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34人もの犠牲者を出した。京都アニメーションの火災。前回は、建築基準法の趣旨の解釈を誤ったたではないか?と書きました。では、なぜ、趣旨の解約を誤るようなことが起こるのでしょうか?これを読んでいらっしゃる方が、建築の専門の方であればわかるとは思いますが、一般の方に、建築基準法のややこしさというか?複雑なことはなかなか理解していただけないと思いますので、少し、建築基準法についてお話してみたいと思います。建築基準法は、建築が安全であり、「国民の生命、健康及び財産の保護を図り、、、、」とあるように、安全であるように様々な基準が盛り込まれています。しかし、建物は安全性を高めるだけではなく、使いやすく快適性も求めらることから、安全性と快適性のバランスを取りながら設計をしています。今回で言えば、火災が起きた時の危険から、生命を守るという部分がしっかり機能しなかったために多くの命が失われたことになります。主要構造部が準耐火構造ではない「ロ準耐-2」特に問題なのが建築基準法施行令112条9の条文にある「主要構造部を準耐火構造とし、、、、、、」と準耐火構造より燃えやすく? した場合には、竪穴区画を免除するような言い方になっていたことです。この条文を根拠にすると竪穴区画が免除できてしまいます。ここで、ややこしいのが、この建物が「準耐火建築物」の性能を求められていたとしても「ロ準耐-2」という形式にしてしまうと、「主要構造部が準耐火構造ではない」「準耐火建築物」が可能になってしまうのです。違法か、適法かで言えば適法ということになりますが、何故、この条文ではわざわざ、耐火性を下げた建物にすると竪穴区画を免除するというようなことを言っているのか、理解できません。わかりやすく言うと、建物の構造を火に強いコンクリートにすると竪穴区画を設置しなければならないのに、コンクリートより火に弱い鉄にすると竪穴区画が不要になる。というようなことです。条文では主要構造部を準耐火にしなければ、竪穴区画不要ということですから、例えば階段を鉄製のものから、木製にすれば、やはり竪穴区画が不要になってしまいます。つまり、耐火性を下げると、避難設備を緩和できるという不思議な条文になってしまっているのです。誰かが意図してそうなっているのか、たまたま、条文の組みあ合わせで齟齬ができて、こんな抜け道のようなことになってしまっているのかわかりませんが、不思議です。実際に、私自身、この条文を使い竪穴区画を免除し、オープンな空間を設計したことはありましたが、建物の性格を考え3層吹き抜けの階段には不安を感じ、自主的に区画の扉をつけました。1982年にホテルニュージャパンというホテルで火災があり34名の方がなくなりました。この後、建築基準法だけでは安全性が確認できないということで、建物の種類と規模によっては、防災評定という方法で、専門家が、個別に安全性を確認するというプロセスが出来ました。その成果があってか、その後、一度火災によって大勢の死者がでることはなくなりました。今回、たとえ適法ではあっても、総合的に見て、危険性を予見できる場合には、配慮があってしかるべきだったのではないかと思いました。ただ、むやみに厳しくするのでは、簡単でも、「煙の降下時間」と「避難時間」の比較をし、避難の安全性を確認できるような知見が、審査する側にも、設計する側にもあれば、このようなことにはならなかったのではないかと思います。かなや設計 環境建築家 金谷直政
2019年07月29日
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4級建築士の金谷です(ほんとは1級です) 多くの報道やサイトでは、「今回の建物の違法性はない」というコメントが多いですが、その根拠は非常にあやふやです。3つの例を挙げると ■消防法上の違法性がないというコメントが多いようですが、建築の火災について、防火区画や排煙に関することは建築基準法です。テレビで「元東京消防庁の○口隆夫」という方が「法律違反はありません」と言っていましたが、これは消防法上のことに限ってだと思います。 ■また、一般の方が、建物の避難ということで、建築基準法の「避難階段」の設置要件を調べて、避難階段の設置は5階縦以上の物件からと考えていますが、これは「避難階段」の設置要件であり、世の中の全ての階段が避難階段により避難するわけではありません。「避難階段」以外の階段でも安全に避難できるようにしなければならないのです。 ■今回の、建築上の問題点は、「防火区画」の内「竪穴区画」(建築基準法施行令112条9)がしっかり確保されていなかったことです。 