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2013.10.30
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カテゴリ: 学校
就職活動をする学生の、企業へのエントリーシートに書かれている物語には、一定のパターンと傾向があります。それは自分の本当の姿ではないという点です。その姿は総じて、就活本に書かれている主人公の虚像の姿であったり、憧れの自分の姿であったり、個々にデコレーションがなされています。

 学生としては、企業ウケが良くなることを意図として書いていますが、エントリーシートの書き方についての本などが出版されていることもあり、学生のオリジナリティを探ることができなくなって、エントリーシート自体がすでに意味をなしていません。企業は形式的にエントリーシートを提出させるものの、中身については吟味をせず、実際にはさほど重視はしていません。

●3つに大別できるエントリーシート
 そしてそのエントリーシートの内容として、学生時代に力を入れた経験や出来事の欄で、サークル活動、アルバイト、ボランティア活動の3つの経験に偏る、かなり特異な現象が見られます。

 例文としては、以下のような文章です。

(1)サークル活動をテーマにしたケース

 「イベントサークルに所属し、部長をしていました。インターカレッジで多くの大学の学生が所属していたため、マネジメントの難しさや、メンバーとのコミュニケーションの大切さを学びました。冬には銀座のレストランを貸し切って、学生と社会人を集めた異業種交流会を開催して500名を動員しました。異業種の方との人脈が構築できたことが大きな財産になりました。今後も培った人脈を生かしたいと思います」

(2)アルバイトをテーマにしたケース

 「学生時代にさまざまなアルバイトを経験する中で、人と接することの難しさや社会で働くことの厳しさを学びました。特にファーストフード店でのバイトは、色々なお客様と接する中でコミュニケーションの大切さを学ぶことができ、良い経験だったと思います。私は、お客様とのコミュニケーション能力の高さを評価されてアルバイトのリーダーに抜擢されて仕事をさせてもらえたことが良い経験となっています。社会人になってからも、この経験を生かしたいと考えています」



 「サークルの仲間と週に1回、地元の老人ホームでボランティア活動をしていました。当初は2名で始めた活動でしたが、少しずつ認知度が高まり、今では10名ほどまで増えました。これらのボランティア活動を通じて人の優しさの大切さや心の豊かさを学び、人から感謝され喜ばれることのありがたさを学びました。卒業までこの活動は継続して、社会人になってからも学んだことを生かしていきたいと考えています」

●特色のない自己PR
 私の経験上、ほとんどの学生が、自己紹介や自己PR、学生時代に学んだこととして、このようなエピソードを披露します。

 その内容の特徴として、

 「○○を学びました」

 「○○の経験を生かしていきたい」

この2つの要素が必ず入って完結されていることです。

 就活本の多くで、この要素を使って内容を完結するように指示がなされているので、それは仕方がないことかもしれません。しかし、突っ込みどころが満載の内容ともいえます。

(1)のケースでは、そこまで人脈があるのなら「君は就活をやめて自分の人脈を生かしてビジネスを考えたらどうか」と指摘されるでしょう。異業種交流会や各種イベントは、特筆すべき内容がなければ、単なるお遊びサークルとしか見てもらえないでしょう。

(2)のケースでは、「飲食店に就職したほうが君のためになるよ。なぜ当社に入りたいの?」と受験する意味を求められるかもしれません。

(3)のボランティア活動でも「会社とは利益を追求するものだから、慈善事業がやりたいなら、そちらに進んだほうがいいよ」と言われるかもしれません。



 結論をいえば、企業は「デキる人」が欲しいのです。「デキる人」は、お決まりのトピックで型にはまった話はしないでしょう。

●面接官の注目するポイントは?
 それでは面接官は、どこに着目するのでしょうか?

 私が採用担当者ならば、

「サークル活動・アルバイト・ボランティア活動の3つを使わずに自己PRを2分でしてください」

と質問をすると思います。



 ちなみに、この質問は私自身がよく使うのですが、9割方の学生が下を向いて回答ができなくなります。

 しかし、意識の高い学生は回答することができます。印象的な回答としては、

・両親に対して、いままで育ててくれた感謝、家族が全員元気でいられることへの感謝、家計が苦しいのに仕送りをしてくれたことへの感謝を交えて、自分のことを語る

・高校の部活動で、本当はレギュラーになりたくて3年間頑張ったが補欠だった。補欠で試合を応援しなくてはいけないのはつらい経験だった。というような悔しい出来事を語る

などがあります。

 これらの回答は、自らの実際の経験を踏まえているので、その学生の内面を見ることができます。この年齢に至るまでの経験や出来事、何がこの学生の根っこにあり、何が価値観になっているのか、という点も理解することができます。

 学生にとっても、サークル活動・アルバイト・ボランティア活動以外のことを自分の言葉できっちりと話す機会にもなりますので、内容や伝え方次第では、その他の学生に対して差別化を図ることにもつながります。先に説明した通り、普通にエントリーシートを書かせること自体が時間の無駄になってしまう危険性が高いため、企業としてもエントリーシートの作成に工夫が必要です。

 学校はインプットする場であり、社会人はアウトプットを求められる場です。

 学生にとって就活とは、自らのアイデンティティを探しながら確立していく過程だといえます。オリジナリティにあふれたエントリーシートが、厳しい就活を乗り越えるポイントではないでしょうか。
(文=尾藤克之)

●尾藤克之(びとう・かつゆき)
東京都出身。経営コンサルタント。代議士秘書、大手コンサルティング会社、IT系上場企業等の役員を経て現職。人間の内面にフォーカスしたEQ メソッド導入に定評。リスクマネジメント協会「正会員認定資格HCRM」監修、ツヴァイ「結婚EQ診断」監修等の実績あり。著書に『ドロのかぶり方』(マイナビ新書)など多数。




要は小手先の指南書を真似ただけのESはまったく面接官の目には留まらないということでしょう。
しかし小手先のノウハウは役に立たないことなど知っているでしょう。
「サークル活動・アルバイト・ボランティア活動の3つを使わずに自己PRを2分でしてください」に対する答えもまた模範的な例文が示されています。
これらもまたノウハウとして定式化されはしまいかという懸念はあります。

しかし,自分の経験を言霊として相手に届けなければ心には響かないということでしょう。
人生の目標や軸とそれにつながる重要な体験を聞くことで,人生観を推し量りたいのでしょう。

ゼミでは就活面接は騙し合いというたぐいのことを言いました。
嘘はいけないがある程度は盛ることも必要であると。
マイナスの性格や体験と思われることも見方を変えればプラスになるのだということを伝えました。
また,企業も説明会では粉飾企業説明会といわれるようにマイナス面のことは決して告げません。
その企業の嘘を見破るためには,しっかりと経営指標などの数字を見なければいけません。
企業の説明会資料に踊る美辞麗句は企業が社会からこう見られたいという願望であって,現状の姿をありのままを映したものとは限りません。

ここら辺を踏まえた業界分析,企業分析,人物調査がしっかりできるかどうかがゼミの最終的な目標となります。





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最終更新日  2013.10.30 23:17:54
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