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新国立劇場、2010-2011年シーズンのラインナップ案内が届きました。 昨年の事業仕分けで色々と取沙汰されてますが(あれも本当は「予算削減」じゃなくて「財団との運営契約の見直し」が肝だと思うんですが、ま、それは別の話)、今回は日本人作品を含めた全10演目。ほぼ例年通り、というのは道理で、11月の事業仕分けを受けて、今年秋からの契約を見直すのは流石に無理、という判断でしょう。本当に大丈夫か?という気もしなくはないですが。いきなり打ち切りになったりしないかしら。 来シーズンの注目は、って、そこに食い付くか?という話ではありますが、ついに新日フィル/クリスティアン・アルミンクが新国のピットに入ります。2011年4月、演目は「薔薇の騎士」。新日フィル/アルミンクは、昨シーズンの初めに定期演奏会でこの演目をやってますが、これは相対的には結構良かったので、あれと同じくらいの演奏をやってくれればいいんじゃないかと。ただ、この公演がアルミンクの「花道」になってしまうのかどうかは気になる所ですが..... 2011-2012年シーズンの新日はどうなるのか?アルミンクは日本と縁切りするのか?まぁ客演くらいはするだろうとしても。気になる所です。(って、それって新国の話じゃないか) 演目的には、開幕の「アラベラ」と「トリスタンとイゾルデ」が耳目を引く所でしょうか。歌唱陣は、まぁこんなもの、という感じ。「トリスタン」は流石にそれなりのキャストを入れてますが、「椿姫」でパトリツィア・チョーフィが出る、とか、「コシ・ファン・トゥッテ」でローマン・トレーケルの名が見えるとか、そんな感じでしょうか。指揮は、「アラベラ」のウルフ・シルマーと「トリスタン」の大野和士くらいか。(アルミンクはともかく) プレミエは4演目。これは如何なものか。別に事業仕分けで指摘されるまでもなく、お金がある訳でも無いのに新演出を出すのも贅沢ですが、今回新演出なのが「アラベラ」「トリスタン」「マノン・レスコー」「コシ・ファン・トゥッテ」。つまり、3演目は過去上演経験がある演目です。別に更新したって構わないけれど、未だ15年にもならない劇場で、何故お金を掛けてまで更新するのか、問われる所だと思います。特に、「アラベラ」は若杉弘が作り上げた割と良く出来た舞台、わざわざ旧演出をお払い箱にしてまでどう解釈し直すのか、中途半端は許されないと思いますし、「コシ・ファン・トゥッテ」は2005年初演出、2006年に再演しただけですので、敢えて変更する意図は問われるでしょう。 まぁ、そもそも、オペラの演出ってなんだ、という所に関わる話ではあるので、更新するのは当たり前と言えば当たり前なのですが、そこまでする必要があるのか、ということでもあると思うのです。「何故わざわざオペラの新演出を毎年何本も出す必要があるのか」ということなのではないかと。そのコンセンサスがあるのかしら?と思うのです。そういうことが、将に「予算削減」を答申された理由にも繋がっているのだと思うのですけどね。 それと、これは経営判断だろうとは思うのですが、来シーズンのヴァリエーション(3公演以上を好きに選んで申し込む)では、「トリスタン」と「夕鶴」以外は休日公演が選べなくなっています。これも随分な話だとは思うのですが、まぁ、休日に偏っているから、「トリスタンが欲しければ他は平日を買え」ということだろうとは思うのですが。 仕方ないので、策に乗って今度はセット券は買わないことにします。それで「トリスタン」が買えないとしたら、まぁそれはそういう運命ってことでしょう。行けない切符を予め買う気はしないしねぇ。
2010年01月24日
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すみだトリフォニーホール 14:00~ ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ドヴォルザーク:交響曲第8番 <アンコール> ブラームス(ジュオン編):ハンガリー舞曲第4番 ヴァイオリン:岡崎慶輔 新日本フィルハーモニー交響楽団 指揮:クリスティアン・アルミンク 今年初の新日フィル。アルミンク指揮ですので、外さず行きます。 「クラシックの扉」にしては重量級のプログラム。まぁ、確かに、名曲シリーズ的な位置付けとしては「名曲」なので間違ってはいないんですが、これは結構重いです。 全般に楽しめました。まずは、音の良さを挙げたいと思います。決して最良とは言えないと思います。基本、音量は大きめで、どうしてもテンションが掛かってしまうのはやはり気になりますが、音はいい。よく揃っています。デュナミークもある。アルミンクが振る時の新日、です。どうしてこう指揮者によってムラが出てしまうのか、アルミンクがよく分かっててコントロール出来ているのか。 一曲目のブラームスは、しかし、ちょっときつかった。冒頭の弦の音は思わず「おっ」と思わせるようないいものではあったのだけれど、流石にあの長い第1楽章を聞かせるには、もう一つ柔らかさとかが欲しいのですが......まぁ、楽しめたのは事実ではありますが。第2、3楽章は、まだこの演奏スタイルで違和感を感じずに済んだかな、と思います。 独奏の岡崎慶輔は、若い人なんですね。悪くなかったと思います。派手に演奏して大向こうを唸らせる、というタイプではなくて、丁寧に演奏するという感じの人かな、と。 というわけで、むしろ楽しめたのは後半のドヴォルザーク。起伏の激しい、様々な表情を持つ、こういう曲は、やはり得手ということなのでしょう。まぁそれもどうかという気もしないではないけれど、とてもいい演奏だったのは事実。 管はそれほどでもなかったけれど、弦の方はブラームス同様よかったと思います。この頃には若干こなれてきたのか、柔軟さも少しは出て来て、全編飽きること無く聞けました。 こうやって聞くと、なるほどドヴォルザークを推してくれたのはブラームスだったな、と改めて思います。この8番など、結構ドヴォルザーク独特の民俗臭が(決して悪い意味でなく)出ているのだけれど、それでもブラームスに近いものを感じさせます。そういえば、アルミンクの振るブラームスも結構いいんだけれど、当分振る予定無いんですよね。聞きたいなぁ....... 「扉」シリーズでは大抵アンコールをやるのがアルミンク。このプログラムだとやっぱりスラヴ舞曲かなぁ、或いはハンガリー舞曲か、ちょっとベタだしいまいち....と思っていたら、案の定ハンガリー舞曲でした。が、第4番。ありがちな1番と違って割とオーケストラが歌う、それも品のある歌い方で歌う演奏で、思いの外悪くなかったです。 ちと点が甘いかな?決して感心しない行き方であるのは確かですけどね。でも、昔も思ったけれど、アルミンク/新日の行き方は、多分、邪道を極めてやるという道。その意味では、認めざるを得ないか、と思うのです。実際、今回みたいに上手くはまると、聞いてて面白いですし。 来週末も新日・アルミンク。今度は「新世界」です。これも楽しみ......