竪穴区画とは、ざっくり言うと、吹き抜けや階段などで上下階の空気がつながってしまうと、火災時の煙が全体に広がってしまうので、それを防ぐ区画が必要になるということです。 ですから、今回のような3層にまたがる階段の場合は、竪穴区画をつける必要があります。いくつかの緩和規定がありますが、今回はその緩和規定には当たりません。 今回は、この竪穴区画の条文の裏技的解釈により、竪穴区画が免除されていると推察します。 裏技的な解釈とは。この規模の建物だと建物の耐火性能は「準耐火建築物」以上にしなければなりません。しかし「準耐火建築物」の中に「ロ準耐-2」という構造があり、主要構造部を「準耐火構造」より脆弱にすることで竪穴区画を免除できることになる。という解釈が可能になるのです。 これは、知っている人は知っているという裏技的解釈で、一級建築士でも知らない方も多いと思います。 問題の条文は、「竪穴区画」を規定している建築基準法施工例112条9の冒頭で、「主要構造部を準耐火構造とし、かつ、地下又は3階以上の階に居室を有する建築…」とあり、この階段部分を区画せよということなのですが、「主要構造部を準耐火構造」にしなければ区画しなくても良い。と読めてしまいます。ですから、準耐火構造よりも脆弱な耐火性能、例えば不燃程度、にすれば竪穴区画が免除されるという不思議な解釈が導かれてしまうのです。 建築基準法施行令112条9 でも、これは全くおかしな話で、「耐火性を脆弱にすることで避難経路の安全性を低くすることができる」緩和っておかしくありませんか?通常緩和とは、何か他の安全性が確認できるから、条文で必要なものを免除できるとういうのが常識なのではないのでしょうか? 建築基準法のほとんどは仕様規定です。仕様規定とは「こういう場合にこのような措置をしておけば良い。」という取り決めであり、「これだけの火災に危険性があるから、これだけの措置が必要」というような根拠に基づいたものではないのです。 ですから、今回のような裏技てきな法解釈がまかり通り、このような惨事につながったのだと思います。 ただ、法は法なので、裏技とはいえ違法ではないのです。今回のような物件の場合に限らず、趣旨から考えるとおかしい場合などは、合理的な検討が必要と考えます。例えば「煙の降下時間>避難時間」という数式で検証し、避難の安全性を担保するような手順を踏む必要があるのかもしれません。 これが、複雑になりすぎるのは申請業務が冗長になるので歓迎できませんが、少なくとも、確認申請の窓口で対応している担当者(設計者も検査する側も)が、法の趣旨を考えて避難安全の原理を理解したやり取りが必須だと思います。 何故こんな危険な建築が存在していたのか?という疑問の答えは、建築の確認審査の段階で、条文の裏技的な解釈で適合しているし、安全性の趣旨を理解しなかったことが原因と思います。 かなや設計 環境建築家 金谷直政
2019年07月27日
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京都アニメーションは、何故大惨事になったのか? 34名もの犠牲者を出した京都アニメーションの火災。何故、これほどの惨事になったのでしょうか? 報道などから明らかになっている情報では、 建物の概要は、3階建て、延床面積700m2程度、屋上に通じる区画された階段、1階から3階につながる螺旋階段 生存者の証言では、あっという間に、黒い煙が螺旋階段から建物中に広がったとのことです。 螺旋階段は、区画されていなかったので、煙の通り道になってしまったようです。建築基準法では、「防火区画」というのがあって、その中の一つに「竪穴区画」と言うのがあります。これは、上下階を結ぶ階段や吹き抜けがあった場合に、壁、扉やシヤッターなどで区画するといすうものです。 建物の用途や、竪穴の設置場所などにより緩和はあるのですが、今回の螺旋階段については、緩和の理由がありません。 なぜ、この螺旋階段が区画されていないのか?竪穴区画が建築基準法で規定化されたのは1967年ですので、この建物はそれ以降に建てられているとすれば、この螺旋階段は区画されていなければならないはずです。 京都固有の緩和規定があるとも思えません。考えられるのは、 確認検査での判断ミス。 完成後に改修があった 等、でしょうか?そうなると、、この惨事の原因は、放火だけではないかもしれません。 かなや設計 環境建築家 金谷直政
2019年07月26日
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