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Blue Note Tokyo 18:00~ ギター:パット・メセニー ベース:ラリー・グレナディア パット・メセニーが来ているとはこないだまで知らなくて、慌てて電話予約。最終日の1st setを辛うじて確保。もっとも、バーカウンター前の高椅子なので、直前に着席して終演後すぐ撤収、お食事は出来ません、という、ある意味ストイックな場所。ウィスキーを傾けながら...というとちょっとカッコいいですが、何、始まったらそれどころじゃないし。 聞けば「あの曲」と分かるほど聞き込んではいないので、セットリストまでは分かりませんでした。MCで若干説明してたんだけど、聞き取れなかった....... 実はメセニーは生で聞くのは初めてなのですが、面白かった。メセニーはユニットで来ることが多かったと思うのですが、今回はダブルベースとのデュオで、限りなくアコースティックに近いスタイル。 メセニー自身は、アコースティックギターを含め、3本ばかりを駆使しつつ、妙技を聞かせてくれました。最後にはメセニー考案の自動楽器オーケストリオンを使った大曲....は、まぁ、個人的にはもう一つ......ちょっとアンビエント・ミュージック的というか、ミニマル・ミュージック的というか。こういうアプローチの音楽は、正直言うと、あれやこれやの現代音楽とかで拝見しておりますし....ええ......... それよりやっぱりメセニーの技ですよ、聞きたいのは。ベースのグレナディアもメセニーと負けず劣らず見事な腕。こういうガチンコの掛け合いが聞きたくてのライブなんですもの、こちらは。しかし、二人とも、そう風変わりなことをしている訳でもないのに、抽き出しが多いというか、全く飽きることがありません。 全9曲+アンコール、たっぷり80分のライブでした。ブルーノートの1stとしては長めではないかなと。MCも途中一回だけだったので、浴びるようにメセニーを聞いて帰って来たのでした。
2012年01月30日
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新国立劇場 15:00~ 3階正面 プッチーニ:ボエーム ミミ:ヴェロニカ・カンジェミ ロドルフォ:ジミン・パク マルチェッロ:アリス・アルギリス ムゼッタ:アレクサンドラ・ルブチャンスキー ショナール:萩原潤 コッリーネ:妻屋秀和 新国立劇場合唱団 TOKYO FM少年合唱団 東京交響楽団 指揮:コンスタンティン・トリンクス 演出:粟國淳 久々の新国ボエームという気がします。人気演目だからといってそう何度も上演する訳にもいかないのでしょうが、前回は2008年なので4年振り。まぁ、スタジオーネシステムを採用している以上、已むを得ないところなのでしょうけれど... この粟國演出は2003年以来4度目。公平に言えば、舞台装置としては割と良く出来てるし、演出としても全体的には悪くないと思うんですけどね。ただ、細部がもう一つというか。今回の公演でいうと、第1幕、ロドルフォらの部屋での人の動かし方とか所作がもう一つ不自然かなと。観たのは今回全5回公演の千秋楽なので、もうこれ以上は練りようが無い。その時点での動きの不自然さはちょっとね。細かいことを言い出すとキリがなくて、2幕の人の動かし方も、以前に比べるとかなり良くなってはいるけれど、それでもやっぱりパターン化していたり、もう一つ自然さが無かったり。最後の行進なんかは、あれじゃ小学校の鼓笛隊だし。ベースは凄くいいと思うんです。昔の粟國の演出から比べるとずっと良くなっているとは思うんだけど。 この際、この演出は磨き続けてもいいんじゃないかとも思います。ボエームでずっとこの演出ってどうなの、という声も聞こえてきそうですが、そういうのも一つくらいあってもいいかも知れないと思いますし。ボエームでは、同工異曲の藤原のプロダクションがあったんだけど、あれは再演する機会があるのか...... で、演奏はというと.....................凄く評価に困るんですよね。 一言で言うと、中途半端な感じが横溢する出来映えでした。なんというか、何も求めていなければこれで十分だと思うんですが、出来、ということを考え始めるといろいろ出て来てしまうんですよね。 一番はっきりしているのが、ロドルフォ。悪いか、と言われると、悪くはないんです。こういうのを悪いとは言わない。声は出てるし、歌が下手な訳でもない。ただ、一本調子に近いんですね。何処を歌っていても同じように聞こえる。 勿論、歌手によってはそのように感じさせる人は居ました。タリアヴィーニとか、コレッリとか、そういう、声に強い特徴があって、それ故に皆同じに聞こえてしまうタイプ。でも、あれは、特徴が強過ぎるのと、何より超一流の声を持つからそれでいいんであって、残念ながらこのテノールはそうではない。正直言うと普通のいい声。にも関わらず同じように聞こえてしまうのは、多分、表現力が足りないから。表情も決して豊かとは言えない。だから、ミミを口説くのも、ミミの悪口を言ってみるのも、否定して嘆き取り乱すのも、ミミと別れの語らいをするのも、瀕死のミミと昔を懐かしむのも、あんまり違いが無い。これは、正直、あんまり楽しくない。 で、他の面々も、多かれ少なかれ表現力にやや不足があるのですね。まぁまぁ良かったのは、後半のミミと、あとはムゼッタくらいか。コッリーネの妻屋は、むしろ元々そういうタイプだから今更ですが。皆決して下手ではないし、十分面白く観られる。でも、平版な歌唱といえば、そういうことになってしまう、という面はあったと思います。 一方、オーケストラはというと、こちらもやや稚拙な表現と言った感じ。表現はするんだけれど、それに付いて行く表現力がもう一つ。これはオケの実力もさりながら、指揮者にも責は大きいと思います。リタルダント多用し過ぎなんだよね。でも、こういう曲の場合、あまりテンポを変えて操り過ぎると、聞く側にとってはやはり音楽の流れに不自然なものを感じてしまう、そんな気がします。 面白くなかった訳ではないんだけれども。でも、いいか、と言われると、良くはなかったよなぁ、と思うのではあります。悪くはなかったんだけどね。うーん.......
2012年01月29日
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オーチャードホール 15:00~ 3階正面 シューマン:パガニーニの奇想曲による練習曲 ラフマニノフ:前奏曲集~ op.32-5,10,12 / op.23-5,6,2 ショパン:12の練習曲 op.25-1,7,6,9,11,12 ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」~op.33-2,7 / op.39-5,6,8,9 <アンコール> リスト:3つの演奏会用練習曲~第3曲「ため息」 ラフマニノフ:前奏曲 op.3-2 「鐘」 / ヴォカリーズ(アール・ワイルド編) ピアノ:小山実稚恵 毎年6月と11月の年二回、12年で24回の計画で行われている小山実稚恵のリサイタルシリーズも第12回、折り返しです。オーチャードホールのリニューアルのお陰で、去年11月の分が今年に繰り延べされた公演。自分としては、前回の去年6月が何かに重なったか何かで行けていないので、実に1年2ヶ月振り。 プログラムはラフマニノフとシューマンとショパン。こういうのは、ピアノ好きの人にはたまらんのですかね。個人的にはあまりそそらないかなぁ、と思いつつ行ったのですが、意外と面白かったです。 特に今回面白いなと思ったのは、ラフマニノフ。正直、ラフマニノフはちょっとくどくて苦手ではあったのですが、こうやってプログラムの中で纏めて聞いてみると、存外聞けるものだなと再発見。これには、プログラミングの妙も間違いなくあると思います。前半、シューマンの練習曲の後ラフマニノフを聞くと、そのコントラストの差は驚くほど。シューマンの練習曲が二次元の世界だとすれば、ラフマニノフのそれは三次元。平面的な響きの世界から突如立体的な響きへと変容する。シューマンが若書きということもあるにせよ、やはりシューマンからラフマニノフの間に、いろんなことが変わったのだな、と改めて思い起こさせる、そんな演奏会でした。 ラフマニノフも、それだけ聞いてたり、或いはアンコールでちょっとだけ聞いたりしていると、多分こういう風には聞こえて来ないんじゃないかな、と思います。 勿論、それを聞かせることが出来る小山実稚恵の安定した演奏があってのことなのは間違いないでしょう。 この「小山実稚恵の世界」シリーズは、恐らくは演奏者のプログラムの自由度が高いんだろうな、と思うのです。自由、というほど自由ではないのかも知れないけれど、セルフプロデュースする力量は求められるけれど、その力量さえあれば長期的スパンで何をやるか考えられる。そういう面白さがありますし、それ故に演奏会自体も普通のリサイタルとはちょっと違った構成、期待感があります。 私も全部聞いている訳ではないのだけれど、このシリーズは濃淡はあれど面白く聞けるし、色々な面で勉強になるところもあったりして、出来れば外したくないシリーズになってます。 まぁ、色々ですけどね。比較的安めのチケット代もあってか、お客さんも色々だし。今回も、やたら大声で変なブラボーを発するお客が1階に陣取っていたようだけれど。いや、そういう「変なお客」はこのコンサートに限らず増えてるか、最近は.....
