るだけの寸法や厚みがなくては、ガラスが外れてしまいます。そんなこんなで、わざわざアメリカから押し縁共々ガラスを輸入した訳ですが、入荷まで結構時間が掛かってしまいました。それにしても、掃き出し用サイズの強化されたペアガラスって、大きくて相当重いですねぇ。単体で60~70㎏はあるんじゃないでしょうか。まあ、一人で持てないことはないかも知れませんが、強化ガラスはガラスに歪が出るとバラバラに割れてしまいます。ですから、一人で持ち上げてたわませたりすると、大変なことになってしまいます。それに、粉々に割れたガラスを粘着フィルムで固定していたんですが、これを建具のフレームから外すのが至難の業でした。作業開始から炎天下で4時間。こんな大変な仕事は、どこのサッシ屋さんでも建築会社さんでも受けてくれないはずです。でも、私たちは最後まで手を抜きません。ガラスを装着する際に建具のフレームに防水接着剤で留めてあるのですが、更に外側のガラスとサッシとの接点に防水コーキングを上から塗布しました。こうしておけばガラスとフレームとの間には隙間が生じませんから、雨漏りでサッシの木部が腐るリスクも少なくなります。このひと手間を掛けるか掛けないかが、気遣いですし、将来のトラブル回避にもなるのです。でも、こんなことまでやるところは、ないかも知れませんね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。<関連記事>: 割れた強化ペアガラス
2016年08月06日
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アルミクラッドの木製輸入サッシ、マーヴィン(Marvin)。比較的アフターサービスもしっかりしていて、私たちもメンテナンスへの対応がしやすい窓メーカーではあるのですが、それでも修理用の部品が手に入らない場合もあるのです。今回のケースもその一つ。生産終了後、4~5年前くらいにメンテナンス部品の供給もしないとアナウンスされたセーフティ・プラス・スライディング・パティオドア(Safe-T-Plus Sliding Patio Door)。そのドア枠(窓枠)のコーナーのジョイント部分から雨が侵入したらしく、側枠のカバーを外した処このように木部がひどく腐っていました。既に下枠もフカフカした状態ですから、窓枠だけでなく構造部分にまで雨漏りが及んでいるかも知れません。フローリングにも広く雨染みが付いていましたから、相当前から雨漏りには気付いていらしたと思いますが、あまり大ごととは思われていなかったのか、対処がされない状況でした。恐らく10年単位で雨漏りが続いていたのでしょうが、すぐに不具合箇所を防水処理していれば、大幅な修理が必要な状況にはならなかったかも知れません。人間の病気でもそうですが、早期発見・早期治療こそが、費用も掛からず早く問題を解決する秘訣です。今回のケースについて、マーヴィンに窓枠だけの供給が出来ないかお願いしてみるつもりですが、多分他のシリーズの掃き出しサッシに交換することになるかも知れません。費用は掛かるとは思いますが、最新のもので雨仕舞のよくなったサッシを取り付けた方が、今後の心配もなくなり反ってベターな選択になる気がします。木製サッシは、温かみがあって人の生活環境も快適にしてくれます。でも、自然素材故の手入れやメンテナンスを心掛けなければいけないことを、常に頭に入れておいて下さいね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年08月05日
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アルミクラッドに代表される室内側が木製の輸入サッシ。マーヴィン、アンダーセン、ペラ、ハードなど、名だたる有名メーカーのものは、全て木の温かみを感じるサッシばかりです。ただ、こうした高品質、高級感のある窓も外壁や屋根からの雨漏りでせっかくの木部が腐ってくるといったトラブルも多く発生しています。また、サッシ(建具)の枠とガラスとの隙間やアルミのつなぎ目などから雨水が侵入して、木を腐らせることもしばしばです。こうした木製サッシは、新築時に木の塗装をするのですが、防水塗装ではなく、室内用のニスやステインが塗装に使われることが多く、雨水が侵入してきた時に何の役にも立たないのが現状です。(尚、出荷時に塗装がされているのは、外装のアルミ部分だけです)そこで私たち ホームメイドでは、家に窓を装着する前に、サッシの裏側になるところまで木部用の防水塗料 Para社製ティンバー・ケアを全て塗る試みをしてみました。そう、構造で隠れてしまう部分も塗装しますから、万一水や湿気が壁の中にまで入り込んでも木製サッシを防御してくれるという画期的な施工をやろうとしています。写真は、その塗装風景ですが、木部がナチュラルな黄色味がかった色に見えるところがティンバー・ケアで塗装した部分です。普通は、内側の目に見えるところしか塗装しませんから、外側に色が付いているのは日本でも初めての施工ではないかと思いますし、全てが露出した状態ですから細かな部分まで塗装出来ます。ただ、このように高さが1.8mもあるような大きなサッシだと、取り回しが大変で塗るのには相当な手間が掛かります。今回は、築18年の輸入住宅のサッシが一部腐ってきたので、外装の防水改修工事を兼ねてサッシ自体を交換する為に窓を輸入しています。防水に不安のあるおうちですから、ここまでやればお客様も安心して頂ける気がします。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年08月02日
