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2007.08.22
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カテゴリ: クスリ・自己啓発
水谷修(2003)「さらば,哀しみの青春」高文研.



2000年ごろからピーク期に入っているという戦後第4回目の少年犯罪多発期の原因を考えています。

■1951年:第一次少年犯罪多発期
戦後の混乱の中で,都市部を中心に「浮浪児」と呼ばれる子どもたちが犯罪を起こしました。
したがって,この時期は「『貧しさ』ゆえの少年犯罪多発期」と呼ばれます。

■1964年:第二次少年犯罪多発期
団塊の世代がちょうど中学生や高校生になった時期で,親の「共稼ぎ」の状況の中で,「鍵っ子」が生まれて,さまざまな非行や犯罪を起こしました。
したがって,この時期は「『寂しさ』ゆえの少年犯罪多発期」と言い換えられます。

■1983年:第三次少年犯罪多発期
受験戦争が過熱したことによって,親や教員が子どもをただ成績だけで評価して,その結果「落ちこぼれ」が生まれてしまいました。これらの「落ちこぼれ」にさせられた子どもたちが,学校内を中心に非行・犯罪を繰り広げました。
したがって,この時期は「『落ちこぼれ』ゆえの少年犯罪多発期」です。

■現在:第四次少年犯罪多発期
特徴として,以下の五つが挙げられます。
1.窃盗などの軽犯罪の増加
増加の背景には,万引きを軽いものと考えていること,規範意識が希薄になっていること,ものを考えることのできない子どもたちが増えていることを挙げています。

今,日本の多くの子どもたちは,自分できちんとものを考えるゆとりを与えられずに育ってきます。
家でも学校でも,「ああしなさい」「こうしなさい」という指示に従って,言われるままに「受け身」で生きています。
2.性非行・性犯罪の増加
情報があふれる中で,有害なものを含めてさまざまな漫画やインターネットのホームページを子どもたちとともに見,そして,親子・生徒・教員の間で,これらのどこに間違いがあるのか,そして,どこにどのような問題があるのかをともに考え,子どもたち自信がそれらの情報を有用なもの無用なもの,正しいもの間違ったものときちんと取捨選択できるように育てなければならないといいます。
3.女子非行・女子犯罪の増加
女子の場合,男子より自己防衛本能が強く,非行への抑制となる壁,自分を大切にしたいという思いの作る壁が,男子の場合に比べて高く,簡単に非行へと入ることは少ないのですが,いったんその壁を越してしまうと,その次に待ち受けているのは,急な断崖絶壁で一挙に落ちるところまで落ちてしまうといういいます。
こうした犯罪を抑制するため,自分に自信を持たせ,自分をきちんと大切にできるよう育てればいいと説きます。
4.異常犯罪・凶悪犯罪の増加
核家族化による身近での死の未体験に加えて,ゲームなどのバーチャルリアリティの世界で,死をより軽いものとして学んでしまっていることが,その一因だと指摘しています。
5.薬物乱用
5つの問題のうち,薬物の乱用は最も重大で,その薬物がどんなものであれ,一回一回の乱用が乱用する者の脳や神経細胞に直接作用し,そして一生治癒することのない傷を残すといいます。
薬物の乱用を防ぐため,薬物についての正確な知識を子どもたちに与え,自らその乱用を拒否できる力を育てることであるといいます。




こうしてみると,戦後一貫して,大人の社会のひずみを子どもが背負わされているような気がします。
善悪の判断がまだつかない子どもを誘惑して,大人のストレスを押し付けているのは大人です。

特に,政治とカネなどさまざまな不正,凶悪犯罪,テロなど世界の紛争が連日取り上げられます。
こうしたニュースを子どもたちが見て何を感じるでしょう。
大人への不信を募らせるだけではないか。
ずっと子どものままがいいという子どももいます。
少年犯罪の低年齢化が進んでいますが,それに対応するために罰則強化が図られようとしています。

犯罪を犯してしまう子どもの道徳的規範を教える立場の大人には責任はないのでしょうか。

子どもは大人の希望そのものであるはずです。
大人はこうしたニュースから目をそらさずに,今起こっている問題を大人と子どもが一緒になって向き合い,どうやったら解決できるかを一緒になって考えていかなければならないと思います。

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最終更新日  2007.08.22 11:28:10
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