終戦の日が過ぎて、改めて戦争について考えてみた。
1945年8月6日、広島に原子爆弾「リトル・ボーイ」が投下された。
(「リトル・ボーイ」=Little Boy。第二次世界大戦においてアメリカ軍が広島市に投下した原子爆弾のニックネーム、いわゆる「広島型原爆」。分類番号はMark 1。安全性に大きな問題があった為、作られなくなったとされる。)
1945年8月9日、長崎に原子爆弾「ファット・マン」が投下された。
(「ファット・マン」=Fat Man、「太った人間」の意味。第二次世界大戦においてアメリカ軍が長崎市に投下した原子爆弾。分類番号はMk.3。リトルボーイが高濃縮ウランを用いたガンバレル型の原子爆弾であるのに対して、ファットマンはプルトニウムを用いたインプロージョン方式の原子爆弾。戦争終結後も製造が続けられ、1940年代のアメリカ軍の核戦力を担っていた。)
“日本の歴史”では、1945年8月15日が第二次世界大戦の「終戦の日」とされている。
でもそれぞれの国の都合でその解釈は異なっているようで、
アメリカ合衆国、イギリス、フランス、カナダ、ロシアでは9月2日を対日勝戦記念日(英語版:Victory over Japan Day)としている。
ソビエト連邦(現ロシア連邦)では対日戦勝記念日を9月3日、
また中華民国(台湾)と中華人民共和国でも同じく9月3日を「軍人節」や「抗日戦争勝利の日」としているが、
支那派遣軍岡村寧次司令官が中国国民政府と降伏文書調印した9月9日や日本の終戦の日である8月15日を対日戦勝記念日とすることもある。
また大韓民国では8月15日を「光復節」として、日本による朝鮮半島統治からの「解放」を祝う日、そして北朝鮮も同様に8月15日を「祖国解放記念日」として祝っている。
という事のよう。
ただ一つの歴史を扱うだけでも色々な解釈がある。
日本人同士でさで分かり合えない事もよくある。
国を越えて全世界が理解し合うなんて不可能なのかもしれない。
色んな環境で暮らし、生きながら色んな事を学び、色んな宗教があって、常識や価値観も全く違う。
全世界が分かり合って世界平和が訪れるのが難しいのは、仕方の無い事なんだろうな、きっと。
その土地に合った生き方や脈々と受け継がれてきた感情、経験した苦労や痛みは、その本人にしか分からない。
私は戦争を経験していなくて、その悲惨さ、無惨さ、無益さを身をもって知っているわけではない。
学校の授業で勉強しただけで、もしかしたらそれは、日本政府にとって都合の良い部分しか教わっていないのかもしれない。
おばあちゃんに戦時中の話を聞いたり、TVで放送できるレベルの番組を視て知ったくらい。
でもそれだけで充分。
戦争は嫌だ。
人間が人間を殺すという事だけが目的の、こんな悲劇は無い。
生物は弱肉強食。弱ければ生きられない。
自分が生きるために、他を食べる。自分が生きるために、他を犠牲にする。
生まれた時点で弱ければ、自然に淘汰されてしまう。
でも人間は、他の生物とは違う存在になれる可能性を授かった。
高度に発達した脳があって、豊かな感情と知性、理性がある。
よく社会の教科で原子爆弾について学ぶ時、「人類は地球を破壊しうる力を手に入れてしまった」という話を聞いた。これからの地球がどうなっていくかは、人間の自己制御にかかっていると言っても間違いではないと思う。
一昔前は「人間が自然をコントロールできると思うのは傲慢だ」と言われてきて、それは今でも全くその通りだと思う。
未だに気象情報で天気をピッタリ言い当てるのは難しいし、地震の発生を予知するのも出来ていない。大津波や色んな自然災害が発生する度、人間の無力さを再確認する。
でも「破壊」という事に関しては…人間は自然を完全に破壊できてしまうと思う。
地球を完全に狂わせる力を、既に手に入れてしまっていると思う。
創り上げたり守っていくのは難しいけど、壊すのは簡単なんだ。
本日は、戦争について考えさせられる音楽のご紹介。
1曲めはアメリカのバンドSmile Empty Soul (スマイル・エンプティ・ソウル)の『This Is War(=これが戦争だ)』。
