あらすじ
表層的には豊かに見える平和ボケしたこの街で、虚無感を抱え、底辺を生きる「はみ出しもの」の人間たちの不毛な戦いと裏切り、束の間の栄枯盛衰の物語
高齢者を狙った詐欺グループのリーダーの男は、ある日、懇意にしているヤクザの一人に呼び出され、組織拡大という無理難題をふっかけられる
断ることもできず、グループの腹心らと言われるがままに手を広げていく
老人たちの身も心もズタボロにした彼らに待ち受ける運命とは
ーーーーー https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/22_paradise.html 参照
感想
本日の会場は、今年2回目の シアターコクーン。
なんだか物語の内容と同様に虚無感を覚えてしまいました。
彼らがなんでメリットもないことをしているのか全く理解できませんでしたが、観劇後には、彼らの感じていた虚無感を知ることができたので、少し同情してしまう部分がありました。
世の中についていけず、疎外感を覚え、そして何も刺激のない人生に退屈ささえ感じ、刺激を求めてしまう。
気づいた時には、取り返しのつかないとこまで来てしまっているのがオチなんです。
ただ、これが彼らの感じている虚無感なのかと知ることができて不思議な気持ちにもなれました。
人生楽しくないんだろうな、と思ってしまいます。
これを舞台を通して伝えるってすごいなとも思いました。
舞台上でもただシーンが流れていっているような感じでした。
なんの代わり映えのしない毎日があるだけ。
彼らが生きる日々を生々しく感じることさえできました。
表面上はどんなに平和に見えたとしても、裏を覗けば全然違う結果が待っているのかもしれない。
ただ世の中にはそれを見て見ぬふりをする人ばかりなんです。
裏と表の世界での歪みを巧みに描かれていて、振り返ってみればとても面白い作品だったのですが、上演中はとてもそう感じられませんでした。
彼らだけが知ってしまっている世界。
私が自主的にその世界を知る前に、舞台から、そして第三者の目線から知ることができて良かったです。
彼らに待っている結末が誰も幸せになれないことを知りました。
彼らが求める刺激が取り返しのつかないものになることを知りました。
平和ボケしているくらいがちょうど良いことを知りました。
求めすぎるのはいきすぎると傲慢さを極めることを知りました。
正直、上演中の記憶は少ないです。
ただこの舞台からこんだけのことを知れました。
もう一回観たいかと尋ねられたら、 迷わず、Noというでしょう。
ただ観て良かったと思います。
そして明日は横浜でまた違った舞台を観劇予定なので、移動開始です。
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