対中国における悪夢のシミュレーション第3シナリオ「沖大東島失陥」

『対中国シミュレーションにて重大な見落しがないか?』

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最近、対中国の紛争などにおけるシミュレーションを取り挙げる書物が多くなっています。

シミュレーションにおいていずれも分析及び検討が行われています。

しかし、どこか見落としている部分があることに気が付きました。

どれも、尖閣諸島・宮古島・八重山諸島周辺での検討です。

私として戦略上重大な見落とし部分としてあげたいのが、沖大東島の扱いです。
自衛隊で最近行われるようになった中国との合同演習について
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(1)なぜ沖大東島が対中国戦シミュレーションから抜け落ちているのか?
まずは沖大東島の場所について確認しましょう。

図1 日本の排他的経済水域
記事4-1 1.png
引用URL:http://kuon-amata.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2013/12/01/ryokai_setsuzoku2.png

この中で、沖縄の東にある大東諸島の一番南に沖大東島が存在します。

図2 沖大東島の写真
記事4-1 2.jpg
引用URL:http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/c4/ba0590e5c399e0ca9054c7bc5d3e7687.jpg


多くの対中国シュミレーションにおいて、いろんなシナリオの検討が行われています。

どれも軍事的な理論に基づき、冷静に検討がされています。

しかし、どの検討にいても考慮されていないのが沖大東島の存在です。

どうして沖大東島がシミュレーションから抜け落ちているのか?

それは、
『中国との対決が第一列島線内にて行われ、海峡突破は起きないだろう』
という固定観念がどこかにあるのではないでしょうか?

シミュレーションを行う場合、あらゆる可能性を否定せず発生する事態を検討するべきです。

ここで考慮すべき事態は、沖大東島等への中国漁船団の台風避難による襲来です。

図3 中国漁船団が避難する可能性のある地域
沖大東島の可能性.png
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(2)尖閣諸島攻略のための第2戦線『遭難漁船救援隊派遣』

対中国シミュレーションにて最大のテーマとなるのが尖閣諸島です。

私が中国海軍の作戦参謀であれば、尖閣諸島攻略時に相手国(日本)の戦力を分散する作為を必ずします。

それは、決して軍部隊でなくても良いのです。

海上民兵部隊による、相手の行動を鈍らせることが出来ればよいのです。

沖大東島への中国漁船避難は現実的にありうる話です。

実際に2013年五島列島に中国漁船が台風避泊を理由に大量に押し寄せています。

2014年には小笠原列島父島沖にも台風避泊にて漁船団が押し寄せています。
図4 五島列島に避難した中国漁船
台風避難の中国漁船.jpg
引用URL:http://www.sankei.com/images/news/141107/wst1411070021-p1.jpg

前記の2か所と違い、沖大東島は停泊箇所がある無人島です。

台風から避難して来た中国漁船襲来事態に対しては、当然救援を差し向ける必要があるでしょう。

対処するのは平時であるため、海上保安庁の仕事になります。

また中国側も、中国海警局の船舶により救援部隊を送ってくるでしょう。

海上遭難は、国籍を問わず最優先で行うのが、海の慣習です。

この時近くにいる。自称民間船?(という名の軍艦)からも救援がくるでしょう。
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(3)そして沖大東島に「八一軍旗」が掲げられる・・・

この時に自称民間船から、クリミア半島で起きたような「親切な人たち」が救援した場合どうなるでしょう?

彼らは併せて救援を示す証として、沖大東島に旗を掲げていきます。

そう、このように・・・・
図5 (想定)沖大東島に掲げられる八一軍旗
中国占領.jpg
救援に行った海上保安庁は、急きょ沖大東島に上陸しようとしますが銃撃を受けて撤退します。

ここまで平時の状態であるため、自衛隊は法律上動きが取れません。

当然、非難声明などが出されるでしょうが、中国側はあくまで正体不明の集団と抗議を受け付けません。

そして沖大東島にいる、「正体不明の集団」を確保する目的で事態が動き中国艦隊が宮古島沖の公海海峡を突破していくでしょう。

この時自衛隊は、防衛出動下令どころか武力攻撃事態の認定さえ受けていない状況になります。

このような有事/武力攻撃事態となる前に、領土の一部を失陥するという可能性があります。

現状の中国に対するシミュレーションでは、このような急変するグレーゾーン事態が考慮されていません。

今回、対中国シミュレーションの一例として他では考えられていないシナリオを用意しました。

私も現職時代に演習作戦研究で似たシナリオを提示されたことがあります。

可能性がある場合、その可能性に対する処置を十分することが求められます。
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2020年02月06日

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