2010年01月23日
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東京芸術劇場 18:00~ 3階後方 J.シュトラウスII世:「こうもり」序曲 / "侯爵様、あなたのようなお方は" レハール:「微笑みの国」~ "君は我が心の全て" J.シュトラウスII世:春の声 / アンネン・ポルカ レハール:「ジュディッタ」~ "友よ、人生は生きる価値がある" ヴェルディ:「椿姫」~ 乾杯の歌 ムソルグスキー / ラヴェル:展覧会の絵 ソプラノ:半田美和子 テノール:望月哲也 東京都交響楽団 指揮:船橋洋介 あれ?こんなチケット買ってたのか?しかも、これ、東響じゃなくて都響? うわぁ.........なんで買ったんだろう..........と思いつつ池袋へ。 都響はこのあいだ聞いたのとあまり印象は変わりません。まぁ、指揮者にも因るところ大だとは思うけれど。なんでああいう大音量になっちゃうんでしょうねぇ...... 確かに、わざわざ大人数で演奏するんだから、より大きな音を志向するのは自然なことではあるんだろうけど、それと引き換えにいろんなものを落としてる感じの演奏。まぁ、毎度聞き慣れたスタイルではありますが..... もうちょっと、丁寧に演奏するようにして欲しい、と毎々思うのであります。展覧会の絵とか、組曲なので次々と曲が変わって行く時の曲末の処理とか、弱いんですよね。 それと、今回聞いて思ったのだけれど、弦が弱いんですね。管だって素晴らしいというほどではないけれど、ちょっとこれは..... 音は大きく出るようになったけれど、演奏としては、デプリースト着任時に聞いて閉口した時と同じレベルに戻ってしまっているような。 というわけで、展覧会の絵が終わり次第早々に引き上げました。 歌手は、突っ込みどころ満載。 特にソプラノ。高音域の途中で完全に発声が切り替わってしまって、そこの処理が全く出来ていない。ポジションを変えるなら変えるで、何処で変えるか考えてやらないと。春の声はこのポジションチェンジが耳障りで、わざわざ歌って頂くに及ばないし、一曲目はそもそもチェンジに失敗して迷走するし。 テノールは、まぁ、力不足、というところでしょう。歌としてはまだましだと思うけれど。
2010年01月16日
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NHKホール 15:00~ 3階右手 J.シュトラウスII世:「こうもり」序曲 ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「天体の音楽」 J.シュトラウスII世:常動曲 / アンネン・ポルカ / ポルカ「観光列車」 / 皇帝円舞曲 R.シュトラウス:ブルレスケ / 「薔薇の騎士」組曲 ピアノ:若林顕 NHK交響楽団 指揮:尾高忠明 本来、今月はローレンス・フォスターが振る筈だったのだけれど、「健康上の理由」ということで、Aプロは尾高忠明に変更。12月に入っての急遽変更だったので、事情は分からないけれど、よく押えたもんですな..... というわけで、もーえーっちゅーにという感じの「ニューイヤーコンサートシリーズ」。まだあちこちで "ウィーンなんちゃらアンサンブル"の類いが頑張ってますが、流石にこれで打ち止めにします。松の内もここまでだし。 前半がいわゆる「ウィンナ・ワルツ・プログラム」なんですが、さて。演奏は立派なんですが、優雅さに欠けるというか..........ワルツっぽくないんですよね。尾高忠明が振ってるからかも知れないけれど、何となく「威風堂々」とかやらせる方がしっくりくるような演奏、という感じで....... 悪くないけど、少なくとも、ポルカなんかの方が面白かったと思います。基本二拍子のリズミカルな音楽が、どうも合ってるような気がします。全体に景気のいい演奏でしたし。「観光列車」では、冒頭打楽器奏者が車掌の格好をしてホイッスルで "出発進行!" の合図。演奏中も打楽器なのに汽笛を吹きシンバルを叩きの大活躍。終わってから、大慌てで燕尾服に着替えるのも御愛嬌。たいへんよくできました(笑) 後半は、リヒャルト・シュトラウス・プログラム。これねぇ............プログラムとしてどうなんだと.....................まぁ、尾高忠明に罪は無い(苦笑) ブルレスケ。この曲、生で聞くのは初めてかも知れません。あまり知らないし、やっぱり聞いてもよく分からない感じでしたか。ただ、独奏の若林顕が強面の割に神経の行き届いた演奏をしてくれたのか、思いの外退屈はしませんでした。演奏効果が勝負の曲で、割と頑張ってくれたかな、と。 最後は、「薔薇の騎士」組曲。この辺になると、流石にN響は聞かせどころは心得ていて、幕切れの3重唱から2重唱への旋律のあたりは大変よございました。思わず「喰い足りないな...」という気分にさせられて、家に帰って改めてCDでちゃんと声付きで聞き直したくらい。別にN響が悪いのではありません。それを言ったら組曲で演奏するのを聞くのが悪い。 まぁ、新年早々代演で始まったにしては好スタートだったんではないでしょうか。
2010年01月13日
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と言っても毎年のこと、2009を2010に変えただけのことです。 年が明けると、もう4ヶ月でラ・フォル・ジュルネなんですね。早いものです。そろそろチラシも出てきたり、来月になればチケット先行前売りも始まるだろうし。今年も楽しもうと思います。 ま、今年はショパンがメインなので、もう一つ盛り上がらないんですけどね、個人的には… まぁ、それはそれ、隠し玉くらいあるんでしょうし。楽しみにすることにします。
2010年01月12日
