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2024/07/28/日曜日/すでに先週、駅を出たら、あっちーと叫ぶ男子あり。今月の初訪問①更科丸屋 京橋細い路地裏にひっそり、と思いきや。サラリーマンや勤労者のお昼とあって、満席。せいろは750円。京橋でこの値段はありがたいねぇ。午前レッスンで腹ペコ過ぎて、禁侵しの天丼セット1350円を食す。お蕎麦二八と思われる、は冷水締め方が冷えありぬるめなまだらだったが、蕎麦そのものは美味しい。せいろの量は十分、天丼の油はちょっと重かった。②さか本 祖師ヶ谷大蔵何と、街の蕎麦屋の店頭に先客3名並び待ち。昔からの人気店らしい活気あり。もりそば750円は蕎麦粉100%とのこと。残念ながら多分機械打ちで、蕎麦の香りは落ちる。独特のツルツル感のある平麺量が私的には少な目なので、大盛り選択必至。ツユはカツオが効いた甘め濃口で私好み、ネギは青いところもざっくり、ワサビは粉かな。お店を出たら、店員さんが厨房裏口に生麺を運んた。店の裏辺りで仕込んでいる様子。他にいつもの ふじたの十割蕎麦神保町とお茶の水と水道橋トライアングルの松翁の十割蕎麦。ここまでやって来た暖簾が出てるとほっとオアシス。見事な十割蕎麦は食べると暑さがすっと引く。今や松翁がふじたより百円お安い千円。千円十割。ここはとろみのある熱々の蕎麦湯を出してくれるのが嬉しい。おつゆがなくなった後も自家製のフレッシュな七味を散らして頂く。あー良きかなさて、今月の最後は昨日訪れた富士見町、長野にしむら以前は夜も営業していた?ようにも思うのだけど現在は昼間のみ。予約必至で、予約受け入れは11時か13時そば定食2300円のお値打ちは、先付けの小品とそばかきと選べるデザート、キャトルセゾンのケーキやタルトと美味しいコーヒーお蕎麦そのものは二八。量は100gかそれに欠けるくらい少なめ。大盛りはなし。冷水引き締めが少し不足でツユが甘勝ちというところかな。バンドルの、キャトルセゾンのクラシックで本格的なケーキは、ちょっと驚き。それもそのはず、パティシエはイタリアでドルチェに目覚めてイギリスのコルドンブルーで洋菓子を学んで帰国。敢えて実家のあるこの場所にお店を開いたという。今では弟さんがパンを焼き、何やら新しいお店も道路挟んだ目の前に出現、どんどん素敵な場所に変わって行くんだろうなあ。
2024.07.28
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2024/07/25/木曜日/少しだけ暑さひそむ6/8〜15滞在オールボーの空港から車で1時間の距離、小さな村の偉大なヤーンショップ、イサガーブティックデンマークの首都に住む人も、全てのヤーンを確かめたいならはるかここまで来るしかない。一つ一つ、マリアンネ・イサガーとスタッフの美意識に貫かれている素晴らしさよ、はあ〜。ウィンドウには蜜蝋キャンドルが灯されていた。間も無くヨハネマスだからかな?5年前訪れたとき、元幼稚園だったこの建物でワークショップをした。また幼稚園らしく、可愛いキッチンが見晴らしの良いところに据えられていて、それは今でもちゃんとあった。毛糸の棚の一つには、この地域産の蜂蜜も商品としてちゃんと並んでいた。これは5年前、ダイニングで出されて、参加者←もちろん私も!のリクエストで共同購入したのだった。↑このニットの上下、素晴らしい完成度。これはヘルガ・イサガーさんのデザインかな?ディテールへのこだわりがもはや職人。彼女は若い頃、ヨージヤマモトやコムデギャルソンに憧れ、日本に少し滞在したのだという。その感性が日本人ファンを掴むのに違いない。
2024.07.25
