自分がそれを知ったのは21日の早朝、ヤフー・ニュースにて。そしてその死因は、自宅での首吊りによる自殺と報じられていた。
あまりにも衝撃的で意味が分からなくて…
だってもうすぐ来日して、ワンオクと一緒にライヴしてくれるはずだったのに…。
Linkin ParkがTakaさん(バンドONE OK ROCKのVo.)と対談したっていうのが雑誌に載っていたの見たばっかりだし、ネットの動画でも対談の様子がアップされてたりして。自分の大好きな2つのバンドがこんな風に仲良く語り合って、そしてお互いに刺激し合ってて、すっごい素敵だなぁって思ってたのに。
Takaさんも、Linkin Parkは自分がバンドをやるキッカケとなった憧れのバンドで、対バンできるなんて夢みたいだってすっごい嬉しそうにしていたのに。
7月20日は、今年5月に自殺されたチェスターさんの親友のお誕生日らしい。
梅雨も明け、これからが夏本番で、空が一年のうち一番エネルギーに満ちた「大空」になるようなこの時期。
私は「夏はやっぱり良いなぁ」なんて思いながら、その青の深さと雲の白のコントラストに喜びみたいな感情を抱いて過ごしてた。
—こんな悲しい事件、全然似合わないよ。大空に雲が広がって、覆い尽くされてしまいそうだ。
それから数日、チェスターさんが本当に亡くなってしまったようだ、と少しずつ分かってきたような気がする。
彼の死を知ってから、私の頭の中ではLinkin Parkの『Leave Out All The Rest』がなぜか流れ続けている。
チェスターさんは、私の中では世界で一番くらいに魅力的な歌声を持つヴォーカリスト。
自分の大好きな日本のロックバンドにも、魅力的な歌声を持つヴォーカリストの方々は沢山居るけど。
自分の知る限りでは先述のONE OK ROCKのTakaさんもそうだし、SPYAIRのIKEさんや、coldrainのMasatoさんも、チェスターさんには大きな影響を受けた、とインタビューとかで語っていたのを見た事がある。
彼の持ちうる魅力は、激しいシャウトやスクリーミングのカッコ良さと、叙情的で繊細な美しい歌声の両方を最高レベルで併せ持っているところ。そして更に、その行き来をライヴでも聞き劣りさせるような事なく再現してしまうところ。
彼の声を一瞬でも聞いたら、きっと殆どの人が心を持って行かれてしまうと思う。
『Leave Out All The Rest』は激しさの表現は無いけど、彼の繊細な美しい魅力が溢れた素晴らしい曲↓↓
Leave Out All The Rest (Official Video) - Linkin Park
ライヴでの歌声にも、本当に惹き込まれてしまう↓↓
Leave Out All The Rest [Live at Milton Keynes] - Linkin Park
彼のように激しさと美しさの両方を表現し、その対比で緩急をつけるような方法というのは、近年では珍しくは無い。
でもそのスタイルを先駆者的に確立し、そして未だにどのフォロワーの追随も許さないような素晴らしい魅力に溢れているのがチェスターさんの歌声だと思う。
それが…亡くなってしまったなんて。
勿体無さ過ぎる。
でもチェスターさんの生い立ちについては、多少の知識はあるから。だから、私はもっともっと彼の魅力的な歌声が聴きたかったけど、自分のエゴで「なんで死んじゃったの」とは言えない。
きっと、彼にしか分からないような苦悩があったんだろうな…
幼少期に受けたと言われる近親者からの性的虐待とか、少年期の両親の離婚とか…。
多感な時期に受けたそういう精神的な大きなダメージは、なかなか克服できるものでは無いのかもしれない。
他にも親友の自殺とか、いっぱい辛い事が重なっちゃったのかな?
自殺の動機は分からないみたいだけど、チェスターさん辛かったんだ…。
今は、少しは楽になれたのかな? せめて、そうだと良いな…
チェスターさんは激しくシャウトしたりスクリーミングしていても、いつも線が細く見えた。
全身全霊で攻撃的になろうとしていても、どこか弱さを感じさせた。
『Leave Out All The Rest』の歌詞は、チェスターさんの作詞なのか他のメンバーさんの作詞なのか分からない。
でもこういう状況で聴くと、私はチェスターさんの姿を重ねてしまう。
チェスターさんが行方不明になって、そのご友人やファンの方々が心配をしている、そんな“夢”をチェスターさんが見ている。
そんな夢を見た事を周囲の人に伝えても、笑い飛ばされてしまう。
チェスターさんは夢の後、恐怖していたのに。
“俺は何を残すのだろう ここで終わりを迎える時”
“その時が訪れたら 俺の過ちは忘れて”
“空しい気持ちになったら 俺を思い出の中に留めておいて”
(『Leave Out All The Rest』の歌詞の公式和訳より一部を引用)
チェスターさんの魂というものがあるのだとしたら、今は何を想っているのだろう。
「俺の事、忘れないでくれ」とかなのかな??
あんなに素晴らしかったあなたの事、誰も忘れない。 皆の心の中に生きている。
あなたという人が沢山の人々に与えた影響は、すごくすっごく大きかった。 絶対!
“うわべは強い俺だけど 奥まで強いわけじゃない”
“巧みに隠す事を学んだ内面の痛みすべてを 偽る
俺が馬鹿な真似をしないように誰かが助けに来てくれると”
(『Leave Out All The Rest』の歌詞の公式和訳より一部を引用)
チェスターさんは激しい自分を表現する事で、「うわべは強い俺」って思ってたのかな? 確かにそのエネルギーはすごかったけど、でも私にはうわべも弱く見えた。
なぜなんだろう? 常に葛藤が奥底からにじみ出てるみたいに感じたのかな? 激しさの中に悲しみや苦しみが見え隠れして…。
でもミュージシャンになりたいっていう夢を、Linkin Parkにオーディションを受けて加入して(加入時は違うバンド名)、最初はレーベルとの契約もなかなかできず、そしてバンドとしても売れずに辛い時期を過ごし、長い下積みの末に「モンスターバンド」と呼ばれる程の成功を手に入れて叶えた。
バンドメンバーとの信頼関係も築けてるように見えて、そして結婚もして子供もできて、色んなものを手に入れられた様でも。拭えない何かが…彼の中にはあったのかな。
『Leave Out All The Rest』が収録されているアルバム「MINUTES TO MIDNIGHT(ミニッツ・トゥ・ミッドナイト=真夜中まで数分)」↓↓
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ミニッツ・トゥ・ミッドナイト
ミュージック
発売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2012年06月20日
<トラックリスト>
1. Wake
2. Given Up
3. Leave Out All The Rest
4. Bleed It Out
5. Shadow Of The Day
6. What I've Done
7. Hands Held High
8. No More Sorrow
9. Valentine's Day
10. In Between
11. In Pieces
12. The Little Things Give You Away
13. Faint (Live) (Bonus Track for Japan)
いくら自分の中でチェスターさんの事を想ってみても、それは全部憶測で…そして彼が還って来る事も無い。
ただただ悲しいです。
美しさに魅了されていました。
尊敬していました。
沢山の素晴らしい感動をありがとうございました。
チェスターさんの遺して下さった魂の芸術の数々は、私の…そしてきっと本当に沢山の人々にとって永遠の宝物です。
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