捉え方によって、印象や行動は大きく異なる。


とくに仕事においては、命令を受けたらすべて迅速に対応したい。
時間が有限である以上平等に行動できるとは限らず、そのような場合、どのような基準で行動の優先順位をつけるであろうか。
あるいは、複数の異なる意見が出されたとき、どう対応するであろうか。
例えば、同じセリフでもそれを発する人によって受け取る印象が異なることはないだろうか?
以下の事例を見てほしい。

【事例1】
同僚)この作業、なるべく早くやってもらっていい?
上司)この作業、なるべく早くやってもらっていい?

【事例2】
友人)女は金についてくる!
金持ち)女は金についてくる!

【事例3】
年収100万円の人)世の中、金じゃない!
年収1億円の人)世の中、金じゃない!

まったく同じセリフだが、口にした人の立場や地位によって印象が異なるだけでなく、自らの行動も変わってくる人は少なくないのでは。
それは、男女1500人を対象に質問した以下のアンケート結果からも明らかだ。

【質問】
同じ内容の発言でも、偉い人が言った場合と自分と同じような立場の人が言った場合では、捉え方が大きく変わるのか?

変わる:55.7%
変わらない:44.3%

半数以上が相手によって捉え方を変えるという結果が得られた。
44.3%は誰が言ったとしても捉え方を変えないことに驚かれる方も多いのではないだろうか。
こちらの調査、さらに深く掘り下げてみると、仕事ができる人や出世している人は、相手の立場によって発言の捉え方を変えているのか否かを調査してみた。
結果は以下のとうりだ。

【質問】
「同じ内容の発言でも、偉い人が言った場合と自分と同じような立場の人が言った場合では、捉え方を大きく変える」と答えた人の割合

自分は仕事ができるほうだ:61.6%
自分は仕事ができるほうではない:53.1%

自分は出世しているほうだ:64.5%
自分は出世しているほうではない:54.4%

面白い結果が出た。
仕事ができる人、出世している人は「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」を重視して物事を捉える傾向が強く、世の中、権力を得るためには言葉ではなく権威に屈したほうがよい、ということなのだろうか。
もしこの結果があらゆる場面で真実だとすれば、偉い人の意見はより通りやすくなり、偉くない人の意見はよりないがしろにされる構造がどんどん強化されることになる。
一方、権威に屈せず自分の信念を持って生きる人は、出世しにくく仕事もできない。
世の中そんな単純な話ではないものの、この結果は現実の一つの傾向として頭の片隅に入れておいても悪くないのかもしれない。

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さがら
経済学などを学び、国内で起こる様々な情報や事件、事象などをとりあげている。 また、海外ではアジアを中心にしたテーマを発信しているオリエンタルブロガー

2020年05月25日

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