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臨時員に対する雇い止めにつき解雇に関する法理を類推すべき場合において、その雇い止めが有効とされた事例(最高裁 昭和61年12月4日判決 日立メディコ事件)
「事案の概要」
Yは、昭和45年12月1日、契約期間を同月20日までと定め、Xを柏工場の臨時員として雇用し、同月21日以降期間2カ月の労働契約を5回にわたり更新してきた。
ところが、柏工場においては、間もなく不況やドルショックの影響により製品在庫が急増し、翌46年9月末には適正在庫量の2倍の在庫を抱えるに至った。
そこで、Yは、柏工場の人員削減計画を作成し、その一環として同工場の臨時員14名全員を、契約期間満了をもって雇い止めとすることにした。
これに対し、Xは、本件雇い止めを無効であるとして、労働契約上の地位の確認等を求めた。
「判旨」
2ヶ月の労働契約を5回にわたり更新してきた臨時員に対し,使用者が契約期間満了による雇い止めをした場合において,右臨時員が季節的労務や特定物の製作のような臨時的作業のために雇用されるものでなく景気変動に伴う受注の変動に応じて雇用量の調整を図る目的で雇用されるもので,その雇用関係はある程度の継続が期待されていたものであり,右雇い止めの効力の判断に当たっては,解雇に関する法理を類推すべきであっても,独立採算制がとられている工場において,事業上やむを得ない理由によりその人員を削減する必要があり,余剰人員を他の事業部門へ配置転換する余地もなく,工場の臨時員全員の雇い止めが必要であるとした使用者の判断が合理性に欠ける点がないと認められるなど判示の事情があるときは,当該雇い止めを無効とすることはできない。
判例タイムズ629号117頁
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