2012年01月28日
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オーチャードホール 15:00~ 3階左手 芥川也寸志:弦楽のための三楽章 モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 チャイコフスキー:交響曲第6番 ピアノ:中野翔太 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:小林研一郎 オーチャード復帰後初の東フィル定期です。 正直、前日の新日フィルが結構良かったし、疲れてるし、寒いし、どうしようかとも思いましたが、起きてみたら結構身体も軽いし、まぁ、よかれあしかれ小林研一郎だし、よし!ちょっと行くか!となりました。 一曲目の芥川也寸志。プログラムにある通り、なるほど、20世紀の現代音楽と言いながら、ショスタコーヴィチ的な非前衛的という意味での古さと諧謔が目立つ、独特の作品。意識して聞いたのは初めてですが、なかなか面白い曲。 題名の通り弦楽のみの作品ですが、この日は、新日フィルほどではないにせよ、弦がなかなか良く鳴っていて、それなりに楽しかった。思うに、近年の標準的な編成よりは1~2本多目に配していたのではないかなと思います。その分、無理があまり感じられなかったかなと。こういう所は流石に経験がものをいうのかなと。 二曲目は、若手のピアニスト、中野翔太を擁してのモーツァルトですが.....まぁ、はっきり言って良くなかった。 どうもテンポ感が悪い。リズム感、ではないです。リズムがおかしいのではなく、1フレーズか2フレーズ演奏して行くと、微妙に合わなくなる。半拍とかいうレベルではない。せいぜいつんのめる感じなのですが、これがどうも気持ちが悪い。 それと、演奏が粗くて、暴れる。粗暴というのとは違いますが、先ほどのつんのめる感じとも一脈通じる、合わなさ加減を気にせず弾いてしまう。その弾き方も、丁寧ではなく、さりとて力強い、というのとも違う。なんだか据わりの悪い演奏。 そして、カデンツァ。自作のものだと思いますが、第1楽章の方は、恐らく当人はジャズ風のつもりなのでしょう。最近ガーシュインなど弾いているというし。けれど、本人ジャズのつもりでも、これはちっともジャズじゃない。ジャズっぽくポップスの響きを使いながら、リズム的にも和声的にも全くジャズじゃない。これに今一番近いのは、ホテルのラウンジで弾かれてるピアノの音楽。あの、サロン音楽風のもの。これは、つまらないですよ。 昔、辻井伸之(だっけ?)がオーケストラアンサンブル金沢とこの曲をやった時も自作カデンツァとかいって珍妙なのを持って来ていたけれど、どうして最近の若いのはこういう変なカデンツァを書くのかねぇ。誰か止める奴ぁ居なかったのか。但し、この中野の場合は、第3楽章の方の小カデンツァでは、様式感的にはやや微妙ながら、まぁまぁ納得の行くカデンツァを弾いているので、やれば出来るんだと思うんですよ。多分この人それなりに指はよく回るので、いろんなこと出来ちゃうんだと思うんですよね。それを披露しつつそれなりに音楽的にも纏めたのhが第3楽章。それをとにかくやりたいことやっちゃえとばかりにやったのが第1楽章。 