以前にSmile Empty Soulをご紹介した時 はMVの映像がショッキング過ぎて載せられなかったけど、
今回は改めて戦争の悲惨さ、無益さについて考える機会として。
(かなりショッキングな映像が含まれるので、ご視聴はご注意下さい。)
『This Is War』 (Video) Album Version audio for internet use only by Smile Empty Soul
歌詞の和訳が無いので、一部を自分で解釈してみた↓↓
(引用ではありません。間違っているかもしれないのでご参考まででお願いします。)
“ 俺は本当に何の変哲もない男
決して何も傷付けたくはない
でも俺達はここに居る
俺達のリーダーには計画がある
彼らの役に立てるなら俺はただ殺そう
今 俺達はここに居るんだ
砂を踏みしめて足が痛む
なのに俺は手に銃を抱えてまだ行進している
だってこれが戦争なんだ
こんなはずじゃなかった
もっともっと生きたかった
でもこれが戦争なんだ ”
どこかで読んだ戦争のコラムを思い出してしまった。
—「今の時代と同じようにアイドルに旗をふっていたような10〜20代の男の子が、いきなり銃を渡され、戦地へ送り出された。」
『This Is War』はSmile Empty Soulのセルフ・タイトル・アルバム「Smile Empty Soul」に収録↓↓
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発売元:Lava
発売日:2003年06月02日
<トラックリスト>
1. Bottom of a Bottle
2. Silhouettes
3. Nowhere Kids
4. This is War
5. Therapy
6. For You
7. Your Way
8. The Other Side
9. Every Sunday
10. With This Knife
11. Radio in a Hole
12. All My Problems
13. I Want My Life
14. Eraser
2曲めは同じくアメリカ出身のバンドLinkin Park(リンキン・パーク)の『What I've Done(=俺がした事)』↓↓
『What I've Done』 (Official Video) by Linkin Park
この曲はLinkin Parkのメンバーの話によれば
この曲の歌詞は、自由、芸術、そして死のメタファーなど、さまざまな事象について語るものとして意図されているとのこと。
(メンバー楽曲解説訳より引用)
確かに「さまざまな事象について語るもの」というお話通り歌詞は抽象的で、意味がはっきりと分かる感じではない。
ただ「やってしまったことのために 再び始める」とか「俺のしたことを手放す」、「俺のしたことを許している」といった表現は、
映画「スパイダーマン2」での一幕を思い出した。
大切な人MJ(メアリー・ジェーン)を傷つけてしまって、どうしたら良いか分からなくなってしまったピーター・パーカーにメイおばさんがかけた言葉…「いちばん難しいことからはじめなさい。自分をまず許すのよ」。
戦争という憎しみや悲しみの“負の連鎖”を断ち切るには、まず誰かが相手を「許す」という行為を実行できなければ、永遠に終わりは来ないのかもしれない。
自分の大切な人やモノを奪われてそれを実行するのは本当に大変な事だと思うし、仕返しをしたくなるのが普通の感情だとは思うけど…。本当に、すごくすごく難しいと思うけど…。
それから、相手を許すのに加えて「自分も許す」。
大きな過ちを犯してしまった自分を許すなんて、本当に難しい。それって例え方がおかしいかもしれないけど、何か政治でミスをしてしまった政治家が「責任を取る方法」でもあるように思えた。
日本では不祥事があると「責任を取って辞任」となるけど、他の国では「責任を取る為にミスを取り戻す」。その為には自分のミスをいつまでも責め続けて萎縮してしまうのではなく、ある意味ミスしてしまった「自分を許す」からそこ、自分の職務や責務に集中できるのではないか、と。