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サントリーホール 19:00~ 舞台右横 J.シュトラウスII世:「ジプシー男爵」序曲 / ワルツ「レモンの花咲く頃」/ エジプト行進曲 ショパン:夜想曲 / 子犬のワルツ J.シュトラウスII世:ワルツ「ウィーン気質」/ ポルカ・シュネル「ハンガリー万歳!」 「ヴェネツィアの一夜」序曲 / ワルツ「ウィーンの森の物語」/ トリッチ・トラッチ・ポルカ ランナー:マリアのワルツ レハール:「メリー・ウィドウ」~ "唇は黙していても" ワルツメドレー / "女の研究は難しい" <アンコール> J.シュトラウスII世:ポルカ「狩り」/ ワルツ「美しく青きドナウ」 J.シュトラウスI世:ラデツキー行進曲 ウィーン・リング・アンサンブル ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル、エクハルト・ザイフェルト ヴィオラ:ハインリヒ・コル チェロ:ゲアハルト・イーベラー コントラバス:アロイス・ボッシュ フルート:ヴォルフガング・シュルツ クラリネット:ペーター・シュミードル、ヨハン・ヒントラー ホルン:ギュンター・ヘーグナー ウィーン・フィルの名手によって構成された小アンサンブルによるウィンナ・ワルツ、という触れ込み。この日まで休みだったので、ついふらふらと...... 確かに、紛う方なきウィーン・フィルのメンバーであります。それは確かなんだけど、贅沢(いやホントに贅沢だけど)をいうなら、やっぱり、こういうものってある程度編成が大きい方がいいのでは........ 上手いですよ。物凄くスムーズに「こうだな」というところに来るんだけど、やっぱり、こういうものって、ある程度編成が大きい方が、ハーモニーとして聞いて楽しいな、という気がするのです。 美味しいもののエッセンスを味わってるというか、もうちょっと無駄な所があるともっと贅沢なのに~、というか.......... .............贅沢ですね。ハイ。 ただ、やっぱりこのくらいの編成になると、もう室内楽に近い世界なので、オーケストラで聞くのとはちょっと違ってしまいます。ちょっと違う楽しみ方になるでしょうか。曲によっては随分印象が変わってくる感じです。「ジプシー男爵」序曲とか、流石にちょっと厚みがなぁ.....という気がします。一方、「ウィーンの森の物語」や「美しく青きドナウ」なんかは、却ってその落差から、新しい聞こえ方をして、それが面白かったり。 ショパンの2曲は、まぁ、メモリアル・イヤーだから、というのはあるんでしょうが、どうなんだ......別に他のものを聞いてもよかったんじゃないかなと思ったりしなくもなかったような。 音は確かにいいです。ただ、これをもって「ウィーン・フィルの音」みたいに言うのはやっぱり違うんだろうな、という気が。あれはやっぱりオーケストラとしての音なんであって、これは違うものだなぁ....と思うのです。 後半に行くに従って、段々演奏者の方もくだけてきて、じゃれ合ったりしながら演奏するのも御愛嬌。 最後はお約束のラデツキー行進曲ですが、しかし、叩きもの無しでこれやっちゃうのもなんというか.....(苦笑) まぁ、気分は出ますね(笑)面白かったです。
2010年01月11日
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東京文化会館 17:00~ 1階右奥 アディーナ:デジレ・ランカトーレ ネモリーノ:ロベルト・イウリアーノ ドゥルカマーラ:マッテオ・ペイローネ ベルコーレ:マリオ・カッシ ジャンネッタ:ディアナ・ミアン ベルガモ・ドニゼッティ劇場管弦楽団・合唱団 指揮:ステファノ・モンタナーリ 演出:フランチェスコ・ベロット 新年初オペラ、てなとこでしょうか。この劇場は毎回来日する時は新年早々のような気がするのだけど、どうだっけ? 「愛の妙薬」は結構公演が続いてる気がします。昨年6月に藤原歌劇団、今回のベルガモ・ドニゼッティ劇場、この4月には新国で掛かります。1年に3回、と言ってしまえばそれまでですが、このオペラそれほどポピュラーだったかな、というくらいの演目だと思うので、やっぱり続いている方でしょう。 デジレ・ランカトーレ以外は概ね座付やそのレベルの歌手じゃないかと思います。ランカトーレを聞く公演、ということでしょう。 そのランカトーレ。聞くのは随分久し振りのような気がするのですが、そんなにいいのかなぁ、これ。 声量は相応にあるのだと思います。歌も相応に上手い。ヴァリアントも付けて頑張る。いいと思います。生でこれだけ聞ければまぁいいんじゃないでしょうか。ただ、あまりいい席で聞いていたわけではないにせよ、華が足りないというか、あまり面白くないような気が....... 素性の悪い歌い方ではないんだけど、好き嫌いとは別に、あんまり面白くないなぁ、という感じでした。まぁ、聞きに行っておいてなんだけど、「愛の妙薬」だしね。 他はそれぞれに座付レベルなりに聞けるレベルでした。オケもそうなんですが、決して高いレベルというわけではないんですが、破綻しない程度にうまいことやっていました。ネモリーノ役にせよ、ドゥルカマーラ役にせよ、一応聞けるレベルの歌は歌ってました。これだけ出来ていれば、取り敢えず文句は言いません。 むしろ、それぞれのアンサンブルの良さを言うべきでしょう。合唱はその意味で良かったんではないかなと。田舎劇場のいい面が出るというか、いざという時の地力がしっかりしている感じです。 オケはどちらかというと残念な方向かなと。演奏自体にあんまり歌が出て来なくて、あっさりし過ぎという感じで。 指揮は、かなりメリハリをはっきりつけたもので、良し悪しはあると思いますが、結果オーライという感じでしょうか。 安くなっていたのでつい買ったのですが、この内容だと、ちょっと残念かな、と。演目も演目ですし。もうちょっと重い演目だったら、満足かな、という気もします。
2010年01月10日
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ミューザ川崎シンフォニーホール 14:00~ 1階 モーツァルト:「フィガロの結婚」~ 序曲 / "恋とはどんなものかしら" / "自分で自分がわからない" / 行進曲 / "スザンナは来ないわ ~ 幸せな思い出は何処へ" 交響曲第28番ハ長調 K.200 ランナー:お気に入りポルカ J.シュトラウスI世:ギャロップ「幸運の女神」 J.シュトラウスII世:皇帝円舞曲 「踊り子、ファニー・エルスラー」~ ジーフェリンクのリラの花 ポルカ・フランセーズ「クラップフェンの森にて」 オッフェンバッハ:「月世界旅行」~ ポルカ レハール:フラスキータのセレナード J.シュトラウスII世:ワルツ「春の声」 / トリッチ・トラッチ・ポルカ <アンコール> ペーター:レンツサーカスの思い出 レハール:「メリー・ウィドー」~ ヴィリアの歌 ペーター:レンツサーカスの思い出(スペシャルバージョン) ソプラノ:エヴァ・リンド コルソ・ウィーン 指揮:アルフォンス・エガー またしてもウィーン風ニューイヤー系のコンサート。実は順番飛ばしてまだ書いてないけどもう一つ行ったので、一体新年からどんだけ飛ばしてるんだお前は、という状況です。 よくある格安券が出たからとはいえ、珍しく一階席で聞きに行ったのは、エヴァ・リンドが出ているからであります。 エヴァ・リンド。Lind なので、濁らないと思うんですけどね。今はどのくらい知られているんでしょうか。1980年代末から1990年代初めに、結構いい声の、軽めの、コロラトューラというよりスーブレットと言った方がいいソプラノでした。Philipsに録音があって、結構良かったんですが、そのままローカルに埋もれていったらしいソプラノです。 http://www.eva-lind.at/ まさか今更日本に来るとは。でも、みなとみらいとかはいいんだけどプログラムがプログラムだしなぁ.....と思っていたのですが、ミューザの公演が格安、しかもモーツァルトメインのプログラム。これなら!と思って買ったのでした。 前半はモーツァルト。「フィガロ」から何曲かと、交響曲28番。 お目当てのエヴァ・リントは「フィガロ」から3曲。とはいえ、2曲はケルビーノのアリア。つまり、本来はメゾの歌です。さてどんなもんか? これが結構いいのです。ミューザの一階席、ってことは普通のホールなら一階センター前の方、で聞いていたので、全体としてどうかというのは測りかねる面はありますが、正直、多分声量は厳しいと思います。上の方は聞こえにくかったろうな、とは思います。ですが、いい声です。透明感のある、ヴィヴラートが殆ど掛からない、綺麗な声。 最初のケルビーノの二曲は、声量はともあれまずまず聞けるじゃないか、という感じでしたが、前半3曲目の伯爵夫人のアリアで全開。素晴らしい!声量が厳しかろう、というのはありますし、一部表現上ここはもうちょっと堪えて....という所も無くはない。でも、全体として、とてもよく歌えている。これがこの日一番の聞き物。 確かに、これでオペラ全曲をやるのはかなり厳しいでしょう。でも、エヴァ・リント、いいなぁ、と思ったのは、声量が厳しいとして、張り上げて無理に出したりせずに、無いなりにきちんと歌として丁寧に歌っている所。正直言って、ケルビーノのアリアとか、歌曲を聞いているようで、それはそれで問題ありと言えばありだけど、とても音楽として真っ当だな、と思ったのです。リート・リサイタルとかやらないのかな。やればやったで聞きに行くと思うんですが。 一階席あたりのお客さんで、エヴァ・リントを聞きに来た、というお客はいたのでしょうか。正直勿体無いくらい。 コルソ・ウィーンは、ウィーン・フィル及びその他のウィーンの各楽団の団員で構成されているそうで、まぁ、どんなもんでしょう、という感じではありますが、悪くないと思います。弦で10人くらい、総勢でも25人に満たないのですが、このくらいの人数がいると、それなりに音に厚みが出てきます。別にウィーン・フィルのトップ奏者が居るとかいうことではないですが、それでアンサンブルが乱れてるとかいうことでもないですし。 演奏自体は、まぁ、地味に普通に上手い、という感じでしょうか。という風に感じさせるけれど、目立った傷も無く、相応に歌いつつ、普通に聞き流せてしまう=引っ掛かる所も無く、格別不自然な起伏を感じさせることも無く、ごく自然体、というのは、実は音楽としてかなりいいということではないのかと。 後半はウィンナ・ワルツの類い。ええ、まぁ、いい演奏でした。てか、前半で十分盛り上がってしまったので、後は、まぁ...... 団員の遊び度が段々上がっていくのがまぁ面白かったかな、と。「クラップフェンの森にて」とか。「春の声」はエヴァ・リントの歌付き。 後半の聞き物はむしろアンコールだったかな。「メリー・ウィドー」のアリアは勿論エヴァ・リント。これもなかなか堂に入っていて良かったです。前後半にアンコール、合計6曲歌ってくれたので満足です。 ペーターの「レンツサーカスの思い出」は、ティンパニ奏者が木琴で超絶技巧を聞かせるという趣向。強烈な高速トレモロの連続で、なかなか面白かったのだけれど、3曲目での再演は各楽器奏者も張り合って妙技を披露するというオマケ付き。 明日・明後日(10、11日)とオペラシティで公演があります。明日は今日と同じプログラムで、明後日はモーツァルトの代わりにミュージカルだのルロイ・アンダーソンだのが入るプログラム。行くなら、エヴァ・リントのモーツァルトが聞ける明日でしょう。ってこの時間に言われても困るか....
