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2009.05.13
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【中古】DVD カリスマ

黒沢清監督作品です。
刑事の藪池(役所広司)は,代議士を人質に取った犯人を助けようとするが,「世界の法則を回復せよ」とのメッセージを受け取った後,代議士を銃殺したことによって,犯人も殺されてしまう。

藪池は静養のため人気(ひとけ)のない山奥に来ます。
そこには「カリスマ」と呼ばれる一本の枯れ木が立っています。
その木を若者の桐山(池内博之)が守っています。
桐山の住む廃ホテル(昔の療養所)にさまよいこんだ藪池は,桐山とともにカリスマの世話をします。

市の環境保全課はその木を切ろうとします。

森にはかつて療養所があり,そこの院長が残した木だそうです。
藪池は武蔵野理大で植物研究を行う神保(風吹ジュン)にも会います。


一方,桐山は強いものが生き残るべきだと主張します。

藪池は,市や神保の考えに従って,森全体を守るべきか,桐山の考えにしたがって,「カリスマ」を守るべきかの決断を迫られます。
結局,木は撤去され,神保たちが燃やしてしまいます。

しかし,藪池はもう一本別の木を見つけてそれを守ろうとします。
桐山はカリスマではない普通の木とみて守るのをやめてしまいます。
藪池は森か,木か,どちらを守るのかではなく,平凡でいいといいます。
ともに生きようとすればいいと答えを自分なりに導きます。

終盤では,まわりで争う人たちが森から出られずに次々に殺されたり,死んでいきます。




このストーリーは易しそうに見えて,環境保護と人間のエゴに対するメッセージを出しているのだと思いました。
一本の木をめぐる人間模様そのものが,人間の私利私欲を求めて醜く争う姿を映し出しています。



突っ込みどころはたくさんあります。
さまざまな思いを抱えた人間が登場しますが,藪池の行動が森の中だけに閉じられているのは現実的に無理があるような気がしました。
車で数時間あれば街まで出られる場所であるし,藪池以外の人々は車で街と往来しています。
藪池はそういう意味でも,常識的な考えをもった人間というわけではなくて,利害や損得勘定を抜きにした完全に中立的な立場です。

一本の木があったら,それを守るべきか。


そんな問題をつくりだしたのも人間。
その問題を解決するために行動するのも人間。
どちらも人間のしていることには変わりないですね。






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最終更新日  2009.05.13 17:42:38
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