「欲しいのは貴方じゃない」


2011年01月31日投稿。




それは突然の申し出だった。あまりに突然過ぎて一瞬息をするのも忘れていた。
きっとあの子は羨むだろう。
そんなことをぼんやり考えながら、その突然の申し出にどう言葉を返すか、その突然の申し出に、どう言葉を返したら傷付けずに済むか、を、考えていた。
と、ここまで考えて、苦笑いする。
何だ、自分の中ではもう答えがはっきりしてるんじゃないか、と。
だから肩を竦めて言った。

「私が欲しいのは貴方じゃない」

驚きの後、傷付いたような表情。
あの子は怒るかもしれない。大切な人を傷付けられたと、自分勝手に怒るかもしれない。
なら、それでいいや。
傷口を抉らなければ、その傷はあの子にとってそれを得る手段になるから。
それに、

「欲しいものには、嘘は吐けない質なのよ」











※「無意味な言葉が僕の翼になる」と並行して某所に投稿していた作品です

2019年10月16日

この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/9314453
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
プロフィール
最新記事
最新コメント
写真ギャラリー
タグクラウド
<< 2024年12月 >>
1
2 3 4 5 6 7
8
9 10 11 12 13 14
15
16 17 18 19 20 21
22
23 24 25 26 27 28
29
30 31
検索
カテゴリーアーカイブ
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: