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2008.01.06
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テーマ: お勧めの本(7897)

藤原正彦(2007):「国家の品格」新潮新書.

アメリカが中心となって推し進めるグローバリズム(市場経済)と金銭至上主義に異議を唱えています。
そのうえで,日本の生み出した普遍的価値のうち,「もののあわれ」や,自然への畏怖心,跪く心,懐かしさ,自然への繊細で審美的な感受性といった美しい情緒,武士道精神という日本独特の形を取り戻すべきだと主張しています。
そして,国の底力としての天才を生み出すことによって,国家の品格を取り戻すため,3つの条件を提示しています。それは
1.美の存在=自然美
2.跪く心=神や仏,あるいは偉大な自然に跪く
3.精神性を尊ぶ風土=文学,芸術,宗教など,直接役に立たないことをも重んじる。金銭や世俗的なものを低くみる。
最後に,品格ある国家の指標として4つをあげています。
1.独立不羈(ふき)=自らの意志に従って行動のできる独立国
2.高い道徳

4.天才の輩出=役に立たないものや精神性を尊ぶ土壌,美の存在,跪く心




日本の精神性や道徳性の高さを世界に訴えることと,そのために国家の品格を取り戻すこと,この2点が主に本書で訴えられています。
文化や芸術など一見役に立たないように見えるものを育てていくことによって,市場経済に対抗しようとしています。
しかし,人やものの国境を越えた動きが激しくなる中で,国家のもつ意味をもっと考える必要があるかと思います。
旧来の国家と同じでよいところと変えていかなければならないところはあると思います。
国家としての日本のよさを主張するとともに,世界の中で日本,そして日本人自らをどこに位置付けるかを考える必要がありそうです。
そうでなければ,他国を排除する一方,自国の意見を押し付ける偏狭なナショナリズムに陥る可能性もありそうです。

また,一度動き始めた金銭への欲望を止めることは至難の業であるような気がします。
アメリカの推し進めた経済の仕組みは実質的に世界標準となっています。
この流れを180度転換して,株主より従業員を重視し,海外からの輸入を減らす一方で自給率を上げるといった戦前の日本のような姿に戻るには相当の時間と努力が必要になりそうです。






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最終更新日  2008.01.08 11:48:21
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