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2024/07/24/水曜日/地球が暑い〈DATA〉出版社 河田書房新社訳者 古川日出男2023年12月10日 初版印刷2023年12月20日 初版発行2016年10月刊行、池澤夏樹個人編集 日本文学全集09より、八の巻、九の巻、十の巻の収録。文庫化にあたり、一部加筆修正の上、書き下ろし『後白河抄・三』を加筆。〈私的読書メーター〉〈1.2とは打って変わり様々な女人登場となり興味深く読んだ。やはり浄瑠璃、歌舞伎でも繰り返し演じられる、巴御前。平家物語の語り口は、例えば屋島の波に隔てられた遠い都に残る妻子と維盛の涙くれる哀切調。そらと異なり素っ気なくも引き締まる。いうならば金襴緞子と晒し木綿の、登場者キャラ故の変調の口誦か。それ故切ない。物言わぬ名馬の瞳のように切ない。雅を解しない義仲のぶっきらぼうも味わい。重衡と遊女や千手の前との歌のやりとりにみる鄙の女の教養。夫の入水を知り泣き崩れる北の方傍で子らの養育を説く乳母の女房、力強し。〉男と男、男と女、或いは女と女その間に行き交うのは うた である。うた は思いを乗せて 心の水源から時間を掛けてゆっくり運ばれる、いとしい先へ届くものは何としても届く託される者は托す人と同じかそれ以上の気持ちで険しい山も大河の水も越えて行くのだから。届かなければ つき を眺める。あの方も、今日 このつき をながめやらぬと。そのように織り合わせた うた と山川これに あはれ をおぼえるよ、わたしは。
2024.07.24
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2024/07/23/火曜日/大暑はじまり〈DATA〉出版社 集英社著者 大田ステファニー歓人2024年2月10日 第1刷発行2024年2月29日 第2刷発行初出「すばる」2023年11月号第47回すばる文学賞受賞〈私的読書メーター〉〈こーゆー文体、ときどき詩体?みたいな、そんな本なのだけどめちゃめちゃ楽しめた!そんな自分がいたことに少し安心したよ、自分。白糸台とか国分寺とか府中とかの、いせきみたいに残るぽつぽつみどり、まだら。そんな風景も知らず知らず呼吸しているんだよねからだは。東京リベンジャーズをちょびっと思い出しながら、バイク通勤するお父さんが甲州街道で突然天に召されて悲しむんじゃなくてもう死ぬなんて許せないと怒りまくった知合いの小学生の女の子の、遠い日の強い瞳も蘇った。〉平家物語とか、本居宣長とか、柳宗悦とかに痺れている私め、こーゆー本どうなんだろうと図書館カウンターで受け取った時は杞憂した。つまんなかったら、速攻で下りるを旨として寝床で読み始める。読み始めはモヤかかる。気を失ってフェードアウトしたんだよね?いきなり場面変わる。授業をフケた感じになったクラスからフェードアウトしてるっぽい主人公、高校男子2年と、宅配車?をからかうみたいなスケボーじゃなくて同じ部類のナニ?、をめっさ乗りこなす女子に高度差を持って出会うんだけど。というか。それはかつてバッテリー組んでたそんじょそこらの男子ではかなわんピッチャーの春だった。音楽といけないお薬とどこまでも情けない主人公と、彼を取り囲むみんなが、それぞれに冴えないんだけど輝いてるあたり、青春?うわー小っ恥ずかしい文字でんな。
2024.07.23
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2024/07/21/日曜日/小暑の末日この暑さにも関わらず、お出かけの続く七月寝る間も惜しみ、読書も割愛してせっせと編んだよ目の下のクマさん居座りT_T↓とにかく編み上がり、糸始末も未だ↓成形中。リネン、ラミー混紡の輝きの明暗が美し仕上がり後には即ニット教室に着用して出かける。先生の仕上がりとは違い、ゆるゆるなので別物?寸陰惜しんで、嫌になる前に編みかけの冬糸バージョンを仕上げる。↓この残糸で編み切れるかと案じつつ。殆ど残り糸なく編み終わる。夏糸は5号針、こちらは糸も細め、冬用でもあり3号針でキツめに。冬用は冬生まれの娘へ、夏用は5月生まれの私に命短し旅せよ乙女♬
