青森の弁護士 自己破産 個人再生 

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2012.02.21
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カテゴリ: 契約
個品割賦購入あっせんにおいて,購入者と販売業者との間の売買契約が公序良俗に反し無効であることにより,購入者とあっせん業者との間の立替払契約が無効となるか(最判平成23年10月25日)

「事案の概要」

信販会社Yの加盟店Aとの間で,Aの女性販売員による思わせぶりな言動を交えた勧誘に応じて,指輪等の宝飾品をその本来の価値を大きく上回る代金額で購入する売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結し,Yとの間で,その購入代金立替払契約(以下「本件立替払契約」という。)を締結したXが,Yから事業譲渡を受けたZに対し,<1>(ア)本件売買契約は公序良俗に反し無効であるから,これと一体の関係にある本件立替払契約も無効である(イ)退去妨害による困惑又は不実告知による誤認の下に本件立替払契約の申し込みをしたから,消費者契約法の規定によりその意思表示を取り消したと主張して,不当利得に基づき,既払割賦金の返還を求めるとともに,<2>Yが加盟店の行為につき調査する義務を怠ったためにAの行為による被害が発生したと主張して,不法行為に基づく損害賠償を求め,他方,ZがXに対し,本件立替払契約に基づく未払割賦金の支払いを求めた。

「判旨」

個品割賦購入あっせんにおいて,購入者と販売業者との間の売買契約が公序良俗に反し無効とされる場合であっても,販売業者とあっせん業者との関係,販売業者の立替払契約締結手続への関与の内容及び程度,販売業者の公序良俗に反する行為についてのあっせん業者の認識の有無及び程度等に照らし,販売業者による公序良俗に反する行為の結果をあっせん業者に帰せしめ,売買契約と一体的に立替払契約についてもその効力を否定することを信義則上相当とする特段の事情があるときでない限り,売買契約と別個の契約である購入者とあっせん業者との間の立替払契約が無効となる余地はない。

  本判決が信義則を根拠として,個品割賦購入あっせんにつき,売買契約が公序良俗に反し無効である場合にこれと一体的に立替払契約についてもその効力を否定すべき場合がありうるとの解釈を示すとともに,そのような場合に該当するか否かの判断にあたり考慮すべき事情を例示していることは注目に値する。

 なお判決は,本件について,上記特段の事情があるということはできず,本件売買契約が公序良俗に反し無効であることにより本件立替払契約が無効になると解すべきではないと判示し,消費者契約法の規定による取消し及び不法行為の主張についても理由が無いと判断して,Xの請求をいずれも棄却すべきものとした。

判例タイムズ1360号88頁






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Last updated  2012.02.21 18:04:51


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