どこかで聞いたことがあるでしょう。もちろん、
すでにご存じの方もおられるでしょう。
落語からきているようですね。
ある日、大工さんが3両のお金を落としてしまいます。
たまたまそれを左官屋さんが拾い、大工に返そうとします。
しかし、プライドが許さないのか、大工は受け取りません。
ケンカになり、大家さんまで巻き込むことに。
たまらず大岡越前守奉行の裁きを受けることになります。
すると、
お奉行様は自分の1両を出し、計4両を大工と左官屋とで2両ずつ分けろと言います。
これで3人みなそれぞれ1両ずつ損をしたと、うまく収めた話です。
※一両を現在の価値に換算すると10-12万円。千両箱 ≒ 1億円です。
個人的には一番損をしたのは奉行様で、次は大工さん。
得をしたのは左官屋さんだと思いますが・・・
とにかく一度起こった紛争事は、それぞれ誰もが損をしていると思います。
近いことで、日常に起こるさまざまな出来事も、しっかり丸く収まるというのは極々稀なことで、大体が不満を残していくと思います。
キャンディーズってグループがありました。
1977年7月、日比谷公会堂のコンサート終了時に、私たち解散します。と突然の爆弾宣言。
「普通の女の子に戻りたい!」が当時の流行語にもなりました。
1978年4月に解散コンサートを行いました。
キャンディーズは「ラン」「スー」「ミキ」の三人グループ。
「私たちは三人。だから苦しさは3分の1、嬉しさは3倍」と何かに書いていました。
そう考えると確かに気持ちの負担は減るだろうと思います。しかし、もし三人が争えば。
悔しさは3分の1では済まないと思います。また三人合わせても3倍では足りないだろうと思います。
それだけ人の不満というのは、はけどころのない、厄介なものだと思うんです。
さっきタバコを買いにコンビニへ行ってきました。
店を出ると、私の歩く駐車区画に車が入ってきます。それも結構なスピードで。
見ると、70代くらいのじいちゃんが運転しています。
私は「歩行者」なので、優先だと思いましたが、あまりのスピードだったので一旦立ち止まりました。
すると車も一旦は止まったものの、すぐに私との間をグイっと詰めてきます。
もし、そのまま立っていたら正直、ひかれるかと思いました。
ひかれれば、故意の事故だから保険金はおりない。
では私の自動車保険で弁護士特約を使って賠償請求するか?
とか、余計なことが頭を巡ります。その間、じいさんとはにらみ合い。
私が歩きだして車は駐車区画に納まりました。
本当なら、車は歩行者を優先するべきです。
なのに、そんなちょっとしたことでお互いが不快な思いをします。
しかもその頻度が近年、増えてきたと思うんです。
このブログのカテゴリ、“通勤”にもよく書いています。
思うに、
譲り合いの気持ちがなく「自分だけ得すればいい。」という考えが横行している。
そんな世の中になった気がします。
安倍内閣になって5年、株価は2倍に、景気は好くなったといいますが、人々の心はどうでしょうか。
余裕があるんでしょうか。
人々が余裕をなくしているような、この先不安な世の中です。
関連記事:2017/11/23「 余裕 」
タグ: 三方一両損