2024.07.21
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2024/07/19/金曜日/梅雨明けなのに蒸し暑滞在期間 6/8〜15 滞在中は全てこのダイニングで3食を頂く。その全ての食事を担うのが若きシェフのニコライくん←ちなみにデンマークではポピュラーな名前だとか。ロシア名?と思っていたら。フィンランドの娘さん、アシストしながら編み物の講座にも参加。夕ご飯はテーブルサービスの上、テーブル毎にワインが一品提供されていた。↓朝一番の水分、嬉しい。でもこれは初日だけだった。この容器、いいなぁ。我が家の梅酒用に必要!↓牛乳と豆乳、美味しいお塩↑かなり本格的な設備のキッチンが奥に見える。そのカウンターに並ぶお料理から食べる分だけ頂く。これが中々難しい。お代わりしたいと思っても、割と早めに片付けられる。撮り過ぎて残すのだけは避けたいた思うと、ツイ控えめに取ってしまう。残りは全て、飼っている羊やアルパカたち動物が美味しく食べてくれるので気にしなくて良いのだと帰国前に知ったT_T↑デンマークの伝統的な食事。羊ラベルのワインはオーストラリアかニュージーランド産。お皿のナプキンが牧草の色!グレイビーがとても美味しい!しかしジャガイモ2つとニンジン半分インゲン三本添えるともう満腹。夕方ヨガに参加したとはいえ、編み物しかしてないので空腹感が無いのです。いやはや。こんなに食べまくってたんだなあ。パンはおろか、クロワッサンも焼けるシェフの、めちゃくちゃ美味しいイチゴジャムにはなんと!バニラビーンズや八角がホールで入ってた。あとキルシュも効いてたけど、実はさくらんぼが入ってたのかな?画像を何回か撮り忘れ最後の日のディナーが素晴らしかった。子羊の脚を丸ごと塩で包み焼きしたメイン!生まれて初めて食べた。シェフが陶器の大きな箱をひっくり返し、塩の塊から子羊のモモが御開陳!鯛の浜焼き風?食後酒はミード間も無くヨハネスマスだからかな。今画像を見返すとほんとうにここにいたのかしら?あれやこれやと食べたのかしらんいささか、夢のようではある。これが夢ではないことを確認するためにはまたTverstedのワークショップに参加するしかないという無限ループにはまる。どうやらそんな方が多いらしく、5回目の方が複数いらしたのはびっくり。8回の開催中、7回参加された方もいるのだとか。何とも羨ましい。
2024.07.19
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2024/07/17/水曜日/曇りのち少し晴れグッドドクター以来の山﨑くん推しあの時に比べれば随分ワイルドな男臭さがプラスされたような。やっぱりそれでも、何とも言えない筋肉の柔らかなスプリングが格闘の中にも感じられる。恵まれた身体の持ち主なんだろうなあ。村の少年が将軍になりたい一心で駆け上がる様子を体現する身体=役者しかし、この映画に限っては大沢たかおという、稀有な役者に捧げられたフィルムだった。圧倒的な存在感、その大きさ。彼が命を賭して使える王を演じた吉沢亮は、これまた殆どアクションなしの、心の内だけの演技という難しさ。大沢たかおが余りに素晴らしかったので、他が霞むけれど、ギリギリ王の水準を持てたのは、監督の編集の能力でもあるのかな?何故こんな大将軍が生まれたのか、その背景が何度か過去に遡り描かれる。過去とは何と甘美なことか。もしも将軍が真の値打ちにおいて大将軍に変容しているならば。その甘美な記憶に、まさにぴたりと匂い放つような清野菜名、ではなかった!新木優子、の麗しさ。この美しさって中国の女優さんかと思ったくらい。山崎賢人演じる信を、おらが村の大将へと担ぎ上げる仲間たちの友情に目頭が熱くなる。ロードオブザリングのホビットのサムを思い出した。ところで、これで終章⁉︎それはないんじゃない。今まで徒だった信がようやく馬に乗れたのだよ?そしてそれは新たに大将軍に育ちゆく若い人が、今は亡き大将軍の魂である太刀を携え帰還するというリレーションの始まり。なのだからね。