でもねぇ。ジャズでクラシックをやるのは相応の覚悟が居るんですよ。小曽根真がそれなりに形になってるのは、何はともあれジャズで相当の実績を上げて、その上で、徹底した音楽でカデンツァをやってしまうからであって。サロン音楽的なぬるい和声進行は小曽根は出しませんよ、クラシックで好き勝手やる時は。 休憩を挟んで、チャイコフスキーの6番。 これは、面白かった。最近の東フィルとしては悪くなかったと思いますしね。音色も良かったし、弦も鳴らすということではかなり良かった。聞いていて気分良く聞けましたし。前の日に新日聞いてなければ大絶賛、かな、と。つまり、まぁ、あれほどまでは行かなかったかな、と。惜しい..... ただまぁ、正直言って思ったのだけど、やっぱり、つまらない演奏って眠くなるのね.... 新日にしても東フィルにしても、今回は眠くならなかったし。 ただ、その割に、ちょっとお客の方が集中度がもう一つかなと。なんだかガサガサと落ち着かない感じのままに第4楽章へ。最後もまだ演奏してるかな?もう音が消えたかな?ここは最弱音だよね....というところで拍手。 あんまりこういうことでガタガタ言う主義ではないのだけれど、なんか微妙な感じだなぁ、というオーチャードホールでした。
2012年01月23日
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すみだトリフォニーホール 14:00~ 3階正面 マーラー:交響曲第9番 新日本フィルハーモニー交響楽団 指揮:ダニエル・ハーディング 久々に新日の定期公演。 只今一番人気のハーディングによるマーラー。とくれば、震災当日の5番の演奏会がありましたが、結局代替公演は日が合わず(つか錦糸町に平日夜行くのは無理です)、聞いてないんですよね。評判良かったのは聞いているので、マーラーとはいえちょっと楽しみにしていました。 で、結果はというと、期待を裏切らない演奏ではなかったかと。 マーラーの中でも9番は比較的整然とした作品なのですが、それにしても長い。1時間半。而して、オーケストラも最期までヘタること無くいい響きを維持。とにかく、響きが良かった。これが全て。デュナミークの振れ幅の大きい演奏ながら、よく揃ったいい響きを最後まで聞かせてくれました。正直、マーラーはここ最近でも割合聞くことが多かったけれど、その中でもかなりいい方の演奏だったのではなかったかと。 響きだけでなく、演奏自体も細部まで目配りが行き届いているという感じの演奏。曖昧に済ませるようなところがなくて、こういう演奏ならマーラーもあまり苦にならないなと思うんですけどね。第4楽章も見事なコントロール。思わずお客の方も引き込まれて聞き入るという感じ。演奏終了後、30秒くらいは続いたんですかね、沈黙が。 いや、本当に良かったですよ。正直、居眠りする暇もなく、といって緊張感に溢れる訳でもなく、ふんふんと聞いている内にあれ?終わっちゃった?というような。まぁ、90分はやっぱり長いんで、そう何度も聞きたい訳ではないんですけどね。 やっぱりハーディングは相性がいいのかなぁ。 唯一困るとすれば、来月東フィルもこの曲やるんですが、正直、これを聞いた後ではちょっと厳しいような気が.........
