2017年11月23日
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カテゴリ: OPERA

Photo Album
Photo:©Shevaibra, courtesy of the artist

東京二期会オペラ劇場
ヨハン・シュトラウスII世:こうもり
《ベルリン・コーミッシェ・オーパーとの提携公演》
日本語字幕付き原語(ドイツ語)歌唱、日本語台詞上演

2017年11月23日(木・祝) 14:00
日生劇場
Day 2  Bキャスト (2/5)

指揮: 阪 哲朗
演出: アンドレアス・ホモキ

舞台美術: ヴォルフガング・グスマン
照明: フランク・エヴィン
演出補: 菅尾 友

11月23日(木・祝)/25日(土)
アイゼンシュタイン 又吉秀樹
ロザリンデ 嘉目真木子
フランク 杉浦隆大
オルロフスキー 和田朝妃
アルフレード 吉田 連

ブリント 大川信之
アデーレ 三井清夏
イダ 辰巳真理恵
フロッシュ イッセー尾形

合唱: 二期会合唱団


***

平成の爆笑王かよ、テノール又吉秀樹!
喜劇俳優としてもすごすぎる。
イッセー尾形は別格ですけど、
すごいスターテノールです!

ホモキの演出なので喜劇要素を弱めるのではと危惧していたが、杞憂だった。面白すぎてリピートしたくなるほどだ。公演の 95%は笑ってた。

少なくとも4回、実際にギャ~~~ッと叫んでしまったシーンがあった。ブラック・ジョークがきつすぎる(笑)。
それは何だったのかあとのお楽しみ。

こうもりを日本人が演じると紙芝居のようになることがある。ダンス ワルツ おふざけが洗練されていないからだ。でもこの演出はそのへんがうまく回避されている。そこで勝負してない。舞台もホモキらしくわざと狭く使う閉鎖的空間。
演劇の要素がすごく強い。

出演者は皆芝居上手ですばらしい。
詳しくはまだ語れないが、
平成の爆笑王🤣がすごいので見逃すとヤバイ。
完全にイッセー尾形を食ってた。
イッセー尾形はアドリブでギャグを飛ばし、すべってもめげない(笑)
又吉さんも多分自前のギャグをとばしまくりでこれがすべるすべる(笑)。
喜劇王のスベリ対決かよ?(笑)ここも見所!

ファルケで二期会本公演デビューの小林啓倫さん すばらしかった!
NNTTの研修所公演でのフィガロの結婚のアルマヴィーヴァ伯爵の時のように、ノーブルで紳士だが、意外と頑固で複雑なキャラクター。破天荒なポン友をいかにあっと言わせるかに執念を燃やしている。
ビロードを敷き詰めたような美声に酔った。
彼が言わば狂言回しなので、比重が重い。大役ご苦労様です。

アルフレードの吉田連さん。特徴のある美声のリリック・テノール。いかにもと思わせる色男ぶり。演技もすばらしい。

ロザリンデの嘉目真木子さんも芝居上手で美しく、すばらしい歌唱。

アデーレの三井清夏さん 可愛いらしいアイドルのような容貌の軽い声のコロラトゥーラ・ソプラノ。天性のコメディエンヌ。

フランク杉浦隆大さんすばらしい声だった。重厚なヴェルディ・バリトンができる人だ。

ブリント大川信之さんも印象的だった。うまいです。

オルロフスキーの和田朝妃さんもなかなか斬新な設定になっていて、おもしろい。歌唱も演技もすばらしかった。

イダの辰巳真理恵さんは可愛らしく、女優のように演技がうまかった。

イッセー尾形はほとんど多分アドリブだと思う。すごい役者!彼との共演は歌手にも刺激になったと思う。なにしろフロッシュが一番有名なのでこのまま舞台が乗っ取られてしまうんじゃないかと思うほどだった。やっぱりプロの役者の破壊力はすさまじい。面白すぎでした。

指揮の阪 哲朗さんも軽快に飛ばした。

カーテンコールでホモキと菅尾友さんが手をつないで出てきた。

お疲れさまです!