2024.07.17
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2024/07/16/火曜日/梅雨の終わりの雨〈DATA〉出版社 KTC中央出版著者 桐島かれん写真 上田義彦2011年8月14日 初版第1刷2011年9月12日 初版第2刷副題 暮らしを彩るかれんな物語〈私的読書メーター〉〈桐島さんといえばお母様の洋子さん。大学時代の友人の部屋の書架に『聡明な女は料理がうまい』があって、タイトルが凄いなあと。その娘さん、かれんさんは年齢を重ねる毎に、お子さんが増える毎に、いよいよたおやかにフォトジェニックになっていくのを冊子でたまに見た。この本もどこか今は昔の「ミセス」を思い出させる。彼女の審美眼によるモノ、手仕事、室礼が時間の経過した画像で綴られ、家族の物語になっている。一番好きなのは「香炉」。文章の美しさ、思慮深さ、感受性に瞠目。私もこれからは顔をざぶざぶ洗った後、朝一番の香を焚こう。〉「考えてみると香炉というのは実に面白いものです。太古の昔から人類の最も重要な命綱だった火と嗅覚が、一つの器にこぢんまりと組み込まれているという、一筋縄ではいかない性格がまず面白い。かといえば溶鉱炉から暖炉に至るまで、極めて男性的なものなのに、香炉だけは女性的で、無骨な火がその烈しさを抑えて優美な香りにひざまずいているようでさらに面白い。香炉は自由自在に個性を発揮してさまざまに姿や素材を変えながらも、火と香りというもっとも本源的な存在を魂のように内蔵することで独特の存在感をみなぎらせているのです。」これがもっと孤高に研ぎ澄まされると白州正子さんに近づくのでは⁈などとも感じるけれど、彼女は何かのエキスパートになるよりも生活の全てを五感で楽しみ愛しむ人、かな。ご自分の母方祖父母の会話の様子が小津安二郎の映画を見るようだった、という感性がずっと引力を持って、反映されている暮らしぶり。
2024.07.16
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2024/07/13/土曜日/これからお茶会先月のニットクラスでN先生が身につけていたスカーフに強く惹かれ、教えて頂く。糸はローワンのコットン、100グラム編みきり、デザインはラベリーから。スカーフ名を聞いて納得の Traveling Woman!この名を予見して惹かれたのか自分は!感度高し、と妙に納得する。その昔、アイルランド東岸で見た、シープドッグを連れた女吟遊詩人の演奏してくれたバグパイプの音色と彼女の低く柔らかい声が蘇るよ〜以前にマンゴスチン皮で染めたウールの細い糸の編みかけを解いて、これで編むかな?そういえば100gソックヤーンが幾つかあり。とりあえず、編んでみる。うーん、でもやっぱり夏糸で編みたい。これはやがて冬のプレゼントになるかな?そこで、気になっていたダルマさん@恵比寿に出かけてみたのが先週。酷暑の中、渋谷駅、へーこんな改札口できたのかあと降りて歩く。渋谷から行くと工事中の奇妙な陸橋で山手線跨いだ向こうにお店が見えた。うーむ。おしゃれである。麻混コットン中細グレーを100gかわいいバッジと編み方本を買う。これこれ、この身体に寄り添う柔らかい質感が欲しかった。ラージサイズ選択で編み進める。先生のスカーフは糸の太さと針号数がぴったり。私は相変わらず緩い。まあこれはこれで良しとする。問題は100gジャスト編みにフィットする裾レース編みを何段とるか。4段編んだ時点で、最後の模様が意外に糸を消費することが分かり、解く。ライフラインを入れておけば良かった!の後悔先に立たず。レース編みを解くのに、3晩T_Tかかった。このところお出かけ多く、休日に編めないので仕上がりは未だ先かな。
2024.07.13