2010年01月09日
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NHKホール 19:00~ 3階右手 第1部 ハイドン:「天地創造」~ "リラをとって" パーセル:「妖精の女王」~ "聴け、いかに全てのものが"(波多野睦美) ブロスキ:「アルタセルセ」~ "わたしは揺れる船のように"(岡本知高) モーツァルト:「後宮からの誘拐」~ "お前とここで会わねばならぬ" (望月哲也) "あらゆる苦しみが" (幸田浩子) / 近衛兵の合唱 ベルリーニ:「ノルマ」~ "清らかな女神よ ~ 私の胸に帰れ" (大村博美) ウェーバー:「魔弾の射手」~ 狩人の合唱 / "誰も気が付かないように" (松位浩) ベルリオーズ:「ファウストの劫罰」~ 地獄への騎行と悪魔の合唱 (二階谷洋右、与那城敬) 第2部 プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」~バルコニーのパ・ド・ドゥ (吉田都、ロバート・テューズリー) 第3部 オルフ:「カルミナ・ブラーナ」~ "運命よ、世界の王妃よ" ワーグナー:「ローエングリン」~ "私を呼ぶのはどなた ~ あの方の妻となるために" (緑川まり、小山由美) ヴェルディ:「オテロ」~ "清らかな思い出は遠い彼方に ~ 神かけて誓う" (福井敬、堀内康雄) 「運命の力」~ "神よ、平和を与えたまえ" (木下美穂子) プッチーニ:「トスカ」~ "妙なる調和" / "星は煌めき" (佐野成宏) R.シュトラウス:「薔薇の騎士」~ 第3幕3重唱 (佐々木典子、森麻季、林美智子) ハイドン:「天地創造」~ "大いなるみわざは成就し" 藤原歌劇団合唱部、二期会合唱団、新国立劇場合唱団 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:沼尻竜典 案内人:寺田農 新年恒例、NHKのオペラニューイヤーコンサート。今回は何やらドラマ仕立てで進行。あんまりこういうの好きじゃないな..........ある意味「分かりやすい」構成になってはいたのだろうけれど。 前半は、どうもちょっと、という感じ。 波多野睦美は、歌自体はいいんだけど、多分PAを入れてたんじゃないかなと。いや、PAがいけないんじゃなくて、勿論波多野睦美にも罪は無くて、そもそもNHKホールでバロックオペラのアリアを聴かせる事自体無理があると....... 一方、"ソプラニスタ" の岡本知高は、初めて聞きましたが、もういいや。不安定だし、確かに声量はあるみたいだけどあまり綺麗とは言い難いし。コヴァルスキーとかの正統派カウンターテナーに較べると、高い声が出るだけ、かなぁ。 幸田浩子のコンスタンツェも、5日の新国の方はまだ良かったけれど、この日は「コロラトューラソプラノ」の「ソプラノ」抜き、という感じで。全体に言って「歌える」の集まりかな、という感じで。 合間に入った「ロメオとジュリエット」のバルコニーの場。これがこの日一番良かったんではないでしょうか。特に吉田都。この年末年始にちょろちょろバレエは観たけれど、これが一番良かったかな。しかし、「ニューイヤーオペラコンサート」で良かったのがバレエってどうなんだ....... 後半は真打ち登場という感じ。各作曲家を時系列で演目を並べているだけなので、本来そういうことではない筈なんですけどね。 合唱は、ちょっと弱かったかなぁ。この各団体が総力上げて揃えたんだとしたら、もっと良かった筈なんですが..... 「オテロ」は、微妙。もう一つ弱いんだけど迫力はギリギリあるオテロに、取り敢えずインパクトはあるけどもう一つ大味のイアーゴ。でもまぁ、それなりに聴ける、という、なんとも微妙な...... Pace, pace, mio Dio を歌った木下美穂子も、なんとも微妙な...... スカッと「うん、いいねぇ」と思えたのは、やっぱりここでも佐野成宏のカヴァラドッシ2曲。特に Recondita armonia。これは良かった。 R.シュトラウスの3重唱は.......まぁ、悪くはないんだけど、やっぱり微妙かなぁ.......もうちょっとなんというか丁寧に............. 佐野成宏一人勝ち?でも、この人、毎々カヴァラドッシってのもあれだなぁ。もう少し他のレパートリーで売ってもいいと思うのだけど。 まぁ、新年吉例のご祝儀コンサートみたいなもんだし、こんなもんかな? しかし、どうして東フィルで、N響じゃないんですかね。
2010年01月08日
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東京文化会館 15:00~ 5階左手 (J.シュトラウスII世:春の声) ショパン:ピアノ協奏曲第1番 チャイコフスキー:交響曲第5番 <アンコール> ドヴォルザーク:スラブ舞曲(第1番?) ピアノ:小山実稚恵 東京都交響楽団 指揮:大友直人 新年最初のコンサートが都響......... 買った時はあまり深く考えず、久々に都響チェックしてみるか、的な感じで買ったのだけど、よく考えたら新年早々なのでした。 まだ3が日ですからね。珍しく宴会なんぞやっていて、結局上野に辿り着いたのはもう一曲目が終わる頃。まぁ、「春の声」一曲だから惜しくはないか...... で、ショパンの協奏曲。改めて聞くと、東京文化会館というのは大きいのですね。この曲にはちょっと容れ物が大きいのかな、と思わなくもない。まぁ、そういう繊細な音楽なのかも知れません。いや、5階で聞くのが悪いのか? まぁ、それはともかく、小山実稚恵はいいんだけど、都響が、なぁ.......やっぱり、なぁ......... ぶつ切りなんですよね、音楽が。フレージングもそうなんだけど、折角のメロディアスなショパンの音楽をどう展開して行こうか、どうフレーズを繋いで行こうか、というのが感じられない。 新年早々....................... なんでこうなっちゃうのでしょうね。 で、これがチャイコフスキーになるとどうなるかというと、これが、交響曲の5番なんですよね。