2012年01月22日
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オペラシティコンサートホール 19:00~ 3階右奥 バッハ:管弦楽組曲全曲 (第3番、2番) 第1番、4番 <アンコール> バッハ:復活祭オラトリオ ~ シンフォニア フライブルク・バロック・オーケストラ 先週ですが、フライブルク・バロック・オーケストラが来ていました。 ダメ元で買ってあったのですが、後半だけ何とか間に合って聞けたので。 面白いと言えば面白かったです。 ただ、ちょっと不思議な感じでもあったのも事実。 実は、年末に旅行した時に、アン・デア・ウィーン劇場でモンテヴェルディの「オルフェオ」を観たのですが、この公演で演奏してたのがこのフライブルク・バロック・オーケストラだったのですね。で、この時の演奏スタイルと、このバッハの演奏スタイルが、実はそれほどは変わらない。それがいけない訳ではないのですが、正直、これはバッハなのかしら?という気がしたのも確か。 正直言うと、確かにこれはこれで面白かったとは思うのですが、バッハのような構成がかっちりした、音楽的にも筋肉質的な所のあるものよりは、むしろもっと自由な所のある音楽の方がこの人達の演奏にはあってるというか、面白いんじゃないかと思ったのですね。 そもそも、同じ古楽だという理由で、同じ団体がバッハもモンテヴェルディもやる、というのは、どうなんでしょうね。勿論、普通のオーケストラだったら、バッハから武満まで、200年以上の時代の幅のある音楽をこなすのは当たり前なので、おかしくはないと言えばおかしくはないのですが。 でも、「ピリオド演奏」の一要素には間違いなくオーセンティックというテーゼがあるわけで、そうすると、バッハから武満までの間とそう遠くないくらいの時代的な、或いは空間的=伝統上の違いがあってもおかしくないと推察出来る、バッハとモンテヴェルディが、同じ団体で演奏されてしまう、というのは、これはどうなんでしょうね。 なんてことをちょっと考えてしまったのでありました。
2012年01月17日
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オーチャードホール 16:00~ 3階左手 プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」 トゥーランドット:マリア・グレギーナ カラフ:オレグ・クリコ リュー:アーラ・ミシャコワ ティムール:セルゲイ・ザムィツキー アルトゥム:イェヴゲニー・ガヴリシ ピン:アレクサンドル・ラーピン パン:ヴィクトル・チェルヴォニューク ポン:イーゴリ・コルナトフスキー ウクライナ国立オデッサ歌劇場管弦楽団・合唱団・バレエ団 指揮:ユーリィ・ヤコヴェンコ というわけでオデッサ歌劇場再び。本日はトゥーランドット。ドサ廻り用演目ですが、今日と来週末のオーチャードにはマリア・グレギーナが出ます。 まずはグレギーナ。やはりグレギーナは一味違います。改装後も変わらずデッドなオーチャードホールですが、それにも構わずビンビン声が飛んで来ます。一方で、高い方がやや安定を欠いていたり、どうもぶら下がり気味(特に終幕)といった問題もあり。とはいえ、掃き溜めに鶴、とまでは言いませんが、この種の公演でこれだけ歌う人が来てくれるなら否やはありません。それに、やっぱり歌のフォルムが出来ているので、多少傷があっても破綻するというものではない。まぁ、こちらもグレギーナに細かい所(やれどこそこが決まるの決まらないの、みたいな)を求めてはいないですしね。むしろ、手を抜かずにオーチャードでここまで声を飛ばすとは、といったところかと。そんなわけで、個人的にはグレギーナには十分満足です。 後のキャストで特筆すべきは、リューを歌ったミシャコワ。同じウクライナのハリコフの座付き的な人のようですが、昨日もヤロスラーヴナを歌っての今日のリュー。これがなかなか良かった。まぁ、そんなに出ずっぱりの役ではないですが、3幕はグレギーナと十分タメを張ったというところでしょうか。声は綺麗だし、声量もあるし。 カラフ?まぁ、3幕一発勝負だったのかしら。それも、それほどのことではなかったかな、と.....それすらも東海林太郎だったしね.......グレギーナとは比べ物にはならんとはいえ、もうちょっと...... オケと合唱は、まぁ大体昨日と同様。よく頑張りました、といったところかなと。 演出は、合唱が殆ど動かなかったり、学芸会だってもうちょっと工夫するだろ、といったところ。とにかく1幕なんて舞台の中央で半円形に並んで不動で.....と考えて、はたと気が付いたのが、これはドサ廻り公演だということ。今日はオーチャードだからいいけれど、この後日本中あちこち廻ります。それなりのホールが並んではいるけれど、皆が皆奥行きや幅のある舞台を持っているとは限らない。となると、確かに、あまり凝った演出を何処でも出来るとは限らない訳で。そう考えると、こういう演出でも仕方ないのかな、という気はします。そういえば、舞台装置も書き割りだけど、よく見れば、幅や奥行きに応じて調整可能なものになってるし。 来週もオーチャードでやりますが、そちらは、まぁいいかな。今からじゃ安いのは残ってないだろうし.....期待は出来るけど、幾らグレギーナでも全く同じのをもう一回観る気は...
