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「日本語指導等特別な指導を受けている者の割合は外国籍児童生徒で79.3%、日本国籍は74.4%」 高校の中退は、その後の就職に大きくかかわります。本人の希望や努力と関係なく、外国につながる生徒たちは、学びを保障されていません。 「外国につながる生徒」 というのは、外国籍生徒だけでなく、日本国籍で外国にルーツのある生徒も含みます。日本国籍の生徒で日本語が話せない生徒もいます。義務教育でもその支援は大きな課題で、長年様々な取り組みがされてきました。ようやく兵庫県の公立高校に外国人特別枠入試が始まりましたが、外国につながる生徒、特に日本語指導が必要な生徒の支援はスタートしたばかりと言えます。
「『特別の教育課程』による日本語指導を受けている者の割合は同じく外国籍児童生徒59.8%、日本国籍は56.4%」「日本語指導が必要な高校生などの中退・進路状況については、全高校生などと比較すると中途退学率で7.4倍、就職者における非正規就職率で9.3倍、進学も就職もしていない者の率で2.7倍高くなった。また、進学率では全高校生等の6割程度となった」
第1章 すべての生徒が輝くために ~一人ひとりの人権が尊重される多文化共生社会の実現に向けて~ How toだけの冊子に陥らないように、生徒たちの思いや背景がわかる彼らの作文を紹介したり、コラムを入れたりして、感性に訴え、共感してもらえるよう工夫しました。特に第7章は、ベトナムと韓国のルーツをもつ2人の生徒が、自分たちのルーツとたどって来たルートをインタビューで紹介するストーリーになっています。揺れる思いや誇りを取り戻していく過程が目に浮かぶようです。 第7章の最後の箇所 を紹介します。執筆者は 野崎志帆さん(甲南女子大学教授) です。
第2章 外国につながる生徒の思いを知ろう
第3章 日本語指導が必要な生徒の受け入れ
第4章 日本語指導が必要な生徒の学習指導
第5章 外国につながる生徒の進路指導
第6章 日本語指導が必要な生徒の高校での学び
第7章 生徒たちの自身の振り返り 〜自分のルーツとルート〜
第8章 多文化共生をめざして
第9章 学校生活におけるその他の留意事項
資料編
名前や見た目で判断せず、学校やクラスには外国にルーツをもつ生徒がいるということを、まず学校現場で生徒に関わる教職員自身が認識する必要がありそうです。多様なルーツをもつ仲間がいることを知らせることは、多文化化しつつある日本で学ぶ全ての生徒にとって大切なことなのではないでしょうか。また、外国にルーツをもつ子どもの側だけに努力と頑張りを求めているだけでいいでしょうか。子どもの成長にストップはかけられません。国籍やルーツがどうあれ、彼らは日本の将来を担う日本社会の一員であるということを理解し、目の前の外国にルーツをもつ子どもに何ができるか、粘り強く考えていきたいものです。 このハンドブック作成の過程で、ことばのこと、相手にわかりやすく伝えるための表現、異なる立場の者どうしが話し合う中で生まれるものなど、気付くことがたくさんありました。高校教員、国語という科目、外国人教育に関わってきた中で、(良しあしは別にして)独りよがりな見方もありました。自分のフィールドから足を踏み出すのは勇気が必要ですし、葛藤も伴うのですが、そんなことを実感する機会になりました。
追記
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