で、お約束の力技でぶつ切り風に、というか波を作って力行するから、フレージングとかの問題にならないんですよね。最後は大騒ぎで終わるし。力技万歳、というか...... 自分で買っておいてこういうこと言うのも問題だとは思うけど、新年早々チャイコフスキーの5番で大騒ぎって、どうなんでしょう.......... しかも、力技。お客はド派手なので大喜び、ってところではありますが..........やっぱ、都響、だなぁ。 チャイコフスキーでもね、例えば、時節柄くるみ割り全曲とか、そういう選択だってあると思うんですよ。こういう演奏でやってしまう5番なんてやっても仕方ないと思うんだけど、やっぱり交響曲は上等なもので、演奏会としてはこちらの方がいいんでしょうか。 アンコールのドヴォルザークも、同系の演奏。 結局、音楽ってのは、送り手だけじゃなくて受け手も作ってるものだと思うんですよね。お客が育てる、なんてよく言うけれど、結局聞く側が求めるものに影響されてしまうことは否めない。目に見えない、明確な形で残らないだけに、尚のことそういう影響は大きいと思います。そういう意味では、受け手の問題は大きいのだと思うのですが.......... 新年早々、これかぁ........<行く方が悪い。多分。
2010年01月07日
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サントリーホール 22:00~ ピット席 J.シュトラウスII世:「ジプシー男爵」序曲 、 "生まれつきやり手の俺は" 「ウィーン気質」~ほろ酔いの歌 ワルツ シトロンの花咲く所 op.364 「ジプシー男爵」~ "誰が私たちに結婚式を挙げさせたのか" 無窮動/音楽の冗談 op.257 ワルツ ウィーンの森の物語 op.325 「ヴェネツィアの一夜」序曲 「こうもり」~ チャールダーシュ 「ヴェネツィアの一夜」~ "ああ、なんと素晴らしい眺めだろう" ワルツ ウィーン気質 op.354 「ウィーン気質」~ "これがなくちゃあ許せない" ポルカ・シュネル ハンガリー万歳 op.332 皇帝円舞曲 op.437 <アンコール> J.シュトラウスII世:美しく青きドナウ / 農民ポルカ カールマン:「チャールダーシュの女王」~"踊りたい" J.シュトラウスI世:ラデツキー行進曲 ソプラノ:ナターリア・ウシャコーワ テノール:メルツァード・モンタゼーリ ウィーン・フォルクスオーパー・バレエ団メンバー ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団 指揮&ヴァイオリン:オーラ・ルードナー 司会:星野知子 グリーン・メドゥ・ハンドベル・リンガーズ 大晦日にジルベスターコンサートを聞いてみよう・その2。 この手のコンサート、まぁそれはそれで嫌いじゃないんでいいんですが、我ながら少々物好きが過ぎますかね。 ついうっかりピット席を買ってしまっていたのに気付いて、少々ブルー。オケのみならピット席も悪くないんですが、歌手が入っているのにピット席........ダメじゃん<自分 まぁ、こういうコンサートだから、いいっちゃぁいいんですけどね。 フォルクスオーパー交響楽団とか言うけれど、この時期フォルクスは昼夜フル稼働している筈で、なので「フォルクスオーパーのメンバーを含むオーケストラ」くらいの意味なんでしょう。それはそれとして、演奏はそれほど悪くない。勿論それなりという話ではありますが、格別の艶とか色気とかがあるわけではないけれど、いい感じです。無理に色気を出そうと化粧っ気の多い演奏にするよりは、こういう演奏の方がいいですね。 指揮者のオーラ・ルードナーはよく知らない人ですが、ピット席から観ていると、なかなか機嫌良く指揮をする人の様で、ちょっとクライバーを思い出させるような雰囲気。なかなか面白かったです。まぁ、指揮姿が面白かったというのもなんですが....... 歌手の方は、裏で聞いてるので、正直良し悪しを言える状況でなし、割愛。まぁ、それなりに面白かったと思います。「ほろ酔いの歌」を歌ったソプラノのナターリア・ウシャコーワ、なかなか芸達者でありました。 むしろピット席からはバレエの方が面白かったかな。2組4人で、舞台上の前面、オーケストラの前を空けて、そこで踊るという形式。このスタイル、去年(?)の初めにオペラシティでも見たけれど、ちょっと怖いなあと思うのは私だけなのでしょうか..... 「シトロンの花咲く所」、「ウィーン気質」の2つのワルツと、ポルカ・シュネル「ハンガリー万歳」、それにアンコールの「美しく青きドナウ」で踊っていましたが、この距離で観るとやっぱり面白いです。バレエの場合は、決めポーズは逆から見ることになるけど、元々横長のスペースでやってるので、あまり裏表関係無いし。しかし、あの狭いスペースで、よくあんなにしなやかに踊れるもんだねぇ.... 昼の方もそうでしたが、この手のコンサートでは司会が入るんですね。あまりくどくどしく出て来なかったので、こちらはまぁ良かったかなと。プログラムが終わった所でカウントダウン、2010年おめでとう!という趣向。まぁ、なかなかに賑々しくて宜しかったんではないかと。 しかし、サントリーホールで終わって出て来ると、周りは全部閉まってて、なんとも寂しいものではありますなぁ。そのへんがイマイチだったかな?それはコンサートそのものやホールのせいではないんだけど(苦笑) え?結局どうしたか?日枝神社に二年参り?に寄って行きました。ハイ。
2010年01月06日