***

この演出はなかなか不思議の国のアリスのような気持ちにさせられるセットなのです。

スケールの大きい発想の完全なレジーテアーターです。

それが最後の幕になって噴出します。

そのへんがけっこう深作健太さんのダナエに似ているかな。

だからそこが難しくて、原作を知っている人はいいけれど知らない人は知らないまま見るというわけです(笑)

オペラ座の怪人かよ!というシーンもあったりして。

本当に演出家の脳みそから次々とおもしろいものが…という感じです。

詳しい内容はすべての日程が終了した後に書くかもしれません。

予定調和を許さない、安心しきっている客をどこに連れて行くの?的な。

さすがホモキです!
***

オケピの深さが深い~
先日のルサルカとの違いがスゴイ(笑)
深くて狭いんです。
日生劇場はそういうものなんでしょうかね。
指揮者の好みでしょうね。
歌手の声を飛ばすために
オケピを下げている。

ステージ自体はわざと狭くしていてしかもかなり急な八百屋舞台。
最前列の私は首が痛くなるぐらいです。
イッセー尾形もそれをネタにギャグを飛ばしていた。

いきなり会場に入ると
わっホモキだよ~
とデジャヴに囚われますが
始まってすぐにそれが杞憂だったとわかります。
超おもしろいんです。

アルフレードの裏歌
ぼくの小鳩チャン

アデーレ、いかにもメイドの衣裳。
アデーレのエプロン下の方も紐で後ろにしばるようになっているロングスカート用のもの。

奥様
奥様ロザリンデのドレスが美しい。時代考証がすごくしっかりしているドレスだ。
後ろにふくらんでいる部分をまとめている。

アルフレード
白いスーツ、いかにも伊達男風。

そこにアイゼンシュタインの怒鳴り声が!
アルフレードは○○に隠れます。

アイゼンシュタインが大変テンション高く入ってきます。

又吉さん、銀縁の丸眼鏡、髪をなでつけています。

ブリントがうまくしゃべれないので収監日数が延びたと文句タラタラです。

ブリントを追い出すもののまた戻ってくるブリント

飯を食いたかったというアイゼンシュタインに
ロザリンデはアデーレに注文に行かせる

アイゼンシュタインは妻に一番汚い服を用意するように言う。

ファルケが来る
なんという美声なのだ!

もちろん又吉さんもものすごい美声なのですが。

ファルケはアイゼンシュタインと二人きりになるとオルロフスキー侯爵の夜会に行こうと誘います。
ねずみちゃんたちがいるんだ!

すばらしい二重唱!わ~幸せ。
ここで又吉さんの特徴である高音部の裏っ返りが聴けます。
これが大好きなのです。

アイゼンシュタインはうれしくなってファルケに飛びつきます。

もう漫画ですか?という展開です。

まさにトムとジェリーを地で行ってます。

ロザリンデ唖然。

ファルケが他にもよるところがあるんで、と出て行く。

アイゼンシュタインは急に夜会服を選び出す

ロザリンデはハラハラ…

アデーレがご馳走のケイタリングを持ってきます。

もちろんお決まりの、豚の頭です。

かみての斜めになったテーブルに置きます。滑り止めがついているんでしょうね。

アデーレに暇を与えるロザリンデ

さっきはだめって言ったのにどうして?

さっきは機嫌が悪かったのよ

バチッと決めたアイゼンシュタイン登場
…と言いたいところですがなかなか袖に腕が通らず悪戦苦闘。
こんなことも面白すぎる又吉さん。

ちょっと服着てくる…!なんてアドリブも飛ばします。

そういえばこの演出ではお決まりのアイゼンシュタインがアデーレのお尻を触ってきゃーっと言うのがなかった気がする。
ブリントのド○○とかはあったけど
ブリントのはげのかつらのギャグもそういえばなかったわ。

三人で悲しみながらも踊りだすという…
爆笑の展開だが
ここのアイゼンシュタインのステップ見て~
もう超おかしくて笑い死にしそうだったわ。

アイゼンシュタインが楽しそうに出て行く

奥様はうきうきと待つ

アルフレード

酒に弱いくせに酒を飲み始め
「だんなさまごっこ」を始めるアルフレード
ロザリンデを押し倒し、愛の行為を…
このへんけっこうリアルに描いてます。

誰か来たら困るわ!
誰も来ないよ

ところが刑務所長のフランクが迎えにやってきます
ここですごいことが!

