青森の弁護士 自己破産 個人再生 

青森の弁護士 自己破産 個人再生 

2013.03.11
XML
カテゴリ: 破産
破産手続開始決定前に成立した保険契約について、同決定後に保険事故が発生した場合における、保険金請求権の破産財団への帰属(東京高裁 平成24年9月12日決定)

「事案の概要」
破産者であるYは、破産手続開始決定前から長男Aを契約名義人及び被保険者とする生命保険契約及びこれと同種の共済契約を締結していたが、破産手続開始決定後にAが死亡したため、死亡保険金及び死亡共済金の払い戻しを受けた上、これを現金化して保管している。
破産管財人であるXは、Yに対し、右保管金を引き渡すよう申し入れたが、拒否されたため、破産裁判所(原審)に引渡命令の申立(破産法156条1項)をしたところ、原審はこれを認容した。
Yは、本件保険金請求権はYの自由財産であり、「破産財団に属する財産」には該当しない旨主張して、即時抗告をした。

「判旨」
一般に、保険金請求権は、保険契約の成立とともに保険事故の発生等の保険金請求権が具体化する事由を停止条件とする債権であって、抽象的保険金請求権のまま処分することが可能であるのみならず、法律で禁止されていない限り差押えを行うことも可能であるところ、破産手続開始決定が、破産者から財産管理処分権を剥奪してこれを破産管財人に帰属させるとともに破産債権者の個別的権利行使を禁止するもので、破産者の財産に対する包括的差押えの性質を有することに鑑みると、その効果が抽象的保険金請求権に及ばないと解すべき理由はない。
したがって、破産手続開始決定前に成立した保険契約に基づく抽象的保険金請求権は、「破産手続開始決定前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権」(破産法34条2項)として、破産手続開始決定により「破産財団に属する財産」になるというべきである。
そして、本件保険契約は抗告人を死亡保険金受取人として、本件共済契約は抗告人を最優先順位の死亡共済金受取人として、それぞれ本件開始決定前に成立しているから、本件保険金請求権は抗告人の破産財団に帰属するものと認められる。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.03.11 13:59:29


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: