青森の弁護士 自己破産 個人再生 

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2009.01.27
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カテゴリ: 相続
共同相続人間において相続財産である可分債権につき遺産分割の対象でないことの確認を求

める訴えの適否

X1~X4及びY1・Y2はいずれもAの子であったところ、被相続人Aは、平成7年1月1日死亡し、

X1~X4及びY1・Y2がそれぞれ6分の1の割合で亡Aを相続した。

亡Aは預貯金を有していたところ、X1~X4は、この預貯金につき、各金融機関を被告として、

法定相続分各6分の1の割合による金額の支払請求をし、その支払いを受けている。

X1~X4及びY1・Y2の間においては、家裁でAの遺産分割審判事件が継続しており、ここでY1・

Y2が、本件預貯金を遺産分割の対象として分割してほしいと主張し、X1~X4はこれを争った

ため、X1~X4において、預貯金債権が「遺産分割の対象にならないこと」の確認を求めて本



原審は、訴えの適法性に関する特段の判断を示さないまま、訴えが適法であることを前提に

実体審理をし、X1~X4の請求を認容した。

高松高裁平成18年6月16日判決は、要旨以下のとおりの判断により原判決を取り消し、本件

訴えを却下した。

相続財産中に可分債権があるときは、その債権は相続開始と同時に当然に相続分に応じて

分割されて各相続人に承継され、共有関係に立つものではない。

家裁の実務は、可分債権も相続人間の合意を要件に遺産分割の対象となるとしている。

1 遺産分割審判手続における前記合意は、当該可分債権を当該審判手続において遺産分割の

  対象とするための要件であり、これが充足されているか否かの判断は事実認定の問題で

  ある。これは、家庭裁判所が審判手続中において遺産分割の前提問題として審理判断す

  るべきである。



  共同相続人間での上記合意が存在しないという事実の確認を求めるものであり、そのよ

  うな確認が紛争の抜本的解決に資するものということはできない。

3 共同相続人は、各自が単独で承継した分割債権に基づいて、金融機関に対し、個別かつ

  独立にその払い戻しを請求することができるのであるから、預貯金に関する帰属の確認を

  求める訴えは、その預金をめぐる紛争の解決にとって有効適切なものとは言えない。



遺産分割手続において、適切な解決を図るためには預貯金を分割の対象とする必要が高い一方

で、被相続人間で預貯金の取り扱いにつき意見を異にする例も少なからず存在する。

本件は実務の取り扱いの参考になると評されている。

          判例タイムズ1277号401頁

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Last updated  2009.01.27 07:28:24


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