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こちらは、今朝静岡県のお客様から頂いた屋根裏(小屋裏)の写真。グラスウールの断熱材がその重さに耐えかねて、至る処屋根から脱落しています。(屋根組みを支える柱もいい加減な施工ですが・・)お客様曰く、屋根に張ってある野地板合板とグラスウールとの間に手を入れてみたら、合板が濡れて結露を起こしているそうです。当然、このまま放置すれば、合板は黒く変色してそのうち腐ってくるでしょう。また、ガラス繊維で出来たグラスウールは、水分や湿気が付くと断熱性能が極端に落ちてしまいますから、その周囲をビニールの防湿シートで完全に覆わなければなりませんが、カットされた断熱材がむき出しのまま施工された形です。これでは、断熱材としての役割が十分果たせないばかりか、水分や湿気が表面に付着して重さが増してしまいます。その重量増に耐えかねて、グラスウールが下の床に落ちてしまったものと思われます。こういう場合、断熱を屋根断熱から天井断熱にすれば直るという間違った提案をする業者もいるようですが、残念ながら、天井断熱にしても全く意味はありません。それは、断熱する位置が変わるだけで、原因を解決していないからです。まずは、換気棟の設置をすることです。それで、居住空間から昇ってくるたくさんの温かい湿気を棟から逃がすことが可能となります。次に、野地板の内側に通気の為のスペーサーを付けることをお勧めします。こうすることで、野地板と断熱材との間に通気層を確保し、ビニールの防湿シートと野地板とが直接触る状況を回避出来ます。(人間でも直接肌にビニールを張り付けると、中で汗をかいて気持ちが悪いですよね。そうなることをなくすのです)勿論、グラスウールをそのまま使うのであれば、剥き出しになった断熱材をビニールの袋に入れるなどして密閉しなければなりません。私としては、出来れば断熱材を無機系のグラスウールやロックウールから呼吸作用のある天然の羊毛やセルロースといった自然素材に変えると更に安心出来ると考えます。湿気の多い梅雨の季節や室内を加湿する冬場に、皆さんも一度屋根裏の状態を点検しては如何でしょうか。屋根裏結露の問題を抱えている日本の住宅は、80%以上あると思いますよ(多くの皆さんは、点検していないので知らないだけです)輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。<関連資料>: 「断熱施工の見えないリスク」【PDF】(2008年11月発刊 日経ホームビルダー)<関連記事>: 屋根裏及び屋根裏部屋の結露対策(1) (2007年9月1日)<関連記事>: 冬場を前に屋根裏を点検しましょう! (2014年10月20日)
2016年07月16日
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最近は、新築で和式トイレは殆ど見かけなくなってきました。イスに座るような感覚で、足腰に負担も少なく、お掃除もしやすいですから、洋式トイレが使われるのは必然かも知れません。ただ、洋式トイレには、一つ問題があるのをご存知でしょうか。それは、写真のように便器と床とが接する部分に水ジミが出来ることです。多くの人は、男性や男の子が立っておしっこをする際に便器からそれて下に垂れたのが原因と思われるかも知れません。または、トイレの排水から汚水が漏れて、床を汚してしまったと思っている方もいらっしゃるでしょう。まあ、そういうことは全然ないとは言いませんが、排水管は割れたりしない限り汚水が漏れ出すような構造にはなっていません。また、男性陣がおしっこをはみ出したにしても、便器の後ろの方までシミが出来てしまうなんてことは、量的に考えてもないことではないでしょうか。(少しはそういうこともありますが・・・)では、この水漏れのようなシミはどうして出来たと思いますか?それは、夏場や梅雨時に湿気を多く含んだ温かい空気が、室内に充満していることが主な原因です。地下の水道管からやってきた冷たい水が、トイレの水を流すことでいつも新しい水に入れ替わります。それが、いつも便器の中に溜まっている状態になる訳です。その冷えた水に接する陶器の便器は、次第に熱伝導で同様に冷たくなってきますが、その周囲は湿気の多い温かな空気ですから、便器に水滴が付くこととなるのです。つまり、便器の底や中側で結露が発生するんですねぇ。そうした冷たい水や湿気った空気は常に供給され続けますから、結露の発生が止まりません。ですから、知らないうちに便器の周囲の床が雨漏れしたように黒く変色してくるというのが、このトラブルの実態です。特にフローリングをトイレの床にも張っているような場合は、木が劣化を起こし腐ってしまいますから、クッション・フロアやタイルなどの床に張り替えることが必要です。自然の摂理をしっかり理解して、正しい施工を提案出来るビルダーであれば、トイレにフローリングを勧めることはないのでしょうが、そういうことを知らない施工業者もいるんですよね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年07月09日