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新国立劇場 18:30~ 3階正面 第1部:バレエ 「グラン・パ・ド・フィアンセ」(チャイコフスキー) <間奏> J.シュトラウスII世:「ジプシー男爵」~入場行進曲 ローラン・プティの「こうもり」~グラン・カフェ(J.シュトラウスII世) 第2部:オペラ ヴェルディ:「アイーダ」~"清きアイーダ"、"勝ちて帰れ"# 「リゴレット」~"慕わしき御名"+ 「椿姫」~プロヴァンスの海と陸 オッフェンバッハ:「ホフマン物語」~"昔アイゼナッハの宮廷に"、 オランピアの歌+ ジョルダーノ:「アンドレア・シェニエ」~"祖国の敵" プッチーニ:「マノン・レスコー」~"独り寂しく、捨てられて"# マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」~乾杯の歌 <アンコール> プッチーニ:「トスカ」~"歌に生き、恋に生き"# ヴェルディ:「椿姫」~乾杯の歌+ 新国立劇場バレエ団 ソプラノ:ノルマ・ファンティーニ(#)、幸田浩子(+) テノール:ゾラン・トドロヴィッチ バリトン:堀内康雄 新国立劇場合唱団 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:大井剛史 / 菊池彦典 まだ大晦日の公演からして残ってるのだけれど、順序飛ばしてこちらから。明日も公演あるし。 いや、テノールのゾラン・トドロヴィッチがいいんですよ。もう何度か新国にも出てる筈なんだけど、あんまり聞いた覚えが無くて。さっき検索したら、2年前にドン・ホセで聞いてました。声量はあって悪くないけど田舎テノールだなぁ、という感じの感想でした。 そういや確かに田舎テノールだなぁ、とは思うのですが、今回の演目は力技が効く曲。なので、これは聞いていて面白かった。実質リサイタル形式で3曲しか歌っていないけれど、これがなかなか良かった。いや、正直言って、今日出て来た3人の中では一番歌として良く出来ていたと思います。確かに力押しではあるけれど、歌のフォルムは崩れていない。発音も比較的しっかりしているし、これが今日一番の拾い物。冒頭の「清きアイーダ」がよかったですね。 他の歌唱陣は、それに較べるとそれぞれに頑張ってはいるけれどもう一つ二つ、というところ。 ソプラノは2頭体制で、メインの扱いであろうノルマ・ファンティーニは.....声はあるんだけどねぇ。ヴィヴラート掛かりまくりで、発音がはっきりしない。正直、このタイプは苦手です.... 舞台で観ている場合であればまぁそれもそれで迫力あり、ってことになるんでしょうけれど、こういうガラだと少々。←贅沢 同じソプラノでは、もう一人幸田浩子も登場。正直言えばこちらの方がまだ良かった。実際、幸田浩子、前に較べると随分良くなってきたと思います。その上で申さば、良くはなったんだけど、やはり色々と..... そう言っちゃ厳しいんでしょうけれど、コロラトューラ・ソプラノの「ソプラノ」が落ちちゃう、とまでは言わないけどやっぱり弱いんですよね。それと、比較的弱くなったとはいえやっぱりヴィヴラートが掛かる。で、例えばジルダのアリアやオランピアの歌では、レガートで歌って欲しい所がどうしても切れてしまう。いや、切れてしまうのはスタイルにもよるから仕方ない部分もあるにせよ、歌として繋げて行こうという意識があまり感じられないのです。コロラトューラをやる人にありがちな歌い方ではあるのですが、ちょっといただけない...... バリトンは堀内康雄。まぁ、悪くなかったけど、ちょっと粗かったかな。 バレエの方は、最初がチャイコフスキーの音楽を繋いで作られた(白鳥の湖とか眠れる森の美女とか、その他色々?)「グラン・パ・ド・フィアンセ」。これは、正直、ちょっといまいちだったかな。6人が代わる代わるソロを踊る、というとちょっと豪華なんだけれど、技巧的に凄いものを見せてくれるわけではないし、スタイルもちょっと古風過ぎて、やや退屈だったかと。まだ書いてないですが、一昨日のNHKのガラでの吉田都の踊りとかの方が良かったかな。 後半はローラン・プティの「こうもり」から「グラン・カフェ」。これはまぁ賑々しくて新年らしかったかな、と。 オケは悪くないんですが、バレエの方は、若干アインザッツが合わなかったりした所も。まぁ、概ね大丈夫だったとは思いますが。指揮は、くるみ割り人形を振った若手の大井剛史。まぁ、良かったんじゃないかと。オペラの方が、菊池彦典だったのだけれど、ちょっとどうだったかなぁ。プログラム最後のカヴァレリア、テノールのソロから合唱に入る所で、大減速させたり、ちょっといただけませんでした。よくブーイングが出なかったな、と。こういう公演は、本来であれば、芸術監督とかが振る物ではないのかしら?まぁ、いいですけど。
2010年01月05日
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ミューザ川崎シンフォニーホール 15:00~ P席 J.シュトラウス2世:ワルツ「南国のバラ」 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 <独奏アンコール> シューマン:子供の情景~ トロイメライ 近藤岳:ジルベスター2009 ヴェルディ:「アイーダ」~凱旋行進曲 マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」~間奏曲 ヴェルディ:「ナブッコ」~" 行け、我が思いよ、黄金の翼に乗って" マスネ:「タイス」~瞑想曲 ワーグナー:「ローエングリン」~第3幕への前奏曲、結婚行進曲 /「タンホイザー」~大行進曲 <アンコール> エルガー:威風堂々第1番 "Land of hope and glory" J.シュトラウス:ラデツキー行進曲 ピアノ:小川典子 オルガン:近藤岳 ヴァイオリン:大谷康子 MUZAジルベスター合唱団 東京交響楽団 指揮:秋山和慶 司会:梅田陽子 大晦日を日本で、というのも久々のような気が。 岩城宏之の、2度目にして最後となったベートーヴェン交響曲全曲演奏会が前回のような気がします。色々紆余曲折あって、今は小林研一郎がやっているけれど、ちょっとなんだかなという気がします。あれは岩城宏之が格別の思い入れがあってやり始めたことで、2度目の時のドキュメンタリーを少し見たことがあるけれど、そういう思い入れに対して後を継げるような話なのかな、と。小林研一郎ってのも、ちょっと、ねぇ。そういう関係だったのかしらん。 それ以前に、毎度毎度ベートーヴェンの交響曲聞きながら年越しってのもちょっとね、てなわけで。 