フランクすばらしい声です。
彼のリゴレットが聴いてみたいかも。

アルフレード
Nein~~
完全に酔っ払ってます
まるで軟体動物のような動きになってます。

ここの三人の立ち回りがものすごいです!
いや~演出家の才能ってやっぱこういう動きの付け方にも出ますよね
これはまじすごかったです。
小道具を使っているので危ないし気をつけて演じながらも超スピーディーで歌いながらやるんです。
もうこちらは大笑いです。

フランクの鳥かごの歌が大好きなんです。すばらしかった~

アルフレードとの別れのキス

あれあれこのあとどんどんいつもと違う展開になってきます

え?え?

ほうほうほう

彼女があれでああなる?

プリンス・オルロフスキーの夜会

幕が下りずそのまま行きます

イーダとオルガの会話

なぜかファルケが豹変しています。

オルロフスキーがコミカルでおもしろすぎなのです。

和田さんすばらしい!

オルロフスキーとファルケの関係性と芝居がいつものヴァージョンとまったく違うので要注目です。

意外とお金に細かい…?

アイゼンシュタインはオルロフスキーと二人きりにされ
○○○○を…
もうこれが大びっくりです!

そしてウォッカ。
ウォッカというオルロフスキーの発音がすごいです。

ウォッカにむせまくるアイゼンシュタイン

芸能人のオルガに化けたアデーレが着て、お互いに絶句する。

アイゼンシュタインは似てる
うちのメイドに!
と言ってしまい、皆の非難を浴びる。

Mein Herr Marquis, ein Mann wie Sie

とても可愛い!

ルナール侯爵、シュヴァリエ・シャグランとして出会うアイゼンシュタインとフランク

フランス語しばりのギャグシーン あってよかった~
これがないとこうもりじゃない!

おもしろすぎの二人。

爆笑しすぎで腹が痛いです。

もう一人来るんです

ハンガリーの貴婦人

いわくつきの方です。

どっかで見たようなドレスを着ているアデーレを見て怒るロザリンデ。

アイゼンシュタインは妻とも知らず誘惑します。

時計のシーン

まんまと時計を奪うロザリンデ

ロザリンデのチャールダーシュ。

O Heimat, so wunderbar, wie strahlt dort die Sonne so klar

すばらしい!

ここで休憩だったかな

休憩明け

客電が着いているのにオケが演奏し始めます。
そうです。
皆気づいていませんがここでもう客席の客も出演者になっているのでした。
がやがやと客しゃべっている中でオケが演奏していて本当にウィーンの夜会にいる雰囲気を感じさせる効果もあったかもしれません。

拍手

幕の前に椅子と机

客はみんな酔っ払っています

ここでファルケの見せ場のシーンです

大好きなシーンです

ファルケの歌唱、すばらしいです!

Brüderlein, Brüderlein und Schwesterlein

人類皆兄弟 仲良くしよう
という人類愛の歌なのに
舞台上の人々の表現はそれと真逆なのです

他のキャストもこの歌を歌います。

そして
オルロフスキーのシャンペンの歌

Im Feuerstrom der Reben, trala, la la la la la la

ドンナーとブリッツはなく
ワルツもなかった
かな?

時が過ぎ、シンデレラは仮面を脱がされ走り去ります

刑務所に行く時間!
大慌てして帽子とステッキを探すアイゼンシュタインとフランク

しかしここからがいつもの展開と相当違ってきます!

実際に舞台でお確かめください。

アイゼンシュタインの運命は?

こうもりの復讐は?

あと三公演あります!

***

カーテンコールで我らが又吉さん、投げキッス!
出ました!これこそ又吉秀樹さんの十八番です。
お客さんに受けまくりです。
どこまでも明るいテノールなのでした。

***

参考リンク:

新国立劇場「こうもり」(再演) Prt1





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最終更新日  2017年11月24日 21時27分29秒
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