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月村了衛 0
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ユリ迷宮【電子書籍】[ 二階堂黎人 ] 石造りの豪邸が忽然と姿を消す謎。 興味津々と読み進めていくと…。 二階堂黎人の作品についたレビューに、「また期待を裏切られた」的なものがあったが、その評価は果たして正しいものなのかどうか。 このトリックを考えただけでも大したものだと私は思う。 しかし現実的でないことは確か。 二階堂は火災現場を見たことないんだろうな。 私は雪に埋もれてしまった全焼現場を見たことがあるが、この小説のようにきれいさっぱりなくなるなどということはない。 何らかの臭いや痕跡が必ずある。 録音は別の案件? 殺されたのは上の階のモデルルーム? 想像は際限なく広がる。 なんて思いつつ実は単純なトリックだった。 お見事でした。 犯人も単純で…。 ただ、蘭子が話を聞いてすぐわかってしまうのが気に食わん。 そもそも得体のしれぬカードゲームなんて、読書で知りたいとは思わぬ。 なぜ蘭子はすぐ犯人がわかるのか。 確かに現場に行かないで謎が解けなければ、アームチェア・デティクティヴとは言えまいが。 完璧な叙トリ。 本当に叙トリは癖が悪い。 エラリー・クイーン症候群だと。 なんといやらしい言葉だ。 読み手をバカにしている。 レビューの最低評価もむべなるかなだ。(8/22記)
2024.10.31
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バラ迷宮【電子書籍】[ 二階堂黎人 ] 二階堂蘭子大活躍ってやつか。 名探偵として二階堂蘭子という人がいるということが二階堂黎人の作品を読んで初めて分かった。 たしかに名探偵だな。 そして科学を根拠にすることが多い。 この人は中大の理工学部卒だそうだ。 さて本作は6編の短編集である。 サーカスの怪人では、いうことを聞かないとサーカスに売ってやっつぉー、なんて昔懐かしいフレーズが出てきましたな。 アナコンダに人を食べさせるなんて、ちょっとグロテスクな話だ。 変装の家は、女主人が盲目であることをいいことにして、写真の違う人を指し、警察の被害者人定の間違いを誘う。 しかし今日、警察として絶対にあってはならない大ミスだ。 だから報道では、焼死直後に絶対に人定をリリースしない。 喰顔鬼は、喰顔したのは梅毒のせいと言うオチ。 ある蒐集家の死は、田中というダイイングメッセージをどう解くかの話。 火炎の魔は、さすが理工学部、ほんのちょっとした工夫で火を出す事が出来るトリック。 薔薇の家の殺人は、ストロートリック。 そして幼い日々を思い出させないで子供を産ます。 全般に二階堂の作風は、トリックがトリッキーなのだが、マジックの種明かしじゃないっちゅうの。(8/7記)
2024.10.04
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吸血の家【電子書籍】[ 二階堂黎人 ] 600ページ近い大作なのだが、どうも納得しかねる密室モノで、あたしゃあこの作家は好きになれないね。 そもそも探偵役が二階堂黎人の義妹というのが気に食わない。 当然二階堂黎人がいわゆるワトソン役なのだけれど、そこに中村警部なんていう人もさらに祭文語りを始めるわけだ。 祭文語りが何人いてもいいとは思うが、はて、犯人の足跡がない謎をいかにして解くかという問題に対して、こうも焦らされるとイライラが募ってしまう。 なぜ犯人の足跡がないのか。 これは一つのクイズでしょう。 本作ではなんとその問の解が2つも用意されているんですぞ、あーた。 吸血の家から2人もの殺人者を出すわけには行かぬという名家の縛りとか、その二人の関係が、あるいは彼女らを含む家族の関係が、フェア(と思われるように?)生年月日が示される。 だが横着なミステリーリーダーは無視してしまい、そこに隠された謎を解こうとしない。 それは本作が冗長だからだ。 最終盤間違いなく読書疲労に陥ってしまった。 いわゆる霊媒師のトリックをこれでもかこれでもかと本作で披露しているが、それはだめなんじゃないか。 彼らは彼らでそれなりの生活をしているわけであり、トリックを見抜かれることを予想はしていないのだから。 とにかく本作に関しては、私はこの作家が嫌いなタイプだなということがはっきりした。(8/1記)
2024.09.27
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