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2008.01.21
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テーマ: お勧めの本(7897)

遠藤周作(1981):「沈黙」新潮文庫.

島原の乱の後の日本が舞台です。
内容は簡単で,キリシタン禁制の日本に布教のために3人のポルトガル人が潜入します。
しかし,3人が離れ離れになった挙句,主人公の司祭ロドリゴも棄教してしまいます。
その間の主人公の中の葛藤が中心に描かれています。

タイトルの沈黙は, 神の沈黙 のことです。
司祭が日本に潜伏して布教活動をしようする志半ばで,拷問を受けたり,日本信者が犠牲になったりしていきます。
しかし,神はだまったままで何ら手を差し伸べてくれません。
ここで司祭は問います。

「自分が信じている神はいないのではないか」

司祭は日本人の信者を助けるためについに踏絵を踏んで棄教します。
しかし,司祭は磨耗したキリストの描かれた踏絵を見て,神は踏絵にこれまで数多く足をかけた信者の痛みを分かち合っていることを悟ります。
神の代弁者たる司祭であっても一人の人間であり,強い心をもっているわけではない。
そして不条理とも思える運命を背負ってしまいます。
神はそれらをただ黙って見ていただけではなくて,悲しみや痛みを分かち合うために存在していたというわけです。

罪深いことも赦されるのだという強いメッセージが受け取ることができました。
人間が完璧で一つの汚点もないというわけがない。
人間は不完全で罪を数多く犯してしまうからこそ,学び成長することができると思います。
過去に犯した罪を悔い改め,再出発することを可能にするために存在するのが神だと思います。
キリスト教に対する信仰のあり方は人によって違うかもしれませんが,本書には作者なりの神に対する見方が司祭の葛藤を通して書かれています。





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最終更新日  2008.01.21 12:42:27
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