東京二期会エドガール Day2 | Sheva's Ballet Fan Ibra's Opera Fan

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2022年04月24日

東京二期会エドガール　Day2

カテゴリ： OPERA

EDGAR
Opera in three acts (Semi stage style)
Sung in the original language (Italian) with Japanese supertitles
Based on Alfred de Musset's poem “La Coupe et les lèvres”
Libretto by Ferdinando Fontana
Music by GIACOMO PUCCINI

SAT. 23. 17:00 & SUN. 24. 14:00 April 2022
at Bunkamura Orchard Hall (Tokyo, Japan)

Stage Planner: Leo IIZUKA
Video Designer: Satoshi KURIYAMA
Lighting Designer:　Maki YAGI
Chorus Master: Yusuke KUMEHARA

SUN. 24. Apr.
Edgar Tatsuya HIGUCHI
Gualtiero Hiroki SHIMIZU
Frank Takahiro SUGIURA
Fidelia Akiko OYAMA
Tigrana Yoshimi NARITA

Nikikai Chorus Group

Tokyo Philharmonic Orchestra

東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ　
エドガール〈新制作／セミ・ステージ形式上演〉
オペラ全3幕
日本語字幕付き原語(イタリア語)上演

原作：アルフレッド・ド・ミュッセ『杯と唇』
台本：フェルディナンド・フォンターナ
作曲：ジャコモ・プッチーニ

2022年 4月24日(日) 14:00
Bunkamuraオーチャードホール

上演予定時間：約2時間（休憩を含む）

指揮：アンドレア・バッティストーニ

舞台構成：飯塚励生
映像：栗山聡之
照明：八木麻紀
合唱指揮：粂原裕介

4月24日(日)
エドガール：樋口達哉
グァルティエーロ：清水宏樹
フランク：杉浦隆大
フィデーリア：大山亜紀子
ティグラーナ：成田伊美

二期会合唱団
児童合唱： TOKYO FM 少年合唱団

東京フィルハーモニー交響楽団

主催：
公益財団法人東京二期会
Bunkamura

カヴァーキャスト（エドガール）：新海康仁

***
Edgar tenor
Fidelia soprano
Tigrana mezzo-soprano
Frank baritone
Gualtiero, father of Fidelia and Frank bass
Chorus

東京二期会エドガール　Day2

やっぱりバッティストーニさんの指揮が最高でした！
歌手ではソプラノの大山亜紀子さんが神歌唱
全て持っていった。
リリコスピントでしょうか
今までに聴いたことがないくらいの美しい声。
すっかり魅せられました。

そしてフランクの杉浦隆大さん
これが本当のヴェルディ・バリトンと思わせるすばらしい声。
彼はドラマチックバリトンとカヴァリエバリトンの中間で
まさにパワーと美声が同居した理想的な声。
感動的でした。

題名役　テノール樋口達哉さんはリリコスピントの美声をパワフルに聴かせました。
彼の高音部のサステインはホセ・クーラを思わせるものがありました。

ティグラーナを演じた成田伊美さん
若々しく溌剌と複雑なキャラクターを熱演しました。

演出（舞台構成）の飯塚励生さんは世界情勢に踏み込んだ演出。

戦死したという設定の主人公の棺にウクライナ国旗を被せた。
国旗のたたみ方が軍隊式。
また背景に、明らかに爆撃されたウクライナの市街のイメージを加工して紛れ込ませた。

合唱は前回同様紗幕の向こうに追いやられているが、マスクはなく（？)
強力な歌唱で準主役。

＊＊＊
咲き乱れる花
春を楽しむ人々

エドガールは酒瓶を手に持っていて土手に座り込む。
エドガーは村人風のカジュアルな服装。

フィデーリア：
O fior del giorno

最初の5秒を聴いただけでわかる。すばらしい歌手！

エドガールとの会話

フィデーリア：
Già il mandorlo vicino

考えていたの。
散歩していてエドガーに会ったら
アーモンドの最初の花を摘んで
あなたに捧げようかしらって。
朝の挨拶としてよ。

エドガーは、愛する恋人フィデーリアの言葉にうれしくなり彼女を追いかけていく。

エドガーに横恋慕するティグラーナがじっと見つめている。
ティグラーナは濃い赤、ざくろのような色のロングドレス

農民たちの合唱：
O fior dei giorno, salve alba serena!

エドガー：
俺に構うな。

ティグラータ：
Tu voluttà di fuoco
あなたは火のような口づけを

ジプシー風の音楽。

エドガー：
Ah! Taci, demonio… Taci!

エドガーは心ならずもこの女にも惹かれている自分を感じている。

フランクが自分から心が離れたティグラータに苦しんでいる。

ティグラータ
Non t'abbiano a veder.
一緒にいると思われると都合が悪いんでしょ

取り残されるフランク。

フランクのアリア：
Questo amor, vergogna mia
♪この愛は僕の恥

超、超すばらしい演唱！今年のベストかも？

Di fuggirla!…
E a lei tornai!
別れても
また彼女の元に戻ってしまう。

Ah sventura!…
Io l'amo!
なんてことだ
俺はあいつをこんなにも愛している。

ここのアリア終わりでは音楽が続いているので音楽を切らないバッティストーニ

教会に集まる人々

Non gloria e d'or,
Noi ti chiediamo
Ma pace e amor!
Ave, Signor! Ave!