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2024/07/12/金曜日/初めて梅雨を味わう6/8〜15までの七つの夜を過ごしたお部屋ぼんやりしているのは夜更けかな…部屋はシングルベッドが二つ設置しているのだけれど、人数が当初より減ったため?個室になった。日本風にいえば八畳間くらいの大きさ。隣室もそんな風な様子で、バスルームは2人で一つという余裕。私のいる西側と対照的に東も二階ふた部屋みたい。↑この2階窓が私の部屋にある唯一の窓なんだけど、部屋の白、窓から見える外壁の赤煉瓦や牧草の緑で日がな明るい。↓ベンチ右端の異質な赤は空港ロビーでの編み物袋白、グレー、キナリ、木質の色絵画の草色、窓辺に置かれた北海の小石の色↑バスルームの天窓↓ゲストハウスキッチン色やトーン、質感。うっとりこ↓あ、この映画見たい!朝早くから夜遅くまで、ダイニングで編み続ける強者たちもいたようだけど、私は殆どうつらうつらと白夜と共に舟を漕ぐ。みんな自分の責任のもと、全く自由に過ごせる。日常の家事一切から離れ、編み物にダイブ!という感謝感激の1週間なのだ。
2024.07.12
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2024/07/10/水曜日/夜半から雨まじり青山のウォールナッツさんの旧店舗で購入した毛糸が何を編むつもりだったかも忘れられて放置されていたら、虫食いにあうT_Tこんな風に糸があちこちでぷっつん。虫さん好みのお味だったのだろう。何とかしたい。 分量的にはプルオーバーは難しいそうなので、ベストを編むことに。↑糸はこれ。かなり以前の購入なのでお安い!↓デザインはこちらを少しアレンジ「ヨーロッパの手あみ」から。手が緩いのできっちり編むために針は4号。例によって、数段編んでは間違いに気づいては後戻りを繰り返し、気がつくと5月半ばに編み初めてようやく6月下旬に編み上がる。額縁の中に森林が見える。色々アレンジして楽しめそうなデザイン。
2024.07.10
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2024/07/09/火曜日/夕方からぱらぱら雨6/8〜15ワークショップメンバーよりも一足先に成田を出た私はデンマークのオールボー空港でみなさんの到着を4時間半ほど待つことになっている。待っている間に到着と出発が数回あった。高校生?何か国際大会参加者の凱旋?ロビーお迎え付近に小さなテーブルがあり、国旗が置いてあったけれど、学校関係のみなさんがこれを盛んに振ってました(^^)かわいい。他にも出口付近に愛犬家に嬉しい配慮が、機内でもらったサンドイッチやスーパーで買ったラズベリーなんかを食べて編み物をして過ごす。編み物を始めるとその空間がなぜか親しい物に変わるのから不思議。23時を過ぎるとさすがに外は濃い青に沈む。めでたくみなさんを迎えてSkole guesthouse の割り当てられた部屋で荷物を解く頃にはカレンダーはもう翌日なのだった。
2024.07.09
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2024/07/07/日曜日/40度を超える都市あり〈DATA〉出版社 新潮社著者 玉岡かおる2024年4月15日 発行〈私的読書メーター〉〈近頃読んでいる平家物語のサイドストーリーに、と思いきやテーマは皇とは何であるか、という案外今日的な問いを含む。今こそ真剣に熱量を持って考えるべき国民的課題だと著者にハッパを掛けられたような。後鳥羽上皇は三種神器の内、初めて神剣無しに帝に着いた負目をかこち承久の変後は穏岐に遠流の身上。上皇の白拍子亀菊から菊紋刀を預かり、有綱、伊織、巫の奈岐の三者はその謎を解くべく平家落人の寒村を四国山地の剣山から石鎚山へ安徳帝の消息と草薙剣を追い求める。旅の途上、なぜこの三人なのかという背景が剣の真の命題と共に明らかに。〉