PR
Keyword Search
Comments
Freepage List
昨日は、ほぼ一日、なんば線の新線区間を中心に、奈良-三宮間をうろうろして、いろいろ観てきました。
どうせ、マニアがたくさん集まっていて、列車の写真は、撮りにくいだろうと思い、先月の20日にゲットした、1000円の「阪神、近鉄お試しチケット」を使って、駅の観察や、列車に乗ることをメインにいろいろ観てきました。
阪神なんば線は、西九条の東の一部区間が高架である以外は、地下路線。
まず、3つの新駅について。
大阪難波駅を出た尼崎、三宮方面の列車は、まず桜川駅に着きます。
ここは、相互直通運用としては、少し変わった形態となっているこの路線を現す面白い駅でもあります。
まず、駅を出て、正面のエスカレーターを上がって地上にでると、右手に、南海電車が停まっているのが目に入ります。
南海汐見橋駅がすぐ横にあります。
大阪に住んでいても、その存在を知らない人が多いだろう、通称、南海汐見橋支線の始発駅で、倉庫のような古いコンクリートの駅舎が、真新しい阪神の駅出口と並んでいて、対照的です。
南海汐見橋線の話をすれば、これまた、いろいろ書けるのですが、ここは、本題ではないので、別の機会に譲って…
さて、この桜川駅がなぜ、変わっているのか。
異なる鉄道会社で相互直通運転が行われる場合、大抵は、その境界駅で、乗務員の交代が行われます。
この阪神と近鉄の場合、境界は、大阪難波駅になり、本来なら、ここで乗務員の交代が行われるはずですが、実は、乗務員の交代は、この桜川駅で行われています。
近鉄側、奈良方面からの列車は、1時間あたり18本くらいありますが、このうち、阪神に直通するのは、1時間当たり6~9本。
難波駅の発着線は、従来、到着1本と、発車用2本の計3本で、それに、先にある3本の引き上げ線を使って列車の折り返しを行ってきました。
今回の阪神なんば線は、この3本の引き上げ線のうち、2本が本線となったため、折り返し用の引き上げ線は、1本になってしまい、時間帯によっては、1時間に10本以上もある、列車の折り返しができなくなりました。
このため、代替として、桜川駅に2本の引き上げ線を設置し、奈良方面への折り返しを行うことになり、特急車を含め、難波止めの列車の半数以上が、この桜川まで回送されて、折り返すことになっています。
そのため、乗務員の交代は、この桜川駅で行われ、難波-桜川間は、阪神の路線でありながら、近鉄の乗務員が乗務し、近鉄の回送列車が走るという、所有は阪神だが、運行は近鉄、という少し変則な形になっています。
なお、従来、近鉄難波駅では、1番線は特急専用、2番線が快速急行以下普通などの乗り場、3番線が降車専用となっていましたが、今回より、名古屋や伊勢方面の特急も、奈良方面への快速急行や普通なども、1番、2番のどちらからでも発車するようになりました。
また3番線は、阪神尼崎、三宮方面への乗り場になると共に、近鉄側の難波止め列車も、従来通り、この3番線に到着しています。
桜川の次は、ドーム前。
この駅は、3つの新駅中、最大の規模の駅で、両端は、改札階とホーム階の間に、コンコースを設けていて、京セラドーム大阪でイベントや野球の試合が開催された際の乗客の集中に備えています。
そのため、中央部分は、そのコンコース階のある分、天井の高い吹き抜けになっていて、地下駅ですが、ホームや、発着する電車を見下ろすことができます。
地下鉄の長堀鶴見緑地線とも地下通路で繋がっています。
しかし、地上に上がると、かつて、ドームの前にあった商店は消えていて、工事用の塀に囲まれた更地が広がっています。
その塀を右手に見ながら、降車客は、京セラドームへ向うのですが、せっかくの新駅、周辺をキチンと整備してほしいものです。
そして、九条。
ここは、地下鉄中央線の九条駅に近いところに、地下駅としては、立派な建物の入り口があります。
もう1ヶ所、入り口があって、こちらは、NTTビルの中にありますが、これが40年も前、このなんば線、当時は、西大阪延伸線といわれてましたが、それに備えて、すでに造られていた入り口です。
今回、やっと陽の目をみたこの階段ですが、当然、整備しなおされていますが、その踊り場部分の壁は、当時のままの白いタイルが残されています。
九条を出た列車は、すぐに地下を出て、高架を登っていきますが、都市の高速道路のように、騒音防止のシェルターに覆われ、安治川を渡る橋梁の上以外は、外の様子は、列車から見ることはできません。
そして、西九条は、ホームが、JR環状線を跨いで東へ延伸され、従来、西側の改札1ヶ所だったのが、環状線の東側にも、入り口が設けられました。
さて、当日は、なるべく、阪神線内を近鉄車、近鉄線内を阪神車に乗ってみました。
近鉄と阪神では、車両の長さと扉の数が違います。
近鉄は、1両の長さが20mで、扉は片側4ヶ所。
阪神は、1両の長さが18.7mで、 扉は片側3ヶ所。
少しマニアックですが、車両の長さが違うということは、センターピン間、車でいうホイールベースが違うので、レールのジョイント音のリズムが違ってきます。
聞きなれた近鉄、阪神、それぞれの路線のリズムが、少し違うということになり、これを楽しもうと思ったのですが、最近は、ジョイント部が少ないロングレールが多く、イマイチ、期待したほどの違いは、感じられませんでした。
それでも、駅の分岐器とか、短いレールの多い、阪神御影や近鉄瓢箪山-枚岡間では、その違いを実感できました。
その他、感じたのは、近鉄車が阪神線内で、扉が閉まり、発車するときのブレーキの管開音がやたら大きいこと。
その理由は、おそらく、駅停車中、列車は、当然、ブレーキがかかった状態になっているのですが、阪神の方が、近鉄より、大きいブレーキ力をかけているらしいということが考えられます。
列車のブレーキは、運転士が操作するブレーキハンドルの刻みが、1、2、3、と、段々とブレーキ力が強くなっていくのですが、停車している時は、当然、そのブレーキをかけた状態になっているわけで、おそらく、近鉄は、その時、ブレーキ力が3ぐらいとすれば、阪神は、6とか、7といった、より大きくしているのでしょう。
発車時は、そのブレーキを緩める、0にするわけですが、その時、大きなブレーキ力から0にすると、小さいブレーキ力から0にするより、より大きく、エアーが抜ける音がします。
近鉄線内では、さほど大きく感じないそれが、阪神線内では、大きく感じるので、そう思ったわけです。
ちなみに、近鉄の方が、停車中、ブレーキ力が小さいといっても、停車には、十分なブレーキがかかっていますので、乗降中に動き出すようなことはないので、ご安心を。
注目の奈良-三宮間を直通する快速急行ですが、1時間あたり3本運転されています。
実は、この快速急行の表示、近鉄は赤、阪神は紺色になっていて、大阪難波で、わざわざ表示を変更しています。
急行 」、阪神は、「快急」
さらに、近鉄は、昼間でも前照灯を点灯し、種別毎に異なる種別表示灯を点けていますが、阪神は、昼間は、前照灯を消灯し、種別表示灯も点けていないので、これを消しています。
その他にも、気づいたことは、いくつかありますが、長くなりますので、次にします。
阪神の「大きさ」 2010.08.29
近鉄・阪神、相互乗り入れの話 2009.04.26 コメント(2)
雑感「阪神なんば線開通」=一般論編= 2009.03.21