戦争でお互いに過ちがあった事は確かで、でもそれをただ責め、悔い続けているだけでは進まない。それに今を生きる人たちは、おそらく大半近くがもう当事者ではなくなっている。生まれる前にあった出来事の責任を負えと言われても、自分たちにはどうしようもなかった事だ。
日本にこの世の地獄のような悲劇をもたらした原子爆弾を投下したのはアメリカという国。それは本当に酷い、恐ろしい事だったとは思う。そして戦時中には、他にも沢山の苦しみがあったのだとは思う。
でも私はアメリカを憎んでも恨んでもいないし、アメリカ出身のバンドSmile empty soulやLinkin Parkも全く嫌いじゃないし、YELLOWCARDは本当に大好きだし感謝すらしている。
良いのか悪いのかは分からないけど、自分個人としてはそれはやっぱりもう「過去の事」なんだと思う。当事者じゃないから、そう言えるのかな…。
戦争が泥沼化していて、アメリカも日本ももうぐちゃぐちゃで、何が正しいとか誰にも分からなかったんじゃないだろうか。今振り返っても、正解なんて無いかもしれないけど。
かつて日本の支配を受けたアジアの国々で今を生きる人たちが、同じように「過去の事」と思ってくれるかは分からない。それに自分の国、日本が酷い事をしてきた歴史というのは絶対に忘れてはいけない事だと思うし、相手の方々がどのような思いを抱かれているのかという事に対する配慮は絶対に必要だと思う。
それでも昨年、戦後70年として発表された「内閣総理大臣談話」にあった言葉…
「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」
には私はすごく共感を覚え、初めて(←失礼)安倍首相にポジティヴな感情を抱いた。
数日前、実家に帰省して甥っ子たちに会ってきた。6歳と2歳の元気な男の子2人。
その子たちもこれから戦争の歴史については絶対に知るべきだとは思うけど、その「責任を負う義務」は無いと思う。
『What I've Done』 はアルバム「ミニッツ・トゥ・ミッドナイト」に収録↓↓
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発売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2007年05月16日
<トラックリスト>
1. Wake
2. Given Up
3. Leave Out All The Rest
4. Bleed It Out
5. Shadow Of The Day
6. What I've Done
7. Hands Held High
8. No More Sorrow
9. Valentine's Day
10. In Between
11. In Pieces
12. The Little Things Give You Away
13. Faint…フェイント(ライヴ)(日本盤のみボーナス・トラック)
https://youtu.be/U4neg-vF7cs
3曲目は邦楽アーティストGReeeeNの『no more war』(=「これ以上、戦争はいらない」といった感じの意味)。
『no more war』 by GReeeeN
『no more war』の歌詞の参照 (※一部異なる話題が含まれます)
いつもはまっすぐで、素直で明るい感じのGReeeeNが珍しくシニカルな感じの曲。
どこか冷めて乾いているような雰囲気から、サビでは彼ららしく体温・熱が戻る感じがする。
そしてこの曲の歌詞について考えると、本当に切なく悲しくなる。どこの世界でも犠牲になるのは子供たち。
日本では戦後71年、批判や問題はあっても戦争の無い“平和”はとりあえず続いている。
それでも世界のどこかでは、戦争が起きているという「現在進行形」。
“今日もテレビの中じゃ戦争”
“冷たい雨に打たれる子供が 今日もまた一人死んでいく状況”
“荒れ果てた大地 無惨な過去 また繰り返し続けるただのアホ”
“平和を知らない 子供がほらね
平和の向こうで見てる僕らに笑うよ”
(『no more war』の歌詞より引用)
