青森の弁護士 自己破産 個人再生 

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2009.08.26
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カテゴリ: 損害賠償
民訴法248条により相当な損害額が認定されなければならないとされた事例

砕石権侵害の不法行為を理由とする損害賠償請求事件において、損害の発生を前提としなが

ら、民法248条の適用について考慮することなく、損害額を算定することができないとして請

求を棄却した原審の判断に違法 があるとされた事例(最高裁平成20年6月10日三小法廷判

決)

「事案の概要」

本件は、砕石業を営むXが、Yの砕石行為によってXの砕石権が侵害されたので、Yらに対

し、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。

Xは、平成7年7月20日当時、本件土地1及び土地2について砕石権を有していたところ、同日



砕石の禁止等を求める仮処分を申し立てた。X・Y間においては、和解が成立し、本件土地

2についてはXに砕石権があり、本件土地1についてはYに砕石権があることを確認する旨の

合意と、右合意は本件和解時までに発生した砕石権の侵害等に基づく損害についての賠償請求

を妨げるものではないことの確認がなされた。ところが、Yは、和解後に、Xに砕石権があ

ると確認された本件土地2において砕石を行った。


「判旨」

原審は、Yは、本件和解後、本件土地1を含む係争地の南側部分につき砕石権を取得して実際

に砕石を行っていることから、Yが本件土地1において平成7年7月20日の発破により砕石した

量と、本件和解後に砕石権に基づき砕石した量を抽象的には観念できるとしても、これを区

別しうる明確な基準を見出すことはできないと判示して、XのYに対する本件土地1の砕石

権侵害に基づく損害賠償請求を棄却した。



前記事実関係によれば、Xは、本件和解前には本件土地1についても砕石権を有していたと

ころ、Yは、平成7年7月20日から同月27日ころまでの間に、本件土地1の岩石を砕石したと

いうのであるから、上記砕石行為によりXに損害が発生したことは明らかである。そして、

Yが上記砕石行為により本件土地1において砕石した量と、本件和解後にYが砕石権に基づ

き同土地において砕石した量とを明確に区別することができず、損害額の立証が極めて困難



相当な損害額が認定されなければならない。

本件は、先例が多いとはいえない民訴法248条により相当な損害額を認定しなければならな

い場合につき、最高裁が一つの事例を加えたものとして実務上の意義を有すると評されて

いる。

                          判例時報2042号5頁


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Last updated  2009.08.26 06:31:46


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