背景はゴッホが描いたフランドルの教会の遠景と近景

ジプシー風の音楽

ティグラーナ：
Tu il cuor mi strazi

ティグラーナ：
Sia per voi l'orazion,
È per me la canzon!
Vo' cantar, vo' trillar!
Chi non vuole ascoltar
Torni in chiesa a pregar!
あなたたちには祈りがあるように
私には歌がある。
私が歌いたいんだから歌うの！
聴きたくないんだったら
教会に戻って祈ってれば。

ティグラーナの歌に不快感を表す人々。

群衆：
Via di qui!
出ていけ！
Pietà, perdon da noi non puoi sperare
神様、我々の不寛容をお許しください。

罵られているティグラーナを見て思わず逆上してしまうエドガー。
現状への不満も募っていたため、ついに自我が大爆発してしまう。

エドガー：
È mia la casa… ed ardere dovrà!

自分の家に火を点けてティグラーナと村を出て行こうとする

立ちふさがるフランク。
しかしそこに現れた父親グアルティエーロがとりなす。

重唱

オケもすばらしい！
大拍手がわく。

しかしエドガーとフランクは決闘になる
まるでカルメンのワンシーンです！
フランクは傷を負う。

立ち去るエドガーとティグラーナ

フランク：
Abbietta creatura,
Maledizion!
Maledizione a te!

フランクは呪う。

第1幕了。

第2幕

享楽の場

エドガー：（アリア）
"Orgia, chimera dall'occhio vitreo"
♪愛欲の宴よ

またもや酒浸りのエドガー。

Non più dai tuoi sguardi,
Ammaliato sarà il mio cor!

O soave vision
あの甘い4月の光景よ

まだフィデリーアへの思いがあると歌う

Dolcissimo,
Dell'angiol che mi amò

Dell'angiolで高音。

ここはバッティストーニが左手で彼を指し示し、拍手のタイミングを作る。
さすがバッティストーニ！

派手な真っ赤なドレスに着替えているティグラーナ
シャンパングラスを手にしている
ティグラーナが合唱と歌うシーンはあった？

ティグラーナ：
エドガー、どうしたの？
もうあたしを愛してないのね？

ティグラーナ：
Quel che sognavi un dì

エドガー：
黙れ！悪魔め

ティグラーナ：
Nuovi deliri di voluttà
A te darà la mia beltà!

兵士たちが通り過ぎていく。
呼び止めるエドガー。

ティグラーナ：
何をする気？

エドガー：
ほっといてくれ。

フランクが2人と再会する。
もうフランクのティグラーナへの愛は冷めていた。
エドガーは昔の自分を反省し、フランクに謝罪する。

エドガー：
Con te voglio partir!

Chi dà la vita
A lei giammai morrà!

エドガーは従軍する。

第3幕は続けて演じられる。

第3幕への前奏曲

第3幕
クルトレの町の近くの要塞

ステージ中央に棺が置かれる。
左右から聖歌隊の少年少女たちが入ってくる。
まるで「トスカ」に出てくる聖歌隊の衣裳のようだ。赤いローブに白い上掛け。
彼らはウクライナ国旗を棺にかける。

合唱：
レクイエム
Requiem aeternam!

合唱：
Entra nel cielo il buon che cade
Sotto le inique spade!

邪悪な剣に倒れし者は天国へ入る

エドガー、あなたと祖国のために死にましょう

ここからストーリーがますますねじれてきて感情移入が難しくなってくる。
エドガーは自分が死んだと思わせ自分の葬儀を行う。
そこで自分が愛した女性2人の反応を確認し、本性を暴こうと言うのだ。

エドガーは修道士のかっこうで黒い上着を着ている。
フランクは胸に鮮やかなブルーのたすきをかけている。
軍人のイメージ。
フィデーリアは黒い喪服姿。

フィデーリア：（アリア）
"Addio, mio dolce amor"
♪さらば我が愛よ

Addio, ancora, addio, o Edgar,
La tua memoria sarà
Il mio sol pensiero!
Lassù, nella tua gloria,
M'attendi, Edgar, lassù!

美声のDIVA
まさに神歌唱！
涙がにじんでくる
すさまじいまでの愛の絶唱！

しかし修道士は疑念を投げかけ、エドガーを罵倒する。
彼はエドガーを擁護するフランクとぐるになっている。
民衆は同意する。
しかし…

フィデーリア：（アリア）
Nel villaggio d'Edgar（エドガーの村で）
♪あらゆる苦しみよりも

フィデーリアは彼をかばい彼への永遠の愛を捧げる。手にはあの時にも捧げたアーモンドの花の枝が。
立ち去る人々。

ティグラーナが葬式に遅れてやってくる。
ティグラーナの祈りは見せかけだと断罪するエドガーはまたフランクと芝居を打つ。

エドガー：
Bella signora

修道士とフランクはティグラーナに宝石の首飾りを見せて、エドガーを非難する言葉に同意するように誘う。
激しく心が揺れるティグラーナを成田伊美さんはうまく演じました。
ついに宝石を手にしたティグラーナ、
エドガーはラッパを吹かせて人々を呼び戻す

エドガー：
エドガーは裏切り者なのか？
答えるんだ。

ティグラーナ：
È ver!
本当よ

棺の蓋が開けられる
中はカラ。
その場に落ちるフィデーリアが手向けたアーモンドの白い花の枝

エドガーは修道士の服を脱ぎ捨てる。

Sì… poichè vive Edgar!

エドガーはフィデーリアの手を取る。
逆上したティグラーナが背後からフィデーリアを刺し、殺してしまう。
人々の驚き。
崩れ落ちるフィデーリアを抱きしめるエドガー。
暗転。

全幕了
（初演の全4幕版ではなく、短縮した3幕版で上演されました。）

バッティストーニさんの明快な指揮ぶりで表現されるくっきりした音楽と歌手の熱演に魅了された2時間でした。
お疲れ様でした。

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