2012年01月15日
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オーチャードホール 16:00~ 3階右手 ボロディン:歌劇「イーゴリ公」 [キャスト等は後日] 復活新装成ったオーチャードホールに久々に出撃! ........なんですけど、先に言っちゃうと、何がどう新しくなったのかイマイチピンと来ないのですが...............トイレ?トイレは新しくなったけど、別に前に比べてグレードアップされた感じではないし........座席も同じ.......エレベーターが設置された風でもないし......(多分。見当たらなかった) 何が新しくなったんだろう?むー。 さて。光藍社恒例の東欧・旧ソ連系劇場引越公演です。年末はこれといった引越公演がなかったのは、光藍社がどうとかじゃなくて、やっぱり震災影響で敬遠されたんでしょうかね。 オデッサ歌劇場。勿論行ったことありません。オデッサ自体行ったこと無いし。リヒテルの出身地!とかいう話はあるけれど、それ全然関係無いし.... 今回はイーゴリ公とトゥーランドットの二本立てで、ドサ廻りは専らトゥーランドットの模様。実は今日のイーゴリ公と明日のトゥーランドットを買ってあります。明日はグレギーナが出るらしいのでね。 さて、今日のイーゴリ公はというと、まぁ、「旧東側の田舎劇場に期待されるレベル」を概ねクリアしていたと言っていいでしょうか。そんなもんです。 オーケストラは結構小編成。頑張ってはいましたが、流石にオーチャードホールでイーゴリ公を1st Vn 10本くらいでやるのはしんどいでしょう。合唱が思いの外パワー不足。こちらももうちょっと頑張って欲しいかな、という感じでしょうか。悪くはないんですけどね。 独唱陣も、まぁこんなところかな、といった陣立て。例えばイーゴリ公はまずまず筋のいい歌い方ではあるし、いいとは思うんだけど、オーチャードホールにしてはちょっと力不足かな、とか。もう一歩欲しいよね、という感じ。この辺が良くも悪くも光藍社の旧東側公演クオリティ。それはこちらも承知の上で買ってるので、あまり不満はありません。やはり、イーゴリ公と言われたら、つい観に行ってしまうのも恐らく読まれてます。今回は休日公演ですしね。 ちょっと予想外だったのは、バレエ。イーゴリ公と言えば韃靼人の踊り、ということで、今回の公演は結構手抜き無しのいいダンスを披露してくれました。結構フェッテもあったりして、20人くらいで、群舞に逃げずにしっかりした構成の踊り。一人だけ「あれ?」という感じでしたが、オペラに較べて割と質のいいものだったような。 だって、今回の公演、イーゴリ公は都合3回しかやらないんですよ。トゥーランドットは大した踊りなんてないでしょう?(3幕で、カラフにピンポンパンが「女か?」って言って呼び出す時にバレリーナを使ったりするくらいかしらん?)その割には結構力が入っているなぁ、と。 今回の公演は、プロローグと4幕構成のオリジナルを、3幕の「ポロヴェツ人の陣から逃げ出す場面」を削って、その他4幕なんかも削ったりした上で、前半を「プロローグと1幕」、後半を「2幕と4幕」に構成した形の上演でした。なので、3時間足らずの公演。まぁ、これはこれで面白かったからいいけれど、この短縮公演は流行なんですかねぇ。3幕をやらないと話が繋がらないと思うんだけど..... まぁ、そういうことはあるにせよ、イーゴリ公は好きなので楽しめて良かったかなと。 ただ、お客の入りはあまり良くなかったような。イープラスとかの特売チケットは出ていなかったように思うのだけど、その割にはお客のノリももう一つだったし、あれはどういうことだったのかな......?