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梅雨の中休みなんて言いますが、ずっと晴天が続く名古屋地方。昨日のように時折、夕立はありますが、ほんのひと時のお湿り程度。連日の35度近い猛暑で、仕事にも熱が入らない状況です。(これは、言い訳ですが・・・)そんな事務所環境ですから、そろそろクーラーを入れようということになるんですが、私は冷房・暖房共、あまり好きではありません。そりゃ、付けた方が楽に決まっていますが、地球温暖化を助長させますし、人間の調節能力や免疫機能をも低下させると考えていますから、お客様の来社時以外は極力スイッチを入れないようにしています。まあ、そこが頑固なんでしょうねぇ。そこで、今朝出社してすぐに、窓に農業用の遮光ネットを張りました。使い始めてもう6年になりますが、多少くたびれてきていますが、まだまだ現役。きっとあと数年は頑張ってくれるでしょう。この遮光ネットを張る際に気を付けているのは、繊維が幅広になったところが水平方向になるようにすることです。そうすると、上から来る夏の太陽の光が遮られるのですが、真横に吹く風は室内へ入ってきます。ほんと、うまく出来ていますよね。建物や窓の性能が高いに越したことはありませんが、こんな一工夫をするだけで、安価で確実に住環境を改善出来るんですね。これで随分省エネと暑さ対策になると思いませんか。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。<関連記事>: 夏は、省エネ。暑さ対策 (2013年7月3日)
2016年07月05日
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アメリカでは極々一般的ですが、日本では殆どお目に掛かれない内開き(Inswing)のテラス・ドア。内開きは、外からロック・バーやドア・ラッチが見えないという利点から、防犯に敏感なアメリカでは普通に施工されています。そういう点では、日本はまだまだ防犯の意識が低いということかも知れません。ただ、この納まりはいけません。ドアの開閉時にラッチがドア枠に擦ってしまい、黒い跡が付いています。内開きだからこうなったのかと思う人もいるかも知れませんが、決してそうではありません。実は、ラッチを受ける金色のストライク金物のところまでが、実質的なドア枠で、黒い跡が付いている枠はジャム・エクステンションという延長枠なんですね。これは、普通の2x4の壁厚でなく、更に厚い2x6の壁にドアを取り付けたことによって枠の幅を広げなければならなかった為に、枠を付け足しているのです。ですから、外開き(Outswing)であっても、壁厚が大きくなれば、枠材を室内側か屋外側に付け足さなければならないのです。勿論、最初から2x6の壁を想定して、幅広のドア枠を輸入していれば付け足す必要はありません。でも、そういうオーダーに気遣いが出来ないビルダーもいますから、後付けの枠が必要になることもしばしばです。ただ、このジャム・エクステンションをドア枠の出幅と同じ位置に付けてしまうのは、間違いです。ドア枠よりも10mm前後控えた場所に取り付けて、少し段差が生じるように取り付ければ、ラッチが擦ることもないですし、ドアがもっと豪華な感じに見えるはずです。この輸入住宅は、日本でも名の知られた有名ビルダーが建てたおうちですが、まあその程度の技術しかなかったんでしょうね。建築費は高かったのでしょうが、仕事はそこそこですね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年06月26日
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アンダーセン(Andersen)の古いナローライン・シリーズのダブルハングは、建具(障子)の外装がアルミや樹脂で覆われている訳ではありません。アンダーセンの窓は、樹脂で被覆されたクラッド・サッシのタイプもあるのですが、窓の形式によってそうでないものもあるんですね。しかし、外部が木製であっても防水・防腐塗装が工場出荷前にしっかり施されていますから、通常問題とはならないのですが、何らかの原因で木が劣化してくることがあるようです。その原因は様々あると思いますが、ガラスと建具枠との取り合い部分から雨水が侵入したり、サッシ枠と建具枠と接する部分に雨が滞留したりして木が腐るということも考えられます。一旦木に水分が入り込んでしまうと、木が膨張して窓が開けにくくなったり、重く感じられたりしますから、その時は要注意。防水コーキングや防水塗装を施すなどして早く対処すれば、建具を交換しなければならなくなる事態を避けられるかも知れません。勿論、最悪そうなったとしても、サービス体制が整った北米の窓メーカーの製品であれば、代替えの建具や部品を供給してくれるはずですから、大丈夫ですよ。(尚、会社がなくなったり、サービスを止めてしまったりしたメーカーもありますので、絶対ではありませんが・・・)梅雨時ですが、雨の問題が心配な方は、一度おうちの窓をチェックしてみては如何でしょうか。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年06月08日
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北欧系ドアと言えば、スウェドアやレクサンドーレン、スニッカルペールといった木製ドアを思い浮かべる方も多いと思います。今回ご相談を頂いたのは、スウェドア(Swedoor)の玄関ドア。高級なチーク材が表面に張られた重厚感のあるドアですが、長年太陽や風雨に晒されてきた結果、塗装が劣化してきました。新潟にお住まいのこちらのお客様は、自分でも丹念に自然オイル系の木部用屋外塗料を塗っておられたそうですが、それでも数ヶ月おきに塗装するということは出来ません。自然オイル系のものは、施工マニュアルにも年に数回塗装をするように指示が記載されているものが多いですが、DIYに慣れていない日本人ではそれ程頻繁に塗装する人は殆どいないと言っても過言ではありません。また、このお客様はこの事態を何とかしようと、古い塗装を紙ヤスリのようなもので剥がそうとされたようです。その跡が、ドアの上部やガラスの周囲で少し薄めの茶色になっている部分ですが、あまりきれいにならなかった為か、途中で作業を中止された状態でした。名古屋からは少し遠い場所ですが、木製ドアをメンテナンス出来る業者がまわりにはいらっしゃらないとのことで、もしかしたら伺わなければいけなくなるかも知れません。何せ、塗装業者の中には、室内用に用いられるニスを屋外に塗るような業者さんもいますから、プロだろうからと言って安心は出来ません。古い塗装を出来るだけきれいに剥がして、そこにパラペイントのティンバー・ケアを2度塗りすれば、5年は塗装が持つそうです。勿論、そこの環境や特性によって塗装の寿命も変化するでしょうが、年に何度も塗ることを考えたら、お客様も随分楽になりますよね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年05月17日
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愛知県大府市のお客様から16年前に建てたビクトリア様式の輸入住宅のメンテナンスで相談を頂きました。屋根の軒裏を支えるように取り付けられた装飾ブラケットからもヴィクトリアン・エドワーディアンと呼ばれる時代の雰囲気を感じさせますね。さて、このおうちですが、当初はバルコニーの屋根を支える為の木製の柱材(ポスト)や木製手摺が腐ってきたので、修理をしたいというお話でした。昨日、実際に取り付けられた状況を確認しに伺ったのですが、確かに木の至る処が腐ってしまい、交換を余儀なくされる感じではありましたが、強度的にすぐに交換しないと危険であるといった状況ではありませんでした。勿論、熊本のような大きな地震があれば、横揺れで壊れてしまうかも知れませんが、それは木の腐れの問題ではなく、この部分が構造的に横揺れに弱いというだけの話です。それよりも気になったのが、窓とその周囲。こちらの家では、オーストラリアの木製サッシが採用されているのですが、台風などの風雨に曝されやすい南側や東側に面したサッシに損傷や腐れが見受けられます。また、その窓の周囲にも木製のトリムやボトムシルが飾りとして取付けられているといった状況ですが、それらも劣化が進んでいます。4年程前に部分的に腐らないものに交換したり、塗装をやり直したりしたそうですが、既に劣化が始まっているものに呼吸作用を阻害する塗料を塗ってもそれを止められるはずはありません。そこで思い切ってしっかりしたものを施工しておけば、こういうことにはならなかったと思いますが、それを言っても仕方ないですね。何れにしても、サッシや枠の腐った処を部分交換したりして対処するような中途半端な対応では問題を先送りするに過ぎません。室内の木の質感を壊さないように、サッシは木製のアルミクラッドのものを新しく調達してから、足場を組んで交換・修理をするのが一番美しく、それも耐久性が上がる方法だと思います。メンテナンスやリフォームにおいて一番大切なのは、問題を原因の処から潰して解決することの他に、そのデザインを出来るだけ壊さないようにする心遣いではないでしょうか。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年05月07日
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15年前に新築させて頂いたおうちのベランダ手摺を付替える工事をさせて頂きました。当初はカナダから輸入した美しい木製手摺を施工していたのですが、雨ざらしになる場所でしたので徐々に腐ってきてしまいました。こういう場所は、自然素材ではどうしても長持ちすることは難しいですね。そこで今回は、一般的なアルミの手摺に交換します。手摺の下になる小壁の上に幅広の笠木を載せて、そこに頑丈な支柱を立てた上で化粧柱と縦柵の手摺を施工します。アルミは錆びにくい素材ではありますが、強度という点では他の金属よりも劣ります。ですから、下地となる支柱を入れてしっかり固定することが大切なんですね。大掛かりな工事ではありませんが、こうした処にも気遣いが必要です。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2016年04月19日
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