剣のクエストといえばヤマトでは草薙の剣欧州世界ではアーサー王と円卓の騎士アーサー王伝説では湖からにゅっと剣を握る手が出て来るシーンが神秘的だ。これは剣を守っていた湖の乙女が、アーサーをブリテンの正統なる王であると認め、アーサーにエクスカリバーを差し出す場面だ。ブリテンの剣は水底から蘇る。剣に相応しい王が登場したのだから。ヤマト国の神剣は、未だ瀬戸内の海底で長い夢をみている。相応しい持ち主が現れないからか、、いやそうではあるまい、というのが著者の考えだ。剣の権威ではなく、ひと自身がそれぞれの運命を受け入れ成長していく、剣はそんな道標におきかわった結びとなっていた。ところで混乱するのが熱田神宮のご神体でもある門外不出の草薙剣。ご神体は2世紀から殆ど今の場所に奉納されており、瀬戸内に消えたのは形代なのだという説明を、実は熱田神宮で聞いたことがある。形代でも御霊分けされているからこれもホンモノ、あれもホンモノ、というのは合理的な理解では付いていけず。はあー、さようでとしか答えられない。エクスカリバーのように分かりやすい物語ではないが、どことなく受け入れてしまう私がいる。しかし、おのれの魂にも等しい剣を一夜ちぎった姫の枕元に置いて命を落とすなんて、日本武は何を血迷ったか、と。運が尽きるとはそういうことかと。再び神剣は鋳造され、宮中に奉納された。魂は何度でも蘇る。だから血眼になって剣の行方を追う必要はなかった。ただ神剣を打ち出せる匠こそ必要なのだった。
2024.07.07
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2024/07/06/土曜日/曇れば日差しはやわらか〈DATA〉出版社 美術出版社編集 榎本市子ほか2014年6月20日 第1刷BTBOOKS フェルメール16人の視点で語る最新案内本書は『美術手帖2012年6月号増刊 フェルメール』を再編集したものです。〈私的読書メーター〉〈長くフェルメールの絵が好きだ。特に〈デルフト眺望〉〈牛乳を注ぐ女〉〈小路〉〈レースを編む女〉そしてやはり〈真珠の耳飾りの少女〉。これらを所蔵する美術館で見た経験があるとはいえ、マウリッツハイス以外は随分昔のことなので、もう一度アムステルダムとルーブルの二つの美術館をゆっくりと再訪するのが夢。そんな予備学習と旅の憧れを掻き立てられる本書。16人がそれぞれのフェルメールを語る中で、中村恩恵さんのインタビューが出色だった。彼女はデン・ハーグに住んで踊っていた、時間芸術の対極を光の橋で繋いでいる。〉中村さんが参加していたのはイリ・キリアン率いるネザーランドダンスシアターNDS。とても活躍されていたという。今夏、NDSのステージが日本で5年ぶり?上演され、日本人ダンサー二人のツートップがあるらしい。そういえば、10年は昔、スイスのドルナッハそこでの観劇では、左隣にポーランドのご年配の女性、右隣にはオランダのダンスシアター振付家の男性、という体験をした。その男性とNDSの話をした時に出たイリ・キリアンの名前。男性が寄せたキリアンへの敬愛の声音をいまだに思い出す。演目の神秘劇は、会場で同時に三言語通訳がされ、その中に日本語が含まれていたので、私でも何とか着いていけたのだった。件のポーランド女性、演出の変わるたび5回だか7回だかを数十年にわたり観ているが、どんどんミニマムな舞台になり、貧弱過ぎて高揚感が無くなる、みたいな感想を述べられていた。きっと身分の高い人でもあったろうか。簡素を愛する私の民族性とはまた異なる感受性でもある。さてその舞台と同じ頃、日本のとある会場で中村さんをお見かけした。ヨーロッパで長く活動した方だけど、アジア的な静けさが揺るぎなく核にある佇まいが美しかった。音楽の調性の長短、音の長短、音の現れと消失。それらは光と影のようでもある。絵画にも空間にも舞台にも、糸で織られた、或いは編まれた色にもそれらは現れたら消えたりして私を魅了する。波が寄せそして戻る様子も。fait la mer.