2012年01月14日
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いや、これ、去年も一昨年も言ってるんですけどね....(苦笑) でもねぇ。去年一年の大混乱を経験した後で思い返すと、確かに玉石混淆ってあると思うんですよね。で、無理に聞きに行ってもいいこと無いかなぁ、という.... それと、やっぱり、ダブルヘッダーとか、そろそろ体力的に厳しいかな、という気がしてきました。週末2日とも潰すのも結構大変だし。 勿論、そうは言っても聞きたいものというのもあるのではありますが。 それと、ブログ。あまり一生懸命書いてもしょうがないんですが、去年は結局書かずじまいの公演が多数積み残しになったし、これでは自分の備忘録としての意味がないので、もうちょっとさらりと書くことにしようかと。ま、それが出来れば苦労はしないんですが(苦笑) 勿論、Twitterは、これはこれで相変わらず書いてるので、そっちがあればいいと言えばいいんですけどね。 後は、CD。もう、流石に、聞き切れない....... 買うの、控えよう.....控えたい.....無理か................orz
2012年01月09日
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オペラシティコンサートホール 18:00~ 3階左手 ヴァイオリン:アン・アキコ・マイヤース ピアノ:山下洋輔 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:本名徹次 えーとー............不幸な(?)誤解がありまして............ このコンサートの名目は、「東京オペラシティ ニューイヤー・ジャズ・コンサート2012 山下洋輔プロデュース」なんですよ。で、もう毎年やってるんだけど、行こう行こうと思いつつ、毎年日程が合わなかったりで行けなかったんですね。 で、今年は、これと、小曽根真とが被っていて、「今回は山下洋輔だな!」と思って、これを買った訳ですね私は。だから、私は「山下洋輔を聞きに行った」訳です。 で。 前半は、まず、「前座」とご当人自ら称する山下洋輔のソロ。これはいい。次に、アン・アキコ・マイヤースが登場してのソロ。それからデュオ。で、前半終了。 後半は、マイヤースがほぼ出ずっぱりで、サマータイム、オータム・イン・ニューヨークをオーケストラと披露。そして、マルサリスのカデンツァを演奏!という惹句でモーツァルトの協奏曲第3番。後はアンコールで2曲。以上。山下洋輔は、オータム・イン・ニューヨークでピアノで当てたのと、アンコールでデュオで弾いたくらい。 悪くないんだけど........................... 山下洋輔~(;-;) まぁ、中身をよく確かめずに買った方が悪いと言ってしまえば以上終了なので、文句は言えないんだけど、これほどとは........一般的には「マイヤースのヴァイオリンが結構聞けて良かったね!」なんでしょうけど................ あ、マルサリスのカデンツァは、普通でした。別にブルーノート連発するようなものではなし。まぁ、そもそもあの人はバロックのトランペット協奏曲のアルバムを出しているくらい(ついでにグルベローヴァと共演しているくらい)なので、クラシックの素養も十分あるし、そんなにおかしなものを持ち出すような人ではないというのは分かってるんですけどね。ただ、譜面を見ると、いろいろ面白かったりするのかもなぁ。 あ、マイヤースのヴァイオリンも、確かに良かったです。軽い内容だし、あまりどうこういうようなものではないけれど、音の芯の太さ、確かさ、宜しかったです。意外に骨太の演奏で。ちなみに3月にはご出産だそうで、いやはや、8ヶ月で楽旅とは、恐れ入りますです。
2012年01月08日
