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2007.05.01
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NHKスペシャルで 「日本国憲法の誕生」 が放送されました。
憲法記念日が近づいてることもあって特集が組まれたと思います。

GHQが提示した憲法9条について改正論議が日本人の間でなされたそうです。

社会党の鈴木義男は,改正案を憲法改正小委員会の芦田均委員長に提案しました。

suzuki

「日本国は平和を愛好し国際信義を重んずることを国是とする」
「陸海空軍その他の戦力は,これを保持してはならない。国の交戦権は,これを認めない。」


これに対して,芦田委員長は1項と2項を入れ替えることを提案したそうです。

ashida

その代わり,太文字の前文を付け加えました。

日本国民は,正義と秩序とを基調とする国際平和を誠実に希求し, 陸海空軍その他の戦力を保持せず。国の交戦権を否認することを声明す。
前掲の目的を達するため, 国権の発動たる戦争と,武力による威嚇又は武力の行使は,国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する。」


ここで注目すべきは,前掲の目的とは,日本国民は,正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求するということです。
一方,進歩党の犬養健は,2項と1項を入れ替えた元の案がよいと訴えます。

「日本国民は,正義と秩序とを基調とする国際平和を誠実に希求し,国権の発動たる戦争と,武力による威嚇又は武力の行使は, 国際紛争を
解決する手段
としては永久にこれを放棄する。
前項の目的を達するため, 陸海空軍その他の戦力は,これを保持しない。国の交戦権は,これを認めない。」



すなわち,自衛のためであれば,武力の保持ができるという解釈が成り立ちうるということです。
GHQにこの修正案を英訳した日本人は,その当時を振り返り,まずは憲法改正を行う必要があるという芦田の熱意が強く,後にそれほど大きな問題になると考える余裕がなかったと記憶しています。

こうして,あいまいさが残ったことに連合国から懸念の声が上がったそうです。
ただし,大臣が文民であるという条文を入れることによって,シビリアンコントロールによる,軍部の政治への介入を抑止できれば認めてもよいとの意見があがりました。
そこで当時の首相吉田茂は第66条第2項で
「内閣総理大臣その他の国務大臣は,文民でなければならない」
との文民条項を入れることで,9条が認められました。

このように,GHQ案に日本人自らの手で修正を加えた経緯が詳細に検証されていました。
しかし,その間,極東委員会の世界各国が,日本の改正作業を注視していた事実も明らかにされました。

憲法9条はその当時から矛盾をはらんだあいまいなものだったことが分かりました。
アメリカ人と日本人との合作とはいえ,草案を練り上げる時間が限られ,あいまいさを残していたことも分かりました。
そしてこうした作業工程を見つめていた世界各国もそれを了承していたことは初めて知りました。


また極東委員会加盟各国[米・英・ソ・中のほか、フランス・オランダ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・インド・フィリピン(のちにビルマ・パキスタン)]は少なくとも憲法改正作業をチェックできる立場であったのであるから,矛盾をはらむこの憲法について多少なりとも責任を負う立場にあるのではないか。
そこには誤解もあるかもしれませんが,個人的にはそう感じてしまいました。
日本人がある程度の自主性をもって改正作業に当たったんだろうけれど,戦争放棄を明確に謳うはずが,文章の「てにをは」を直す作業でその意味があいまいになってしまったことは残念です。
そのあいまいさを取り除く必要はあるのではないかと思います。
しかし,今改正作業を行うことができたとしても,当初の戦争放棄の理念が否定されてしまうことは予想が付きます。


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最終更新日  2007.05.01 11:05:34
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