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2008.03.20
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テーマ: お勧めの本(7897)

日本沈没(上)


日本沈没(下)




上下巻各400ページの超大作SFやっと読破しました。
日本列島が沈むという壮大なテーマを緻密に描いています。
1973年当時,ベストセラーとなった本書は,あまり知られていなかった大陸移動説を始めとするプレートテクトニクスが一般に知られるきっかけとなったそうです。

個人的には,型破りな学者である田所博士が好きです。
まだ日本が沈む予兆すらなかったときに,田所博士は一人鋭い勘を頼りに日本が沈むことを予測しました。
それを,学界や政府は客観的,科学的裏づけがないとして信用しませんでした。
科学的根拠がない議論は,アカデミックとはいえないのが現実です。
でも地震や火山噴火などの予兆がすでに起きているとき,国家としての対応は一国を争うため,不確かな根拠にでも基づかなければ後手後手の対応になってしまいそうです。


地球全体の温度が年々上昇していること,各地の異常気象が増えていることは確かですが,それらの因果関係はわかりません。
さらに,温暖化の原因は,CO2の排出を始めとする人間活動によるものなのか確証は得られていません。
しかし,異常気象は現実として起こっているので,何らかの対策は必要です。
国家の枠組みを超えた環境対策が急務であるにもかかわらず,国同士の思惑がぶつかりあって,対策はなかなか進みません。

こうした国家間の利害対立も本書で展開されています。
特に,1億を超える日本国民をどの国にどれだけ配分するかをめぐって,国同士が対立します。
国別人口にしたがって比例配分する方法が提案されますが,国の面積(人口密度)はまちまちであるため,受け入れる場所を確保できないと主張する国が続出してうまく調整できません。

最後に,日本が沈む前に関西に大地震が起こって,津波によって平野部はほとんど水に浸かってしまいます。
あちこちで火災が発生し,ビルが傾き,救援活動ができないほど道路が寸断され,断層がずれて地層が剥き出しになる状況が描かれます。

これらの描写が1995年の阪神大震災を想起させました。
1973年当時ではありえないことだととらえられたかもしれません。


最後に以下のタイムリーな記事が出ました。
当分は日本沈没の心配はしなくてよさそうです。

日本沈没ない?愛媛大でプレート落下説を否定する研究成果
2月14日3時14分配信 読売新聞


 巨大地震を起こす原因でもある、地表を覆うプレート(板状の岩盤)は地中に沈み込んでいった後、地下600キロ前後でたまって、それ以上の深さには沈んでいかない可能性が高いことが分かった。
 映画の「日本沈没」で、日本列島が海溝に引きずり込まれるという“根拠”となっていた、プレートの地球深部への落下説を否定する成果という。
 愛媛大の入舩(いりふね)徹男教授(高圧地球科学)らが、14日付の英科学誌「ネイチャー」に報告する。
 地球内部を構成する岩石の種類は、マグマが運んできた岩石の成分分析などで分かってきているが、地下410~3000キロはまだ不明のままだという。
 入舩教授らは、岩石の種類によって、その内部を伝わる地震波の速度が異なる点に着目。地球内部と同じ高温・高圧状態を特殊な装置で作り、その装置の中に数種類の岩石を置き、地震波に見立てた超音波をあてて、その速度を計測。
 その結果、プレートを構成している岩石の内部を伝わる超音波の速度が、地下550~660キロの地中を伝わる地震波の速度と一致し、プレートがこれ以上の深さに沈まずにたまっていると推定した。





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最終更新日  2008.03.20 14:28:46
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