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よこすか芸術劇場 15:00~ 4階左横 オッフェンバッハ:「天国と地獄」序曲 ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「水彩画」 ドビュッシー:ファンタジー("月の光", "ゴリウォーグのケークウォーク") ヨハン・シュトラウスII:ワルツ「ウィーン気質」 / 常動曲 / 「騎士バスマン」チャールダーシュ ヨハン・シュトラウス:狂乱のギャロップ ニコライ:「ウィンザーの陽気な女房達」序曲 レハール:ワルツ「金と銀」 / 「メリー・ウィドウ」"唇は黙していても" アウグスト・ランナー:ワルツ「最初の願い」 <アンコール> ヨハン・シュトラウスII:ポルカ「狩り」 / ワルツ「美しく青きドナウ」 ヨハン・シュトラウス:ラデツキー行進曲 ウィーン・リング・アンサンブル この時期はウィーンものが目白押し。その中で、まぁこれはどうかなと思って買ってあったのがこれ。ライナー・キュッヘルを陣頭に9人編成でやってくるというもの。まぁ、キュッヘルなら....ということで。後で知ったのだけど、フォルクスの方にはゲストにアンドレア・ロストが出ていたとか。それだったらそっちが良かったかも.... で、演奏ですが。 正直、ちょっと時差ぼけというかお疲れだったんじゃないでしょうか。いやこちらもそうだったのではありますが。 まず、皆が皆ではないとはいえ、ウィーン・フィルの現役メンバーが入っているので、元旦の13:30までは拘束されてるわけで。で、確か、オーストリア航空の直行便は14時頃出るので、これには乗れない。そうすると、欧州を元旦の夜出て極東に向かう便か、2日の直行便しかない。ところが2日の直行便だと成田に着くのは3日の朝。だから、飛行機から直行。元旦夜発って、エアフラの夜便とか、まだあるんだっけ? てなコンディションだと思うのですよ。 それもあってかどうかは知らないけど、もう一つ精彩を欠いていたのは事実。まぁ、後半は結構形になってましたけど。だから、今日明日あたりはいい感じなんじゃないでしょうか。 それと、やっぱりこの手の音楽には、ちょっと編成とホールが不向きかなと。思うに、こういうのって、過剰なくらいがいいんだと思うんですよ。で、よこすか芸術劇場、悪いホールではないと思うけれど、馬蹄形のホールなので、収容人数に比してホールの柄が大きい。これを9人(弦は5人)のアンサンブルでどうにかするのはちょっと厳しかった模様。 フルオーケストラでやるか、この人数だったら、もうホールでなくて「部屋」でいいくらいなんじゃないかなと。 まぁ、日本に帰って来て聞いたのがこれで良かったかな、とは思いますが。 この日はNHKのニューイヤーオペラもあったのだけど、疲れ気味だったのでそちらはパス。後で録画で観ましたが、まぁ、行かなくて良かった........
2012年01月05日
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今更ですが、あけましておめでとうございます。 昨日帰ってきました。チャイナエアでもビジネスはやっぱり楽です。と言いつつ、空いてたので成り行きで占拠した、台北からのエコノミー3席ゲットフルフラットの方がやっぱり楽....(苦笑) 今回は都合11本に教会やらでミサ聞いたりしてきたので、思い返してみると相当忙しいスケジュールでした。殆どまともに観光してないし。まぁ、ウィーンあたりは何度も行ってるからそれでもいいんですが、ベルヴェデーレのクリムト展は振っちゃったし、ブダペストも結果殆ど観光していないという.....まぁ、いいか。 例によって一本だけ挙げると、Theatre an der Wien でのモンテヴェルディのオルフェオ。これはかなり面白かった。演奏はアイヴァー・ボルトン指揮のフライブルク・バロック・オーケストラ。フライブルクは今月日本にも来ますが、これはかなりいい演奏でした。オルフェオ自体舞台で観たのは初めてですが、現代演出化していたのだけれど、それが相応に説得力を持つ出来映えだった。勿論、神話原作のオペラなんだからどうにでもやりようはあるよな、ということもあるけれど、正直、「死者の家から」の演出をやったペーター・コンヴィチュニー(とその信奉者がまだ居るのならそいつら)には爪の垢煎じて飲んで頂きたいというところであります。 ウィーン・フィルはプレヴューを聞いただけでしたが、チャイコフスキーがなかなか堂に入っていて面白かったですかね。 去年は色々あって大変でしたが、クラシックのコンサートに関する限り、この大変さはまだ続くんでしょうね。まぁ、せめても平穏な一年でありますよう....
2012年01月03日
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