2024.07.06
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2024/07/05/金曜日/暑さ酷ニットクラスのN先生ご愛用の白いサボ。いつも気になりながら、てっきりオランダの木靴だろうと思いこんでいた。つまりそれはあまり履き心地はよろしくないのだろうと想像していた。そんな折、イサガースコーレのワークショップ参加者で履いている方が2名もいるではないか。うーむ、確かにニットとの相性がよろしく思えるのは、多分手編み靴下にピッタリなのだ。履いてる方に聞いてみると、抜群に履き心地が好いという。そうだったのか!イスラエルで作られていて、日本の本店は奈良県の分かりにくい場所にあるのだとか。ほー。木靴ではなくキブツ。なのかは。調べてみると田原町と蔵前の中間の隅田川べりの古いビルの2階に東京店舗があった。ずっと、すぽんと履けるローファーを探していた、ということもあり覗いてみることに。仕事帰り、といってもなんと!ここは5時にお店が閉まるので、要注意。神田が職場で良いなぁ。見れば見るほど、履けば履くほど好印象ましまし。結局、思い切って買うことにしたのは未だ一度しか履いてないけれど、店員さん曰く、これから時間をかけて私ナイズに育てるのだとか。アフターケアもしっかりしていて嬉しい。履いてて嬉しい。
2024.07.05
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2024/07/04/木曜日/危険な暑さ〈DATA〉出版社 河田書房新社訳者 古川日出男2023年11月10日 初版印刷2023年10月20日 初版発行2016年、池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09より。文庫化にあたり加筆修正、「後白河抄・二」を加えた。〈私的読書メーター〉〈2巻では物語の四から七の段が語られる。は!は!と撥が弾く琵琶の音と共に。興福寺も東大寺も火炎に包まれ我が国伝来初の仏像経典が灰燼に帰したが、入道相国の臨終もまた紅蓮の炎に焼ける凄まじさ。幼い天皇、二十歳そこそこの上皇、更に法皇という複雑な権力構造を支え揺さぶり、やがて絶大な権力を手中にする清盛。倶利伽羅峠の谷底の水を血の色に変えて、人馬は重なり絶命する。行くは10万、帰るは這々の7千兵。誰の目にも落日平家の姿明瞭、哀れ。語り手は中国の、或いは日本の古今を自在にひもとく。中、能の演目が幾つも含まれ興味深い。〉もうひと月も前に読み、その間様々な出来事に遭遇してみれば、この読書の印象もはるか昔日のカンあるべし。禁裏からすれば、ほんの交代要員であった後白河帝。2年足らずで退くと幼い天皇を支える上皇として院政を敷く。この間には興福寺や叡山の僧兵を押さえるべく、或いは日宋貿易を公的に許可を与える事で莫大な富に裏打ちされた平家と二人三脚の権力を行使した。しかも大相国とうたわれた清盛の寿命を凌駕して、そもそも清盛が深く帰依した熊野詣は42回を数えたのだとか。平家が傾くと察すると直ちに住まいを飛び出て寺に匿われるなぞ、高齢になっても機敏に世の中を読んだ、最終的には後白河法王と呼ばれたこの人の、実は物語ではないのか『平家物語』
2024.07.04
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2024/07/01/月曜日/風、雨まじり6月は2回しか蕎麦にありつけなかった。最小回数ではなかろうか。お昼に自由な時間の取れない月だったのだなあ。しかし、支払いでビックリな変化が。いつもの蕎麦やの十割蕎麦が980円→1,080円に 爆上がりああブルータスおまえもか。せめてコストプッシュインフレではなく、従業員の賃上げ理由を期待したい。
2024.07.01
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