青森の弁護士 自己破産 個人再生 

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2013.07.24
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カテゴリ: 商事
会社保有の他社の株式を、取締役が著しく廉価で自己の関係者に売却したことにより会社に損害を被らせたとして、取締役の会社に対する任務懈怠による損害賠償が認められた事例(大阪地裁 平成25年1月25日)

「事案の概要」

本件は、Xの代表取締役Y1及び取締役Y2、Y3が、Xが保有するAの株式68万株を著しく廉価な1株当たり100円でYらの関係者に売却したことが、YらのXに対する任務懈怠にあたるとして、XがYらに対し損害賠償を求めた事案である。

Xは、不動産の賃貸等を業とする資本金1000万円の会社であり、AはY1の父Bが創業した水道管用特殊継手の製造販売等を業とする資本金9800万円、発行済株式総数191万5000株の会社である。

「判旨」

本件譲渡有効株式の評価に当たり、配当還元法を無視することはできない。上記の事情のほか、本件に現れた一切の事情を考慮するならば、DCF法を基本とするものの、配当還元法を15パーセント考慮した加重平均割合によって算定するのが相当である。

本件譲渡有効株式の適正譲渡価格は、DCF法による算定価格が1株2980円、配当還元法による算定価格が1株158円であるから、これを85対15の割合で加重平均して、1株2556円と認めるのが相当である。

本件株式譲渡は、原告の収益の源泉である乙山社に対する支配権を被告らに移すという個人的利益を図る背任の意図をもって、1株2556円の乙山社株式を1株100円で譲渡した廉価売却であり、被告らは、原告に対し、乙山社に対する支配権を失わせるという重大な損失を与えたのであるから、本件株式譲渡当時、別表2株式譲渡一覧表番号1及び2の甲野商店への譲渡による利益及び節税効果による利益が生じていたとしても、その判断過程にも判断内容にも著しい不合理が認められることは明らかである。

したがって、被告らは、取締役としての任務懈怠の責任を免れない。







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Last updated  2013.07.24 17:14:05


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