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「映画にもなってるやん。」
「うん。エライ流行ってんで。」
と、まあ、そういうことですが、その 金田一探偵
の名前が、 金田一京助
の名のもじりだというのは、かなり有名な話です。その後ブームになった マンガ
の 金田一少年
は、たしか、小説の金田一耕助の孫だったと思います。それぞれ、本家に許しを得たのかどうか、それは知らないのですが、国語学者一家の金田一家と探偵の血筋の金田一家は縁がないわけではないということです。ホント、どうでもいい話でした。
さて、本論に戻りましょう。 「日本語(上・下)」
ですが、 言語学
の視点から、
世界の中の日本語
の特質から語り始め、 発音、語彙、文法、表現法
まで語りつくしてある本です。
今では、1000点を超えた、 岩波書店
の 「新赤版」新書
が 1988年
に始まるのですが、ちなみに、その no1
は 大江健三郎「新しい文学のために」
。 no2,no3
がこの 「日本語〈上・下〉」
、記念出版に近い評価だったんでしょうね。 「岩波文化」
という言葉がありますが、マア、代表的スターだったんでしょうね。
以来、 2017年
に 53刷
ですから、
「スタンダード」
と、ぼくがいう意味は分かってもらえるのではないでしょうか。ただ、惜しむらくは、少々冗長で、今となっては少し古いと思います。
そこで最新の、と考える人には 沖森卓也「日本語全史」(ちくま新書)
があります。
こっちは、 「全史」
と銘打っている通り、日本の古代前期、無文字社会の日本語は相手にしようがないからでしょうが、 奈良から平安にかけての日本語
から始めて、 「文字表記」「音韻」「語彙」「文法」
の部立てに従って 第六章「近代」
まで、画期的変化に伴い、各時代ごとに丁寧に記述されていて、まさに
全史
です。
特に、高校の国語程度の古典文法なんかに疑問と興味を持っている人にはお勧めかもしれません。
中でも、まあ、教員はしていた、あるいは、しているけれどという、ぼくのように、 国語学
が 苦手
、 文法が嫌い
という、大雑把で生半可な知識の持ち主には、割合ピタリとはまるかもしれません。いわゆる役に立つタイプの参考書と言っていい本だと思います。
整理が簡潔で、時代的変遷が明快。古典語の係り結びの変遷や、音韻の変化に伴っての詳細な文法の変化もきちんと追いかけられています。
ただ、これも、新書というより辞書に近い分厚さ、 430ページ
を超えますから、読み通すには、結構、根性とヒマがいるかもしれませんね。こんな本を読む、ヒマだからというおじさんとか、子どもの勉強がが気にかかるママとかというのは、ちょっと想像しにくい厚みですね(笑)。
というわけで、まず総論的おススメを案内しましたが、次は、ちょっと面白みもという「案内」をもくろんでおります。まあ、図書館か書店で手に取ってみてください。両方とも、ちょっと大きめの書店にならあるでしょう。(S)
追記2022・10・20
あらゆることが 「わかりやすい」
マニュアル化している現代ですが、20歳前後の、例えば、 「国語の教員」
を目指している女子大生とお出会いして話をしていると、一応、 「知っている」
のに、説明できないという 「国語」
についてのあれこれがたくさんあることに驚きます。
ウキペディアで調べれば 「知っている」
ことになるようですが、それって 「知っている」
っていうことなのでしょうか。
新書本を1冊読むのもネットで検索するのも、まあ、 「知っている」
という状態を作るうえでは大きな差はないのかもしれませんが、ページを繰って 「読む」
というとき、目の前の分厚さの苦痛は、 「わからない」
ということを実感させてくれます。読み終えると、読み終えた達成感で、ちょっといい気になります。
でも、
「なんか、よくわからん」
頭の中で、もう一人の自分がそういうのです。勉強は、そこから始まるんじゃないでしょうか。 「わからない」
を体験したことのない人が教室で 「わかりやすいマニュアル」
を配っているのは、やっぱり変ですね。 「読む」
ことの苦痛なしに 「わかりやすい」
にたどり着くのって、やっぱり、ウソだと思うのですが(笑)。
追記
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