生まれた時から戦争が起きていて、そういう日常しか知らない子供も居る。
「平和」という概念も、言葉も知らない子も居るかもしれない。
お父さんやお母さんが目の前で殺されてしまったり、明日の我が身もどうなるか分からない。
それなのに「明日はきっと皆笑えるかな?」…
『no more war』はアルバム「あっ、ども。おひさしぶりです。」に収録 (通常盤) ↓↓
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発売元:NAYUTAWAVE RECORDS
発売日:2008年06月25日
<トラックリスト>
1. SUN SHINE!!!
2. またね。
3. キセキ
4. 君想い
5. 人
6. サヨナラから始めよう
7. 地球号
8. 旅立ち
9. no more war
10. BE FREE
11. ボヨン科ボヨヨン歌 〜愉快な大人達〜 feat.2BACKKA & ユナイトバス
12. 涙空
4曲め、最後の曲は邦楽バンドONE OK ROCK(ワン・オ・クロック)の『Be the light』(=「光であれ」といった感じの意味。)
『Be the light』 by ONE OK ROCK [Official Music Video / 日本語 字幕]
この曲は、東日本大震災や世界各地で起きている悲しい出来事に想いを馳せてONE OK ROCKが作った曲。
いつかのライヴでこの曲を歌う前に、ボーカルのTakaさんは「世界中で起きている悲しい出来事っていうのは、俺たちがどんなに願っても、決して無くなる事はないと思います。それでも皆一人一人が気持ちを強く持って、皆が周りを照らす光になれるように。」といった感じのお話をしていた。
Takaさんはアーティストとしてミュージシャンとして色んな事に挑戦し、バンドを引っ張っていく革新的リーダーのような存在だけど、
リスナーや一般の人々へ放つメッセージにおいても新しい概念を提供する、時代の先導者的人でもあるように思う。
上のMCもそうだし、ライヴする時、「俺達がお前らにただ与えるんじゃなくて、お前らもこれ(ライヴ)が終わって帰ったら、誰かに何かを与えられる存在になって欲しいんだ」という話もけっこうする。
それを初めて聞いた時の私は「すごく新しい感覚を持ってる人だなぁ。」と思った。一人一人に主体性を意識させるような、新しい形のリーダーのように思った。
そしてリーダーの存在は一人である必要は無い。日本各地に、その場所その場所で輝くリーダー達が居たら、どんなに素敵だろう。Takaさんの言葉には、一人一人が輝こうとする気持ちに気付かせる何かがあるような気がした。
そしてONE OK ROCKの音楽や在り方そのものが、希望を持ちにくい現代を生きる若い人々を初め大人にまで主体性や能動性と言うのか…「魂を熱くする何か」を与えてくれているように思う。
話が戦争の事から逸れてしまったけど、この曲のMVを視ると、未来への大きな光はやっぱり子供たちなんだという気がする。
悲しい出来事を完全に無くすことは出来ないかもしれないけど、過去の戦争には無関係な子供たちに、より明るい未来がやってくることを願う。
完全に分かり合う事は不可能かもしれないけど、お互いに可能な限りの妥協点を探したい。人間には、それができるはずって思いたい。
でも願いだけでは変わらないから、自分に出来る何かを探して小さな事でも実行していこう。
自分もきっと、小さな光になるんだ。
『Be the light』はアルバム「人生x僕= 」(=ジンセイカケテボクハ)に収録 (通常盤) ↓↓
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発売元:A-Sketch
発売日:2013年03月06日
<トラックリスト>
1. Introduction~Where idiot should go~
2. Ending Story??
3. ONION!
4. The Beginning ※映画「るろうに剣心」主題歌
5. Clock Strikes
6. Be the light
7. Nothing Helps ※PS3/Xbox 360用ソフト「DmC Devil May Cry」イメージソング
8. Juvenile
9. All Mine
10. Smiling down
11. Deeper Deeper ※SUZUKI SWIFT SPORT CMソング
12. 69
13. the same as... ※映画「グッモーエビアン」主題歌
邦楽ロック
男性アーティスト
GReeeeN
no more war
あっ、ども。おひさしぶりです。
Smile Empty Soul
This Is War
Linkin Park
MINUTES TO MIDNIGHT
ONE OK ROCK
Be the light
人生x僕=
洋楽ロック
What I've Done
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