だからって他のもの聞きに行く必然性があるのか?と言われると、それはそれで色々あるのではありますが......まぁ、何か聞きたくて買ってしまったので。 最近はこの手のジルベスター・コンサートというのが結構あるようで。確かに、年末年始くらいしかゆっくり休めないし、という向きには、コンサートに行くのには丁度いい時期かも知れません。 前半はワルツ一曲に続いて、主に目当ての小川典子独奏のチャイコフスキー。チャイコフスキーのピアノ協奏曲は、有名な割に、というより有名過ぎてやりにくいのか、実はあまり実演では聞いたことがありません。なのでちょっと楽しみにしていたのではあります。 うーん..........まぁ、パワフルな演奏であります。ま、そういう曲と言えばそうなので、それはそれでいいのかとは思うんだけど、小川典子ってこういうピアノを弾く人だったのね.......ちょっと意外。まぁ、これはこれでいいかなと。それと、なんつーか、やっぱり東響はなぁ.......秋山和慶だから、まだ丁寧ではあるんだけれど。 後半は、オルガン独奏から。まぁ........ねぇ........こういうコンサートだからねぇ... で、その後は、オペラからの合唱やオーケストラ曲を集めたもの。まぁ、ポピュラーコンサートといった趣向でしょうか。合唱や独奏が入る分だけゴージャス、という。これはこれで悪くはないんだけど、なんというか、その、もうちょっと「歌って」欲しいなぁ....... 合唱は.......発音、頑張りましょうね........ まぁ、こういうコンサートだから、あんまりあれこれ言うもんじゃないなとは思うので。タンホイザーとか、それなりに楽しく聞けました。やっぱり景気いい曲が多いですね。それはそれで元気が出るというものではあるか。 アンコール、最後のラデツキー行進曲はまぁお約束として、最初の「威風堂々」、というより「希望と栄光の国」はどうなんだ........ いや、確かに映える曲ではあるけれど、あれって思いっきりブリティッシュな曲ですが、敢えてこれをここに持って来る趣旨は.........?よくわかんない(笑)英語詩なんですが、意味分かって歌ってるのかしら...........とにかくやりたかったのかな? 来年、ってーかもう今年か、は.....どうしたもんかなぁ.......
2010年01月04日
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新国立劇場 14:00~ 4階左手 チャイコフスキー:くるみ割り人形 金平糖の精:本島美和 王子:山本隆之 クララ:伊東真央 雪の女王:西山裕子 ドロッセルマイヤー:森田健太郎 ネズミの王様:小笠原一真 くるみ割り人形:福田圭吾 新国立劇場バレエ団 東京フィルハーモニー交響楽団 東京少年少女合唱隊 指揮:大井剛史 まだ去年分でやんの(笑) 新国立劇場のくるみ割り人形を見るのは久し振りかも。世間的には平日なので、お客は必ずしも満員ではなかったけれど、定番ものということもあって、お子様連れを中心に結構埋まってました。ホワイエでは仮装したスタッフが接客しているし、こういうところは結構頑張ってますね。新国立劇場というと、ついついオペラ公演だけ見て云々したくなるようだけれど、バレエ公演は結構着実に、地道に努力を重ねているのかな、という気はします。勿論、内容については、どうしてもレベル差というのはあるけれど、そのへんはむしろ見れば分かってしまうだけに、その中でベストを尽くす、というのがきちんと出来てるのかな、という気がしたりします。ある意味オペラよりは分かり易いかな。 今更くるみ割りかい、という向きもあるかも知れませんが、意外とバカにする人に限ってあまり見てなかったりするんですよね。この時期、ヨーロッパに行くと結構くるみ割りは定番なので、実は結構見てるような気がします。 今回は新国立劇場の新演出ということで、どこがどう新しいか、と言われると咄嗟には難しいのだけど、最初と最後にオペラシティ界隈と思しき場面が出て来たりして、今風にリアリティを出してみたり、最後にはドロッセルマイヤー実はサンタクロースという趣向で、舞台奥で空に向かってそりで離陸してくれたり、なかなか楽しい趣向です。クリスマスツリーが空に向かって伸びていって、というのは、前の演出でもそうなってましたっけ?昔、ニューヨーク・シティバレエの結構有名な舞台で名物になってる、巨大化するクリスマスツリーを見たことがあるけれど、そこまでではなかったかな。でも、それなりに視覚的に分かり易くて、面白かったです。 バレエ自体は.....私はよくわからないので、パス(笑) 「これは!」という名手が出ているわけではなかったので、まぁ踊りとしてはそれなりでしたが、だからといって特段不満があるわけでもありませんので、これはこれでいいかな、と。まぁ、くるみ割りも、第九と同じで季節ものだから... 音楽は、勿論バレエ音楽としての制約はあるけれど、良かったと思いますよ。下手なコンサートよりいいんじゃないかな、と思います。
2010年01月03日
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あけましておめでとう御座います。と、新年からやる気無く2日に書いているこのていたらく(笑)まぁ、こんなもんですよ...... 去年も、「今年は行くの控えよう」とか言ってたのに、気が付いたら空前の勢いでコンサート通いしていたような........今度こそ控えよう.......... 多分今年あたりは、不況の影響が本格的に色々目に見えて来るんだと思います。 2年前には、もっと直接的な形で(例えばアイスランド国立響の公演中止とか、呼び屋の倒産とか)出て来ていたけれど、予定そのものがなくなる、という形で厳しくなっていくのではないかな、と思います。だから、控えるも何も行くコンサート自体あんまり無いかも知れないし。 まぁ、大変そうな年ではありますが、せいぜい楽しみたいと思います。
2010年01月02日
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